とぶ船〈下〉 (岩波少年文庫)

制作 : ノーラ・ラヴリン  Hilda Lewis  石井 桃子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 65
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141375

感想・レビュー・書評

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  • いろんな世界に行ける本。
    子どもの頃に読みたかった。
    けど、イギリスの話が多いので、伝わりにくい。調べながら読み進めると最高!

  • 魔法の面白さは、いつか失ってしまう。それが大人になるということ。あまりに現実味がなく、それが夢物語だと思いつつある弟たちを見て、信じてるうちに船と決別を決めたピーターが大人へと一歩進んだ様が寂しくもあり力強くも描かれていると思った。マチルダが自分の時代で自分らしく生きなければいけない、と言い残して去った場面がよかった。

  • ピーターが偶然見付けた店で買った古い船のおもちゃは、魔法のとぶ船だった。ピーターたち四人のきょうだいは、とぶ船に乗り時代を超えて冒険するのだった。
    古代エジプトやウィリアム征服王時代、北欧神話の世界にまで冒険するタイムトラベルもの。各時代の様子もこと細かく書かれており、そのこと自体も楽しいです。
    過去の世界から現代(と言っても今から80年近く前ですが)に連れてきた少女が、つらく厳しくとも自分は自分の時代で生きていくと告げる場面が印象的です。
    また大人になるにつれて魔法が遠い思い出となり、本当にあったことかどうか疑わしくなって忘れていく。そして自ら魔法と別れを決意することまで書かれています。そこには現実的なだけでない温かみがこめられています。この物語が元々作者が幼い息子のために語ったものであるということに由来するのかも知れません。

  • 現代のイギリスにすむ少年少女が、ふしぎな「とぶ船」を手に入れて、時間旅行にでる物語。
    やはり、歴史的、文化的背景を共有してないと、つらい。

  • この物語はホント懐かしい!!  そして大好きで繰り返し読んだ子供時代の思い出が鮮やかに蘇ります。  思い起こせば「北欧神話」に初めて出会ったのはこの本だったし、イギリスという国、英文学に半端じゃない興味を持ったきっかけもこの本でした。  4人兄弟の長男ピーターが「今持っているお金全部とーーそれからもう少し」を払って、不思議なおじいさんから買った船が魔法の船だったという出だしからして子供時代の KiKi をワクワクさせてくれました。 

    子供時代にはこの「もう少し」がとっても素敵なフレーズに思えたものでした。  そして「本当に欲しいもの」に出会うことができたなら、「思っていた金額とそれからもう少し」を使ってでも手に入れるというその行為そのものが何だかとても大事なことに思え、そういう出会いができたピーターに憧れたものでした。  そんな「私だけのコレ」に拘る気持ちを忘れ去り、それに似た代用品をついつい購入しがちになってしまったのはいつからだったんだろう??

        
    ところがその船が北欧神話に出てくる「フレイの船」、スキーズブラズニル(スキッドブラドニール)だったというあたりから物語が動き始めます。  これが伸縮自在の船であるばかりか、世界中どこでも、そしてあらゆる時代に4兄弟を運んでくれるというあたりで、子供時代の KiKi のワクワクは急上昇(笑)。  

    彼らが冒険の旅に出た先は当時のKiKi にはまったく未知の世界だった「オーディンの国」や「ウィリアム征服王時代のイギリス」や「エジプトのファラオの墓」だったりしたわけですが、「知らない時代、場所」という事実が読書の楽しみの妨げになることはなくて、逆に「魔法の真実味」に直結したような感じで、それこそ「貪り読む」状態に突入したものでした。

    一つ一つの冒険も楽しいものなんだけど、それより何より、KiKi にとってこの本が特別だったのは最後の1章があるから・・・・・だと思うんですよね。  単なるタイムトラベル、瞬間場所移動の物語で終わってしまっていたら、恐らく KiKi は「よくあるタイムトラベルものの1つ」としてこの本を片付けちゃっていたような気がするんです。  でも、この物語はそこでは終わらなくて、最後の最後、魔法が信じられなくなってきたピーター(要するに大人になってきた)は、この「とぶ船」を本来の持ち主、フレイに返すんです。

    そもそもこの船をピーターに売ってくれた不思議なおじいさんはオーディン(というより「さすらい人?」 笑)で、この船を購入した後はどうしても見つけることができなかったお店とそのお店があった路地を「船を返す」と決めたピーターにだけは見つけることができたっていうのが何とも素敵!!  そしてそのおじいさんに船を返すとおじいさんの方もピーターが購入当時に支払った金額をそのままピーターに返してくれるんです。

    で、本当に印象的なのはここからで、ピーターはこのお金を「別の何か」に使ってはいけない特別なお金だと感じるんですよ。  そして・・・・・・・。  

    ここでのピーターの行動がいわゆる子供から大人への通過儀礼。  子供時代に純粋に信じることができていた魔法を忘れるという行為を自ら選ぶピーターの姿に、神々しいものを感じます。  さて、この時オーディンが約束した



    「お前がこの船を正当な持ち主にかえすとき、お前の心からの望みをかなえてやろう」



    の「ピーターの心からの望み」とは何だったんでしょうか??  物語ではそこははっきりとは書かれていません。  でも、KiKi が思うに、ピーターは「とぶ船」を持っていた時代ほどリアルにではないものの、心のどこかで「魔法」を信じ続け(というより「魔法を信じる心を失いたくない」と思い続け)、そしてそんな「魔法の語り部」(≒ 作家)になることにより、「忘れたくない」という望みが叶えられたということなんじゃないかと思っています。  



    最後に、この本に関する宮崎駿さんの推薦文を転載しておきますね。

    友人が、子供の時大好きだったんだと、この本を教えてくれました。  クリスマスのプレゼントにもらって、そのあと何度も読み返したが、本当にまったく面白いんだと言いました。  ずいぶん大人になってからなのに、友人の眼はキラキラして、懐かしさでボウとなっているようでした。  それで、この本は友人のもので、僕が読むのは他人のものを盗み見るような気がしました。  それでも読みましたがね・・・・・。    



    そう、この物語は宮崎さんのお友達だけのモノじゃありません。  KiKi にとっても目がキラキラしちゃって、懐かしさで頭と心がホウっとなってしまう物語です。

  • マチルダがやってきた章は面白かった。ロビンフッド、ノルマン人の頃など、ちょっと歴史に疎いと細かいところは良くわからないけど、タイムスリップ的なテーマは面白い。終わり方も良かったなぁ。

  • 時間を超えて子どもたちが旅するファンタジー 

    マチルダのキャラに、魅力を感じます。子どもの頃から大好きな一冊

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