ふたりのロッテ (岩波少年文庫 138)

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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141382

感想・レビュー・書評

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  • こっそりと生活を入れ
    替わる双子の少女。

    まんまと担がれる大人
    たち。

    見た目が一緒のロッテ
    とルイーゼをちゃんと
    区別できるのは、

    パグ犬のペペールだけ。

    ドキドキが止まらない
    展開と少しの切なさと
    ハッピーエンド♪

    とっても良かったです。

    子どもたちは時に大人
    より利口で勇気があり
    ますね。

    もちろんワンちゃんも

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      コルベットさん、こんにちは(^^)
      はじめまして!
      たくさんの、いいねとフォローを
      ありがとうございました!

      この作品。かすかな記憶しか残...
      コルベットさん、こんにちは(^^)
      はじめまして!
      たくさんの、いいねとフォローを
      ありがとうございました!

      この作品。かすかな記憶しか残ってないのですが…、
      「ふたりのロッテ」♡
      レビューを読ませていただき、懐かしく思い出しました☆
      素敵な本をたくさん読まれてますね。
      これからどうぞよろしくお願いします〜(*^^*)♡
      2023/08/06
    • コルベットさん
      チーニャ、ピーナッツが好きさん、こんにちは。こちらこそありがとうございます。チーニャ、ピーナッツが好きさんの本棚もとても素敵ですよね♪どうし...
      チーニャ、ピーナッツが好きさん、こんにちは。こちらこそありがとうございます。チーニャ、ピーナッツが好きさんの本棚もとても素敵ですよね♪どうしてもマイペースで、ブク友の皆さんの本棚を訪れる頻度にムラがありますが、どうぞ末永くよろしくお願いいたします。
      2023/08/06
  •  ルイーゼとロッテは9歳の双子の女の子で、『巻き毛のおてんば』と『おさげのきまじめ』という個性の違いはあるものの、それ以外となると、どっちがどっちなのか見分けがつかない程の瓜二つぶり。

     そんな二人も初めて出会った時は大変で、ルイーゼの方が激しく動揺したために、ついロッテに冷たく接してしまったが、その夜、すすり泣くロッテの髪をぎこちなく撫でるルイーゼに、思わず彼女の指を探したくなったロッテ。

     そして、翌朝にはロッテの前に立って、きまり悪そうにもじもじと足踏みしているルイーゼに(他の女の子が見たら、あのルイーゼがと、きっと驚くだろう)、ロッテは無理してようやく微笑んでくれて、それは見えないくらいに小さかったけれども、ルイーゼはほっとして微笑み返した瞬間、彼女たちの人生は新たなスタートを切ることになる。

     というのも、「ルイーゼ・パルフィー」には父しかいなくて、「ロッテ・ケルナー」には母しかいない、これが何を意味するのかは、なんとなく想像がつくだろうと思う。


     大人も人間なので、夫婦間には色々あって当然だろうとは思うけれども、そこで巻き込まれる子どもの気持ちは、いったいどこに行くのだろうという疑問が湧き、親から見た子どもと、子どもから見た親というのはそれぞれに全く同じだとは思わないことからも、大切なのは、子どもにとって両親の存在とは、どのようなものなのかを、彼らがもっと子ども心に寄り添って考えることなのではないかと、本書を読んで何度も思った。

     エーリヒ・ケストナーという人は、大人の中に於いて、とても稀有な存在なのかもしれない、子どもへの敬意をはっきりと作品に表す作家であり、『点子ちゃんとアントン』では当時のナチスが台頭した世の中に対して、自分たち大人が何も出来なかったことを子どもたちに謝っているし(ケストナー自身は、政府から目を付けられて命の危険にさらされていたというのに)、本書に於いても、双子の女の子の素敵な作戦がきっかけとなって、周りの大人たちの意識を優しく変化させる展開には、子どもの持つ大好きなものに対する一途さがもたらす不思議な力の可能性を感じられたことに胸を打たれた、そんな彼への賛辞は池田香代子さんのあとがきの、『わたしがほしかったのは同情でもはげましでもなく、この尊敬なのでした』からも実感できた、「子どもなのにえらいね」とか、「けなげだね」といった、『いわば一段高いところからのほめことば』では無い点に、ケストナーの作品は児童書の枠を超えた、子どもだけではなく大人が読んでも充分に考えさせられるものが多いのだと思われた、それはまさに本気で世界を良い方向に変えたい、彼のどこまでも強靱で揺らぐことの無い高い信念に基づいた意志が、たとえ今は清らかな魂になってしまったのだとしても、作品の中にいつまでも残り続けていて、しかもそこに必死さは微塵もなく、親しみやすい語りかけるような文章で温かく読み手を迎えてくれる、そんな優しさが子どもたちへの敬意となり、まさに本書の中の言葉のような『新しいしあわせの一瞬一瞬』を、現代に於いても変わらずに運んできてくれるのである。

  • お互い知らず別々に暮らしてたルイーゼとロッテ。林間学校で偶然出会い出生の秘密に気がつき‥。話の流れは想像つくが、2人の子どもの勇気や清々しさ、ユーモアあふれる語りなどケストナーらしい物語で大好き。池田香代子さんのあとがきもいい。

    • 111108さん
      トリヤーの挿絵も素敵。素朴で温かみある線なのにルイーゼロッテ(2人の母)はとってもシャープな美人に描かれている。
      トリヤーの挿絵も素敵。素朴で温かみある線なのにルイーゼロッテ(2人の母)はとってもシャープな美人に描かれている。
      2022/10/27
  • ケストナーの2冊目。
    「飛ぶ教室」では登場人物は男子のみという設定だったのが、こちらは双子の女の子が主人公。
    それぞれ名前は「ロッテ」と「ルイーゼ」。
    それが何故「ふたりのロッテ」というタイトルになったか、読みどころはそこ。
    もう、それはそれは健気に奮闘する女の子があまりに可愛くて、思わず応援してしまう。

    林間学校で偶然出会ったふたりの女の子。お互いの顔も姿も瓜ふたつ。
    色々と話してみると、どうやら生き別れた双子の姉妹であることが判明。
    互いの家庭事情を聞くと、ルイーゼには父親だけ、ロッテには母親しかいないことも分かり、更に写真を見て明確になったのは、ふたりの両親が離婚したということ。
    そこで少女たちが考え出した案は・・・

    想定の範囲内のお話なのに、先が気になって仕方がないというお話。
    ベタな展開でも、読まずにいられない。
    たぶんそこには、大人だって子どもだって、嬉しいことも悲しいことも同じで、理解しあうための努力を忘れてはいけないという、底辺に流れるものに共感するからだろう。
    小さなエピソードの積み重ねも、時に可愛らしく、時に微笑ましく、ちょっぴりハラハラさせられたり。ふたりの足取りをそれは丁寧に描いていく展開だ。
    作者が寄せる登場人物たちへの敬意は、大人だけでなく子どもにも等しくそれが表れていて、気持ちが粟立つような表現はどこにもない。
    ふたりの少女は決して両親を責め立てることなく、でもちゃんと考えさせて、共に良策を編み出していく。なんて素直で賢い子たち!これこそ大人の見本だわ・笑
    お約束通りのハッピーエンドが、これほど心地よい作品も珍しい。

    この作品を読んでから、名作と傑作の違いについてしばらく考えさせられた。
    公序良俗に反することなくあくまでも良心的で、心に深く棲みつくもの。
    そして長年読み継がれるものは名作ということかもしれない。
    やや刺激的でもエンタメ性の強い、面白さを優先したものは傑作と言えるかも。
    するとダールの作品は傑作揃いで、こちらケストナーは名作ということになるのだろう。

    アニメにもなり、幾度も映画化もされ、舞台劇としても上演されているこのお話。
    それほど高い人気がありながら、実はこれが第二次世界大戦中に書かれたということを知ると、胸がじんとなる。ケストナーが作品に託した思いは、今も生き続けているのだろうか。

  • 林間学校・サマーキャンプに参加しているルイーゼと、そこへ後からやってきたロッテ、二人の女の子の数奇な運命の物語です。
    ルイーゼとロッテは住んでいる場所や性格が全く違う二人ですが、信じられないほど外見がそっくりなのです。
    段々と明るみになる真実、そしてそれを知った二人の驚きの行動。
    そのドキドキなお話が一風変わった調子で語られ、読者を飽きさせない一冊。

  • この作品が岩波少年文庫の第一作配本おとなが読んでも十分に楽しめる
    ふたりの少女、ロッテとルイーゼはまったく別の性格だったのにひとつの目的のためにお互いの美質を得る
    可愛くてちょっぴり苦くもある
    名作だった

  • 先日、観劇に劇団四季を訪れたところ、劇団四季「ふたりのロッテ」のポスターが!
    わぁ、懐かしいと思いながらも詳細を全く思い出せなかったので再読。
    児童書は私のインターバルとして、とてもいい仕事をしてくれる。

    ケストナーはうまく表現できない子どもの気持ちを代弁するのがほんとに上手いなぁ…

    訳者の池田香代子さんがあとがきで「おとながときどきケストナーを読んでひやりとするのは、とてもいいことです。」
    と書いていらっしゃるように、ケストナー作品を読むと子どもも大人以上にいろんなことを感じたり傷ついていることを忘れないようにしなければと思う。

    我が子達は、特に海外の古典的な児童書は物語の背景が想像できないようでとても苦手。
    写真は写真館でしかとれず、手紙でしかコミュニケーションが取れない…だから写真や手紙が貴重で、待つことの楽しみもある。
    そんな時代は現代っ子にはわからないよな…

    でもだからこそ、そういう時代の友情の緊張感みたいなものを物語から感じとってほしいな…と思う。

    夏休みももうすぐ終わってしまうけれど、大人にも子どもにも夏休みにオススメの一冊。

  • この本は子供向けで 大抵の人は読まれていると思いますが、私は手に取る事もなく 大人になってしまったので 今更ですが 読んでみました。

    大胆な双子の行動力は読んでいて気持ち良かったし 繊細な子供の心も描かれていて良かったです。

    この著書は 以前読んだ動物会議も書かれていたそうで 子供への 愛情たっぷりの作家さんだと思いました。

  • “おたがいを知らずに別々の町で育った、ふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で、ふたりは偶然出会います。父と母の秘密を知ったふたりは、別れた両親を仲直りさせるために、大胆な計画をたてるのですが…”

    裏表紙のあらすじを見て、面白そうー!と思って借りました。わくわく!
    そして、期待に違わず面白かった。
    まず、舞台の脚本のような文章の書き方が面白い。
    舞台を説明するナレーションのような親しみやすい口語調が、意外なほど軽快なリズムで話を先に進めていく。
    少し不思議な感じはするが、読みにくいということもない。
    このテンポの良さは、案外読みやすいのかもしれない。

    例えば、夜、ベッドですすり泣くロッテの髪をルイーゼがなぜる、二人が初めて歩み寄るシーン。
    “「これでよし」と、銀色の年とった月は考える。「これでわたしも、安心して沈める。」
    そしてほんとうに沈んでいく。”
    舞台の背景で月が沈み、場面が切り替わるようなイメージ。不思議な余韻。

    各章の最初のあらすじの箇条書きも、読書が苦手な私にはとっても助かります。(読書が苦手な子にもそうかもしれない)

    二人のわくわくする冒険の話は、読んでもらうとして、岩波少年文庫をして対象年齢を小学4・5年生以上としているこのお話は、それでいて子供だましの内容ではないということがとても心に残った。両親の離婚を、若い夫婦の擦れ違いと芸術家肌の父親の性質など余すことなく描き、そしてまた、父親の年若い恋人の存在と彼女の女としての攻防を、濁すことなく描いているところが、妙に感心してしまった。
    ルイーゼとロッテは9歳である。とするならば、読者もそれくらいの年齢層からを想定するのではないだろうか?
    それにしては内容が子供だましではなくて、それはケストナーがこどもを取るに足らないものではなく、一人の人間として扱っているからだろうか、などと思う。
    そして、ケストナーが1974年に亡くなっているからして、この作品はそれよりももっと前に書かれたにも関わらず全く古い感じがしないところがすごい!
    こんな奇跡のような体験をする子はごく稀かもしれないけれど、こんなふうに両親の離婚で離ればなれになってしまう姉妹兄弟は今も普通にたくさんいるわけで、けれど、その多くがロッテとルイーゼのようにそれを痛まず、それが普通のこととして生きていたりもするわけで、そして誰もが、彼女たちのように両親を取り戻すことが出来るわけでもなく…幸せな結末に幸福を感じながらも、世の中の多くのロッテとルイーゼを思うと切ない気持ちになる。

    ルイーゼのお父さんはウィーンフィルの指揮者?すごい!
    池田香代子さんのあとがきもまたとても面白かった。

    とてもおすすめ。
    世の小4・小5は楽しんでくれるでしょうかね…?

  • 文章がお芝居のト書きのようだと思いながら読んでいくと、そのわけは訳者のあとがきにちゃんと書かれてありました。

    女の子が夏休みを過ごす宿泊施設で、ふたりは出会います。
    まだほんの9歳、だけど女の子は早熟で大人びているから、ふたりの活躍がいきいきと描かれていて、こちらもわくわくと楽しく読めました。
    小さい頃にこの本に出会っていたら、何度も何度も読み返していたかもしれません。
    そして夢のような結末に、心おどるばかりでした。

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