ムギと王さま―本の小べや〈1〉 (岩波少年文庫)

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制作 : エドワード・アーディゾーニ  Eleanor Farjeon  Edward  Ardizzone  石井 桃子 
  • 岩波書店 (2001年5月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140828

作品紹介

幼い日々、古い小部屋で読みふけった本の思い出-それは作者に幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました。この巻には、表題作のほか「レモン色の子犬」「小さな仕立屋さん」「七ばんめの王女」など、14編を収めます。小学5・6年以上。

ムギと王さま―本の小べや〈1〉 (岩波少年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ファージョン(1881-1965)はイギリスの詩人・作家です。岩波少年文庫の扉の紹介文によると、父は流行作家、母はアメリカの有名な俳優の娘でした。芸術的な雰囲気に満ちた家庭で本に埋もれて育ち、正規の教育は受けませんでした。
    この短編集に収められた作品は不思議な味わいのあるものばかりです。それもこれも、義務教育を受けずに育てられ、自由な空想を羽ばたかせて書いた成果でしょうか。

    かなり良かったと思います。お気に入りの作家になってしまったのですが、中でも私がお気に入りの話は「レモン色の子犬」、「月がほしいと王女さまが泣いた」、「七ばんめの王女」ですね。

    「レモン色の子犬」は、面白いです。悲しさと美しさが共存したお話です。


    王さまの木こりのジョンがある日、年とって亡くなります。その息子のジョーは特技といっては木を切ることしかありませんでしたが、王様の執事に父親亡き後の木こりの職を志願するところから、物語ははじまります。
    木こりの仕事を一度は断られたジョーですが・・・王様の娘の王女さまと、意外なところで出逢います・・・。
    身分の低い木こりと、王女様の恋の行方は如何に・・・。そんな話です。


    「月がほしいと王女さまが泣いた」は楽しい作品です。ファージョンの作品は王様とか王子、王女様が登場することが多いのですが、ここでも無邪気というか、天真爛漫な王女サマが登場します。
    王女サマは五歳とか六歳なのですが、お月様がほしくて、屋根の上にまで登って、泣いています。「あたしお月様がほしいの」、と。
    その王女サマの一言がとんでもない騒動を巻き起こします。誤認逮捕の嵐、戦争の勃発・・・国中を、大混乱に陥れます・・・。

    ファージョンは、技術的に「繰り返す」ことを好きな作家ですね。「レモン色の子犬」でも、同じパターンを何度か繰り返して、ラストでカタルシスが訪れる、という構造です。
    作品的には児童書かもしれませんけれど、構造への意思があります。言い換えれば、自由に好き勝手に空想の翼を広げているように見えて、その実、裏では精緻な計算をしているということです。

    最上級の、上質の物語がここにあります。

    * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
     
    にゃんくの本『果てしなく暗い闇と黄金にかがやく満月の物語』より
    (あらすじ)

     七歳になるリーベリの元に、或る日、継母のケイとその娘ミミがやって来ます。継母に虐められ、リーベリは学校にも通えず、幼い頃から働かされ、友達すらいなくなります。
     リーベリの心の拠り所は、亡くなったママ・ジュリアが遺してくれた魔法の教科書だけ。リーベリは毎日魔法の勉強をし、早く大人になり自由な生活を送れる日が来ることを夢見る毎日です。
     成長したリーベリの唯一の仲間はぬいぐるみやカラスだけです。
     或る日、そんなリーベリは、海岸にひとり男が倒れているのを見つけますが……。


    ↓ここから本を試し読みできます

    http://p.booklog.jp/users/nyanku

  • 前書き「本の小部屋」は私の永遠のあこがれだなぁ
    そして、ファージョンにはやっぱり、アーディゾーニのイラストがいい
    C.S.ルイスやトールキンにポーリン-ベインズが似合うように。

  • 旧版のまえがきだけ前に読んだことがある。
    作者まえがきの本の子部屋に憧れる。
    本にまみれた家。
    溢れ出ている本。
    そんなところで子供時代を過ごしてみたい。

    元も素晴らしいのだろうが、さすが石井桃子さんというだけあっておとぎ話のような美しい訳が素晴らしい。
    擬人化された夜や太陽、生き物が生き生きとしている。

    幸せな結末の話、落ちに頼らない平坦な話、教訓的な少し風刺のきいた話…。

    「西の森」と「小さな仕立屋さん」が好き。

  • 短編集。子どもができたら、毎晩少しずつ読んであげたい。声に出して、耳から聞きたいおはなしばかりでした。

  • はじめて読んだのに
    遠い昔の記憶をくすぐるような、

    上質な
    おとぎ話。

  • お金では買えない宝物を手に入れる物語「ムギと王さま」「ヤング・ケート」「名のない花」「金魚」「西の森」「小さな仕立て屋さん」「七番目の王女」はどれも充実した気分になる。選択の自由があって、知りたいものを知れて、身の丈にあった暮らしをして、夢を見る心の余裕があるのが、一番幸せだなと思った。他にはおとぎ話的な「レモン色の子犬」もいいけれど、何と言っても「金魚」の小さな金魚が新しい発見に喜んで飛び跳ねたり、まだまだ未知なことを全部知る術がないと悲しんで落ち込む様が何とも愛くるしい!

  • 易しい言葉、でも深く心に響く調べ。まるでモーツァルトのよう。これを読んでいる時、家族がたまたまモーツァルトのロンドを練習していた。とりわけ「西の森」は本当にこの曲そのもののように感じられた。
    好きなのは、「金魚」「レモン色の子犬」「西ノ森」
    連想するのは、モーツァルト。そして、ワーグナーのモチーフにでてくる「聖愚」という概念。

  • 幼い日々、古い小部屋で読みふけった本の思い出―それは作者に幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました。
    この巻には、表題作のほか「レモン色の子犬」「小さな仕立屋さん」「七ばんめの王女」など、14編を収めます。

  • 文学少女から「ムギと王さま」を知った。どのお話も綺麗でキラキラしていて宝石箱を開けている気分でした。個人的には「西ノ森」が1番好きでした。

  • ◆きっかけ
    『少年少女のための文学全集があったころ』の中で松村由利子さんが、様々なお菓子が出てきてワクワクする、と書いており読みたくなった。2016/9/25

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