かるいお姫さま (岩波少年文庫 (133))

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141337

感想・レビュー・書評

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  • ジョージ・マクドナルドの短編(彼の場合、フェアリー・ストーリーと言ったらしいが)も初めて読んだが、なかなか面白かった。
    先だって読んだ長編物語もそうだったが、描写が細に入り、非常に美しく、また、ところどころに持ち前のユーモアが垣間見れたりする。
    また、ここに収録された二編となると、訳者泣かせだと思うが(原書では)たぶん、言葉遊びや歌のパロディなども味わいどころなはず。マクドナルドと縁の深いルイス・キャロル然り、シェイクスピア然り、イギリス文学の面白さの一端がよくあらわれている。
    例えば‘軽い’(light) ‘ 明るい’、そして‘重さ’(gravity)には、‘真面目さ’という意味もあるので、お姫さまは、重さと同時にきまじめさも失ったわけだ。

    同じ魔女の企みがらみでも、表題の『かるいお姫さま』とは、また少し趣が違うもののもう一作の『昼の少年と夜の少女』も、なかなか印象深い作品だった。おそらく、作者独特の死生観も投影されているのだろうが、幻想的な描写の数々がとても象徴性を感じさせる。

    いずれにせよ、面白いので、いろいろ読んでみたくなりますね。

  • 姫の洗礼式に招待されなかった王の姉は、姫から重さを奪ってしまった。ふわふわ浮いてしまう姫は湖で泳ぐ時だけは重さを取り戻せたので、ほとんどの時間を、湖で楽しく過ごすようになった。それを知った叔母は…
    魔女である叔母が悪い企みをする場面は怖いけれど、それを上回る王子さまの愛が希望をもたらしてくれる。

  • 軽いっつったらほんとに軽い。
    一見笑っちゃうような話なのに色々と大事なことを見つけられる。
    でもちゃんと児童書。
    さすがのジョージ・マクドナルド。

    2004/05 再読

  • この本には表題作と一緒に「昼の少年と夜の少女」が収録されているんですけど、どちらかと言えばこちらの「昼 & 夜」の方が KiKi 好み♪  「かるいお姫さま」の方はその設定からしてナンセンスで面白いと言えば面白いんだけど、怖いと言えば怖いお話だと思うんですよね~。  待ち望まれて生まれてきたお姫さまが悪い魔女の呪いによって重さをなくしてしまう・・・・と、何だか「眠れる森の美女」を彷彿とさせるようなおとぎ話の王道(?)でスタートするんだけど、ただただ体がフワフワと浮いているだけならいろいろ不便はあっても、それはそれで楽しそうにも思えちゃう。  でもね、どうやらこのお姫さま、失ってしまったのは体の重さだけではなく、オツムの重さ・・・・というか、人間らしい感情が少し欠落しちゃっているような危うさを感じるんですよ。  どんなに深刻な状況でも笑っていて、挙句お姫さまのために、干からびそうになっている湖の水を堰き止めようと命を投げ出そうとしている王子さまを見てもケラケラと・・・・。  ここまでくると「いつもニコニコ、明るくていいねぇ♪」というレベルはとっくに通り越して、何だか寒気がしてきちゃうんですよね~。  とは言っても、そこはマクドナルド。  単なる「荒唐無稽」のお話で終わらせないあたりはさすがです。

    (全文はブログにて)

  • 読了

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