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- Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141191
感想・レビュー・書評
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「西風のくれた鍵」がケルトの妖精物語風だったのに対し、こちらはどちらかというと民話風。 いずれの作品も「どこかで似たような話を読んだことがあるような・・・・」と感じさせられるあたりは、やっぱりアトリーです(笑)。 それでいて、アトリーならではの自然描写の美しさは本作でも冴えていて、ひとつひとつの作品がキラキラしています。
民話風・昔話風ではあるんですけど、時代的にはやっぱりある程度現代に近い時代のお話(バスが走っていたりする)で、それでいて、これらの物語に登場する小道具・大道具の類のもの;メリー・ゴー・ラウンドの「青銅の呼子」然り、七面鳥とガチョウの「古い城」然り、木こりの娘の「廃墟」然り、バーリコーンの「教会」然り、何百年も昔からそこに存在し、時を超えて多くのことを見守り続けたものたちが、物語の展開に大きな関わりを持っています。 お話の中にそんな「時間軸」のようなものを感じさせられるのがアトリー作品の1つの特徴のような気がします。
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アリソン・アトリーの短編集。
その伝承的な民話風の物語には、いきいきとした自然の息吹、時には激しいほどのその活力と共に、美しい詩のようで、躍動感にあふれた世界をありありと感じることができる。
大人になってからでも、長編『時の旅人』『農場にくらして』そして、『グレイ・ラビットのおはなし』と読みすすみ、短編集を手にできたのは、とてもよかったと思う。