- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001140941
感想・レビュー・書評
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岩波少年文庫版が石井桃子さんの訳だったということを今回はじめて知りました。
柴田元幸訳で『ハックルベリー・フィンの冒けん』を先に読んでいるので、当然トムも柴田先生の訳で読みたかったのですが…やっぱり気になる石井桃子訳。現代のアメリカ文学の翻訳を牽引する柴田先生の訳と比べても遜色のない、素晴らしい訳でした。
ただ、ハックの訛りがいささかキツすぎるかも…
ただ、トムから見たハックのイメージかなと、石井桃子さんに敬意を。
でも確か、柴田先生がハックを訳す時、
ジムに「おら」なんていわせないでくれよと、翻訳仲間から言われたというエピソードがあったはず。
それにしてもまあなんとおもしろいんでしょうか!
まえがきからワクワクで、書き出しの、まるで戯曲のような始まりに、わぁ、始まったぁ!とぐいぐい引き込まれました。
表紙にもなっている、有名なシーン。
トムがポリーおばさんから罰として塀の漆喰塗りをさせられているんだけど、いつしか友人たちがこぞってやりたがる、
"人間の行動の大きな法則を発見" した漆喰塗り…
"何かを欲しがらせようと思えば、その物を、なかなか手にはいらないようにすればいい"
ほんとに天才的な悪知恵ぶりに感心してしまいます。
こんなエピソードが毎日あふれんばかりに繰返される。少年たちにとって一日は長い!
驚いたのはトムとハック、かなり危険な殺人事件の目撃者になってしまう。でも性根の良いこの子たちは、すっかり気持ちが落ち込んで…
そんな時にお母さんに生クリームを盗んだと無実の罪を着せられた心の友ジョーと、別にこのままでもいいんだけどなんとなく付いてきたハックの3人は家出して海賊ごっこ…
そういえば、リンドグレーンのカッレくんたちも、けっこう危険な目にあっていた。子どもたちのお話だからって甘くはないのだ。
ベッキーとの恋の駆け引きも最高です。
トムって、ちゃあんと本を読んでいる子。意外と知的。遊びにだって本に書かれたそのままのセリフを皆に求めます。ロビン・フッドごっこなんて最高。
物語の後半で伏線回収されていく例の殺人事件、インジャン・ジョーと金貨!
息つく間もなく読んでしまいます。
子どもたちを尊重するこの村の大人たち、本当にリスペクト。
そしてなんと言っても、どんないたずらに悩まされようとも、亡き妹の忘れ形見トムを愛情たっぷりに育てるポリーおばさんの存在が重要。
ハチャメチャな冒険劇ですが、しっかりと愛のある物語だから、魅力的で世界中で読み継がれているのでしょうねー。
ほんとに楽しかった。
柴田訳がこれもまたかっこよくて、大人こそトム・ソーヤーの冒険を読まねばと思わされます。
ハックの名言「おらあ、『みんな』じゃねぇし、」に感銘し、次に読むのはもちろん
『ハックルベリー・フィンの冒険』詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
幼少期になぜか読む気がおきず、断念していたが、大人になった今ようやく読了。
おもしろおかしく繰り広げられるトムの冒険が、大人たちも巻き込んで最後につながっていく展開は読みごたえがある。突拍子もないと思われたことが完結したラストはよかった。
でも、あんまり夢中になれなかったのは、好みじゃなかったってことなのかな。 -
月並みだけど、子供の頃の気分を少し思い出した気がした。
たまには思い出したほうがいいのかもしれない。 -
自然の中で冒険する二人の少年たちはどんな経験をしていくのか。わくわくしながら読んでいけます。
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主人公の権威にまどわされない自由な姿から、子どもたちが学べると思うため、おすすめである。
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トムソーヤってそういえばどんなお話だったかなあと、ふと気になって児童書を買って読んでみました。
今から150年近くのミシシッピー河沿いの小さな村の純粋で好奇心旺盛でやさしい心の持ち主の少年の生涯記憶に残るであろう子供にしか体験できない冒険と経験を描いた作品だったんですね。
物語が楽しいか楽しくないかについてはさておき、あらゆる情報、知識、世界を簡単に知りえる現代とは全く異なるいまから150年も昔の原作って考えると、すごい作品だなあと思いました。
(上下巻あわせての感想になります。) -
2015年3月31日読了。
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子供の頃もっといたずらとかしておけばよかったなぁとか探検したなぁとか想いを馳せて楽しい反面、郷愁にかられる。素晴らしい作品でした。