ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 86)

著者 :
制作 : 下田 昌克 
  • 岩波書店
4.04
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本棚登録 : 216
レビュー : 38
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140866

感想・レビュー・書評

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  • これは面白い!!  面白い・・・・のと同時に多くのことを考えさせられる物語でした。  でも正直なところ子供時代にこの本を読んでいたら、KiKi には秀一の気持ちが今ほどは理解できなかったような気がします。  なぜなら、KiKi は秀一タイプの子供ではなく、どちらかと言えば妹のマユミタイプの子供だったと思うので・・・・・。  つまり、そこそこ勉強もできるし、大人の気に入る子供を演じることもできる子供。  まあ、マユミとの違いがあったとすれば、「自分を可愛く見せる」というセンスには欠けていた(少なくとも KiKi は外見的な可愛さにはあまり重きを置いていなかった女の子だったので 苦笑)し、マユミほど陰湿じゃない(少なくとも告げ口をするのはあまり好きじゃなかった)ぐらい・・・・かも ^^;

    母親のヒステリックさ加減はちょっとオーバーな気がしないでもなかったけれど、KiKi の母親世代(物語の母親と近い世代)の専業主婦で子供に期待の多くを寄せているタイプっていうのは多かれ少なかれ、この物語の母親と同じような部分を持っていたような気がします。  本人は子供と家族のために一所懸命なんですよ。  でも、ある意味で世間知らずで、ある意味で閉鎖的で、ある意味で理想主義者。  だからいわゆる「いい子」のステレオタイプには甘くて、秀一みたいなタイプの子供は大の苦手なんですよね~。  で、秀一が女の子だったら、親にも負けない口(物言いと言うか、お喋りと言うか)で自分を表現することもできたりするんだけど、残念なことに秀一は口下手な男の子なわけですよ。  だから、自分を、自分の考えていることや感じていることをどう表現したらいいのか、わからないんですよね~。  で、子供のほうが黙っていることをいいことに、親の方はガンガン押し込んでくるし、対する子供はとりあえず今この時点での嵐が通り過ぎるのを待っている・・・・・。

    (全文はブログにて)

  • 予想以上に、社会派な作品。男の子が、母親に疑問を持ち、家出をして、様々な経験をして成長していく。
    優等生と思っていた兄や、母親の手先にしか思えなかった妹。弱いと思ってた父。反抗的になったり、批判したくなる年頃の子どもに、考えるきっかけを与えてくれるかも。終わりまで、飽きずにあっという間に読めた。

    • はしのさん
      うれしいなあ、僕の大好きな作品です。この作品に小学生の自分は大きな影響を受けました。
      うれしいなあ、僕の大好きな作品です。この作品に小学生の自分は大きな影響を受けました。
      2013/05/24
  • この作品は1969年に刊行されたもの。
    結構古い作品なんだけど、古さは感じなかった。
    著者はテレビでやっていた「あばれはっちゃく」も書いている。
    恥ずかしながらこの作家さんのことは全く知らなかった。

    もっとも「あばれはっちゃく」自体はあまり好きではなかったと記憶している。
    なんとなく主人公である子どもが小太りで、「~~でないやい」みたいな言葉を発していたのを覚えている。子どもながらにあの言い方が嫌だった。

    典型的な子どもを自分の思うようにコントロールする母親が登場する。哀しい。

  • 新聞で紹介されていて、興味を持ったので、読んでみました。
    主人公の秀一は、5人兄弟の4番目の男の子(兄が2人、姉・妹が一人ずつ)で小学校6年生。優秀で要領のいい兄弟の中で、ひとり、勉強嫌いということで、教育ママである母親に叱られまくりの冴えない毎日。そんななか家出を想像していたところ、それがいつのまにか家族に伝わってしまい、「おまえが家出なんかできるわけがない」と言われてひくにひけなくなり、ついに家出。なんとも冴えない主人公ですが、その先で出会った老人と女の子の住む家での生活で、いろいろなことを発見して、帰ってきます・・・。
    小学生向けに書かれた本と言うこともあり、すぐに読めて、おもしろかったです。次々と出来事が起こり、スピーディな展開で飽きさせない、ということもあります(これと同じ内容を大人向けに書いたら、もっとすごくボリュームのある本になったはずです)。また、劣等生の秀一の目を通して見た世界が読み手の共感を得やすいだろうと言うことも思います。また、扱っているテーマが「家族」であることも普遍性のあるテーマだと思いましたし、初めて公表されたのが1969年と古いのですが、その時代を感じる内容が多く盛り込まれていることが、逆に、新鮮に感じました。
    現在、母親である自分から見ると、母親の描かれ方がステレオタイプにも思えましたが、子どもの反乱がひとつのテーマであるので、この描かれ方もやむなしかな、と。郵便物を取り返そうと息巻く秀一を、なんとかしてとめようとする母親は、気の毒を通り越して滑稽そのものでしかありませんが、この時代のお母さんならありえたのかしら。自分自身、母親の立場でありながら、少し突き放してこの母親を見ることもできるのは、これが書かれた時代に私自身が産まれてもいなかったから(世代的には子どもの方に近い)、といえるかもしれません。
    とにかく面白くて、あっという間に読んでしまいました。子ども向けだからといって、あなどれませんね。

  • やかましい母親や優等生ぞろいの兄妹のなかで,秀一だけはダメな子だった.
    ひょんなことから家出をした秀一は,同い年の少女とおじいさんの住む農家
    で,ひと夏をすごす.次々とふしぎな事件にまきこまれていくなかで,秀一は,
    見せかけだけの家庭や社会の真の姿を感じとるようになっていく.少年の
    力強い成長を描く物語.

  • 『砂場の少年』と同じく中学生の頃に読んだ。かなりの衝撃でその後何度も繰り返し読んだ。できのいい兄と妹にはさまれて親の期待に応えられず身動きできない主人公の苦しみが今でも胸の中に残っている。「イイ子」だった私が大人に対して初めて凶暴といえるほどの攻撃的な気持ちを持った。主人公が家出をして帰ってきた時に私もひとつ大人になったような気がした。

  • 衝撃のラスト
    『疾走』のマイルド版か…

  • 子供の頃に読んだ本を、再読。

    家(主に母親)が嫌で家出しちゃう男の子秀一が主人公。
    家出中にたくさんの事件に遭遇して、
    どんどん成長して頼りがいのある男の子になっていきます。
    最後には、お母さんよりもちょっと大人になってしまうところがなんとも。・・・
    子供の頃は納得ならなくて腹立たしかったのだけど、
    今はじーんとしました。
    小学校6年生で子供時代の終わりが訪れてしまった
    主人公が頼もしくもあり、可哀想にも感じてしまう。

    家にあるのは角川文庫ですが、
    岩波少年文庫の方がすぐ見つかりそう。

  • とりま、末っ子がばりうざすぎたw
    こいつ、モラルに反してでも権力に媚び売るスネ夫やないかい。

  • 主人公が家出するんだけど、その時のスリルが伝わってきて面白かった。

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著者プロフィール

1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。戦時下を描いたノンフィクションに『ボクラ少国民』シリーズ(辺境社)、『少国民の名のもとに』(小学館)、『アジア・太平洋戦争史』(岩波書店)、『戦争ができなかった日本~総力戦体制の内側』(角川書店)、『少国民戦争文化史』(辺境社)、『戦時児童文学論』『靖国の子』(大月書店)などがある。

「2017年 『戦時下の絵本と教育勅語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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