モモ (岩波少年文庫(127))

  • 岩波書店
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  • / ISBN・EAN: 9784001141276

作品紹介・あらすじ

町はずれの円形劇場あとにまよいこんだ不思議な少女モモ。町の人たちはモモに話を聞いてもらうと、幸福な気もちになるのでした。そこへ、「時間どろぼう」の男たちの魔の手が忍び寄ります…。「時間」とは何かを問う、エンデの名作。小学5・6年以上。

感想・レビュー・書評

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  • 思い出の児童文学ベスト1ということなので読んでみました!
    たぶん読んだことあると思うんだよな〜と思いながら読み始めたのですが、灰色の男が床屋のフージー氏に時間の計算をしてみせるところではっきりと思い出しました
    読んだことある!
    すごいなぁ、ちゃんと記憶に残ってるもんだなぁ

    でもね、ミヒャエル・エンデといえば実は『ジムボタン』なんだけどね
    自分的には
    しかもテレビアニメの方w
    これ原作とぜんぜん違うんで「ミヒャエル・エンデと言えば…」でもなんでもないんだけどね

    君にもある!君にもある!この力♪
    君にもある!君にもある!この願い♪

    はい、『モモ』です
    まあ、一言で言っちゃえば、「時間に追われる生き方って本当に幸せなの?」って問いかける物語です
    それはそれぞれが考えればいいとは思いますが、自分のことで言えば、「うーんよく分からん」です
    時間に追わてるときの方が多幸感を生じることもあるよね
    ドーパミンどぱぁって
    でももうそれはすでにあかんやん!ってのがミヒャエル・エンデの言い分なんよね
    「うーんよく分からん」
    それはそれでいいような気もちょっとするんだよねぇ
    子どものころはどう思ったんだろうなぁ
    「うーんよく分からん」


    で、ちょっとというかがっつり横道にそれた話
    ひらがな多い文章って読むのに時間かかりません?情報量が多くなるっていうか
    「多くなる」と「おおくなる」では後者の方が処理するのがたいへんというか…
    なので今回読んでも読んでも先に進まなくてちょっとイライラしちゃったんだよね
    あれ?いつの間にか灰色の男たちと契約しちゃってる?

    • みんみんさん
      ドーパミンがどばぁだった( ̄▽ ̄)笑

      追われて幸せな人もいるし
      追われるの気づかない人もいるし
      それぞれでよし!
      わたしは追われたことない...
      ドーパミンがどばぁだった( ̄▽ ̄)笑

      追われて幸せな人もいるし
      追われるの気づかない人もいるし
      それぞれでよし!
      わたしは追われたことないからドピュしない笑
      2022/11/03
    • ひまわりめろんさん
      あ!なるほど

      ちなみに散々言ってきたけど
      自分自身は時間に追われる生活なんて絶対無理!のんびりダラダラ過ごすのが幸せ〜の人ですw(おい!)
      あ!なるほど

      ちなみに散々言ってきたけど
      自分自身は時間に追われる生活なんて絶対無理!のんびりダラダラ過ごすのが幸せ〜の人ですw(おい!)
      2022/11/04
    • みんみんさん
      残りの人生のんびり、ゆったり過ごしたい♪
      妬まない、僻まない、怒らない…
      ブッダの教え(-_-)ナームー
      残りの人生のんびり、ゆったり過ごしたい♪
      妬まない、僻まない、怒らない…
      ブッダの教え(-_-)ナームー
      2022/11/04
  • 子供が発熱してしまい、木曜日からずっとお休みを頂いたので、仕事に関係なく、子供と共有できる本ということで、温めていたモモに手を伸ばしました

    メッセージが強くて、児童書ではないみたい!! 
    とにかく深い!!
    大人はより、自分の時間の大切さを再確認できる

    コスパとかタイパという言葉が最近よく使われるけど、私は好きではない

    コストパフォーマンスがいいかどうか決めるのは自分
    コスパの良い〇〇 なんて、自分で使ってみなきゃわからなし、
    時間の大切さも、人に決められるものではない

    大切にしようと思わないと、すぐに灰色の時間泥棒に持っていかれる

    私の近くにも時間泥棒は常にいて、子供に早く早くとNGワードを浴びせてしまっている
    せっかちな性格だし。効率良いの好きだし。

    せかせかしすぎるのはよくないと反省。
    私の時間の花は何色でどんな大きさなのかなと、時間を取られそうになったら思い出したい

    • マメムさん
      初コメです。
      今年のブックサンタで寄付したものの、私自身は未読なので一度読んでみようかなと思いました♪
      初コメです。
      今年のブックサンタで寄付したものの、私自身は未読なので一度読んでみようかなと思いました♪
      2023/11/26
    • MRさん
      コメントありがとうございます♪
      とても素敵な本でした
      お勧めします♪
      コメントありがとうございます♪
      とても素敵な本でした
      お勧めします♪
      2023/11/26
  • 「人間はじぶんの時間をどうするかは、じぶんじしんできめなくてはならない」

    先日とある方にオススメしていただいて急遽再読した『モモ』。
    13、4歳の頃に読んだ時には、「随分と斬新な設定で、なんだか哲学的だ」くらいにしか思わなかったのに、成人して、日々に追われ、そして、人生に迷い気味の今の自分には、耳が痛いと同時に、ハッとさせられ、身につまされることのなんと多いこと。

    ある日突然現れ、朽ち果てて廃墟となった円形劇場に住み着いた、言わば、浮浪児の少女「モモ」。
    街の人たちは、自分たちも貧しいながらも、モモを受け入れ、面倒をみます。モモは、不思議な少女で、人の話を聞く才能に長けていて、街の人たちにとってなくてはならない存在となる。貧しいながらも、モモとの時間を共有しながら、穏やかな日々を過ごす人々。しかし、「時間泥棒」を働く灰色の男たちが現れたことで、街の人々の生活は一変し…。

    今回この本を読んで、ものすごくいろいろなことを考えました。
    例えば。
    時間の概念とか感覚の曖昧さとか。
    詐欺についてとか。
    危機と混乱に陥った時の人間の残虐性さとか。
    でも、何よりも一番強く考えたのは、豊かさってなんだろう?、ということ。

    効率よい手順で、かつ、より長時間の労働をすれば、少なくとも、それをしないよりはお金を稼げる。より多くのお金があれば、より多くの欲しいものが買える。
    家族や大事な人に渡せる「もの」も増える。
    でも、それは、決して、心や身体が健やかで豊かであることと同義ではない。

    「じぶんの時間」がなくなって、ただお腹を満たすだけの味気ない食事を取ってしまったり、睡眠や、自分の好きなものや大切なものに触れて心を満たす時間を減らしてしまって、肉体的にも精神的にも疲労を溜め込んだり。
    結局は大事な人たちと過ごす時間が減って、ストレスと苛立ちが喧嘩の火種を作る可能性だってある。
    それは結局、誰とも語り合えず、最終的に分かり合えない「孤独」を招くことだってある。

    仕事をしている時はいかに短い時間で多くの作業をこなすか、食事を作る時もどうしたら時間をかけずに済むか…等等、毎日の生活の中で常に合理性を考えて、キリキリしてしまっている自分を、反省しました。
    でも、残念ながら、きっと、それ、直らないのよね…。だって、私一人の力では、勤務時間も仕事量も、そして、こなす家事や雑用がある事実も変わらないんだもの…。

    でも、少なくとも、自分の好きな人々や好きな物に接することを疎かにせず、できる限りの時間をかけることは、できるはず。
    そこでバランスを取って、丁寧に日々を生きよう。
    そう思えた物語でした。

    この物語は、紹介いただいた方から、読む度に新しい発見があると教えていただいたので、また少し時間を置いて、読み直したいです。

    • hotaruさん
      hiromida2さん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。本当に、「モモ」は色々と自分の生活を改めて考えるきっかけになりました。も...
      hiromida2さん、こんにちは。
      コメントありがとうございます。本当に、「モモ」は色々と自分の生活を改めて考えるきっかけになりました。もしよかったら、hiromida2さんも再読してみてくださいね!

      「その名にちなんで」は、hiromida2さんの本棚とレビューを拝見させていただいている時にコメントしたので、hiromida2さんの本棚へのコメントとなりました。
      また素敵な本について、本棚を通して紹介しあったりコメントしあったりで、楽しみたいです☆
      これからもよろしくお願いします。
      2018/05/27
    • hiromida2さん
      hotaruさん ありがとうございます。以前はかなり本の虫で(特に海外小説)を沢山読んでいましたが 現在はDVDで映画を散々観てる中で ブグ...
      hotaruさん ありがとうございます。以前はかなり本の虫で(特に海外小説)を沢山読んでいましたが 現在はDVDで映画を散々観てる中で ブグログの皆さんの本棚を覗かせてもらってると 興味を引く物語が沢山あり、また、それを参考に「あーこんな本もあったんだ!」って 日本や海外に関係なく また色々読んでいます。「モモ」も是非 再読してみます^_^新しい発見があるかもしれない。また、本棚覗かせて頂きます!
      2018/05/28
    • hiromida2さん
      こちらこそ これからもよろしくお願いします♪ヽ(*^∇^*)ノ*:・'゚☆
      こちらこそ これからもよろしくお願いします♪ヽ(*^∇^*)ノ*:・'゚☆
      2018/05/28
  • ドイツの児童文学。
    時間貯蓄銀行を名乗る灰色の男たちと、不思議な少女モモとの戦いが描かれる。
    登場人物にお話し好きの観光ガイドであるジジという男性が登場するが、彼のお話だけでも十分におもしろいのがすごい。

    社会に一石投じる内容となっていることは明らかである。豊かな生活を求めて頑張っていたはずだった。なのに気付くと大切なものを失っていた。豊かに思えた生活は空しく、味気ない時間に変わっていた。
    人々を救うためにモモは立ち上がる。

    以下、ネタバレ有り。(備忘録)

    時間貯蓄銀行を名乗る組織は、人々が時間を無駄に浪費している時間を貯蓄に回すことを提案する。人々は将来の為に無駄な時間を差し出すことになった。日々は忙しく過ぎ、無駄だと思われるものは排除された。子供たちは抑圧され、親は子供と接することもせずに忙しく働いていた。そして子供たちは皆、子供学校と言われる矯正施設に入れられることになる。人々は殺伐とした世界で、仕事を進め、いつも時間に追われ、笑うこと、遊ぶこと、愛し合うことをやまてしまう。

    全ては豊かな生活の為だった。

    裏で時間貯蓄銀行は、人々の時間を蓄え、時間の花から葉巻を作って吸い込み、人々から奪った時間を消費して生きていた。彼らは人々の時間を糧として生きていたのである。莫大な時間を貯め込む時間貯蓄銀行の正体は、人類を支配し、時間を吸って生きる時間どろぼうであった。

    モモは時間を司るマイスター・ホラと時間に縛られないカシオペイアの協力の下で、全ての時間を停止させることになる。時間が止まった世界で、時間どろぼうは、ため込んだ時間を使い動くことができた。だがいつか訪れる時間の枯渇を恐れ、互いに存在を消し合う争いを始める。彼らの生は、人間の時間を燃やすことで維持されているため緊急の事態であった。人間から奪った時間こそが、彼らの命の時間なのである。時間が止まった世界で、一凛の時間の花を持つモモは、カシオペイアと共に時間貯蔵庫の解放に成功する。モモは人々の時間の花と共に、元の世界に舞い戻る。皆が生き生きと話始め、これまでの虚無から解放されお祝いムードいっぱいになり、めでたしめでたし。

    時間の花は、それぞれが他のどれよりも美しく見えるという不思議なものになっている。私はこの時間の花の描き方がとても気に入った。今見た花よりも次の方が美しく見えるという。そしてその次はまたこれまでで一番美しく見える。

    著者のみじかいあとがきもおもしろい。

    読了。

  • またもや「名作」というものの力を見せつけられた気がする。
    本はどれもそうだけど、特に「名作」といわれるものは何度読んでも、その時々で違った視点や気づきを与えてくれる。

    本書を読むのは二回目だと思う。一度目は確か、小学校高学年。学校の図書室で借りて読んだことをなぜかよく覚えている。その頃は「時間」という概念を深く考えることもなく、ただただ上質なファンタジーとして楽しんだ。

    それからウン十年の時を経て、再読。今度は「時間」と「ほんとうの生活」について、再度考える機会をもらった。

    理髪師フージーが現状の仕事や生活に対して抱く不満は、大人になったらかなり多くの人が考えることじゃないだろうか。「これは、「ほんとうの生活」じゃない。自分はもっと理想的な人生を送れるはず。今の状況がずっと続く人生なんてまっぴらだ。」
    でも、「ほんとうの生活」って何?「時間」があればあるほどいいってわけでもない。本書にこんな言葉があった。
    「時間とは生きるということ、そのものなのです。そして人のいのちは心を住みかとしているのです。」

    限りある時間だからこそ、どんなふうに時間を使うのか、つまり、「どんなふうに生きるのか」が大事なんだと、そっと囁くように教えてくれる物語だった。

    そんなことわかってはいるけれど、いつも、いつの間にか、せかせかとして、理髪師フージーのような考え方をしていなかったか・・・。

    モモの親友が、物事をよく考えて発言するおじいさんベッポと、無鉄砲な若者ジジ、というのも素敵だった。特にベッポの仕事に対する考え方が好きだった。

    「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん。つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。ーするとたのしくなってくる。これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。ーひょっと気がついたときには、一歩一歩すすんできた道路がぜんぶおわっとる。ー」

    それから、時間どろぼうに時間を奪われ、せかせかしてきた大人に相手にされない子どもたちが、モモのいる円形劇場あとに来る時に持ってくるおもちゃについて、こんな記述があった。

    「子どもたちがそんなものを使っても本当の遊びはできないようないろいろなおもちゃをもってくる」
    なんて、なんて鋭い視点、感性・・・まさにそんなおもちゃに囲まれた今の子どもたち、わが子の姿が頭に浮かぶ。

    「時間」のことをファンタジーとして描いた、どこか風刺的な物語だと思っていたけれど、それだけじゃなかった。児童書としての括りにとらわれず、いろんな年齢層の人にオススメです。

    • ふーみんさん
      コロナ禍を経験して、モモの世界がリアルに迫ってきたのを感じました。不要不急って何よ?人と会わないで本当に人と繋がれるの?モモのそばでただ時を...
      コロナ禍を経験して、モモの世界がリアルに迫ってきたのを感じました。不要不急って何よ?人と会わないで本当に人と繋がれるの?モモのそばでただ時を過ごすような、そんな時間が私たちに本当に戻ってくるのかしら?
      2023/05/20
    • URIKOさん
      >ふーみんさん
      コメントありがとうございます。
      ホントそうですね、不要不急って何でしょうね。コロナ禍という状況がまた私たちの時間に対する考え...
      >ふーみんさん
      コメントありがとうございます。
      ホントそうですね、不要不急って何でしょうね。コロナ禍という状況がまた私たちの時間に対する考え方を変えたかもしれませんね。
      2023/05/20
  • エッセイ > 「モモ」が、教えてくれたこと(旅は道草・137)やぎみね | ウィメンズアクションネットワーク Women's Action Network
    https://wan.or.jp/article/show/9576

    モモ - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/smp/book/b269602.html

  • ずっとずっと積読していた本を遂に解く。
    児童文学にしては、難しい内容に感じるこの感覚も、子どもたちが読むと逆にただおもしろいファンタジーのように感じられるのかもしれない。
    おそらく大人と子どもではこの本の印象はだいぶ変わるのかもしれないし、読む時期、年齢によっても感じ方は変わるのだと思う。

    ちょうどコロナ禍で仕事の量を自由にセーブでき、自分のための時間を作る余裕がある今のタイミングで、この本を手に取ったことは何かの縁な気がした。
    MAXで働いてた時に読んでいたら、また違う衝撃を喰らっていただろうな。


    「はげしい追跡と、のんびりした逃亡」
    「ゆたかさのなかの苦しみ」
    「まえばかり見て、うしろをふりかえらないと」
    など、各章の題名の付け方がウィットに富んでいて個人的には記憶に強く残っている。

    特に「ゆたかさのなかの苦しみ」と言う題名は、先日読んだ若林正恭さんの「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」に強くリンクしていて、
    連続して「貧富と自由」について考えさせられる日が続いた。

    また来年度から仕事量をMAXに戻そうとしている自分には、ここで得た言葉たちを心に留めておけという暗示かもしれない。


    「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。いつもただつぎのことだけをな。
    するとたのしくなってくる。これがだいじなんだな。たのしければ、仕事がうまくはかどる。こういうふうにやらにゃあだめなんだ」

  • 時に恐ろしく、時に壮麗な描写。
    オブラートになんか包まず、紳士的に、でも(色々と)容赦ない語り口調。それでもところどころに希望を感じさせてくれる。「作者は人間に優しいのでは?」と、どこかのレビューで見たのを思い出し、納得。

    とんでもない作品。
    おとぎ話のつもりで近づくと度肝を抜かれる。10代の頃に読みかけて断念したけど、その時に読破していたらどうなっていたんやろ。同じく10代、もっと若い時期に読んだ子達はどんな感触、感想を持ったのかな。(今や話以上に気になり出している…)

    「時代は変わった」を合言葉に将来役に立つことにしか時間を使わない。そうやって情緒も感じられない空虚な人間に近づいていくところは『はてしない物語』にも通じていたり。

    息をするのも忘れるくらいにスリリングな時間奪還作戦を経て、話はチャーミングに締めくくられる。(これがまた映画みたいで思わずにやける)

    でもそれは、この一連の流れを知った読者に対するはじまりの合図にも取れて、結局最後の最後まで度肝を抜かれてしまった。

  •  今から書くことは、すべて私の心の中で、1ミリも思っていないことです。感じてないことです。嘘です。情報は疑ってかかるべきです。とくに下に書かれた文章とかには。この本の感想を書くのは苦痛でした。でも、なぜこれほどまでに苦痛なのかわかりませんでした。ある日、小谷野敦のレビューがこのモモのアマゾンページに載りました。そこで、ようやく痛みの理由を知りました。
     引用します。
    『これを読んで、日本人はあの盆と正月の帰省ラッシュといった愚かなことをやめるであろうか。話題の映画に殺到し、早く観ようとするのをやめるであろうか。やめたなら幸いであるが、どうもそうは思えないのである。
     この本は、「なんで話題の映画を早く観なきゃいけないの?」と言っているはずなのである。この本に感動しつつ、それをやめないとしたら、それは何にもなっていないのである。』
     ああ、その通りだ、そうだ、と思いました。
     私はこの小説を感動できなかった。だけれど、感動した風に書いたのが、下記の通りとなります。
     ……。

    「ごめん、時間ない」、「私が焦ってるの、見ててわからないの?」、「無駄口叩かないで」、「相手してる暇ないから」。
     私たちは今、とても窮屈な時代を生きています。『モモ』に登場する時間どろぼうにすっかり時間を奪われてしまったからです。
     現代に生きる私たちはこんな言葉に囲まれていると思います。もっと合理的になれ、効率良くしろ、余計なことを考えず生きろ。充実した人生を送れ、眠る時間以外は自分磨きに集中しろ。資格を取得して、自己啓発して新しい自分になれ。マニュアルを頭に叩き込んで即戦力になれ。そうしないと周りに置いて行かれる。みじめな人生が待っているぞ。他の奴のことなんて考えるな。時間はないんだ。
     そんな「~をしなければ生きていけない」で占められた空気の中で私たちは息も絶え絶えに呼吸して過ごしています。
    「世界で一つだけの花~♪」という歌、大事だよね、とでも言えば、嘲笑と共に「甘えだ」、「ふざけるな」、「贅沢言うな」と袋だたきにあい、恥をかいてしまいます。

     ミヒャエル・エンデの「モモ」の主人公『モモ』はこれらの空気の化身『時間どろぼう』と戦う物語です。
     モモは街の外れにある円形劇場の廃墟を住処として、人々と仲良く暮らす女の子です。ある日、時間を無駄にして生きるな、その時間を私たちに預ければ利子をつけてお返しするという時間貯蓄銀行を運営するどろぼう達が現れます。街の人は、なんて無駄な時間を過ごして来たことだろうと思いこみ、モモに構わなくなって必死に働き始め、何も考えないエゴの塊となります。どろぼうは、人が貯蓄した時間を葉巻に変えて、それを吸って生きている存在です。彼らを相手取り、モモは一人一人の大切な時間を取り戻すため、様々な困難を乗り越え、みんなを忙しいだけの空気から解放するという話です。
     ミヒャエル・エンデ(1929-1995)は南ドイツ生まれの児童文学作家で、モモは1972年の作です。岩波少年文庫として小学5・6年生以上向けであるものの、大人でも十分読み応えのある一冊です。
     モモと時間どろぼうの対立は、資本家に人間としての生き生きとした労働を奪われることに警告を発する寓話に読めます。時間=お金として、儲けるために機械化・合理化を果てしなく続ける資本主義経済について批判的に考えることができます。
     しかし、それだけでモモは終わりません。想像力を奪う、情報社会批判をも含んだ描かれ方がされていると思います。
     例えば物語の中に登場する子ども達は、どろぼう出現前には円形劇場で冒険家ごっこをするのですが、時間どろぼうが現れると、子どもは外に出られず、施設の中で、頭がよくなる遊び道具を相手に、日々を送る羽目になります。
     私たちも、朝起きて、夜中まで必死に働き、手の空いた時間はテレビ、アニメ、ゲーム三昧。ネットでは様々なニュースに対して、バッシングと誹謗中傷と反射的な言葉の数々に晒され、二手三手先を熟考する想像力はどこにもありません。
     私たちはどうすればそれを取り返せるでしょうか。
     モモを読めばわかることがあります。
     どろぼう達を撃退したモモはたった一つ、特殊な能力を持っていました。
     人の心を開かせ、本音で語らせ、本気で考え、スッキリとさせることです。自らの言葉で考える力を人は持っているんだということに気付かせる「聴く力」をモモは使えるのです。モモは何も話さずそこにいる。人の話を真剣に聞く。それだけで人々は幸せになり、想像力と思いやりのある社会を築くのでした。
     私たちの目は映像社会でとことん肥えてます。嗅覚も舌も非常にグルメであると思います。ただ、聴くことはいかがでしょうか。そして考えることは……。
     いちいち考えてる暇なんてない。たくさん本を読んで何か吸収しないと……。おいしい話以外、聴く気ない。そんな空気に飲み込まれそうな時や忙しさに心奪われかけた時、読みたい本だと思います。

  • ブグログでのレビューで読みたいと思い読み始めました。
    主人公モモ、ジジ、ベッポ、カシオペイア、他
    P48道路掃除夫ベッポの言葉
    「とっても長い道路をうけもつことがよくある~」
    「いちどに道路ぜんぶを考えてはいかん、〜つぎの一歩のことだけ、〜いつもただつぎのことだけを。」
    に興味が湧いて釘付けけになる。
    時間に追われてピリピリ、イライラ、遅い事に対し周りの人のせいにしたり 町の人々が豊かさと共にどんどん人間味が失われていく様が冷たさや寒さで現されていて、ラストの花や自然で暖かさが伝わる表現でモモが時間泥棒に勝った事が伝わる。
    児童書らしいカシオペイアのこれにておしまいに、ホッコリでした^ ^。

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