ぼくがぼくであること (岩波少年文庫 086)

  • 岩波書店 (2001年6月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (300ページ) / ISBN・EAN: 9784001140866

みんなの感想まとめ

テーマは成長と自立であり、主人公の秀一は、厳しい家庭環境から逃れ、山奥での新しい生活を通じて少しずつ自分を見つけていきます。彼は、頑固な老人や大人びた少女と触れ合いながら、心の成長を遂げていく様子が描...

感想・レビュー・書評

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  • 優等生ぞろいの兄妹の中で、ひとりだけダメな6年生、秀一。極端な教育ママの抑圧に耐えかねて、思いつきから家出する。乗り込んだ軽トラがひき逃げしたのを目撃してしまい、転がり込んだ山奥の一軒家。そこには頑固な老人と孫が二人だけで暮らしていた。同い年とは思えないほど大人びた少女夏代。二人の暮らしを手伝ううちに、秀一は少しずつ成長していって…。
    1969年刊行のため、戦後日本の負の遺産とか、当時の学生運動とかが織り込まれた展開は古さを感じます。それでも、ひと夏の少年の成長物語として、やはり永遠に読み継がれてほしい一作だと思います。

  • このお話は4年生のぼくにはちょっと難しかったかな(笑)ちょっと複雑だけど面白かったです。

  • ちょっと気持ちが涸れてるなって時に読んで、すかっとした。だから本の世界って好きだ。自立していく様子がかなり小気味いい。いつかまた読みたい本。20 Dec 2006

  • 『砂場の少年』と同じく中学生の頃に読んだ。かなりの衝撃でその後何度も繰り返し読んだ。できのいい兄と妹にはさまれて親の期待に応えられず身動きできない主人公の苦しみが今でも胸の中に残っている。「イイ子」だった私が大人に対して初めて凶暴といえるほどの攻撃的な気持ちを持った。主人公が家出をして帰ってきた時に私もひとつ大人になったような気がした。

  • お母さんはひどいのだけど、部分的にはそんなもんじゃないかな…と思うところもある、もちろん誰が見てもひどい部分もあるけど…自分にとっての譲れないものが親子の関係でも、親しい関係だからこそ受け入れ難いことはあるけど、考えが違っても自分は自分、親が親じゃないと言うことはない。親子でも考えが違ってぶつかるもの、、他にもいろいろとはっと思うようなところがあった
    主題ではないだろうけど、埋蔵金とかいろいろはどうなったんかな…とは思う
    著者がお亡くなりになったとのことで図書館に期間限定の専用コーナーがあった、読んでみてよかった

  • ふむ、まあ、児童文学だな。
    一部、事件の決着が回収されなくてモヤモヤするけど、こんなもんか。
    …と、解説ページもパラパラと見ていた。ら。
    この著者の作品、大林宣彦監督作品の原作になっているらしい。
    え、『転校生』だけじゃなくて、『とんでろじいちゃん』もこの人が原作なんですか!?!?
    とんでろじいちゃんは、小さい頃に見て、なんだかとても好きなのだ。
    小中学生の頃好きだった作家である富安陽子さんが描くような、日常の中に八百万がひょっこり顔を出すような、ワクワク、ちょっぴり怖い冒険が、自分のひと夏の冒険みたいにずっと心に残ってるのだ。
    違う作品の話になってしまったけれど、これが自分にとってのこの本についての大事件。

  • できの悪い秀一が、家出を通して強くなっていく。母や妹があまりにひどい人物像だが、逆に目が離せず読み進められた。

  • 私たちみんなが似たような気持ちを抱える中で、答えを探しながら主人公が成長していく姿に感動する。

  • 予想以上に、社会派な作品。男の子が、母親に疑問を持ち、家出をして、様々な経験をして成長していく。
    優等生と思っていた兄や、母親の手先にしか思えなかった妹。弱いと思ってた父。反抗的になったり、批判したくなる年頃の子どもに、考えるきっかけを与えてくれるかも。終わりまで、飽きずにあっという間に読めた。

    • はしのさん
      うれしいなあ、僕の大好きな作品です。この作品に小学生の自分は大きな影響を受けました。
      うれしいなあ、僕の大好きな作品です。この作品に小学生の自分は大きな影響を受けました。
      2013/05/24
  • これは面白い!!  面白い・・・・のと同時に多くのことを考えさせられる物語でした。  でも正直なところ子供時代にこの本を読んでいたら、KiKi には秀一の気持ちが今ほどは理解できなかったような気がします。  なぜなら、KiKi は秀一タイプの子供ではなく、どちらかと言えば妹のマユミタイプの子供だったと思うので・・・・・。  つまり、そこそこ勉強もできるし、大人の気に入る子供を演じることもできる子供。  まあ、マユミとの違いがあったとすれば、「自分を可愛く見せる」というセンスには欠けていた(少なくとも KiKi は外見的な可愛さにはあまり重きを置いていなかった女の子だったので 苦笑)し、マユミほど陰湿じゃない(少なくとも告げ口をするのはあまり好きじゃなかった)ぐらい・・・・かも ^^;

    母親のヒステリックさ加減はちょっとオーバーな気がしないでもなかったけれど、KiKi の母親世代(物語の母親と近い世代)の専業主婦で子供に期待の多くを寄せているタイプっていうのは多かれ少なかれ、この物語の母親と同じような部分を持っていたような気がします。  本人は子供と家族のために一所懸命なんですよ。  でも、ある意味で世間知らずで、ある意味で閉鎖的で、ある意味で理想主義者。  だからいわゆる「いい子」のステレオタイプには甘くて、秀一みたいなタイプの子供は大の苦手なんですよね~。  で、秀一が女の子だったら、親にも負けない口(物言いと言うか、お喋りと言うか)で自分を表現することもできたりするんだけど、残念なことに秀一は口下手な男の子なわけですよ。  だから、自分を、自分の考えていることや感じていることをどう表現したらいいのか、わからないんですよね~。  で、子供のほうが黙っていることをいいことに、親の方はガンガン押し込んでくるし、対する子供はとりあえず今この時点での嵐が通り過ぎるのを待っている・・・・・。

    (全文はブログにて)

  • 新聞で紹介されていて、興味を持ったので、読んでみました。
    主人公の秀一は、5人兄弟の4番目の男の子(兄が2人、姉・妹が一人ずつ)で小学校6年生。優秀で要領のいい兄弟の中で、ひとり、勉強嫌いということで、教育ママである母親に叱られまくりの冴えない毎日。そんななか家出を想像していたところ、それがいつのまにか家族に伝わってしまい、「おまえが家出なんかできるわけがない」と言われてひくにひけなくなり、ついに家出。なんとも冴えない主人公ですが、その先で出会った老人と女の子の住む家での生活で、いろいろなことを発見して、帰ってきます・・・。
    小学生向けに書かれた本と言うこともあり、すぐに読めて、おもしろかったです。次々と出来事が起こり、スピーディな展開で飽きさせない、ということもあります(これと同じ内容を大人向けに書いたら、もっとすごくボリュームのある本になったはずです)。また、劣等生の秀一の目を通して見た世界が読み手の共感を得やすいだろうと言うことも思います。また、扱っているテーマが「家族」であることも普遍性のあるテーマだと思いましたし、初めて公表されたのが1969年と古いのですが、その時代を感じる内容が多く盛り込まれていることが、逆に、新鮮に感じました。
    現在、母親である自分から見ると、母親の描かれ方がステレオタイプにも思えましたが、子どもの反乱がひとつのテーマであるので、この描かれ方もやむなしかな、と。郵便物を取り返そうと息巻く秀一を、なんとかしてとめようとする母親は、気の毒を通り越して滑稽そのものでしかありませんが、この時代のお母さんならありえたのかしら。自分自身、母親の立場でありながら、少し突き放してこの母親を見ることもできるのは、これが書かれた時代に私自身が産まれてもいなかったから(世代的には子どもの方に近い)、といえるかもしれません。
    とにかく面白くて、あっという間に読んでしまいました。子ども向けだからといって、あなどれませんね。

  • やかましい母親や優等生ぞろいの兄妹のなかで,秀一だけはダメな子だった.
    ひょんなことから家出をした秀一は,同い年の少女とおじいさんの住む農家
    で,ひと夏をすごす.次々とふしぎな事件にまきこまれていくなかで,秀一は,
    見せかけだけの家庭や社会の真の姿を感じとるようになっていく.少年の
    力強い成長を描く物語.

  • 確か中学生の頃に読みました。
    兄弟の中でも一番劣等生な主人公が、家出によって成長する物語。
    劣等感だとか、親への反発だとかそのモヤモヤした気持ち。とても衝撃を受けた覚えが。
    今でもたまに読み返してみる本です。

  • これを読んで随分知りたいことのヒントになった。遠くに行きたくなるし、勇気の出る一冊。

  • 誤魔化しでよくなることはない。今もでたらめだ。そんなことをしたらぼくではなくなる。ぼくは元々のぼくだった。

  • 6年生の秀一(ひでかず)が常に成績が悪く、先生に怒られ、授業中しょっちゅう立たされる。のび太みたいな感じかなと思いきや秀一にドラえもん的存在はいない。とにかく母から投げられる言葉や仕打ちがつらすぎる。この本の中では大人が完全なる敵だった。大人に支配されたくはないけど大人の助けがなければ生きていけない…子どもの世界も決して楽ではない。

    児童文学は平和で軽く読めるものだとナメていた。

  • ★★★★★
    大林宣彦の尾道三部作の原作者でお馴染みの山中恒による、少年の自立をテーマにした児童文学。
    完全なる児童文学だけど、これは反抗期を通過した、あるいは反抗期を終えられない全ての大人に捧げたい!!!!
    昭和版グミチョコレートパイン!!!毒親からの脱却!!

    最初から最後までもう秀一の気持ちが私に憑依して、息苦しさを打破すべく、亥年らしく解放と自立へ向けて猪突猛進したあの頃が重なりまくって、悶絶した。

    どうして、こんなに子供が読むべき本を、誰も勧めてくれなかったの?学校の図書館でも、一度もお勧めされているところを見たことがないけど、こんなの絶対10代の子供が読むべきでしかない。
    教科書に、伊坂幸太郎とか載せる前にこれだろ。
    盆土産なくすならこれだろ。
    という気持ちでいっぱいです。

    え?こんなにぶっ刺さってるの私だけ?みんなそんなに自由を求めてない?という気もしなくはないが、子ども時代の自立へ向かうあの感じは、何歳になっても自分の核だし宝だなぁと思いました。
    とにかく全人類に読んでほしいです。

  • こんなお母さんの子なのに秀一は自由奔放に育って良かったなあと思いながら読んでいた。こんな家飛び出せて良かった。こんなお母さんに育てられたら逃げたくなるよね。人生を無駄にしちゃだめ。自分を守らなきゃ。お兄さんの良一も、実はちゃんと自分を守った。「お母さんのように人を愛することもしないで目先のことだけで結婚し、ただ自分の気分のためだけに子供を勉強へ追いやり、ちっぽけな安楽のためにだけ子供をへやり・・」よく言った!スッキリ!そして、その後の言葉で、私は「そういうことなの??」とわかったようなわからないような気持ちになった。「そういう社会に無関心な人たちが、このどうしようもない社会を作ってしまったんだ」って言葉。無関心な人の集まりって実はとても怖いことなのかもしれない。
    夏代の言葉で「夏代がお母さんに会いたいと思っていることで困ったり、不幸になったりしてもしょうがないわ」という言葉がある。お母さんに会わないことが1番正しいのだと思っている周りにいくら反対されても、自分は会いたいのだと主張している。
    そのくらい強い決意で臨まないと自分の考えを貫き通すことはできないのだ。
    この本を読んで、もっと、自分でよーく考えないと、無関心になっちゃいけない!と思った。

  • 秀一の立場で考えると家出したくなるのもわかる。
    結構面白かった。

  • この本は、秀一という子が主人公で、優等生ぞろいの兄弟ばかりなのに一人だけダメで、毎日母におこられている。
    私は、少し読んだときに、私がこの主人公の立場だったらつらいだろうなと思った。
    とうとう秀一は家出して、ある農家へたどり着くのだが、そこで起こる出来事がとても面白くて、そしてだんだんと秀一も成長していくところがいいなと思った。
    この本を読んで、自分が自分であることの大切さや、一生懸命やることの大切さを学んだ。

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著者プロフィール

1931年北海道小樽市生まれ。児童読み物・ノンフィクション作家。戦時下を描いたノンフィクションに『ボクラ少国民』シリーズ(辺境社)、『アジア・太平洋戦争史』(岩波書店)、『戦時児童文学論』『靖国の子』(大月書店)、『新装版 山中恒と読む修身教科書』(子どもの未来社)などがある。

「2025年 『増補版 戦時下の絵本と教育勅語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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