クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))

制作 : E.L. Konigsburg  松永 ふみ子 
  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
4.01
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140507

クローディアの秘密 (岩波少年文庫 (050))の感想・レビュー・書評

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  • 小学生のクローディアとジェイミーの姉弟が、ニューヨークのメトロポリタン美術館に家出した一週間を描いた作品。

    児童文学なのもあり、入り組んだ構成や胸に迫りくる展開みたいなものはありません。
    それでも、クローディアとジェイミーそれぞれの個性が明確に設定され、話の冒頭から書き表されているところが、この物語を生き生きとしたものにしています。

    計画を立てたり考えたりするのが上手いけど、癇癪持ちで、意地っ張りなところのあるクローディア。
    深く考えたりせず、口も軽いけど、けちんぼで、お金の使い方が上手なジェイミー。

    二人の子供らしい無邪気さやわがまま、冒険心といった、生き生きとしたとした描写が存分に楽しめます。

    誰もいなくなった夜の美術館で、展示品である中世の貴族のベッドで眠るとか、毎朝そこから起き出して昼は普通の鑑賞者のふりをしながら美術の勉強をするとか、いい歳した大人になっても、やっぱりワクワクします。
    閉館時と開館前に、監視員の目をかいくぐる瞬間とか、ドキドキして楽しめるし。
    彼らと同じ年齢の子供の頃に読んだら、夢中になっただろうなあ…。

    クローディアの目的が、当初の家出から、とある展示品の謎解きに変わってしまうところなんかは、やっぱり子供らしくてご愛嬌。

    物語の最後は、ちょっと駆け足で取ってつけたような御都合主義な感じもしますが、児童文学と思えば、爽やかでいい終わり方です。

    実在する美術館だけに、美術館内の展示室の描写なんかも楽しくて、息抜きに読むのに良い物語でした。

  • ずいぶん前に『児童文学キッチン』を読んだとき、大貫妙子さんの『メトロポリタン美術館』の元ネタということを知ってずっと気になっていたことと、ちょっと資料に必要な局面ができたことで読んでみた。

    書籍案内に書いてあるとおりの、姉弟の冒険的な家出ストーリーだと軽く考えて読み始めると、それとはまったくかけ離れた筆致から始まる、トリッキーな序盤。ミステリーも読む者としては、そこに結構反応する。

    この物語が描かれている視点のことを気にしだすと、気が散ってストーリーを追いにくいのではないかとも思ううけれど、そこが巧みで、クローディアとジェイミーのアドベンチャラスな美術館暮らしが始まると、そこが気にならなくなる。そうか、そういうふうに過ごせばいいのか。噴水も使える(!)のか、とか。姉弟のいで立ちや館内での様子など、大貫妙子さんはとても巧みにエッセンスを抜き出してあの曲を作っていらっしゃるのも感じられた。

    そして、ぐるっと回って最初の疑問に戻り、それにもうひとひねり加わる。子どもの向こう見ずな冒険の面、世間的には失踪騒ぎの面、彼らの内面の成長の面がきれいにすぱっと収まる手際のよさにも驚いた。そうか、そういうふうにつながるのか、と。安易な大人向けのミステリーより構成が巧みですよ、これ。

    成長するのに大掛かりな冒険を必要とする人としない人がおり、内面に秘密(ダークサイドオブフォースに落ちるようなものじゃなくて)を持つことは大切で、それによって成長する人がいる、というマダムの諭しは、インドア派で育ち、今もインドア派で生きている私には非常に腑に落ちる。これを10代になるかならないかに教えてくれる本や人があるということは、とても勇気づけられることだろうと思う。

    私も、家出するなら美術館を目的地にしてみたい。ただし、夜間に寒くなければだけど。

  • 「幸福というのは、わき立つ感情が心の中に落ちつき場所を見つけること」なんていう素敵フレーズに今さら気づいた!

  • 幼い頃、メトロポリタン•ミュージアムの曲を聴いて、なんとなく不思議な迷子になった気分でいたものだった。

    この話は、ある姉弟が用意周到な準備の末にメトロポリタン美術館に家出をする所から始まる。

    その発想と、なんとか美術館で日々をしのいでゆく姉弟にワクワクドキドキさせられる。
    物語の中には、ちょっと知的な要素も含まれている。姉クローディアの好奇心は、学問に向き合うには不可欠な要素だ。

    とにかく、二人の機転を楽しんでほしい。

  • ずっと前からいままで読んだ本の中でいちばん好きな本
    また読もうと思ってる

  • 美術館で隠れたり、噴水でお金を拾ったり。昔ながらの家出はいやだというクローディアの考え通りで、素敵だと思います!!

  • 何年ぶりかで再読。静かに心にしみ透る作品。11歳の少女クローディアのイニシエーションがテーマなのだが、それは一気に飛び越えるようなスタイルをとらずに、これから何年もかかって熟成されて行くような種類のものだ。まさに女の子のイニシエーションに相応しいだろう。「秘密」という言葉は、まことに意味が深い。

  • クローディアと同じ年の頃、夢中になって読んだ本。
    あの頃はとにかく家出する子供の話が大好きで、「クローディアの秘密」と「あくたれジャンの日記」が二大巨頭でした。
    なのに、18年経って再読してみるとなんともあっさりした読後感。
    子供たちが本当に本物の子供らしくこまっしゃくれていて個性的でいいなあ、ユニークで好きだなあ、というくらい。
    あの頃はおそらくそれほど興味を持っていなかった本の主軸となるテーマを今はしっかり理解できるのに、ときめきは蘇らない。
    それどころか、この子たちがこうしている間にも、家のひとたちがどんなに心配していることかと大人側を思いやってしまったりして、ああなんてつまんない大人になっちゃったんだと自分自身にがっかり…。
    冒険、秘密、反逆に憧れる多くの子どもたちに、心からわくわくしながら読んでもらいたい作品です。
    私にはもう味わえないあの興奮を、今堪能できる子たちに、どんどん楽しんでもらいたい!

  • 何度読んでもワクワクする!

  • 久々に再読。よごれたり、お風呂に入れなかったりするのがきらいだと「子どもらしくない」って言われたりする傾向があるというか、少なくとも子どもの本のなかでは、そんな子どもは冒険ものには登場しないものだったけど、この物語はちがう。でもって、こっちのほうが本物の子どもらしいのだと思う。そういう根本的なところから始まって、いろいろ痛快で洒脱。ほんとうによくできた物語だと思う。

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