点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)

制作 : Erich K¨astner  池田 香代子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 486
レビュー : 81
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140606

感想・レビュー・書評

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  • 私がケストナーを知ったのは、大学生になってからのことであった。読んで猛烈に後悔した。なんで、なんでもっと早く私はケストナーに出会わなかったんだろう! と(ちなみに、後藤竜二さんも似たようなことを思った作家だった)。

    ケストナーは、決して、絶対に、子供をなめない。見くびらない。そして、甘やかさない。
    一人の思考する人間として、子供に対等に接する。真摯である。それでいて、愛情に溢れている。
    彼は彼の持てる全てのモラルと、誠実さと、愛情を持って、子供たちに語りかけてくれる。
    しかしそれは、子供にとって、自分の話を聞いてくれることに等しいのだと思う。ケストナーは語りかける、けれどそれと同じくらい、真剣に私たちの話を聞いてくれるのだ。

    何が正しいのか、ということの難しさと、何を大切にするのか、ということのありがたさ。
    それはいつでも、私達の胸の中にある。けれど、それをきちんと教えてくれる人は、少ない。

    自分が一人ぼっちだと感じたら。何かおかしいと思うことをあったら。
    いつでも、ケストナーに相談してごらん。
    きっと彼は、あなたの話に、真剣に耳を傾けてくれるよ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「きっと彼は、あなたの話に、真剣に耳を傾けてくれるよ。 」
      そう言う大人になりたい。。。
      「きっと彼は、あなたの話に、真剣に耳を傾けてくれるよ。 」
      そう言う大人になりたい。。。
      2014/06/20
    • 抽斗さん
      >猫丸さん
      ケストナーの本を読むと、私も「こんな大人になりたいなぁ」とよく思います。
      >猫丸さん
      ケストナーの本を読むと、私も「こんな大人になりたいなぁ」とよく思います。
      2014/06/22
  • 2016.12月。
    初めてのケストナー。
    子どもは日々を楽しむ天才だ。子どもの自由なこと。それに引き換え大人の不自由なこと。長い時間かけてカチコチになっちゃってるんだなあ。いつだって子どものような自由な大らかな部分をもった人でいた方が絶対いい。そうしよう。
    物語にも、あわせて書かれているケストナーの解説にも、たくさん考えさせられる。
    児童文学は子どもの頃に出会っているのが理想だけど、大人になって読んでもそれはそれですごくいいのだ。

  • 児童向けだけれど、大人が読んでも十分楽しめる。
    童心に戻れるって、なんて幸せなんだろう。
    おちゃめな点子ちゃんと、心優しいアントンの友情物語。
    点子ちゃんのお家にいるお手伝いさんたちが、とてもいい味出してます。
    各章の終りに小さな字で書いてある「立ち止まって考えたこと」は、読んでみて身につまされる思いがします。
    粋で機知に富んだケストナーの発想は素晴らしいです。
    物語に登場する主役の男の子は、ケストナーの分身なのかもしれませんね。

  • 娘の本棚から借りて読んだ。

    点子ちゃんが友人のアントンを助ける場面がある。アントンが生活に困っていることを、アントンの学校の先生に教えに行くのだ。アントンは、「自分でそんなことを言うくらいなら、舌を噛み切って死んだ方がまし」というから、アントンには内緒で、こっそりと。

    アントンは、点子ちゃんのおかげとは知らず、ピンチを免れることになる。

    その場面についての、作者ケストナー先生の一言が素晴らしい。

    “点子ちゃんのように、友人の役に立つ機会がある、というのは、とても幸せで素晴らしいことだ。でも、アントンはそれが点子ちゃんのおかげだとは知らないし、点子ちゃんはお礼を言ってほしいとは思っていない。

    自分が役に立てたことが、そのまま自分へのご褒美だ。そのほかのことは、喜びを大きくするよりも、むしろ小さくしてしまうだろう。”

    そして、“みんなも、人を幸せにすることがどんなに幸せかを、知る人になってほしい”と結ぶ。

    自らを省みて、「はい、ケストナー先生!」と背筋を伸ばさずにはいられない。

    私の子どもたちには多くを望まないようにしてきた。「こうあってほしい」という願いが強くなり、子どもたちの本来の素質を損なうのを恐れていたからだ。だけど、このことは、子どもに伝えていきたい。

    人を幸せにすることが、あなたの幸せ。そうする機会に恵まれたなら、そうすることがご褒美だってこと。

    何回も読み返したい本だ。

  • ドイツ児童文学作家・コルドン氏や、脇明子さんがお好きなケストナー。小学校図書館にあった、1979 小川超訳『てん子ちゃんとアントン』(集英社/子どものための世界名作文学 24)を読了。
    時代的にかなり古い表現は多々ありましたが、なるほどケストナーはこういう作風なのだなと納得できました。『飛ぶ教室』あたためているので読まねば。『動物会議』もきちんと再読したい。

  • 子ども図書館で借りてきたので、読んだのは1962年岩波版です。
    ブルジョワの両親の下で、のびのびと、やや放任気味に育てられている「点子ちゃん」ことルイーゼと、貧しい母子家庭ながら母親に一心に愛情を向けているアントン。異なる階級に属しながら固い友情でむすばれた2人が、点子ちゃんの家庭教師アンダハト嬢とその「おむこさん」による悪だくらみをあばき、ついでにアントン少年の家庭の事情も解決されるという、冒険とハッピーエンンドの物語です。
    とはいっても、けっして甘いだけの本ではなく、ケストナーはこの作品で階級社会への批判そのものを焦点に据えているわけですが、正義感あふれると同時に子どもらしくのびのびした点子ちゃんを主人公にすえることで、説教くさくならず、ユーモアにあふれ、子どもたち自身の力に希望をたくす、生き生きした本になっています。ケストナーの本のなかでも、とりわけ魅力ある一冊だと思います。

  • お母さん思いのアントンに胸を打たれたり、点子ちゃんの天真爛漫さに微笑んだり。こんなに素敵な二人はいないと思う。

  • 子供をほったらかしにする親。
    子供の友達づきあいの中で、家族からは得られない情報と経験を積み重ねていく。
    それでも、家族の絆の大切さもにじませている。

    最初は、あまりよくわかりませんでしたが、
    映画(DVD)を見て、筋が分かってから、文庫を読んだら、よく分かりました。

    人によって、文庫が先の方がいい人と、
    映画が先の方が良い人がいるかもしれません。

    文庫をよんでピンと来ない人は、ぜひ、映画(DVD)をごらんください。

  • ★3.5
    大好きな映画の原作本。小説の点子ちゃんも天真爛漫で可愛いけれど、映画の点子ちゃんの方が一本筋が通っていたような気が。特に、夜のマッチ売りの理由がぼやけてしまっていて、どうしても物足りなさを感じてしまう。そして、母親思いで健気なアントンに対して、アントンの母親の大人気ない態度に軽くイライラ。すぐに反省はしているものの、あれは本当にあんまりすぎる!ただ、善悪に関わらず様々な事例を出して、子どもを正しく導きたい、というケストナーの思いはとてもよく分かる。もっと子どもの頃に読んでみたかったな、と思う。

  • ケストナーいいわあ。
    「エーミール」も読まなきゃ。

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