エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

制作 : ヴァルター・トリアー  池田 香代子 
  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
3.93
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  • レビュー :93
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140187

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))の感想・レビュー・書評

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  • ベルリンの少年探偵たちに万歳!

    エーミール、グスタフ、教授といった個性豊かで魅力的な少年たちが活躍する。冒頭も面白い。お話の世界(エーミールの世界)が現実(作者のいる世界)と繋がる瞬間が面白い。

  • なんて素敵な即席の探偵団!
    こういう行動力や結束力はこの年頃の男の子ならではという感じがして、少し憧れる。
    最後、おばあさんがディーンスタークの働きをしっかり分かっていて、称えているところが良い。
    どんなに地味な仕事であろうと、誰かが見ていてくれる、分かってくれている、と信じたい。

    新しくできたばかりの友人にも、何の衒いもなく母親への思いを素直に話せるエーミールはとても格好良い男の子だ。
    四の五の言わずにエーミールに協力するグスタフももちろん。
    この作品に描かれている子ども達はみんな、私が子どもの頃には残念ながら持ち得なかったような、
    格好良くて素敵な面を持った子ども達だ。
    子どもの頃に戻ることはできないが、ディーンスタークの地味な働きをちゃんと見ていたおばあさんのような大人になることはできるかもしれない。
    そう思えば、子どもの頃にこの作品と出会えなかったのは残念だが、今ようやく出会えたことにもきっとなにか意味がある。

    「合言葉エーミール!」が頭から離れない。
    この言葉を思い出すたびにわくわくする気持ちが胸の中に浮かび上がってきそうだ。

  • 少年エーミールは一人で汽車に乗った。お母さんからお金を預かって、おばあさんのいるベルリンまで。しかし汽車のなかでお金を盗まれ、ひとりぼっちで泥棒を追いかけることになる。
    しかし心配はいらない。なんたってベルリンには、すばらしい「探偵たち」が住んでいるのだから。

    少年少女のとびはねる動作や、しゃべり方、息づかいが隣から伝わってくるような生き生きとした児童文学。ページをめくっている私まで一緒に走り出して、エーミールや探偵たちの一人になった気持ちで読みました。

    今の小学生って、忙しくて窮屈そうな子、けっこういますね。気ー遣いすぎて胃潰瘍になった小学生の話を聞きました。痛々しいなあと。

    この本に出てくるような子どもたちこそ、本当に「良い子」だよ。
    エーミールが「お母さん思いの良い子」なのだって、ちゃんと自分で決めて選んで、責任を持って良い子をやっている。自立する力は、本来子どもたちの中に根差しているパワーなんだと思います。親が子どもの替わりに考えることなんて出来ない。
    その子のペースで、その子に合ったやり方で、育っていけるといいね。

  • 子供の頃、ダントツで好きだった本の一つ。
    ウィットに富んだ文章とわくわくする展開の痛快な物語だけれど、その中に織り込まれた子供と親の悲哀、愛情が胸を打つ。
    この小説のことを思い出す時、私の頭に一番最初に浮かぶのは、犯人を捕まえるところではなく、追跡するところでもなく、汽車の客室でエーミールが泣く場面だ。
    それから、エーミールと教授くんが互いの家庭について話をする場面。
    楽観的で無邪気、という画一的な想像上の子供ではなく、地に足のついた子供の心情を描いた場面だと思う。

    子供の私が児童文学者の中で特にケストナーが好きだったのは、彼は優等生であろうとすることを否定しないからでもあった。
    児童文学の多くは、学校の成績など気にしない、もしくは勉強は不得意である子供には素敵な冒険が待っていて、優等生であろうとする子供はそれをただ見ているだけ、というパターンが多い。
    「長靴下のピッピ」などがその典型だ。
    それらの本が悪いわけではなく、全く逆で、私はそういった本も大好きだった。
    ただ、私は自分がピッピではなく、置いて行かれる兄妹の側であることをわかっていた。
    そして、実際優等生だったかどうかはともかく、そうあろうとしていた、というかそうあろうとするより他になかった私には、いつもそれらの本は喜びと共に痛みをもたらしたのだ。
    けれど、ケストナーはどういった子供にも物語を与える。
    エーミール、教授くん、グスタフ、性格の違う彼らそれぞれに、そしてこの本の素晴らしいところは、最後にもう一人、意外な子供を讃えるところだ。
    何度読んでも心を満たす、良い作品だと思う。

  • 私的岩波少年文庫Best3の一つ。
    私はこの本で正義感を学び身に付けた筈が、今では、、、恥ずかしくて再読出来ないかも。。。

    読んだのは池田香代子訳じゃなく、小松太郎訳。

  • はじまりの部分から、すごくわくわくした。
    きっと、ケストナー自身が、このお話を書くことが楽しくてしょうがなかったのでしょう。作者自身が新聞記者の役で登場するのですから。
    第二次世界大戦よりも前、もちろん携帯電話なんてもってない時代に、子供たちが協力してどろぼうを捕まえる、実にいいお話です。

  • 私がいま子供だったら、大人にそうするように接してほしいから

     少年探偵という言葉を聞いて連想するのは、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズだったが、そこに加えて今度からは、エーミールたちのことも思い出すことになるだろう。
     ベルリンの親戚の家に出かけたエーミール少年が、中途でお金を盗まれ、犯人の尾行、という探偵行為に出る。すると、あれよあれよという間に仲間たちが大集結し、綿密に計画を立てて、張り込みという素晴らしい仕事をやってのけるのである。日本の少年探偵物のような湿度がなく、明るくからりとした読み感だ。
     各シーンの特徴をよく表したイラストが、適時に挿入されているのも味わいがある。犯人の居場所を少年の大群が取り巻く眺めは圧巻だ。年少の読者が見たら、自分と同じくらいの年頃の子たちが健闘を讃えられる光景に熱くなるだろう。皆で力を合わせればそれだけの働きができる、ということは希望だ。
     刺激的な体験をしながらも、エーミールがおりに触れて田舎を思い、母親を想う様子も、好ましい印象を残す。これがマザコンと言うなら、子供のうちはマザコンくらいがちょうどいい。
     お母さんたちは、こういう本を子供の本棚にさしこんでおけばいいのではないか。また、なぜ、エーミールと探偵たちが少年少女を動悸させるのかを、保護者側も考えてみてはどうかと、生意気にも思う。

     子供の頃、子供好きの大人が苦手だった。大人に子供扱いされること、相手を下と見てなめてくる態度(今でもされることはある)が嫌だった。
     探偵をしたことは、エーミールにとって大きな出来事だったろうが、加えて楽しく読まされたのは、警察の人や記者ら立派な大人が、エーミールの話を大人にそうするような丁重さで聞いてくれるところだった。あるいは、ケストナーとエーミールの対等な接し方。大事なことなのだ。その視点がなかったら、大人が読んだ時には話として少し単純なので、それほど興味深くは感じなかったのかもしれない。



    レビュージャパン掲載書評
    <私がいま子供だったら、大人にそうするように接してほしいから>

  • 仕事や役割には派手なのもあれば、地味なのもあって、危険なのもあれば、退屈なのもある。
    でもそのすべてが大事なのですよ。
    でもやっぱり、派手で楽しいのがみんな好きなんですね。

    電話番、本当にお疲れ様でした。

  • これも小学校高学年くらいがちょうどいいかも。でも大人が読んでも楽しめる。
    どうしてだろう? 
    謎解きではなくて、主人公のエーミールを応援したくなるからかもしれない。あと、エーミールやその仲間からみる大人の世界にはっとしたり、そうだなと共感したりできるからかもしれない。
    おもしろくて、心もあたたかくなる本。名作として売れ続けているのがわかる。

  • こういうお話大好きなんです‼‼

    探偵たちとエーミールの行動を
    ワクワクしながら読ませていただきましたドキドキ((o(‾◡◝*)(* ◜◡‾)o))ワクワク

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