ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)

著者 : 斎藤惇夫
制作 : 薮内 正幸 
  • 岩波書店 (2000年9月18日発売)
3.94
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  • 33レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (577ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140460

ガンバとカワウソの冒険 (岩波少年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった~~!
    うちの7歳児に読んでいるネズミのガンバと仲間達の三部作最終話。570ページを子供に音読するのはかなり長いぞ~~~~。

    こんども「ガンバと15匹の仲間達」なのですが、ノロイ戦で三匹離脱したので、代わりにノロイと一緒に戦った島ネズミたちが三匹加わったので、メンバーちょっと変わってます。
    しかしアニメの影響で私の脳内イメージがシジンは酔いどれべっぽこ文士のおっさん、イダテンとイカサマは同じ奴(実際この二匹はノロイ以前からの仲間で言動も似ている)のような気がしてしまい、読むにあたってのイメージ修正にちょっと手間取った(笑)

    挿絵は動物挿絵薮内正幸さんによる”ネズミそのもの”なのですが、儒学者のような髭のガクシャと、黒っぽくて耳からサイコロが見えてるイカサマ、でかくて前の方を走るのはヨイショ、でかくて後ろの方を走るのがマンプクくらいは見分けられるようになった!
    ちょっと残念なところは野犬たちの挿絵が獰猛というより可愛らしいってことか。うちの7歳児も「野犬かわいいね??」と言ってましたよ、映画版では怖い野犬だったんですけどね(笑)

    ★★★

    シジンの恋人、ナギサさんが南の島に渡ったっきり連絡が途絶えた。
    南の島に向かうガンバと仲間達。

    ナギサを探す謎かけ「汝ドウドウ鳥を見しや」(イカサマ流に言うと「おめえドウドウ鳥を知ってるかって聞いたんだよ」)。ナギサは”ドウドウ鳥”つまりは絶滅したと思われるニホンカワウソと行動を共にしていると思われる。

    ナギサとカワウソを探すガンバたちの行く先々であざ笑うかのように置かれるネズミやウサギ、イタチの死体。
    それは野犬たちの警告だ。彼らはただ狩る。犬だから狩る。ただ殺すためだけにカワウソを探している。ガンバたちがカワウソを探すから後をつける。そして見つかればカワウソもネズミたちも殺す。

    ガンバたちはカワウソを見たという一匹のネズミと行き会う。名はウキクサ。カワウソのが野犬に襲われるところを見たという。
    ウキクサの言葉に違和感を覚えるネズミたち。ウキクサは野犬のスパイなのか、カワウソへの情は本物なのか。

    ついにガンバたちはナギサを見つける、そして奇跡のようにカワウソを見つける。
    怪我をした父親と、娘のカワモ、そしてまだ幼い別家族のカモク。
    奇蹟のドウドウ鳥が生存していた!沸き立つネズミたち。

    しかしここは危険だ。野犬が来る。人間に見つかる。川が汚染される。
    野犬の来襲に、父カワウソは囮となり皆を逃がす。
    二匹のカワウソとガンバたは言い伝えの「豊かな流れ」を目指す。

    そしてカモメのキマグレ。ガンバたちの前に気紛れに表れては彼らをバカにする。
    「翼を持たぬ者は嫌だねえ、私のくちばしでちょんとつつくくらいの地面しか見られずに、それでもいつでも隠れようとして。かわいそうもんだねえ地を這うものたちは」
    しかし我らがネズミたちも負けてません。「おめえは森をみてもその中を知らない、岩陰に何が生きているか、ちっちゃい木の下にうごめく虫の事も知らない、土の柔らかさ、あったかさ、冷たさ何も知らない、おめえが上から見ている物なんてつまらんもんよ」(byヨイショ)
    憎まれ口を叩き合いながらも、キマグレは毎日ネズミたちの元を訪れ共にカワウソを守りカワウソたちが住める場所へ向かう。

    しかしカワウソたちの疲労は限界だ。
    自分たちは、種族最後の二匹ではないのか。仲間はどこにもいないのではないか。永久に自分たちは迷子なのではないか…

    旅の末に彼らが辿りついた「豊かな流れ」。仲間のカワウソたちはいるのか…。

    ★★★

    今回は直接的に自然破壊、絶滅種への警告が語られます。
    人の中にも自然と共に生きられるものはいるのか。気づくのか。
    物語は夢のような理想郷で終わりますが、むしろそれが現実にはもうそんなところはないんだよ…と言われているような気もします。

    またシリーズ最終話のためか今回の話ではネズミたちの心情が語られます。
    リーダーガンバは、ノロイと闘うために初めて海を見た時は船を走り回り「これもこれも海なのか~~」と感動していましたが、今度は大川をみて「この水どこからくるんだ!どうしてこんなにたくさん水があるんだ!なくならないのか~~!」と驚いてました(笑)。
    読むのもつらくなるような焦燥の旅をひっぱれるのもガンバだからこそ。とても信じられない夢物語でも信じてるふりして大声出してみんなを引っ張ります。

    シジンはガンバたちと行動を共にする前は、旅の語り部のようなことをして、そして港ネズミの総まとめ、忠助オヤジの後継ぎとされていたらしいです。「冬の嵐を騙したネズミの話」はかわいらしくてそのまま短編になりそう。

    船の中ではイカサマが自分とサイコロとの因縁を語ります。
    自分がまだ子ネズミの頃、瀕死の年寄ネズミから渡されたサイコロ、そのネズミもやはり子ネズミの頃に瀕死の年寄ネズミから渡されたという。自分も死ぬ前にきっと若いネズミにこのサイコロを渡すのだろう。…まあそんなイカサマとサイコロの因縁は驚きの結果へと向かうのですが。

    さらに今回頑張ったのは食いしん坊で足が遅いマンプクです。
    「おれが美食家になったのは、いや食いしん坊になったのは物心つくまえに母親がいなくなったせいらしいよ。おれはやせっぽち腹空かして泣いていた。毎日毎日泣いていた。
    (…中略…)
    おれは眠ってうまいものの夢をみていた。夢も見ながら死んじゃうんだろうと思って眠っていた。そんな俺の所に、やっぱり俺みたいに腹を空かした子供ネズミがやってきて俺に怒鳴ったんだ。立て、そして食い物を探せとな。おれはそいつが恐ろしくなってそいつに着いてったよ。
    だがおれは食べ物なんて自分では探せなかった。最初はそいつがみんな探してくれたんだよ。今俺がこうやって生きて腹空かして騒いでいるのもそいつのおかげさ。
    ガンバの幼かりし頃の物語だ。
    カワモさん、おれ、またこのまま横になると、子供の頃と同じように食い物の夢見ながら死んじゃうかもしれない。ああ、食い物を夢見ながら死んじゃうなんて一番惨めだよ。まだ食い物を探しながら死んだ方がましだ。
    カモクもおんなじ。まず起こして道を走らせないと、その子、食い物にありつけないよ。食えば走れる。走れば食えるってもんだ。
    起こしてください!そしておれのこの腹のために道を走ってください」P366

    なんという業とそれと共にしっかり進む、こいつらほんとうに児童文学のネズミちゃんなんでしょうか。

    ガンバシリーズはあと新しい方の劇場映画(夏発売予定♪)と、劇団四季版(夏観劇予定♪)があるのでもう少し子どもと楽しめます。

  • 名付けはイカサマのしごと。

  • 『冒険者たち』
    『グリックの冒険』
    から続くガンバと仲間達のシリーズ第3弾。

    表題通り、
    ガンバ達と2匹の日本カワウソ達の大冒険記です。
    この本を小学生時代に読んだ後
    カワウソに関して
    色々調べて
    自然の大切さや
    人間の愚かさを
    小さいながらにも
    深く感じる事ができた
    素晴らしい名作です。

    もちろん
    他のシリーズも
    面白く、感動的ではあるのですが
    僕にとって
    思い出すだけで目頭が熱くなる場面がありまして、
    詳細は読んでいただければと思うのですが、
    あの崖のシーンは、
    本当に
    今でも
    鮮明に思い出すことが出来る
    なんともいえない場面です。

    そして出来るならば
    文庫版ではなく
    分厚い方を選んでいただいて
    読んでいただければと思います。

    なぜならば
    表紙をめくった後に
    書いてある地図。

    この地図が
    読んでいる読書の想像力を
    更に膨らまさせてくれるのです。

    少年少女にとっても
    大人にとっても
    読み終わった後に
    大事なものを
    気づかせてくれる
    素晴らしい名著、お勧めです。

  • ガンバ3部作の最終巻。
    面白かったです!(^o^)
    前半はイカサマがかっこ良く、
    後半はキマグレがいい奴過ぎて素敵でした。
    前半かっこ良かったイカサマは
    後半完全にデレていました。
    3部作それぞれに面白かったけど、
    これが一番好きかもー

  • ガンバのファンブック的に楽しめるシジンやイカサマの過去、キマグレに代表される魅力的な新キャラ、そして、死体に次ぐ死体に次ぐ死体。飢えと寒さと狂気。
    あまりに悪路過ぎてゴール見落として振り向いた、ぐらい長い苦難と短いハッピーエンド。

  • 劇場版みてたなあ。

    物語中グサっとくる部分もあるけど、
    ラストがすきです。

  • 考えさせられることは多い。

    ただ、子供向けにしては残酷に命が奪われすぎる。
    そこは真実を描くけれど
    悪役は犬だけで、犬はどの犬も馬鹿で最低という
    単純に善悪をわけた書き方がどうも引っかかる。

    バランスが悪いというか、偏っている気がした。

    イラストは綺麗だし、胸が熱くなるシーンもあるのだが
    自分の中ではいまひとつ。

  • 3部作を読みたい。

  • ゆくえ不明のネズミをたずねて四の島に向かったガンバと仲間たちは、絶滅したはずの二匹のカワウソを見つけました。そして狂暴な野犬と戦いながら、伝説の河「豊かな流れ」をめざします。
    こどもの時に読んで、何となく暗い話だったイメージがあったけど、カワウソの旅は肉体的・精神的にもかなり過酷なものだった。
    カワウソの旅がメインテーマなせいかもしれないけど、。「冒険者たち」のノロイとの戦いにくらべちゃうと野犬との戦いはあっけない気も。でもやっぱりガンバと仲間たちの冒険はおもしろいなぁ。カモメのキマグレも良いキャラしてる。2011/6/7

  • ゆくえ不明のネズミをたずねて四の島の渡ったガンバと仲間たちは、絶滅したはずの二匹のカワウソを見つけます。野犬と戦いながら、カワウソの仲間が生き残っているかもしれない伝説の川「豊かな流れ」をめざす冒険がはじまりました。小学4・5年以上。

    ***

    「冒険者たち―ガンバと15ひきの仲間」の続編。
    時系列的には間に「グリックの冒険」が入ります。
    これも「冒険者たち」同様、小学生の頃大好きな本でした。
    当時何度も繰り返し読んでいた本で、間違いなく私の読書の原点にある一冊です。
    子供の頃は純粋に冒険小説として読んでいたけど、改めて読んでみると、環境破壊や絶滅危惧種(ニホンカワウソ)などの問題提起を含んだお話でした。
    大人が読むとワクワク感よりも痛みや切なさが先に来るお話かもなぁと思いました。

    今回は前作ほどガンバの仲間たちが活躍しないのがちょっと寂しいかな。
    ガンバとイカサマとシジンが目立っている感じがしました。(イカサマ好きなんで嬉しいですけど。)

    ラストは感動の一言。
    ウルッと来ちゃいます。

    最後に。
    前作でも思ったんですが、なぜ魚や酒瓶、リンゴなどがネズミよりも小さいんでしょうか。。。
    いや、可愛いので良いんですけどね。

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