少女ポリアンナ (岩波少年文庫 102)

  • 岩波書店 (2002年12月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784001141023

みんなの感想まとめ

物事の明るい面に焦点を当てる少女の姿を描いたこの物語は、児童文学の枠を超えて多くの人に感動を与えます。主人公のポリアンナは、どんな状況でも喜びを見つける「ゲーム」を通じて、周囲の大人たちを明るく変えて...

感想・レビュー・書評

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  • あまり期待せず手に取ったら…あらまあ、面白いではありませんか(少女小説の翻訳調)。

    ポリアンナといえば、遠い昔にハウス食品のアニメにあった、やたらポジティブな人だよなあ、とは思っていた。
    昔の翻訳だと名前がパレアナだったりするし、変な名前だなあとだけ思った。

    いざ読み始めると、作中でも変な名前扱いだったので笑ってしまった。
    ポリーとアンナの名前を足したものだそう。

    この時代に流行り、日本で家庭小説、少女小説と呼ばれたジャンルの作品群とは共通点が多い。 あしながおじさん、赤毛のアン、小公女セーラのように、孤児の少女が新生活をはじめること、言語能力によって新しい環境でムーブメントを起こし、幸せになっていくこと。
    (そういえば成績が優秀であることもこの共通点のひとつで、ポリアンナにも控えめながらそういう表現はあった。その割には慣用句を知らないし、そこが彼女の面白さでもあるけど)

    他の作品群との差異としては、
    主人公が割と低年齢(11歳)であること。
    まだティーンエイジャーですらない。
    斎藤美奈子の『挑発する少女小説』にもポリアンナは出番無し。
    この作品群ではやや軽めの扱いなのだろう。
    それも訳者あとがきにあるとおり、ポリアンナが素直すぎ、天然すぎ、いわゆる才気活発キャラではないから、だろうし、それは同時に低年齢だから(少なくとも主人公には)ロマンス色がないから、かもしれない。
    ただ、理屈ぽくない、そこが読みやすさでもあると思えた。
    一方で、ポリアンナといえばコレというイメージが強い、幸せ探しのゲームは思っていたよりは複雑だった。そこは大人になってからこの本を読めて良かったと思う。
    他者との比較にもなりやすく、他人を見下す危険にも繋がり、そこも難しい塩梅だ。

    そして、ポリアンナの強すぎるポジティブシンキングはただのヤバいひとにも見えなくもないが、そこには彼女の生い立ちや父親との思い出が大きく関わっており、なんだか思ったよりは重たいものでもあった。
    でもまあ、本人はいたって能天気で、そこが読む人には救いでもある。

    軽めの読み味に、ややミステリ要素もあり、なかなか上手な作品だなあと思いきや、後半には重めの事件が勃発。
    ポジティブシンキングが及ばないほど事態が重くなったとき、彼女はどうするのか。
    そこへ周囲から助けの手が散らばり、なんやかんやあって、事態は好転し、ポジティブシンキングを取り戻していく。
    うーん、暗いまま終わって、ポジティブシンキングをどうするのか、というテーマを貫いても良かった気がするが、そこはまあ、小さい子も読むエンタメだし仕方ないかな。

    英米ではポリアンナという単語には、お気楽な人という意味すらあるそうで。

    とにかく、意外と個性があって面白かったな、という感想です。
    それと矛盾するようだけど、ストーリーは軽めで読みやすい。
    『物言う少女小説』、ほどではない少女小説という作品。

    続編もあるらしい。
    いつか読めるといいなあ。

  • いつも心に愛のゲームを。

    孤児のポリアンナは独身のおばさんに引き取られる。気難しいおばさんと暮らすポリアンナは、亡き父から教わった「ゲーム」を村に広め、周囲を変えて行くのであった。

    小さい頃読んだけれど、正直に言って嫌いな話だった。どんな辛い状況でも喜ぶなんてできない、そんないい子の話なんて楽しくなかった。

    しかし、大人になって再読すると「なんでもうれしがるゲーム」に対して印象が変わる。子どもの頃に感じたのは、いい子でいることを推奨する圧力への違和感や拒絶だった。この「ゲーム」は自分から参加するものだ。押し付けられた「ゲーム」では、真に幸せにはなれないだろう。

    毎日を変えていくのは、自分の心がけ次第。ポリアンナは、自分らしく生きていこうとする少女なのだ。義務だけでなく、やりたいことをしたいと主張し、自分の見つけた問題を解決しようと、働きかけていく。ポリアンナは、魔法の力を持っているわけでも、自由になる大金を持っているわけでもない。だから、周囲を巻き込まざるをえない。その中でトラブルも起きる。でも、動かないと変わらない。だから、前向きになんでもうれしがる。とても今風の生き方だ。コロナ禍の今だからこそ、余計に心に響くのかもしれない。

    しかも、そんなポリアンナですら、嬉しがれないことがある。もう二度と歩けないかもと知ってしまった時、ポリアンナはさすがに嬉しいと思えない。ゲームの発端となった松葉杖のエピソードが自分に降りかかってくる。うれしがるゲームには限界があった。ラストでポリアンナは再び歩けることの幸せを語る。一時期歩けなかったから、歩けることの喜びを感じる、と。ハッピーエンドのはずが、なんだかもやっとする。

    他人と比べて、自分の方が○○できるから幸せだ、というのは危険な発想だ。ポリアンナのゲームには、この危険を孕んでいる。障がい者に対する気持ちの持ち方は、決して「かわいそう」ではない。当時は「かわいそう」「歩ける自分に感謝」でよかったのだろう。この本を読んで、今は考えないといけない。自分の境遇を「なんでもうれしがる」こと自体は悪くない。でも考える必要がある。今の時代に合った「ゲーム」のやり方を。

  • 児童向けの本だけど、内容は大人にも通ずるものについて書かれていた。大人にも通ずると言うより、大人になってからこそ改めてふれたい話かもしれない。
    生きていく上で避けられない辛いことや悲しいことに対して、物事の本質を理解したうえで、明るい面に焦点を当てるということを自然にやってのける少女ポリアンナの姿には、目を見張るものがある。
    人生を虹のように鮮やかに色付けるのは、出来事そのものではなく、自分自身の物事の捉え方や考え方である。
    そしてポリアンナのような、人を疑わず心から愛する素直さ・純粋さや、ひたむきな明るさは周囲の人をもしあわせな気持ちにさせる。
    大人になるにつれて、忘れてしまいそうな幼少期のまっすぐな思いを再び思い出させてくれた。
    子どもは勿論だけど、大人にもぜひ読んでほしい。

  • この本を読もうと思ったきっかけは、MOTHERのBGM、「Pollyanna(I believe in you)」にハマったからという理由だった。
    早速図書館へ行き借りてみた。この本は児童文学として有名で、裏表紙には「小学5・6年以上」って書いてあるんだけど...たかが児童文学、されど児童文学。なんでもプラスに考えるゲームを常日頃行っている快活な少女ポリアンナが、そのおばさんのポリーや町の住人たちを自信の明るさとお得意の「ゲーム」で元気付けるストーリー。
    ポリアンナのその「ゲーム」は自分の生活の中でも取り入れたいと思えるものだった。なにも人生の全てを悲観することはない。作者の言葉を借りるなら「わたしは、いやなこと、つらいこと、邪悪なことは、すべて切り捨てるべきだなどとは考えていません。ただ、自分の知らない、いろいろなことを楽しい気持ちで受け入れようとするほうが、よっぽどいいと思うだけなのです。」
    全体のストーリー展開も単調ではなく、350P超という児童文学にしては長めのものながら飽きは来なかった。ただ、最後の展開が急すぎたのが気になったかな?いずれにしても、児童文学の中ではトップクラスの良作。

  • 内容 独身の叔母に引き取られてきた孤児のポリアンナ。どんなことにでも喜びを見つける「ゲーム」で周囲の大人たちを変えていく。
    感想 「赤毛のアン」や「あしながおじさん」と同時代のアメリカで発表され、設定も似ているが、ポリアンナ以外の登場人物がほぼ大人であることや、ポリアンナの健気さが痛々しいほどであることなどから、子ども向けというより孤独でネガティヴな都会の大人向けに書かれた教訓物語のように感じる。ストーリーは面白く引き込まれて読んだ。一読の価値あり。

  • 持ち前の明るさと物事を前向きに考える力によって主人公のポリアンナが周りの人々を変えていく様子に胸が打たれます。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 大好きです!!
    ポリアンナのように生きていきたい、と思わされました。
    私にとって、大事な、心に響く、信仰書のような存在でもあります。

  • 物語を知らず、全くの初読み
    物語は素晴らしいが、訳がわかりにくかった
    特に感情表現
    「のどのところに手をやって」だけでは喜んでいるのか怒っているのか困惑しているのか・・・
    どうとでもとれてしまうのでいちいちひっかかった
    (後の文章でどうおもっていたのかがわかりはしますが)
    感情移入はしにくい
    おばさんがポリアンナを可愛いと思っていく移り変わりが読み取りにくい

  • 大感涙!!!
    お話をちゃんと知っているので期待を込めて読みましたが、期待以上です!!!
    通勤電車で鼻水たらして泣いてしまった。

    下手な自己啓発本よりもずっとずっとこちらの方がココロに響きます。
    闇に住んでいる時は、幸せを大いに語られても全く響きません。ほんの少し、ほんのり明かりが差し込む隙があったことに気づかせることが必要でしょう。そこは既に闇ではない。
    あぁ、ポリアンナ! あぁ、ポリアンナ!です(笑)
    そして、年齢が近づいてしまったせいか、ポリーおばさんにすごく感動。
    少し自分に重なったりします..

    この本に感動できる心があって、私は「よかった♪」。
    ステキな本をありがとう。
    ココロの教科書です。
    たくさんの人に読んでもらいたい!!!

    続編を読むのが楽しみ!


    (H21.11 図)

    ***************
    返却前に今一度再読。
    3週間以内に2回読んでも泣けちゃった。
    これは手に入れないと。

  • いかにも「女の子向け」の表紙ですね~(笑)  KiKi はどちらかというと、こういう表紙の本って中身がどうか・・・・という前に苦手意識が働いちゃうんだけど大丈夫だろうか・・・・・(苦笑)  TVのアニメの方のイラストだと全然そういうことがなかったんだけど、やっぱり着ているものの違いかなぁ・・・・。

    (全文はブログにて)

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著者プロフィール

翻訳家。上智大学外国語学部英語学科卒業。アメリカに留学後、主に児童文学の翻訳を手掛ける。著書に『大草原のローラに会いに―小さな家をめぐる旅』(求龍堂)、訳書に『若草物語 1&2』、『8人のいとこ』(以上、講談社)、『ロッタの夢 オルコット一家に出会った少女』、『長い冬』など「ローラ物語」5冊(以上、岩波書店)、『ルイザ― 若草物語を生きたひと』(東洋書林)、『大草原のローラ物語 ―パイオニア・ガール』(大修館書店、2018年日本翻訳家協会翻訳賞佳作)、『わかれ道』、『アリスの奇跡 ―ホロコーストを生きたピアニスト』(以上、悠書館)など多数。

「2024年 『「若草物語」の ルイザのヨーロッパ旅物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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