ホビットの冒険 (下) (岩波少年文庫 059)

  • 岩波書店 (2000年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784001140590

感想・レビュー・書評

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  • 一気読みとはこのこと。

    指輪物語に繋がる本作。児童文学という括りから飛び出ちゃってる。

    登場人物たちの性格も親しみやすい。ただただ、格好いいだけじゃなく、狡猾で欲深いところ、仲間も思いやる優しさ、礼儀を重んじる性格など、見所がたくさん。

    ビルボは大冒険の末に、何を手にしたのだろうか。宝だけじゃない、私たちが使う言葉では言い表せないモノを手にしたに違いない。

    子供にも読んでほしい。

    読了。

  • レビューでは、翻訳に関する書き込みが色々と見られます。私は瀬田さんの翻訳が大好きです。それはやはり、瀬田さんが文学者として翻訳に取り組んでいた矜持のようなものが感じられるからだと思います。岩波少年文庫の一冊として刊行された「ホビットの冒険」と、「指輪物語」では文体が明らかに違います。「指輪物語」で、火の山の火口目前でゴクリと対峙したフロドの言葉の格調高さと言ったら、古典文学の戦記物もかくやと思えるほどの美しさです。
    長々と関係ない事を書いてしまいましたが、「言葉の美しさに触れる読書」も、大切なのではないでしょうか。

  • 竜退治が終わったらそこでめでたしめでたしとはいかず、宝をめぐっての対立が始まり、さらにまた別の敵が現れて……という流れにひねりがあるし、児童文学らしい教育的な面もあってよく出来てるなと思った。
    主人公であるホビット、ビルボ・バキンズは力もないし、臆病だし、しょうもない失敗も多いし、危なっかしくてしょうがないのだけど、その分、窮地をどう切り抜けるかという部分にわくわくさせられ、仲間たちとわいわい冒険する様子は楽しそう。
    竜との戦いが終わったあとの展開や、屈強なドワーフがいっぱい登場するあたり、あるいは行きて帰りし物語である点など、作者が第一次世界大戦の帰還兵であることを踏まえると、その体験が強く反映しているのかもなという気持ちに。
    それはそれとして、ドラゴン、ゴブリン、魔法使い、エルフ、ドワーフと、原始的とさえ言えるようなファンタジーの住人たちが生き生きとこの世界では生きていて、原典に触れているような楽しさがありました。

  • 冒険心に火がついた。序盤の素朴で意外性のある展開の方が好きだったな。大量の宝を目前にして変わってしまったドワーフが切ない。遺産相続争いで仲違いする兄弟を連想させた。

  • 先に指輪物語を読んだのですけれども、ホビットを先に読んだ方が良かったかも知れません。指輪物語ではよくわからなかった人間関係がよくわかりました。登場人物も、一人ひとりのキャラクターがしっかりしていて、ファンタジーなんですけれども、まるで実在しているかのように生き生きとしていました。彼らが私たちと同じように喜びも悲しみも持ち、本当は臆病なんだけれども、時には仲間とともに勇気をふりしぼってみたりする姿が、現実の私たちと重なるからだと思います。この本は、ファンタジーでありながらも現実なんです。

    小人のお話は世界中にあるのでしょうか。どこかに本当に小人の村があるような気がしてきました。また指輪物語を読んでみたくなりました。

  • やはりドラゴンが出てくるともりあがる……。

    あと、ドワーフ、エルフ、人間たちそれぞれの思わくが入りみだれて、竜がいなくなったらいなくなったで、べつの戦いが始まりそうになるあたり、すごくポリティカルで現実的だなと。トールキン自身も第一次大戦に従軍したわけで、そういう戦いの記憶なんかもこめられているのかな。

    これを読むとやはり指輪も読みかえしたくなるけど、分量を考えると二の足を踏むのであった。

  • 読むべき名作。ファンタジーの原点のような作品。ドラゴンを倒したあともまた物語がさらに盛り上がり、ワクワクが続く。
    どのシーンもドラマチックで素晴らしかった。

  • ホビット族のビルボ、ドワーフと共に竜に挑む冒険の話。

    竜が倒されるシーン、私的にはめっちゃ意外。確かにドワーフとビルボでどうやって倒すんだろうと思ったけれども。
    にしても、金銀財宝とかって、人を悪い方向に駆り立てちゃうんだなあって切なくなった。児童文学なのに、財宝をめぐって人々が対立する…なんか切ない。エンディングはハッピーエンドなんだろうけど、もの悲しかった。

  • 初めはやったことないんだからうまくいかない。そういうもんだ。やっていくうちに度胸も実力も結果もついてくる。そういうことを上下巻通して教えてもらった気がする。

  • 児童文学ではあるが壮大なスケールのファンタジー。少年時代にハマった外国のファンタジーを思い出し懐かしい気持ちになった。

  • 0731読了。
    プリンさん(母)が好きだった竜との謎かけや、映画で印象的だったアーケン石を持ち出すシーンが読めてとても満足。
    下の方がさらさら読めた。
    人やエルフ、ドワーフが成し遂げたとき、英雄として歌われるという世界観が本当に素敵。
    あと、この頃はビルボが手に入れた指輪の力について大きな問題になっていないというのが、『指輪物語』とのギャップ!作者はこのあと指輪のことを考えたのかな、それともはじめから?
    上巻の感想で「孫のために」と書いたけど、「4人の子どものために」でした。瀬田さんの解説で記憶の誤りを是正しました。

    今回一番面白かったのは解説!
    瀬田さんも齋藤さん(“ガンバ”の作者)もホビットが数々の名作と共に人気者になってほしいという思いを、アリスやピノキオと並べてニルス(「ニルスのふしぎな旅」の主人公)を例えにあげていたこと!
    当時、全訳版は出ていなかったはずなのに、それほどの知名度だったとは!ニルス!
    そしてホビットの登場が戦後の、プリンさんが7歳ごろの、比較的最近で、戦闘のシーンは大戦を思わせるということも驚きました。
    齋藤さんが瀬田さん訳を評する言葉が本当にしっくり。
    力強くて丁寧だけど、流れるように読める、自然にきれいな日本語で違和感なく訳されているのが素晴らしかった。
    『指輪物語』もう一度読みたいなぁ。

  • 映画を観終わるまでは、と思っていたのだが、
    完結編がいつになるか分からないし、まあ、大体の流れは
    もう分かったので最後まで読むことにする。

    映画、すごいなあっとしみじみ。
    この原作からあそこまでのものをつくりだすとは。
    月の光じゃないじゃんっ、日の光で開いてるじゃんっ!
    ドワーフたちの目的、カンッぜんにお宝やし、
    エルフって、神秘的ってゆーより、ゆかいな人たちって感じだし。
    けど、こまごまとしたエピソードとかうまいこと
    つなげて、上手にひとつの作品に仕上げてる。
    改めて、すごいなあっと。やっぱ映画となるとビジュアルって大切なんだろうなあ。

    映画は映画で素敵でしたが、原作も原作で
    とてもおもしろかった。

    結構ドワーフのみなさん不満たらたらだったり、
    はい、ではホビットの出番です、っと危険な仕事(まあそれで雇ったんだが)をビルボにやらせたり、
    でも、ビルボがなんだかんだいいつつ
    活躍してるとこがおもしろかった。

    映画じゃあ、ドワーフたちも竜とわたり合ったりしてたけど原作じゃあ、ただ起こしただけだったな。
    まあ、映画もあの黄金の像を溶かしたときの
    トーリンのどや顔がすごかったけど、全く竜にダメージ与えてなかったし・・・・。

    冒険から帰ったあとの、ごたごたがちょっとがっかり。
    そっかー、そこは変人ってことになるのかあ。
    死んでないってことを認めさせるのに何年もかかるって
    どないやねんっっとつっこみいれつつ。
    ビルボが無事帰ってくることを心配してまってた人は
    いなかったってこと?そーいやフロドも
    ビルぼの子じゃあなかったよな?それからもひとりで
    愉快にくらしましたってとこか。
    うーん、いい人生ですなあ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ロード・オブ・ザ・リング」は、とっても生真面目に作られてましたが、「ホビット」はエンターテイメント性を重視して、万人向けに出来てますね!
      ...
      「ロード・オブ・ザ・リング」は、とっても生真面目に作られてましたが、「ホビット」はエンターテイメント性を重視して、万人向けに出来てますね!
      早く3が観たい。
      2014/04/25
    • あこさん
      映画第3弾、いつに、なるんでしょう。
      ホント、早く観たいです。
      映画第3弾、いつに、なるんでしょう。
      ホント、早く観たいです。
      2014/04/28
  • 小説を読んで涙する、という経験があることに驚いた。
    ビルボがエレボールを後にする際に「お茶は四時。
    とはいえ、いついらっしゃっても、あなたがたなら大かんげいですとも!」と言ったところだ。

    ホビットのほら穴での大騒ぎから始まった物語がとうとう終わってしまう。
    物語が終盤に差しかかり、愛すべき登場人物達との別れが近づいている。


    ビルボが霧降り山脈の峠に着いて一度だけ振り返り、その冒険に背を向けたところは印象的だった。
    以降の帰り道を読み進めながら、巻頭にある荒地の国の地図をしばしば開き、彼らの冒険を思い返す。


    ビルボはホビット庄を前にして歌を歌った。
    彼の背(過去)に浮かぶ数々の冒険はこれ以上ない勇気と機転と根性を育み、彼を他の誰でもないビルボ・バギンズたらしめたのだ。

    ホビット庄を飛び出す前の彼なら、アーケン石の処遇に対するあの偉大な決断ができたであろうか?

    自らの目で見た世界から物語性を持った歌を自身の言葉と心によって彫り出すことができるようになった彼の成長を、多くの読者が誇らしく思っていると、私はそう考えている。

  • 読んだことあるはずなのに、後半はほとんど覚えていなかった。指輪を拾うのは序盤だったんだな。
    以前読んだのは、山本史郎さんの訳だったけど、指輪物語と固有名詞が違うのが多くてわかりにくかった。ただ、児童書はひらがなが多くてそれはそれで読みにくい。慣れるまで集中できなかったな。

    ビルボが意外に活躍していたのにも驚き!そうだっけ?ってなった。まさに忍びの者という感じ。表立って活躍するわけじゃないけど、影でこっそり活躍する。だから記憶に残ってなかったのかな?この性質がホビットなんだろうなと思いながらほっこり読んだ。

    スマウグも怖いだけじゃなく、意外と抜けてて可愛いんだよね。

  • 上巻に引き続き、一気読み。
    子供たちにも読ませたい。

  • 再読。トーリンのみならず、残り12人のドワーフも森のエルフたちに囚われてしまうが、ビルボだけは指輪をつかって姿を隠し、こっそり森のエルフ王の城に忍び込む。この森のエルフの王様、秋なので木の実と赤い葉っぱの冠をつけていて(春は花の冠になる)とってもオシャレ。この本の段階では名前は出てこないが、実は彼がレゴラスのパパ=スランドゥイルであることは指輪ファンなら周知の事実。

    さてビルボの機転で樽に隠れて脱出に成功した13人のドワーフたちは、人間たちの住む湖の町エスガロスに辿り着き歓待される。そしていよいよ竜のスマウグの棲む山へ。ビルボは指輪を使って姿を消しスマウグの宝から一部を盗み出すがこれに激怒したスマウグは大暴れ、エスガロスを荒らしに出かける。ビルボとドワーフたちはその隙にスマウグの宝の持ち出しに成功するも、人間たちの町は焼き払われ、弓の名手バルドがスマウグを射殺す。

    ここでめでたしめでたしでも良かったわけですが、竜によって災害レベルの被害を受けた人間たちが困窮しているところを森のエルフが救援、人間軍とエルフ軍は、竜の災害をもたらしたドワーフたちのところへ交渉にやってくるが、宝物を渡したくない彼らは喧嘩腰(こういうとこわりとドワーフは最低)ビルボは調停のため立ち回るが頑固なトーリンは許さず、そこへゴブリンとアクマイヌ(と訳されているが狼のワーグ)たちが攻め寄せ「五軍の戦い」となる。

    上巻で登場した、ビヨルンや鷲たちも応援にかけつけ、離脱していたガンダルフも戻ってきて、人間&エルフ&ドワーフの同盟軍が勝利。ビルボはお宝を手にホビット庄へ無事帰還する。

    バルドがもっと早く登場して活躍したようなイメージを持っていたが、改めて再読したら下巻の後半になるまでバルドは登場せず、竜を倒す以外の活躍はあまりしていなかったのが意外だった。ドワーフたちは基本的に邪悪ではないけれど狭量で利己的、ちょいちょいビルボに面倒な仕事を押し付けて自分たちは何もせず、お宝だけは独り占め、って感じなのであまり好きになれない。ビルボは指輪の魔力のせいなのか、そもそも指輪をねこばばしたのを始め、アーケン石も最初はこっそりポケットに入れたりしてちょいちょい欲望に負けがち。

    詳しくは明かされていないものの後の指輪物語への伏線的な描写も多々あり。個人的にはやっぱりレゴラスのパパ、スラ様が出てくるのが嬉しい。なぜかビルボが別れ際に彼に真珠の首飾りをプレゼントしちゃうところとかとても好き。

    この本の原題サブタイトルは「行きて帰りし物語」(The Hobbit, or There and Back Again)で、ビルボは冒険を終えてホビット庄に無事帰ってくるが、この本を読むたびに、でも指輪を「捨てる旅」に出たフロドは、行ったまま帰って来られなかったんだよなあ、と思い、切なくて泣けてくる…。

  • 下巻では、エルフ王の館からの脱出に始まり、悪竜・スマウグとの騙し合いに、五族の戦いと次々に事件が起き、ホビットのビルボはそれを乗り越えていく。けれど、すべての事件をビルボ自身が解決するわけではなく、また、すべての事件が綺麗に解決するわけでもないのが良い。
    それにビルボにも、ドワーフたちにも、ガンダルフにさえ、それぞれ欠点があることも物語の厚みを増している。その欠点を克服できることもあれば、またそれらが顔を出したりすることもあり、登場人物たちの真実らしさ、人間臭さを感じさせる。
    世界と歴史の構築だけでなく、登場人物の生き様を描くことにおいても説得力に溢れた、重厚かつ心暖かなファンタジー。

  • 老魔法使い(というか、素敵な強いおじいさん)が大好物なので、ガンダルフには始終うっとり。 ビルボが無事に大好きなお家に帰れてよかったなあ、と思いつつ、トーリンたちの最期にしんみり。ビルボが、最初には疎ましく思っていたドワーフたちのことを、だんだん好きになって、かけがえのない友達だと思っていく過程がすごくよかった。

  • 映画の復習と予習。
    面白味は本は本であり、映画は映画なりの良さがあると思う。
    子供向けのストーリー展開だったはずだけど、最後は大人の小説にも負けない深いエンディングが。
    やはり洋書で読もう。

  • 文章の違和感にもぼちぼち慣れ始めた下巻。
    竜を倒すのはバギンズ君一行ではなかったことに軽く衝撃を受けました。竜(ラスボス)を倒せば万事オッケー万々歳、っていうお手軽ファンタジーに毒されてしまっているようです、わたし。

    黄金の魔力に憑りつかれ、イヤなヤツになってしまったかに思われたトーリンの最期は、バギンズとも和解したこともあってやっぱり少し涙が出てしまいました。

    振り返ってみれば、ドワーフであろうと、エルフであろうと、ほかならぬホビットであろうとも、いいところもあれば悪いところもあって、人間味溢れる愛すべきキャラクターがたくさんでした。

    次は指輪物語。
    ビルボの甥っこである、フロド君が主人公だそうだ。映画は未だ観ていないので、とても楽しみ!

    (瀬田さんの訳にも慣れてきたかな、そうだといいけれど)

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著者プロフィール

(1892-1973)オックスフォード大学教授。言語・神話への豊富な知識を生かして創造された別世界ファンタジー『指輪物語』は世界中に熱狂的なファンを持つ。他に『ホビットの冒険』等がある。

「2022年 『終わらざりし物語 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

J.R.R.トールキンの作品

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