アラビアン・ナイト 下 (岩波少年文庫 091)

  • 岩波書店 (2001年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784001140910

みんなの感想まとめ

多様な物語が織りなす魅力的な世界が広がっています。特に「アリババと盗賊」や「シナの王女」など、賢い家臣や魅力的なキャラクターたちが活躍するエピソードが印象的で、ハッピーエンドが多いことが読者に心地よい...

感想・レビュー・書評

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  • 一番おもしろかったのは、「アリババと盗賊」だった。前に絵本で読んだことがあるけど、忘れちゃってた。賢い家臣が、主君のアリババを何度も救うのがかっこいい。
    ほかのお話でも、主君より家臣が賢くてかっこいいというのが結構あると思うんだけど、ぼくはそういうお話が好き(上杉謙信以外)。最終的に(主君が死んだ後も)、みんなが幸せになるお話が多い気がする。
    絵は、昔風なんだけど、迫力があってわりとこわい。キラキラの絵より、昔っぽい感じが伝わってきていい。(小6)

  • 全体的に、幸せな結婚してハッピーエンドが多い印象だった。
    ・ヘビの妖精と二ひきの黒犬
    姉2人が中々困った人たち
    ・シナの王女
    1番好きな話かも。似たもの同士の王子と王女が結ばれる
    ・魔法の馬
    皇帝(サルタン)に王子が「まず相手の気持ちを聞いてみることだな」と言うのが痛快! 強引な人が多くてw
    ・ものいう鳥
    兄2人が結構失敗する。モーセも城から流された子だったような
    ・アリ・ババと四十人の盗賊
    モルジアーナが有能すぎる! 四十人の盗賊はあっさり片付けられた。
    ・漁師と魔物
    漁師と魔物のやりとりで笑った。途中から漁師差し置いて哀れな王たちが主人公になるとは

  • 収録されているのは『アリ・ババと四十人の盗賊』など6編。
    『シナの王女』は東洋文庫版だと『カマル・ウッ・ザマーンの物語』というタイトル。
    『魔法の馬』は『黒檀の馬』。
    『ものいう鳥』は『妹をねたんだ二人の姉』。これは原写本の見つかっていない「孤児の物語」のひとつ。
    西尾哲夫『アラビアンナイト』(岩波新書)によると、いずれもガラン版に収録されている代表的な物語です。

    しかし、下巻も長かった〜。
    基本的に台詞が回りくどくだらだらと長い上に、ストーリーがどんどん別の話へと脱線していってメインの話が一向に進まない。かと思えば苦労して助けた王子がいきなり溺れ死んだり、話の展開にさっぱりついていけなくて苦労しました。

    やはり西尾哲夫『アラビアンナイト』によると、これは「枠物語」という形式で、「大物語の中に小物語が埋めこまれ、さらにその小物語がいくつもの支話に枝分かれしていく入れ子式の構造」なのだそうです。

    この中では『アリババ』は群を抜いてわかりやすい展開でおもしろい。写本からの翻訳ではなく、聞き書きを再構成したらしいという成立過程の違いでしょうか。

    『アリババ』は小学生の頃、劇の会!で演ったことがあるんですが、クラスの中でも華やかで目立つ顔をした女の子がモルジアーナ役で、きれいな衣装で剣の舞を踊ったのを覚えています。

    モルジアーナは侍女だと思っていたのですが、「女奴隷」なんですね。彼女の活躍に感謝して、アリババは奴隷の立場から解放しています。
    あと、アリババの兄カシムが盗賊に殺されたあと、残された兄嫁とアリババが結婚しているのに驚きました。アリババにはすでに奥さんがいるので、2人目になるんですが、遺産相続とかも含めてよくあることだったんでしょうか。

    もともとの『アラビアン・ナイト』にはけっこう際どい場面も多く、子供向け本ではカットされているらしいのですが、『魔法の馬』には王女がインド人にさらわれ、襲われそうになる場面が出てきます。
    『漁師と魔物』でも妃が浮気するのがインド人となっていて、『アラビアン・ナイト』はインド民話も多く含まれているはずなのに、なぜインド人が悪役なのか。

    『シナの王女』では、王女が拒絶した求婚者たちは首を切られてその首が城門にさらされたり、『ヘビの妖精と2ひきの黒犬』では、回教徒である王子以外の偶像信者たちがすべて石にされたり、いろいろと引っかかる描写もありました。

    『アラビアン・ナイト』は翻訳によってもいろんな版があるらしいのですが、岩波少年文庫版でこれだけ読むのに苦労したので、本編はもう十分かな。成立過程の歴史や文化的な側面には興味があるので、もう少し調べてみたいと思います。


    以下、引用。

    9
    「でも、おねえさまたちの本心は、それよりも、もう一度結婚なさりたいというのじゃありません? でも、ほんとにそうなのなら、わたし、やっぱり驚くわ。だって、結婚なすって、ほんとにひどい目におあいになったんじゃない? そんな苦い経験がありながら、また結婚なさろうなんて、わたし、考えられないわ。ほんとにりっぱな夫にめぐりあうなんて、まあ、考えられないほどめずらしいことじゃないの。」

    17
    わたくしの両親は、ふたりとも偶像信者でしたが、わたくしだけは、幸いなことに、子どものときからついていた家庭教師の女のひとが、信仰のあつい回教徒でした。

    『ほんとうの神さまは、たったひとりしかいらっしゃいません。ほかの神さまをみとめたり、拝んだりしないように、よく気をつけなければなりません』

    39
    『男というものは、とかく威張りたがるものでございます。そして、わたくしは、威張られるのが、大きらいなのでございます』

    70
    「父上、見も知らぬ男などをお連れになって、びっくりするではありませんか。見も知らぬかたに、顔を見せるというのは、信仰上も、禁じられているはずですわ」

    130
    そして、かりにもし、王子を裏ぎるようなことにでもなるようなら、いっそ死んでしまおうと、かたい覚悟を決めました。

    242
    近所の女たちは、習慣にしたがって、葬式の間じゅう、やってきては、いっしょに泣き悲しむのですが、

    葬式がすんで、三、四日すると、アリ・ババは、わずかばかりの財産を、ひとりのこされた兄嫁の家へ運びました。
    そして、間もなく、アリ・ババと兄嫁との結婚が、発表されましたが、こういう結婚は、回教ではあたりまえのことでしたので、だれもいっこう驚きませんでした。

    269
    「あすは金曜日で、コジア・フッサンの店も、おまえの店も、大きな店は、みんな休みのわけだな。」

    307
    新月刀

    310
    どの大広間にも、絹のつづれ織りが、いっぱいにさがっています。控えの小部屋(アルコーヴ)やソファーなどは、みんなメッカ産織物で張ってあり、ポーチもまた、金糸銀糸入りの、おそろしくごうかな、インド産錦で、張りめぐらしてあります。

    322
    だって、考えてもくださいませ、これほどまで、妻が夢中になっているその男と申しますのが、おそらく、あなたのお考えになっておられるような人間とは、およそ大ちがいなのでございます。こともあろうに、インド生まれの男なのでございます。

    324
    四色の魚とおっしゃいましたのは、みんな、もとの市民たちなのでございます。四色になっておりますのは、それぞれ、もとの信仰のちがいでございます。白いのは回教徒、赤は拝火教のペルシア人、そして青はキリスト教徒、黄色はユダヤ人というわけでございます。

    341
    『アラビアン・ナイト』には、ギリシャなどの地中海世界、アフリカやインド洋の島々、シナ(中国からインドネシア、マレーシアあたりまでと思われます)などを背景にした話も多く含まれています。たとえば、当時のアラブ人にとっては、中国は遠くて不思議な世界でした。そこで、物語に出てくる中国は、まったくの想像上の国となっています。この少年文庫では、アラジンの故郷が中国であることを思い出してください。

  • なんとも滑稽で面白かった。
    有名な「アラジンと魔法のランプ」や「アリババと41人の盗賊」は原本にはなく、後から付け足されたというのは驚き。
    お姫様が、処刑されるのをなんとか延期するために、王様に語った話といういきさつが、また面白いね。

  • 下巻は知らない話が多い。知っていたのは「アリ・ババと40人の盗賊」だけ。巻末解説によれば、上巻の「シンドバッド」と下巻の「アリ・ババ」という有名な2つの物語は原本にはなかったそうだ。

    「ヘビの妖精と2ひきの黒犬」
    拝火教(マギ)の町。バグダッドの教主(カリフ)。

    「シナの王女」
    恋煩いの故に配下をボコボコに殴る王子と王女、王女の恋煩いを治せない占い師を100人以上も殺す王。最後は王子と王女が結婚し、ハッピーエンドということになっているが、今の感覚で読むと王族の身勝手さという印象が強い。

    「魔法の馬」
    ペルシア、ベンガル、カシミールの王族が絡む結婚の話。

    「ものいう鳥」
    ペルシアの皇帝と3人の子どもの話。

    「アリ・ババと40人の盗賊」
    ペルシアの話。アリ・ババとカシムの兄弟は、音の響き的にもアベルとカインっぽい。カシムがアリ・ババの話を聞いて妬んで自分も宝を取りに行きひどい目に遭うという展開は、おむすびころりんなどの日本の昔話にも通じる。カシムの四つ裂き死体を縫い付けたのはイスラムの土葬のため?盗賊の頭がアリ・ババを殺そうとしているため塩を食べないというのはどういうことかよく分からなかった。賢い女奴隷モルジアーナ。娘がの保育園の発表会でこの話の劇をやったのが懐かしい。

    「漁師と魔物」
    ソロモン王に封印された魔物の話。

  • この本を通して、イスラム圏のことについて少し知ることができると思うため、おすすめである。

  • 「千夜一夜物語」なんて素敵な題名だろう、夢、想像が膨らむような。

    シンドバッドの冒険、アラジンと魔法のランプ、アリババと盗賊、また海中人、翼の生えた蛇等今のファンタジーの元になっている話が詰まった本。著者は1人ではなく、アラビアの方で言い伝えられた話をまとめた物だという。
    有名な話なのに(アリババは小学校で劇もやったのに(盗賊役))話全然知らなかったな。でもなんだか、今読むと、すごいと言うよりずっこけてしまう話だったりする。ディズニーの アラジンと魔法のランプはどんな話になっているのか興味がわく。

    小学生用で簡単に読めるし、知らなくて有名な話を手軽に読むには良い。他の物語も読んでみよう!

  • 「ヘビの妖精」など6編

  • わりと躊躇なく、あっさりと人殺しが遂行されたりする
    そういう生臭さと、
    人情やら煌びやかな宝石やらが
    当然のように肩を並べる。
    そこが古いお話のすごいところ。
    挿絵も素敵です。

  • ちょっと飽きてきた(笑)アラビアンナイト

    魔神に引き合わされてお互い一目惚れした美男美女の結婚いやがる王子王女が病気になりながらもなんとか結婚までこぎつける「シナの王女」がちょっと面白かった

    「アリババと40人の盗賊」は
    こんな話だったのか〜
    奴隷のモルジアーナさんが大活躍

  • あとがき、引用。
    アラビアンナイト…千夜一夜物語

    シャフラザートという名のお姫様が、世の中の女達に恨みを持つ

    シャフリヤール王に死刑を宣告されます。

    刑罰を逃れるために、毎夜、毎夜お姫様は王様に

    面白い話しを聞かせ続けます。

    千一夜も続いたとされる、その長い長い物語の中には

    異なる多数の物語がつぎつぎに繋がって収まっています。

    その物語の中の一部分が、このアラビアンナイト(上)、(下)

    にまとめられているみたい。

    一話一話、改編されてるやろうかもしれんし、

    短編なんやけどそれぞれ味があって面白い。

    (下)も怠れてくるかな?!と思いきや

    シナの王女とかアリババと40人の盗賊、ものいう鳥

    とか夢見心地なファンタジーだけど

    どこか今の現実とかけ離れた面白い所のいるような

    錯覚がするほど面白い作品です。自分的には好印象。

  •  岩波少年文庫版、上下巻読了。

     アラビアン・ナイトのたくさんのストーリーの中から、有名どころと、ほか数本を集めたもの。上巻には『船乗りシンドバッド』『アラジンと魔法のランプ』ほか二本が、下巻には『アリ・ババと四十人の盗賊』ほか五本が収録されています。

    「そういえばアラビアン・ナイトをまともに読んだことがない」と思ったのだけれど、さすがに膨大な内容をかたっぱしから読むほどの勇気はもてなくて、とりあえず有名なものだけあつめたという、岩波少年文庫版を手にとってみました。さすがに児童書として出ているので、訳文がひらたくて読みやすいです。

     さて、波乱に満ちた冒険の数々に、不思議な出来事がいっぱいで、異国情緒あふれていて、読みごたえのある面白いストーリーがたくさん……なのだけれども、日本人的感覚で読むと、なんていうか、かなりえげつない感じでした。
     人をひどいいいがかりで殺したり、召使をひどい目に合わせたりした人間が、そのままめでたしめでたしと、良心の呵責もなくハッピーエンドを迎えたりするので、「えっ、あれっ……」と目が泳ぐこと数回。まあ、当時の人々の価値観を、いまの現代日本の感覚で読むのがそもそも見当違いなんだけれども、読んでてときどきぎょっとしました。

     そして、読みすすめていくうちに、オーバーな表現のゴテゴテ加減が、変にクセになってきました。ひとめで心奪われるすごい美女! とか、宝石ゴロゴロ!! とか、ものすごく賢くて人望のある王様! とか、とんでもない力をもった魔法使い! とか、パッキリわかりやすくて、それがなんかいいなと思います。

     なかなか面白かったです。いずれまた別の機会に、ほかの話も読んでみようっと。

  • 下巻に収録されているお話は「アリ・ババと40人の盗賊」と「漁師と魔物」以外は多分初読みの物語ばかりのような気がするんだけど、物語のプロット的には同じような物語を西洋もので読んだことがあるような気がしたり、「シナの女王」のシナはおよそシナ(中国)的じゃなかったりして、こちらも結構楽しめました。  個人的には「初読み」の感動も手伝ってか、結構好きだなぁ、この下巻。  物語としての完成度は結構高い!  そんな印象です。  でね、この物語が成立した時代のペルシアでは、インドぐらいまではそこそこの精度の情報があったような雰囲気ですね~。  で、「インドから向こうはみ~んなシナ」っていう感覚だったんじゃないかなと思われる記述が結構多いのも東洋人にとっては楽しいところだと思います。  「シナ」 ≒ 「正体不明の遠い異国」 ≒ 「ろまんちっく~ 」っていう感じがそこはかとな~く漂っています。

    (全文はブログにて)

  • アラジンなんかディ○ニーとまた違ってておもしろいですよ。

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