マリアンヌの夢 (岩波少年文庫)

制作 : マージョリ=アン・ウォッツ  Catherine Storr  猪熊 葉子 
  • 岩波書店
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レビュー : 19
  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001140958

感想・レビュー・書評

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  • 10歳の誕生日に大病を患いベッドの中から起き上がれなくなったマリアンヌは、学校にも行けず、家庭教師の先生に来てもらって勉強を教えてもらうことになります。
    10歳になったら乗馬をしてもよいと言われ、楽しみにしていたマリアンヌは、身動きのできない生活に飽き飽きし、早く元気に動き回れるようになりたいと思っています。

    お医者さんの見立てよりはずいぶん早く回復しているとはいえ、何か月も寝たきりですから退屈です。
    マリアンヌは裁縫箱の中に鉛筆を見つけ、柵に囲まれた庭と1件の家の絵を描きます。
    その晩夢の中でマリアンヌはその家に行きますが、ドアノッカーもなければ、開けてくれる人もいない家には入ることができません。

    次の日マリアンヌはドアノッカーと、家の中に一人の人影を描きます。
    すると夢の中に現れたのは病気で歩くことができず、すっかり希望を失った少年がいるのでした。

    マリアンヌと少年がなぜその家にいるのか。
    少年はなぜ”あいつら”に見張られているのか。
    そもそもなぜマリアンヌの描いた絵が夢の中で実態を持つのか。

    わからないことは最後まで分かりません。
    ただ、病気になり、したいこともできなくなり、体を動かすことが苦痛となり、楽しみからは遠ざけられ、いつ回復するのか見通しの立たない日々を送るマリアンヌと少年は、喧嘩をしながらも次第に心を通わせあい、最後は力を合わせてその家を、その夢からも、脱出することに成功します。

    少年の正体は、マリアンヌの家庭教師が教えているもう一人の病気の子です。
    作品の中では二人は実際に会うことはありません。
    マリアンヌが一方的に先生から彼の様子を聞き出すだけです。

    しかしマリアンヌの力を借りながら夢の中でリハビリをした少年は、最後に自分の力で一歩を踏み出すのです。
    そして、マリアンヌに再開のヒントを残していきます。

    だから読者は、きっと二人は出会い、お互いに良い友達になるであろうと予想しながらうれしい気持ちで本を閉じることができます。
    健康な子は、これでも十分でしょう。

    そしてもしかして病床でこの本を読んでいる、または読んでもらっている子がいたら、きっとマリアンヌたちの不安や恐怖やイライラを自分のことのように感じ、そしてつらいリハビリに立ち向かう勇気を得ることができるはずです。

    壁にぶつかって悩んでいる子にこそ、読んでほしい本だと思いました。

  • なんの流れでこの本を読もうと思ったのか忘れてしまった。

    夢もだけれど、嫉妬や嫉妬からくる憎悪が生々しい。
    何から逃げているのだろう。

  • 幸せにも驚くほど病気らしい病気をしてこないでここまで生きてきたのですが、たしかに自分の身体が思う通りにならない歯がゆさから他人にきつく当たってしまうのってあるよな~~・・・。でもそれも、全て自分の精神的成長につながってるんやな・・・。

  • 面白かった!病気療養中の10歳の少女マリアンヌが、夢の中で出会った少年マークと一緒に、協力して恐怖に向き合って乗り越えていくお話。

    作者のストーは精神科医だったらしい。そのせいか、出てくるモチーフがユング的で怖い怖い。ストーリーも面白くてあっというまに読んでしまった。

  • しばらく前から時々読んで、きょう読了。ストーははじめて。
    展開にそれほど波があるわけではなく、比較的淡々と進んでいくのだけど、夢の中の冷たい雰囲気のせいで、常に緊張感がある。描いたものが本当になる、という設定ならもっと楽しい方に向かってもいいはずが、ここまで恐怖の方向にもっていくのが面白かった。ラストの拍子抜け感が、いいような物足りないような。
    正直、訳と挿絵は、気になる…。

  • 面白かったww目のついた岩が怖かった!
    マリアンヌとマークが、最初は仲が悪かったけどだんだんうちとけてきて、協力して脱出することになるなんて、子供ってすごいw

  •  小学生のときにものすごい勢いで読み返していた本。
     「描いたことがすべて現実になる魔法の鉛筆」を軸として、子供心の不安や恐怖、そしてそれらをいかにして克服していくか、ということが物語のテーマなのですが、強烈に印象に残っていたのは、主人公マリアンヌが、マークに向ける嫉妬やいらだち、そしてそれらをどうやって解消したかと、その結果、どんな恐ろしいことが起こってしまったか、ということでした。

     いやもちろん、「良書とは、食べ物や食事のシーンが実においしそうに描写されている作品のことである」の法則に外れることなく、ソーセージとゆで卵の食事の場面も素晴らしいのですが……。
    (そして私はこの本で、半熟のゆで卵嫌いを克服した記憶がある(笑))

    続編があるらしいのですが、例によってこの作品が好きすきて未読。

  • 少し怖くてシュール。子供の頃に出会いたかったなぁ……。

  • どきどきした。

    子供が内に抱えている不安や残酷さの存在を
    大人に示せる作品かと。
    子供って強いとか可愛いとか、
    そういう要素だけで生きてるわけじゃないからね。

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