思い出のマーニー〈下〉 (岩波少年文庫)

制作 : ペギー・フォートナム  Joan G. Robinson  松野 正子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 423
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141115

感想・レビュー・書評

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  • うん、納得。
    下巻を読みながら、どんどんキーワードが繋がっていくのが分かる。
    この作品は、下巻あってのもの。
    娯楽作品ではないので大団円という表現は妥当ではないが、ジュブナイル独特の切なさと希望を残して締めくくった。
    上巻のレビューでも少し触れたが、このお話の舞台が英国東海岸であることが、雰囲気を盛り上げるのに良い役割を果たしている。
    しめっ地、入り江、シーラベンダー、古いボート、錨、家の裏と表、などなど。
    潮風の吹きぬけるこの環境で、アンナの心がどのような変化を遂げたか。
    アニメでどこまでそれを表せるか、とても興味深い。 

    自分にとっての「外側」と「内側」という表現も分かりやすく、この部分に共鳴するひとが多数存在しそう。
    でもこれってアンナだけの感覚ではなく、すべてのひとに共通のものだろう。
    転地療養した家の「ペグおばさん」や、そこで知り合った家族の「ミセス・リンゼー」の好感度が高く感じるのも、その年頃ならではのこと。
    だって、「よそのひと」だもの。当然身内よりは良く見える。
    私はむしろ、養親の「ミセス・ブレストン」に限りなく共感した。
    大変だったろうなぁ、よほどの愛情がないと育てられないもの。
    終盤、この養親とアンナも分かり合えるけど、どうかその部分も手抜きせずに描いてもらいたいものだ。

  • なんてなんて素敵な物語だろう!

    夢とも空想ともつかず、ふわふわと不安定な霧の中で
    見えない足元に気をとられるように
    進んでいく物語にドキドキしながら、
    最後は霧がパーっと晴れるように
    閉じた空間は明るい光の中に晒されて
    溢れるような祝福に包まれる。

    子供の頃の心の中の内側と外側。

    みんなと同じでも、みんなと違う部分があっても、
    今も未来も恐れずに1つ1つゆっくりと受け止めて
    大切に真っ直ぐに進んでいってほしい。

    一人でも多くの子供の心の心が辿りつく未来の場所が
    辛かったことも幸せに塗り替えてくれるような
    そんな温かい素敵な場所だといいな。

    子供たちの幸せな未来への祈りと、
    誰もが通り過ぎる自分の中でもがく時間に
    エールを込めて贈りたい。
    そんな切なくて優しくてあったかい、
    誰にでもある心のいつか居た場所の物語。

    • nejidonさん
      こんにちは♪
      この本、読まれたのですね!
      作品よりもあやさんのレビューの方がもっと素敵なような(笑)
      同じものを読んでもひとりひとり感...
      こんにちは♪
      この本、読まれたのですね!
      作品よりもあやさんのレビューの方がもっと素敵なような(笑)
      同じものを読んでもひとりひとり感じ方が違うんだなぁと、つくづくそう思います。
      ともあれ、アニメ化されることで、作品の本来の良さがいっそうひきたつと良いなぁと思いますね。
      登場する大人たちがみんな善人だらけで、でもそれがなかなか主人公には伝わらないのが、いかにもこの子らしくて。
      私は特に養母の存在が好きでした。
      2014/04/30
    • 山本 あやさん
      猫丸さん♡

      不安定さと現実と空想のあわいの感じと、
      ほんとに絶妙のさじ加減で描かれていて
      すごいなぁと唸ってしまいました。

      ...
      猫丸さん♡

      不安定さと現実と空想のあわいの感じと、
      ほんとに絶妙のさじ加減で描かれていて
      すごいなぁと唸ってしまいました。

      真っ直ぐに愛情を疑わず成長していける
      サポートが大人はできるといいですよね[^-^]
      2014/05/09
    • 山本 あやさん
      nejidonさん♡

      こんにちは~[*Ü*]

      やややっ、拙いレビューにありがとうございますっ!

      マーニーのゆらゆらと揺れる...
      nejidonさん♡

      こんにちは~[*Ü*]

      やややっ、拙いレビューにありがとうございますっ!

      マーニーのゆらゆらと揺れる気持ちや
      空想のキラキラした世界と実際の緑のさわさわと騒ぐ感じや
      水辺の素敵さは、ジブリなら素敵な色、音、世界として
      目の前に広げてくれるんだろうなぁとドキドキです♡

      養母の不器用ながらもいっぱいの愛情、
      ほんとに素敵ですよねっ[^-^]
      2014/05/09
  • とても素敵な結末。
    上巻の後半を読んだ時の不安は綺麗に消えてしまった。
    どうも幼さ故の純粋さと繊細さを持った女の子(男の子も)が傷付くところを見たくないと願ってしまうみたいだ。
    でもそんな心配を軽々と飛び越えてくれた。
    そして奇跡としか言いようのない幸せを見つけてくれた。

    アンナから貰った幸せな気持ちのお裾分けで私も幸せな気分。
    映画もとても楽しみ。

  • 子供のための物語であるから、子供の時に読みたかった。子供の時にはきっと、ずっと共感できただろうと思うから。しかしこれは大人にとっても、救いの物語だった。とてもよかった。
    この物語の、なにが、こんなにも心に残るのだろうと考えると、やはりアンナの心をきりとって文字にもってくる、感性だと思う。
    こどもの心は混沌だ(混沌だったと思う)。うれしさ、悲しさ、悔しさ、希望、どれも鮮明すぎて、ありのままとらえることはとっても難しい(と思う)。しかし小説の中でアンナの気持ちを、いっときも作者は見失わない。アンナ、ひとりぼっちで繊細な、孤児の少女は、鮮明に存在し続ける。
    マーニーのせかいとアンナのせかいが異なることはすぐにわかるけれど、だいじなところは、そこではないのだ。アンナがはじめてともだちになるマーニー。いきいきとアンナのまえに存在する魅力的なともだち。ともだちとすごす時間はなんて楽しくてみじかいんだろう。友情は、まるで魔法のように自信をもたらしてくれる。

    そして、たとえば赤毛のアンを読んだ子供たちが成長してからはアンではなくマリラ・カスバートの気持ちに共感するように(しないか?)、わたしが共感するのは「おばちゃん(なんて善良なひとだろう)」であったりするわけでした。やっぱり子供の時に読みたかった。

    最後に明かされた事実にはきっと願いが込められているのだろうと想像する。金持ちの娘だが愛情を与えられずに育った孤独なマーニーは、産んだ娘を愛せないままこの世を去る。うまれた娘は母の愛を知らないまま、その娘を残して世を去る。そして、ひとりきり残されたマーニーの孫はやはり、捨てられた子供として人生のスタートを切るが…、
    悲しいことの連鎖がきれいに輪になって解かれるラストはとてもうつくしい。奇跡である。

  • 原作は映画よりも、アンナとマーニーの真実についてさらっと書かれていたのだと気づけて、それもまた良いと思いました。
    リンゼー家の人たちとの出会いによって、さらに変化していくアンナを感じることが出来て、自分も満たされた!
    と同時に、翻訳って本当に大事なんだなと思う。
    言い回しとか言葉の選び方で印象がガラリと変わると思うので、文庫で出ている方も読んでみたい。

  • 人の世界には内側と外側がある。そして自分は「外側」の人間であると、周囲と自分に高い壁を作り嫌なことがあっても「何も考えない」ことで乗り切ろうとする少女アンナ。
    海辺の町に引っ越してきたアンナは、一軒の屋敷に住む少女マーニーと出会い、秘密を共有する親友となる。

    上巻では周囲とうまく馴染めないアンナの苦悩とマーニーとの不思議な出会いが、下巻ではアンナに訪れる変化と新しい出会い、そしてマーニーに隠されていた謎が解き明かされていく。舞踏会、森、そして風車小屋…マーニーと過ごした時間は、アンナの固く閉ざした心を溶かし変化と成長に大きく影響を与える。
    人は「外側」と「内側」を行ったり来たりしながら周囲と付き合っていく。「外側」であろうと「内側」であろうと、それぞれから見える景色は自分の一部となり、思い出となった出会いも自分の心にしっかりと刻まれ、糧となる。
    2014年夏公開ジブリ映画の原作本。

  • ちょっと予想通り、でも多少予想外。
    欲をいえばもうちょっとラストにかけての主人公の心情を盛り込んでほしかったなー。
    面白かった。

  • 10年ぶりに再読。
    ちょっと内向的でヒネた主人公アンナと不思議な少女マーニーとの心の交流を描いた上巻、そしてマーニーの謎をするする紐解きながらアンナが変わっていく下巻。ストーリー性も描写力も文句なし、大満足の作品でした。
    児童向けの作品なので、ストレートでわかりやすい表現が多いです。でも扱われている内容は、子どもからの脱皮を経験した大人だからこそ分かることも多いので、おそらく子供目線と大人目線で感じ方が変わるのではないでしょうか。私は10年前と今回とでは明らかに感じ方が違いました。20年前にも読んでいたら、きっともっと違いを感じたと思います。
    今夏上映のスタジオジブリ映画も期待しています。

  • じんわりと満たされていくような読後感。驚くべき愛の物語でした。これを米林宏昌監督がどう料理してくれるのか、楽しみです!

  • 恐ろしいくらいの孤独の中に住むアンナはしめっち屋敷に越してきた兄弟姉妹と打ち解けていき、マーニーの秘密も解き明かされていく中でアンナの閉ざされた心も次第に開かれて温かいものが入ってくる。孤独を感じる思春期の生徒に届けたい一冊だと思いました。

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