鏡の国のアリス (岩波少年文庫 48)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140484

感想・レビュー・書評

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  • 鏡を通りぬけた先にあったのはチェスの国。前に進めば後ろに進み、丘が谷になり、古いものが新しいという鏡のような対称の世界だった。そこで出会った赤の女王に「白の女王になれ」と言われ、アリスは「女王」になるため“小川を渡った先にある八列目の枡”を目指すことになる。

    おしゃべり好きの花たちや体がお菓子で出来た虫、ハンプティ・ダンプティなど登場人物は魅力的なものだらけ。強引で高慢な赤の女王・どこかとぼけた様子の白の女王は、ティム・バートン監督の映画を観た人ならつい重ねてしまうのではないでしょうか(超余談ですが劇中で白の女王を演じるアン・ハサウェイは可愛すぎます)。

    この国では自然や時間や物理…あらゆる摂理が“あべこべ”でアリス自身も作中で混乱していますが、読者もかなり混乱します(笑)とにかく場面も会話の展開も登場人物も目まぐるしくコロコロと変わります。読み終わる頃にはどっと疲れていたのは私だけではないはず。
    巻末の詩は華やかに、しかし幕の下がる一抹の寂しさを感じるように物語のラストを飾っています。
    激しくも愉快な、どこか捻くれたワンダーランド。

  • まさに夢の中の話
    辻褄が合わなくても、話の成り行きがめちゃくちゃでもそれは夢の中の話なので楽しめる
    こんな夢を見てみたい

  • 小さいころ、近くの本屋になくて取り寄せて貰って初めて買った本。
    それがとっても嬉しかったんだよなぁ。

    不思議な世界で、鏡って異様に神秘的で妖しくて怖い部分もあって、色んな興味や想像をかき立てるもので、鏡を触ったらそっちの世界にいけないかななんて考えたことがある人も多いんじゃないかな。

    それをそのまま書いてくれてるのがこの本で、読んでて楽しかったのを覚えてる。

  • 敬語や古めかしい言葉が使われているので読みにくいけど、この世界に入っていって楽しめるのは小学校の高学年より中学年かも。

  • 不思議の国も面白いですが、鏡の国も面白いです。一回読んでもう一度読み直すと面白さがわかる作品だと思います。現実逃避したい方にはおすすめです。

  • 鏡の国のアリス (岩波少年文庫) 作者であるルイス・キャロルの作品です。

  • アリスというキャラクターは好きだけれど、物語を読むと何が何だか分からなくて、好きなジャンルの話ではないと思った。
    実際、アリスは頻繁に、相手が何を言っているか分からないと言っているので、理解する必要はないのかもしれない。自分の都合の良いように解釈すれば、筆者はあくまでも、この不思議な世界の世界観を味わってもらいたいだけだと思う。
    また、言葉遊びが多くて、翻訳者の苦労を考えずにはいられなかった。英語で読んだら、もっと無理なく頭に入ってくると思う。

  • 詩がよくわからなかった

  • 鏡に映る姿は凸レンズと違い
    上下をそのままとして左右のみ反転させている
    しかしその反転には気付きにくい

    もし気付ければ自分の反転している姿を見ることで
    本来の自分を描き出せるし
    世の中で出合ったモノを逆手に取り反面教師として
    真理のカケラなりとも学び取ることを可能にしてくれる

    この本の作者はこの世の不思議な歪みの現象を皮肉って
    物語に仕立て直していたのだろう
    鋭い眼力である

    140823

    不思議の国もアリスの続編
    マザーグースでお馴染みの登場人物の大方は
    前作と同じだけれども
    トランプではなくチェスを舞台にして話が進む
    鏡の中なのでアベコベな現象に振り回されながら
    アリスはポーンと言う歩からスタートして
    無事に女王に成ってどんちゃん騒ぎの舞踏会で終わります

    昔最初に不思議の国のアリスを読んだときは
    支離滅裂な中に新鮮で哲学的なものを感じたのですが
    今回はそれ程に引き込まれるものがありませんでした

    言葉というのは約束事で成り立つ符号で
    その解釈はTPOで異なりお互いに立ち入れないものがある
    従って既に十分抽象的なわけだけれども
    人間はそれにも飽き足らず
    支離滅裂をかき集めたようなモノを表して見たくなるのだろう

    人の口の戸口は建てられぬと言われる無限性を
    有限の枠にはめながら姿形を固定して表現するなど
    所詮できないわけで
    それでもヤッてみないと気がすまないのが欲望という性なのか

    最も夢の世界では常に垣根など作らずに
    豹変しながら飛び回っているのだけれど・・

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著者プロフィール

ルイス・キャロル (Lewis Carroll, 1832-98)
イギリスの作家。本名Charles Lutwidge Dodgson(チャールズ・ラトウィッジ・ドッドソン)。チェシャー州の牧師の家に生まれ、オックスフォード大学クライスト チャーチ学寮に学び、卒業後、同大学の数学講師となる。『不思議の国のアリス』(1865)、『鏡の国のアリス』(1872)の作者として最もよく知られているが、本来の数学者・論理学者としての、また最初期のアマチュア写真家としての功績も高く評価されている。

「2021年 『鏡の国のアリス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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