みどりのゆび (岩波少年文庫)

制作 : ジャクリーヌ・デュエーム  Maurice Druon  安東 次男 
  • 岩波書店
4.12
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本棚登録 : 654
レビュー : 103
  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141016

作品紹介・あらすじ

裕福に暮らすチト少年は、お父さんが兵器を作る人だったことを知り、驚きました。じぶんが不思議な(みどりのゆび)をもっていることに気づいた少年は、町じゅうに花を咲かせます。チトって、だれだったのでしょう?小学4・5年以上。

感想・レビュー・書評

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  • 小学校になじめず、宮殿のような自宅で敎育を受けるちょっと変わった男の子チト。友達は馬と庭師のおじいさんだけ。ある日彼は、好きな場所に、好きなタイミングで、好きな植物をにょきにょきと生やすことができる「緑の指」を持っていることに気づく。管理社会化が進む戦後のフランスで書かれた、植物を使った牧歌的なテロで社会機能を平和的に麻痺させていく反戦児童文学。
    『星の王子さま』が好きな人が、その次に読むといい本。

  • 「花咲家の人々」で桂くんが感想文に取り上げていた本との事で興味を持ちました。とても良いお話でした。挿絵も素敵です。最後にチト自身の事を明らかにして結ぶわけですが、それは結局、人間がおろかさに気付いて戦争を回避したという事でなく、人知を超えた存在の力よると言う事になってしまってないか?と、いささか残念に思ってしまいました。それはキリスト教の影響の為でしょうか。もっと単純に物語を受け取ればよかったかな。

  • 花を育てるのが上手な人を

    みどりのゆびを持っているというらしい。

    主人公のチトは心やさしい。

    兵器を製造する親のことを思い胸をいためるのね。

  • チト少年の温かさが凍った私の心を溶かしてくれる処方箋のような本。世界で一番ステキな植物の使い方でみんながこんな風に思い合っていられたらいいのに、と思う。初心に戻りたい時にいつも読み返す。

  • 素直にとても素敵なおはなし。
    翻訳も良いし、挿絵もかわいい。

    チトが優しくて強くて賢い。
    世界って本当はもしかしたら良いところなのかもしれない、と思ってしまう本。
    自分が子どもの頃に読みたかった。
    大人になって心が汚れきった私にはチトの純粋さはあまりにも眩しい。

    岩波少年文庫はなかなかやる。
    他に「モモ」とか「星の王子様」とか。
    大人だからこそ、その良さがわかるのかもしれない。
    こんなの全然わからないよっていう方が実際には幸せなんだろう。
    この本に感動できるようになった時、私はもう子どもではない。
    児童文学、おそるべし。

    あと、「訳者のことば」が最後にあるけど、それもまた良い。
    子ども向けと侮れない。大人向けの本のように内容がかなりしっかりしている。
    翻訳の楽しさが伝わってくるような文章。
    登場人物の名前の由来や著者についてちゃんと説明していながら
    まるで優しいおじいさんが語りかけてくるようで懐かしくなる。

  • 植物を使って世の中を幸せにしていくチト。
    こんな解決法が実現できればとても幸せだと思いました。

  • 寓話だけど、形だけでなく人物や会話に生き生きと命が宿っている名作。

  • 小学生の頃に読んだ本で一番覚えている本。説教臭い内容なんだけど、主人公チトと馬のジムナスティックの関係に切なくて愛しい気持ちになる。
    ーーーー
    子どもの反応@9歳11ヶ月:本棚に置いて1週間。未読。

  • フランスの童話です。
    いい大人が童話なんて読んでどうするの?
    そんな声が聞こえてきそうです。
    とんでもない。
    特に不朽の名作と呼ばれる童話からは、大人が今読んでも学べることがたくさんあります。
    もっとも、本書はどちらかと云えばマイナーな部類の童話でしょう。
    物語の主人公は、ミルポワルというまちに住む、「チト」というちょっと変わった少年です。
    他人より遅れて8つの年に学校へ入りますが、居眠りばかりしてついには退学させられます。
    ただ、チトには他のだれもできない特技がありました。
    それは、「みどりのおやゆび」を持っていて、どこにでも花を咲かせることができるのです。
    貧民街にも、刑務所にも、病気の女の子の病室にも、動物園にもいっぱい花を咲かせ、みんなを幸せにします。
    ところで、チトはお金持ちの家の生まれでした。
    おとうさんは戦争に使う武器や軍需品を製造する工場を経営していました。
    そして、バジーと呼ばれる国と、バタンと呼ばれる国の間で戦争が起きます。
    おとうさんの経営する工場はバジーにもバタンにも武器を供給します。
    チトはこのことを知り、とても悲しみます。
    ただ、悲しんだだけではありません。
    チトはとても勇気のある少年でした。
    大砲や機関銃など、バジーとバタンに売る武器に「仕掛け」をし、いざ使おうとすると花が咲くように仕向けたのです。
    バジーとバタンは戦争するのをあきらめ、平和条約を結びます。
    まるで、おとぎ話だと笑うかもしれません。
    ただ、注意深く読むと、物語の含意は深いものがあります。
    チトは、おとうさんの工場を監督する「かみなりおじさん」に、バジーとバタンがなぜ戦争するのか訊ねます。
    かみなりおじさんは、石油が埋蔵している砂漠地帯を両国が欲しがっているからだと説明します。
    チトは「どうして石油なんかほしいの?」と至極当然の質問をします。
    それに対して、かみなりおじさんはこう答えます。
    「ほうっておくと、ほかの国に石油をとられてしまう。戦争をするには、どうしても石油がいるのです、だからほしがる。」
    チトは、「もしぼくのききちがいでなければ、バジーとバタンは石油のために戦争をはじめようとしていて、そのわけは、戦争にはどうしても石油がいるからだ。」と考え、「そんなの、ばかげてるよ。」と、やはり真っ当なことを云って、ついには叱られてしまいます。
    随所に気の利いたアフォリズムがさりげなく散りばめられているのも本書の特色。
    たとえば、病気の女の子はこんなことを云います。
    「不幸かどうかわかるためには、幸福だったことがなくちゃだめだわ。あたしは生まれつき病身なの。」
    もっとも、こんな言葉は日めくりカレンダーや自己啓発本の類を読めば、いくらも出て来るでしょう。
    ただ、物語をこよなく愛してきた自分としては、物語の中に埋め込まれた良い言葉を、当の物語の中から、ご自身の手ですくい上げてほしいなあ、と思うのです。
    童話なので言葉は大変にやさしく分かりやすいです。
    くわえて宝石のように美しい。
    特に、最後にチトが天に昇っていく場面はうっとりするほどです。
    心がささくれ立っている時に読むといいかもしれません。
    おススメです。

  • 触れるとなんにでも花の咲くみどりのゆびを持つチト。その不思議な力で戦車や大砲に花を咲かせて戦争を中止にしてしまう。今のガザにチトが居れば。砲弾でなく一輪の花を!

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