浦上の旅人たち (岩波少年文庫 132)

  • 岩波書店 (2005年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784001141320

みんなの感想まとめ

信仰の迫害と人間の葛藤を描くこの物語は、明治初期の長崎を舞台に、隠れキリシタンたちの苦悩を描写しています。主人公たみや浮浪児の仙吉を通じて、理不尽な運命に翻弄される人々の姿が浮き彫りになり、彼らの生き...

感想・レビュー・書評

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  • 明治初期、長崎での隠れキリシタンへの迫害。「浦上四番崩れ」と呼ばれ、全国の藩に預けられて信仰をすてるよう迫られた。その事実を元にした歴史小説、今西さんの長編を読むのは初めてだが、スケールの大きさに驚いた。
    浦上のキリシタン家族の娘、たみ。備前へ送られるキリシタン家族に紛れ、たみと行動を共にする浮浪児の仙吉。迫害のシーンは辛い場面が続き、明治初期にこんなにも理不尽なことが行われていたのかと愕然とする。
    浦上の人々とは別に、単独で放浪する、とある人物。そして、仙吉もまた新たな出会いが。思いがけない土地の人と繋がり…そして、たみもまた徐々に自身の生き方を模索する。
    そんなニアミスが!そして、まさかそこに絡む!と、辛いながらも思いがけない方向に展開していくため、最後まで気が抜けない。特に最終章。
    クリスチャンである今西氏だから紡げた物語だと思う。ギリギリの状況にあって、信じていたものを否定することはできるのか。また、棄てないことに拘りすぎる己の行いは正しいことなのか…常に問いかけられる。その都度胸が苦しい。そんな中、常に毅然としたたみの姿は、凛として美しい。波瀾万丈な仙吉の軌跡も、日本の歴史の様々な史実について考えさせられる。地図を見ながら、本作の登場人物たちの足取りを今一度確認したい。太田大八氏の力強いカバー画と挿絵も素晴らしい。大人にも是非とも読んでもらいたい名作。

  • 浦上四番崩れと呼ばれるキリシタン大弾圧を踏まえた物語。キリシタンであるというだけでなぜこんなにも酷い仕打ちを受けなくてはいけないのか。生きるために転びますと言ってもデウス様は許してくれるのではと思ったり。でもそういうものではないんだろうな…

  • 浦上四番崩れという隠れキリシタンの受難を題材に、信仰とは何か、愛情とは何かを扱う作品だと感じました。文体が美しいのか、いろいろな場面がとても美しく眼の前に現れるようでした。哀しい内容が多いので感情移入してしまうこともしばしばでした。万人におすすめの1冊だと思いました。

  • 明治時代初期にキリシタンが弾圧され、囚われ、故郷を追われて方々に散り散りバラバラに地方に島流しにあったお話。江戸幕府から明治政府にかけて、キリシタンを改宗させようと拷問が続く。何とも理不尽な話なのに、その頃異を唱える人はいなかったのか。私はキリシタンではないから、こんな拷問を受けながらも自分の信教を守り続ける強い意思が、イメージが湧かない。こんなことをされるのだったら、もうキリシタンをやめてしまおうと思ってしまいそうだ。
    でも、この当時、民主主義の世の中ではなかったから、いろんな理不尽なことも平気で行われていて、キリシタンの教えは、そういった考えとは全く違った、個人個人の考えや尊厳を大事にするものに思われて、キリシタンたちには、よほど、大切な教えと思ったのか。
    今の日本は、民主主義の国になっていて、こんな間違ったことは起こらないだろう。
    中国や、北朝鮮では、今でもこんなことが起こっているんだろうな・・・・。
    今の日本に生まれて良かった。
    この本は、重い題材だけれど、たみや千吉に感情移入して、物語の世界に入り込むことができた。

  • 大学の授業で使用する為に読んだ作品。
    歴史ものだから、あまり児童文学っぽくないかもしれない。
    ページ数はあるけれど、読みやすい。
    ただ、時系列の移動が激しいので、ちゃんと読んでいかないと頭が混乱してしまうと感じた。

  • 第7回 昭和44年

  • 小学校5・6年生向きにしては難しい話だったように思う

  • 100404

  • 烏兎の庭 第一部 絵本 4.19.04
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/urakamiy.html

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著者プロフィール

●児童文学作家。1923年大阪府生まれ。早稲田大学仏文科卒業。在学中から早大童話会に属し、児童文学を志す。主な児童文学に『肥後の石工』『浦上の旅人たち』『光と風と雲と樹と』。そのほか絵本に「源平絵巻物語」シリーズ、『土のふえ』など。日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞、芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。1992年紫綬褒章を受章。2004年逝去。

「2017年 『ヘレン・ケラー自伝 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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