真夜中のパーティー (岩波少年文庫 042)

  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784001140422

みんなの感想まとめ

日常の中に潜む子どもたちの微細な感情や出来事を描いた短編集は、あらゆる世代に共感を呼び起こします。フィリッパ・ピアスの作品は、特に子どもたちの何気ない瞬間を丁寧に切り取り、彼らの心の内面を鮮やかに表現...

感想・レビュー・書評

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  • フィリッパ・ピアスの8話短編集。
    どれも子どもの何気ない日常を切り取り、見落としてしまいそうな出来事に光を当てている。
    子どもの感情の機微を丁寧に拾い集めている。
    子どもの世界は決して広くはない。その分、近くで起きていることにじっと目を凝らし考えていることに気づかされる。そんな事々を心に焼き付けながら、子どもは大人になっていくのだろう。
    日常をもっと丁寧に生きたい、と大人になった私だがそう思った。

  • 「川のおくりもの」
    ダンはローリーを大切に思ってるが
    川のイシガイはロンドンなんかにやりたくないのだろう
    ダンのほんとうの心情が伝わってくる
    「ふたりのジム」
    おじいちゃんのジムと無口な少年ジムのひそかに始まりパトカーで帰還するという冒険
    この2作が特別だった
    こどもはもうすでにおとなの心を持っている

  • イギリスの子供達の、他愛ないけど掛け替えのない日常を描いた8つの短編集。
    ピアス作品は、長編は勿論素晴らしいけど、短編もまた瑞々しく味わい深い。わかりやすい派手さはないけれど、どちらかというと地味目で抑えた描写が、とても繊細に揺れる感情を浮かび上がらせている。常識からはみ出しがちな人々や老いた祖父、幼い子…手に負えないと感じたときの苛立ちもよくわかるし、むしろ寄り添いたいと思うときの気持ちもまたよくわかる。自分が年を重ねたからこそ登場人物のどの世代の気持ちにも共感できるのだ。
    子供だからやりたくなる、スリリングな冒険の数々は、誰もが覚えがあるのではないだろうか。あのドキドキ・ワクワク感が甦り、その時の空気感まで思い出した。自然が舞台の作品が多いから、尚更!
    滑稽で、切なくて、苦くて、嬉しくて…そんな何とも言えない感情が淡いグラデーションで表現されている。その匙加減の絶妙さよ!読みながらあちこちで唸る。
    本書を購入したのは冬だったが、夏まで積ん読していて丁度よかった、描かれているのが夏のものが多かったから。勿論名作はいつ読んだって文句なく面白いけど、夏だからこその独特の高揚感とノスタルジーをリアルに感じられてよかった。

  • 1959~1972年の作品
    ピアスはなんで子どものこと(特に少年の冒険心)がこんなにわかるんだろう。
    何気ない日常の中に、ああこんなこともあった、こんなこともあったと自分の子ども時代を思い出した。
    さ、す、がピアス。

  • 余分なものがなく、淡々としているけど、いつの間にか自分もその空間に滑り込んでいるような感覚。こんなに素晴らしい本だとは思っていなかった…。

  • 『トムは真夜中の庭で』のフィリパ・ピアスの短編集。
    
    小学生たちがニレの木を倒そうとする『牧場のニレの木』、川でみつけたイシガイをめぐる少年たちの『川のおくりもの』、いずれもトムと同じくらいの少年少女の視点から語られていて、どの子供たちも無邪気でも無垢でもなく、それでいて子供独自の視点なのがよい。
    
    大人には見えないものが見えているわけじゃなくて、大人にはできない見方をしている。
    
    子供が主人公でも優しくてかわいい話ではなくて、どこかシビアでほろ苦い後味が残る。
    

  • どうしてこんなに、子どもそのものが描けるんだろう。
    子どもの気持ちで、なんて言葉が陳腐に聞こえるくらい、ここには子どもそのものがいる。
    できなかったことができるようになった瞬間。自分より小さな子に振り回され、うんざりしたり、大人からしたら危なっかしくてハラハラする小さな冒険。
    でも、いつだって大人の目を盗んで、叱られそうなことをやってしまう。だってワクワクするから。
    やっちゃったあとのがっかり感と疲れ切った気持ち。
    そういう子ども時代の感情が記憶の彼方から思い出された。

    トムは真夜中の庭で、に比べるとこちらは短編だし地味かもしれないけど、子どもそのものが描き出されているという意味ではこちらの方になるだろうと思う。
    宮崎駿さんが、岩波少年文庫の100作を選んだとき、ピアスの作品からはこの本を選んだ理由が少しわかった気がした。

  • こどもたちの日常を切り取った短編集。最初の話が一番好みだった。

  • 子供の日常で起きるささやかだけど、大きな出来事の短編。

    近所から嫌われていても気にせず、動物を飼っている謎めいたお隣さん。

    川で見つけた貝を、いとこにあげる前に逃がしてしまおうとしたこと。

    古い木の解体途中でとんだいたずらをしてしまい、それでもそれがきっかけで、男子グループに入れたこと。

    祖父と孫の互いを思いやる気持ちと真夏の早朝の車いす遠足。

    木の実を取りに行った先で、お父さんを怒らせてしまい、慌てて逃げた結果迷子になり、助けてくれた若夫婦のこと。

    全部じゃないけど覚えてる範囲。
    ひとつひとつはどうってことない些細なことだけど、
    子供にとっては大切で心に残る記憶たち。

    短編だったから読みやすい。

  • この方の作品の雰囲気が好き。
    子どもの描き方がリアルで、変な創作感がない。
    緊張感の高め方がうまい。特に最後の作品の一連の描写。

  • 子どもの頃に感じた小さな冒険心や、心細さや苦い気持ちが思い起こされる短編集。「真夜中のパーティー」と「ふたりのジム」が好き。

  • 「ふたりのジム」が良かった。

  • 何気ない子どもの日常の短編集
    今の子どもたちがわくわくして読む感じじゃないかも?
    大人のノスタルジー的な印象も感じます
    「牧場のニレの木」が好き!

  • 「抑制のきいたピアスさんの筆は、大人の郷愁で子どもを美化することなく、彼らの心理感情、行動などをまことに正確に捉えて描き出していきます。」
    (訳者あとがきより)

    大人の郷愁で子どもを美化することなく…
    うん。本当に。そしていつも思うけど、木や川や風などの自然事象を、子どもの内面と合わせた描写が素晴らしいな…。

    8つのお話が入った短編集です。
    どれも面白かった。
    <カッコウ鳥が鳴いた>
    <木イチゴつみ>
    <川のおくりもの>
    が特にあと引いてる。

    ピアスさんの作品は、読み終えて時間が経っても、いつのまにか思い出して映像が浮かんでくる。
    美しい音楽付きで。
    こんな物語を読ませてもらえて今日も幸せ。

  • 70周年記念の特別カバー(W仕様)に魅せられて。

  • 1つ1つが完全に子どもの視点から書かれている作品ばかり。
    大人からみれば、何気ない日常の一コマで
    記憶にすら残らないことばかりだろうけど
    子供とってはそれが忘れられない記憶になることが
    たくさんあるなっていうことを思い出させてくれる本。

    • christyさん
      >reader93さん、この作品はショート・ショートなのですが、本当に何気ない日常の一コマが書いてある作品です。大人だったら記憶にも残らない...
      >reader93さん、この作品はショート・ショートなのですが、本当に何気ない日常の一コマが書いてある作品です。大人だったら記憶にも残らないことばかりだけど、子供とってはショッキングだったり、大冒険だったりする物語ばかりです。ピアスは、本当に子どもの視点に立って、物語を書くのに長けています。今度の一時帰国のときに、ぜひ。
      でも、ピアスの作品だったらぜひ「トムは真夜中の庭で」を読んでもらいたい!!児童文学の中でもとても有名な作品で、私は、子供のころ読んだこの作品が忘れられず、結局、この作品で卒論を書いたんですよ(笑)。とてもいいお話です。reader93さん、好みの作品だと思います!!
      2012/04/24
    • reader93さん
      図書館で借りて読みました!
      この本、すごく私の好みです。行ったことが無いイギリスの風景を想像しながら読みました。「トムは真夜中の庭で」も絶対...
      図書館で借りて読みました!
      この本、すごく私の好みです。行ったことが無いイギリスの風景を想像しながら読みました。「トムは真夜中の庭で」も絶対読んでみます♩良い本の紹介をありがとう!
      2012/06/28
    • christyさん
      >reader93さん、この作品お好みでしたか~。よかった♪ピアスは、本当に子どもの視点に立って作品を書くのに長けてますよね。大人になると、...
      >reader93さん、この作品お好みでしたか~。よかった♪ピアスは、本当に子どもの視点に立って作品を書くのに長けてますよね。大人になると、子供の頃自分がどう思ったか、考えたかなんて忘れてしまうのに、そこがすごいなと思います。「トムは真夜中の庭で」も最高におすすめです。イギリス児童文学の中でもトップランクの評価をされている作品なので、ぜひ。私も最近、また読み直して、感動しました(笑)。
      2012/06/29
  • 魔法も妖精もでない、普通の子供の日常を描いた物語。
    それなのに、とんでもなくわくわくする。
    なんて、子供の日常は素敵なんだろう!と思わせてくれる。
    隙間から流れ出る、切なさも見過ごしてはならない。

  • ピアスの名作『トムは真夜中の庭で』を読んだのは20代だったと思う。その頃、他の作品も読んだかはっきりしなかったのだが、この短編集のタイトルになっている『真夜中のパーティ』の途中、(子どもたちが夜中に台所に集まって、年長のアリソンが、マッシュポテトを全部使ってポテトケーキを焼き始め、寝ている末っ子まで起こすよう言うくだり)で、思い出した。そのなかなか大胆な発想が効を奏して、しかも面白かったことを…。

    それは、ともかく、今、読んでもいい。まあ(これは持論だが)優れた子どもの本は、大人のへたな読み物よりよほど味わい深い。
    岩波少年文庫についての本にも、どなたか書かれていたが、字も大きいし、年配になってからも尚、お薦めシリーズ(作品群)であるのは、もっともなことだと思うなぁ。

  • おとな目線だと、「やっちゃだめ!」っていうこと、こどもはやりたがる。描かれているのは、ごく日常の生活風景なのに、すごく胸に突き刺さる。

  • 短編集。とても面白く、オススメ。

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著者プロフィール

猪熊葉子

「2003年 『秘密の花園』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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