グリックの冒険 (岩波少年文庫)

著者 : 斎藤惇夫
制作 : 薮内 正幸 
  • 岩波書店 (2000年7月18日発売)
3.86
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140453

グリックの冒険 (岩波少年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2冊目 「冒険者たち」はこちら
    http://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4001140446
    ★★★

    人間の家に飼われていたシマリスのグリックは、庭で出会った鳩のピッポーから聞いた「北の森」の話心を奪われる。
    「広くて高い木が豊かに繁り、森の中の草原には色とりどりの花が咲き乱れ、その香りでむせそうなくらい。小鳥は鳴きかわし、蝶は飛び、森を流れる谷川は青く澄みきり、岩陰からはイワナが覗いている。
    なんといっても君と同じ仲間のシマリスが何百匹、何千匹もいる。楽しそうに草の上を走り、高い木に軽々と上り、枝から枝へ自由に跳び移る。
    胡桃やアケビや栗の実をたっぷりと食べ、踊るように飛び回っているんだ」

    グリックの心は波たつ。そうだ、そここそが僕のうちなんだ。こんな狭い人間の家の応接間と籠じゃなんだ。

    必ず森へ行くというグリックにピッポーはその困難を説く。

    「まずはこの家を出て、道路やビルを超えて町を抜け、それから畑がずっと続き、その次にはけっこう高い丘、それからまた畑があり、大きな川が流れ、その川は小さな川をみんなのみこんで海へ続く。海岸をずっと北に行くと山があり、その山を越えるとやっと北の森」

    だがグリックの心は抑えられない。
    かならず行く、森へ、ぼくのうちへ。

    ついに人間の家を逃げ出したグリック。
    町では冒険ネズミのガンバとその15匹の仲間達とネズミ同士の抗争に加わり、
    自由に生きることへの憧れを増す。
    動物園ではメスシマリスののんのんと知り合い旅を共にすることに。
    2匹の旅は、キツネやタカに狙われ、川を船で流され、雪嵐の山で凍えそうになり…
    しかし2匹の決意は変わらない。
    必ず北の森へ行く。自分のうちへ。

    ★★★

    「冒険者たち」を読んだらガンバと15匹の仲間達の前後作があったのでまずは1冊目を借りてみた。
    これまた6歳の次男に私が音読、時間がかかった~~、しかしこれから借りる3冊目が一番長そう~~(苦笑)
    グリックの話は作者が20代後半で飼っていたシマリスが逃げ出したことから描くという衝撃に突き動かされ…ということで、
    グリックの旅の道も作者の故郷への道筋をモデルにしているということでかなりの臨場感があります。
    そして、ガンバの時系列でいうと、「冒険者たち」で白イタチのノロイとの対決後のようですね。
    その後彼らは「気の向くまま足の向くまま、今日はここ、明日はあそこ、明後日は知らない」で世界を冒険したりきままに旅したりネズミ界で名を挙げ、今回は雇われ傭兵としてわざわざ呼ばれたらしい、なんかクールでノロイと対決してた頃からかなりプロになってますね。

  • どうして子どもにこんな辛いばかりの話読ませなきゃならんのだ、と思うが、かといって大人が読まなきゃならんものでもない。

  • 斎藤惇夫の処女作で、日本屈指の本格的動物ファンタジー。
    「冒険者たち」では主人公のガンバが、ちょい役だが重要な存在として登場しているのも見どころ。

  • ガンバと15匹の仲間たちが活躍する『冒険者たち』の前作にあたる作品。
    シマリスのグリックが飼われていた家を逃げ出し、数々の危機を潜り抜けながら、"本当の故郷"である北の森を目指す冒険譚です。

    薮内正幸さんの挿画が、物語の臨場感を高めています。
    動物の体の動きなどがとてもリアルで、さらに場面場面の感情を含んだ表情で描かれているのです。

    小さな動物たちの冒険なのに、ものすごく迫力があって、目が離せませんでした。
    機会を見つけて、小学生の子供たちに薦めていきたいと思います。

  • 3部作を読みたい。

  •   再読です。
      私が最も好きな本のうちの1冊なんですが、いつ読んでもやっぱりいいです。大好きです。最後に読んでからもう随分経っているんですが今でもそれは変わりません。むしろ前以上に好きになりました。

      途中に出てくる動物園が日本のように感じました。みんな形も顔つきも違うのに、みんなどこか似ている。冒険話に興味は示すものの誰も冒険しようとはしない。時にはしようとするものを阻害したり、孤立させたり。動物園は餌に困る心配もなく、安全です。生きてく上で必要なものは全て揃っています。それでもどこか貧しいんです。生きている、と感じないんです。これはまさに日本のような気がしてなりませんでした。みんな抜け穴があるのは知ってるのに抜け出さない。自分から動こうとしないで現状に満足している限り金網越しの空しか見えないんですよね。

      この冒険を支えてるのは"恩義"だったように思います。自分の道を見失わず恩義を大切にする限り、道は開けてくるものだと、そんな事を思いました。最後はかなりうるうると・・・。

  • 飼いリスのグリックは、野生のリスの住む北の森にあこがれ、カゴから脱走します。街でドブネズミのガンバと親しくなり、動物園で知り合った雌リスののんのんといっしょに、北の森をめざします。
    動物の世界の弱肉強食、自然の驚異に何度もさらされ、倒れそうになりながらもあきらめずに進んでいく姿、グリックとのんのんがお互いにはげましあいながら北の森へ進んでいく姿に心を打たれる。愛と自由の物語。2011/5/27

  • ガンバも良いけど、こちらもね。脱走→自由を目指す旅、というのはこの手の物語では定石の展開。そして王道だからこそ、くるものがあります。最後はしんみり。

  • 本作はドブネズミのガンバではなく、シマリスのグリックが主人公の物語。

    私はガンバの方が好きだけど、それはそれ。
    グリックはグリックで健気で愛らしい。少しずつ逞しくなっていく姿が印象的。

    切ないけれど、勇気をもらえる作品。

  • 『冒険者たち』の著者・斎藤惇夫さんのデビュー作。
    飼われていたシマリスのグリックが家を出、街を抜け、
    森に行くまでの冒険を描いたストーリー。
    見ず知らずの故郷の森を夢見たグリックは森に行くことを決意しますが、森までの道のりは果てしなく、過酷なものでした。
    なんと『冒険者たち』の主役・ガンバとその仲間たちも出てきます。
    時間軸的には『冒険者たち』後の話のようです。

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