アラビアン・ナイト 上 (岩波少年文庫 090)

  • 岩波書店 (2001年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784001140903

みんなの感想まとめ

多様な人間の姿を描くファンタジックな物語が展開され、主人公シンドバットの冒険は、後悔を抱えながらも航海を続ける姿が魅力的です。物語は、アラビアの独特な気候が生み出した色彩豊かな世界を背景に、登場人物た...

感想・レビュー・書評

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  • 「シンドバッドの冒険」の全部を読んでみようと思って図書館に行ったらこちらがあったので。

    ボルヘス編「バベルの図書館」のガラン版。アラジンも収録。
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4336030448
    同じくバートン版
    https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4336025703

    【シンドバッドの冒険】
    親の遺産を遊蕩で使い果たしたシンドバッドは、商人になり、商船に乗り込む。
     一回目の航海。休憩に降りた島が巨大なクジラの背中だった!
     二回目の航海。巨大なロック鳥の島に取り残され、ロック鳥の足に掴まり降りたところはダイヤモンドと毒蛇の谷だった。
     三回目の航海。人食い巨人と、人食い蛇に仲間たちが次々に食われてしまう。
     四回目の航海。人食い族から逃げ出したら王様に気に入られ、美しい妻も娶らせてもらったが、この国では配偶者が死ねば一緒に生きたまま埋められる風習があった!
     五回目の航海。巨大なロック鳥に襲われたり、おんぶ老人に取り憑かれたり。
     六回目の航海。孤島から宝石と一緒に抜け出したらインドのセレンディプ島の王様に大歓迎され、王からバクダッドの大教主への大量のお土産を持ち故郷に帰ってこられた。
     七回目の航海。バクダッドの大教主から「返礼の品を持ってもう一度セレンディプ島に行ってくれ」と言われた。途中で漂流したら象牙商人の奴隷になってしまったが、象の墓場を見つけて無事に逃げられた。

    ==簡易版だと勢いのある冒険物語なのだが、全部読むとなかなかシビアだった(笑)
    シンドバッドも、島で漂流したときは自分だけの食料を隠し持ち一人生き延びたり、墓場に生き埋めにされたら死体から宝石盗んだり、象を射殺しまくったりと生きるためには勇気と運だけでなくずる賢さや思いっきりの良さも必要なのね。
    シンドバッドはの航海は、中近東からおそらくアフリカ、そして中国まで非常に広範囲だ。「シンドバッドの冒険」の原典はアラビアンナイトにはなく、他のお話をもとにフランス人文学者ガランが付け加えたものだという。それならシンドバッドが漂流した島に出てくる船を襲う小人族だとか、人食い族だとかは、ヨーロッパから見た中近東やアジア諸国の蛮族のイメージなのだろうか。
    そんなこんなで生きるためのシビアさも持っているシンドバッドだが、やはりイスラムの教えというのか、大金を稼いで故郷に戻ったらまず貧しい人々へ施し、回教教会に寄付をする。
    何度も命の危機に陥るが、そのたび「神の思し召しにおまかせしよう」と覚悟を決めてる。人の運命は神の思し召し。大金や命を得るのも失うのも。すべて神のくださるものだと覚悟した上で戦ったり知恵を絞ったりする人こそ神は恩恵をくださる。だからこそ貧富や身分の差は運命として当然だし、人を陥れてのし上がったとしても神の定めというように感じました。


    【アラジンと魔法のランプ】
    アラジンは怠け者の青年。ある日「私はお前の叔父だ。お前を大金持ちにしてやろう」と言う男が現れる。だが男はアフリカから来た魔法使いで、アラジンを使ってなんでも願いの叶う魔法のランプを手に入れようとしていたのだ。アラジンはわけのわからないまま魔法使いに殺されかけ、そして魔法の力で助かる。
    家に帰ったアラジンは、魔法をうまく使い商人となる。ある日町の行列にいた姫に一目惚れして、王様のもとに結婚を申し込む。
    王様は無理難題を命じるが、魔法の力を持つアラジンはことごとく叶えて美しいお姫様と結婚するのだった。

    ==前半では怠け者アラジンが魔法の力を手に入れるまでのお話。後半はお姫様と結婚するお話。
    お姫様が無個性だが、こんなもんか。
    後半は魔法の力で宝を出しまくるので、お話としてはあんまり動かない。
    なお、アラジンは中国の回教徒、魔法使いは魔法を持ってる割には不遇に慣れているアフリカ人、ということで、当時のヨーロッパからみた異民族のイメージなんだろうか。

    【ペルシア王と海の王女】
    ペルシア王は、絶世の美女の奴隷を妃に迎える。后は一切口を利かず、笑顔を見せることもない。一年経ち跡取り王子が生まれると后はやっと口を開く。
    后は『海の薔薇』を意味するグルナーレという名で、海の底の世界の王女だったのだ。海の底の世界では戦争が起こり、グルナーレは地上の世界に出てくることになったのだ。
    心を通じ合わせたペルシア王のもとに、グルナーレは海の底の自分の家族を呼ぶ。

    【ベーデル王とシャウワーラ姫】
    前のお話のペルシア王は、グルナーレ后との間の王子べーデルに位を譲って退位する。グルナーレ后の母や兄は、ベーデルの結婚相手として海の底の別の王国の王女で絶世の美女のジャウワーラを引き合わせようとする。だがその父のサマダンダル王は人を見くびり簡単には結婚など許さなかった。
    結婚の許しに向かったベーデルも鳥に姿を変えられて、遠くの島に捨てられてしまい…。
    ==一応お話の中心は、ベーデル王のシャウワーラ姫へのプロポーズに伴う争いごとなんだが、海の王国の争いだとか、人を動物に変える魔女だとか、話がかなりあっちこっちに飛びまくり、地理上も時間上も広範囲なお話だった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      淳水堂さん
      「シンドバッド第八の航海」には言及されないの?
      淳水堂さん
      「シンドバッド第八の航海」には言及されないの?
      2022/12/03
    • 淳水堂さん
      猫さんこんにちは!

      あ、あれ?本は返してしまったんですが、七回までしか書かれてなかったはず。
      大人向けの話ですかね?
      猫さんこんにちは!

      あ、あれ?本は返してしまったんですが、七回までしか書かれてなかったはず。
      大人向けの話ですかね?
      2022/12/04
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      淳水堂さん
      スティーヴン・ミルハウザー 「バーナム博物館」(白水社)です、、、
      淳水堂さん
      スティーヴン・ミルハウザー 「バーナム博物館」(白水社)です、、、
      2022/12/04
  • すっごくおもしろかった!
    シンドバットが、後悔してもつい航海しちゃうっていうのがますますおもしろい。
    絵本とか絵の多い本とは、お話とか登場人物とかが結構ちがっていて、うんとくわしく書かれている感じ。でも、読みやすくてたくさん想像できて、こっちの方が断然よかった。(小6)

  • バグダッドの商人であるシンドバッドは、インド洋に航海に出て、難破等の困難を乗り越え商売を成功させる物語です。旅の困難に懲りたのにもかかわらず、血が騒いで再び航海に乗り出す、そんな話が6回繰り返されます。7回目の航海だけは教主の命令で赴きました。
    大人になってから読むと気づくシンドバッドの物語が描くイスラムの世界観があります。子どもの時に聞きかじっていただけでは、気づきませんでした。

    http://naokis.doorblog.jp/archives/Sinbad_the_saior.html【世界の文学を読む】『アラビアン・ナイト』より『船乗りシンドバッドの航海』 : なおきのブログ

    2017.12.16 『教養は児童書で学べ』からの選書
    2017.12.30 『古典力』より
    2017.12.31 「世界の文学作品を読む(2018年に向けて)」に追加
    2018.01.06 読書開始
    2018.01.09 読了
    2018.01.09 朝活読書サロンで紹介する。

  • ファンタジック。きらびやか。

    アラビアの気候が生んだ世界なのね~。

    盗賊も裏切りもあまり残酷なこととしてとらえられていない気がする。
    誤解を恐れずいうと、ISがやって見せることも一部の人にとっては本当に残酷だと思われていないのかもしれない。)とても人間臭いのか?
    そうかと思うと’立派な人’も出てくるけど。
    人間が一番わからない。
    立派でもあり、残酷でもあり。
    その分からないものを存在させるために魔人というものが生まれてきたのかな~。

  • 気づいたらちゃんと読んだことがない。

  • シェヘラザードが命乞いに語った作品集。

  • 訳も再編の目的も明確で読みやすい。
    まあそもそもが「ヨーロッパ人が夢見るエキゾチックな嘘アジアの話」なので、読んでてその地理描写は中国じゃねえとか、中東エリアにその価値観を持ち込むなとか言いたいことだらけだけどな。

  • 上巻は『シンドバッドの冒険(1〜7回目の航海)』、『アラジンと魔法のランプ』『ペルシア王と海の王女』『ベーデル王とジャウワーラ姫』の全10編。シンドバッドやアラジンは現代でも(あるいは日本でも)モチーフにした作品が作られているので、却って原典の雰囲気やシンプルなストーリーに触れる価値を感じる。特にアラジンは中国の話として描かれている(ただし、どう読んでも中国ではない)ことなど、客観的に見て楽しめる部分が多い。内容といい文体といい、読みやすいとは言いがたいので、小学校高学年以上向けというのも納得。

  • 読みたいなと思いつつ、読んだことがない作品。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • これを読んでアラビア語圏に行きたい欲がムクムクとわいてきました。シェエラザードの紡ぐ寝物語が悠久のイスラム世界へといざなってくれます。

    九州大学
    ニックネーム:三好 蓮

  • 当時ヨーロッパにとってのオリエントっていうのは、
    現実に存在する非現実というか、
    空想の中に存在する世界というか、
    きっとそんな感じだったんだろうなあ。

    それにしても、
    シンドバッドの学習能力のなさったら。

  • 岩波でアラビアンナイト

    船乗りシンドバッド
    初めて読んだな〜
    ダイハードってかんじ

    ひとくい人種とかひとつめ巨人とか
    ダイヤモンドの谷に巨大な鳥とか
    いつもひとりだけ生き残って
    たくさんもうけて
    バグダッドへ帰るシンドバッド

  • アラビアンナイトって童話?

    じゃないよな。一応対象年齢が12歳以上だから

    短編の物語小説になるのかな。

    字間も広いし、短編なのでだいたい

    50ページ〜70ページくらいで

    1話しが終わります。登場人物とかだいたい決まって

    パターン化されてるんだけど、良くまあ、

    少ない登場人物と短い文章で巧みに話しが作れる事

    感心しました。中高生向けかもしれませんが

    大人が読んでも楽しめる内容です。

    勝手にシンドバッドとアラジンと魔法のランプ

    は鉄板に面白いな、アラジンと魔法のランプとかは

    ディズニーに取り入れられるくらいだもの

    そりゃ面白いよ〜、ディズニーの方は見たことがあるので

    これが原作?かと思って2回くらい読みまんたね

    さらっと読めるのでオススメですよ〜

    自分が何でこの本を読もうとおもったのが

    かの大発明家トーマス・エジソンが、愛読していた本と

    どこかで紹介していて手にとって読んでみました。

    たまらなく面白いなーぅ。

    今はアラビアンナイト(下)を読んでまする。

  • シンドバッドの物語は漠然とは覚えていたんだけど、都合7回も航海したことはすっかり忘れていました。  強烈に覚えていたのはダイヤモンドがゴロゴロ(ついでに大蛇もウヨウヨ)している山にロックに置き去りにされたシーンとか、ヘビと人食い族のダブル責め苦を味わうシーンとか、人の背中に乗ったきりの迷惑じいさんとか だったんだけど、久々に読んでみると「あれ?  こんな冒険もあったんだっけ?」と童心に帰ってのめりこんで読む耽ってしまいました。  さすが女に恨みをもったシャフリヤール王が「次の物語を聞くまではシャフラザードを殺すまい」「次も」「次も」と思っただけのことはあってやっぱり面白いなぁ!

    (全文はブログにて)

  • 意外と読んだことなかったシンドバッドの航海やアラジンと魔法のランプを読めた!
    ペルシア王と海の王女、ベーデル王とジャウワーラ姫は初めて知った。
    基本的に全部ハッピーエンド。
    シンドバッドは仲間が食べられたり奴隷にされたり波瀾万丈すぎる。それでも航海に出てしまうのは運命なのかな。
    普段は質素倹約して、ここぞという所でランプを使用するアラジンかっこよかった。
    海の王女とか海の王国がちょくちょく出てくる、海が好きなのかな?
    人は行いで決まるって言ってたベーデル王かっこいいと思ったけど、ジャウワーラ姫のことは許すんだねw

  • 今さら世界史の勉強をとろとろとやっているんですが、中東、アッバース朝の時代、ハールーン=アッラシードが『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』の登場人物だということで、読んでみることにしました。

    上巻に収録されているのは『船乗りシンドバッドの1回目の航海』から『〜7回目の航海』、『アラジンと魔法のランプ』など、10編。

    『アラビアン・ナイト』は小学生くらいのときに子供向けのものを読んだことがありますが、ちゃんと読むのは初めて。
    あれ? 『アラジン』ってこんな話だったけ?

    民話ということもあり、『アラジンと魔法のランプ』にもいろんなバージョンがあるらしいのですが、ここに収録されているのは、アラジンが悪い魔法使いに騙されるものの、魔法のランプを手に入れ、魔法のランプの力を使ってお姫様と結婚する物語。一目惚れしたお姫様に求婚する過程に話の大半が使われています。

    この岩波少年文庫版の編者はE・ディクソン。イギリスの1951年出版を訳したものです。
    日本語訳初版は1959年。新版は2001年出版。
    前書きによると、ディクソン版の原本はガランのフランス語訳(1821年出版)。

    そもそも『千夜一夜物語』はこのガランのフランス語訳でヨーロッパでブームになり、そのとき収録されていたのが264編。
    1001編の物語が実際にあると信じられ、あちこちから説話が集められ、追加され、『アラジンと魔法のランプ』も『シンドバッドの冒険』も『アリババと四十人の盗賊』も最初のアラビア語の写本にはなかったそうです。

    今まで私が『アラビアン・ナイト』だと信じていたものは、フランス人によってヨーロッパで作られたものだったわけですね。なんてこった!

    アラジンは「シナの少年」となっているんですが、舞台が中国とは思えない。ヨーロッパから見ると、中国もペルシアもひっくるめてオリエンタルで同じようなものなのかもしれません。

    なので、物語の価値観が中東のものなのか、ヨーロッパが反映されているものなのか、よくわかりませんが、アラジンもペルシアの王様も一目惚れしたお姫様に勝手に入れ上げ、豪華な贈り物をしてほとんど自分勝手に求婚するあたり、金さえあればなんでも手に入るというか、権力を財宝の量で示しているようなところがあり、なかなかドン引きします。

    物語だというのもあるけれど、財宝がわかりやすく、宝石や奴隷で表現されるのもなんだか。

    (233ページ)
    中には、ハトの卵くらいもある大きなダイヤモンドが三百個、これも驚くほど大きなルビーと、長さ十五センチばかりもある棒型エメラルドが、それぞれやはり三百個ずつ、まだそのほかに三メートルもある真珠の首飾りが三十本などが、ぎっしりつまっています。

    お姫様にしたところで、すごい美人という以外はどこがいいのかよくわからず、求婚してきた男が気に入らず魔法をかけるかと思えば、父王が結婚しろといえば素直に従う。うーん、これがイスラムなのか?

    あと『アラジン』もそうなんですが、よくわからないところで話が長い。
    魔法のランプをあっさり手に入れたかと思うと、お姫様に求婚するためにアラジンの母親がお城に通う話が延々と続く。

    『ベーデル王とジャウワーラ姫』にいたっては、ベーデル王は鳥にされたり、船が沈没して魔女が支配する国にたどりついたり、(この魔女、気に入った男を40日間もてなして、飽きると動物にするって怖いんですけど。なんのメタファー?)、話があっちこっちへ跳びます。
    これはいろんな民間伝承が合成された結果なのかなあ。

    というわけで苦戦しながら読んでます。下巻はどうかな。


    以下、引用。

    21
    帰りの積荷は、沈香、白檀、樟脳、にくずく、ちょうじ、胡椒、生姜などでした。

    117
    アラジンは、おじさんのこの気前のよさに、すっかり有頂天になってしまい、とりあえず一着えらび出しますと、魔法使いは、すぐとそればかりか、そのほか入用のものはすべてそろえて買い、値切りもしないで、代金を払いました。

    120
    家というよりは、宮殿のような家ばかりで、みんなまわりには、だれでも自由にはいれる美しい庭園がついています。

    庭と庭とのさかいは、ただ細井溝があるだけで、それが地面のさかい目にはなっていますが、もちろん往き来は自由です。この辺の人たちは、みんなよほど信用し合っているらしいのです。

    137
    果実というのは、みんな太陽のように輝く宝石でしたが、アラジンばかりでなく、おかあさんも、値打ちのことなどてんでわかりませんので、ほとんど気にもとめませんでした。

    199
    わたしたちが見たあの富の持主であるアラジンが、こんな早く宮殿を建てたからといって、なんのふしぎがあろうか。
    これでもわかるとおり、まったく金さえあれば、毎日どんなふしぎだって行なえるのだ。

    233
    中には、ハトの卵くらいもある大きなダイヤモンドが三百個、これも驚くほど大きなルビーと、長さ十五センチばかりもある棒型エメラルドが、それぞれやはり三百個ずつ、まだそのほかに三メートルもある真珠の首飾りが三十本などが、ぎっしりつまっています。

  • アリババも空飛ぶじゅうたんもまほうの壷もこのなかにあります。
    さあ、おとぎの世界へ!!
    【熊本学園大学:P.N.赤毛のアン】

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