- Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141559
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦直後のイギリス、オタバリの町で起こった一大事件。
この事件で大活躍したのは、やんちゃで好奇心旺盛で時々むこう見ずな少年たちです。
本書はその少年たちの一員・ジョージが、事の起こりから顛末までを綴ったもの。
導入部分から、すでに彼らの仲間に入りたくてうずうずしてしまいます。
戦争ごっこに明け暮れ、友人のピンチに協力してお金を集め、盗まれたお金を取り戻すために現場検証をし、推理する…。
「子供時代って無敵だったな」と思うことがあるのですが、まさにその無敵さにあふれたストーリーなのです。
もちろん怪我をしたり、危険な目にもあったりするのですが、こんな冒険してみたい!
アーディゾーニの挿絵がいいのです。
少年たちの何気ない立ち姿や、自転車をこぐ後ろ姿から、オタバリの町の空気が感じられて、彼らと一緒に駆け回りたくなるのです。
子供心に戻りたくなったときにページをめくりたい1冊でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おすすめ岩波少年文庫選挙で名前を知った一冊。
いいねえ。
少年探偵団の活躍!
ライバルだった少年団同士が手を組み、特技をいかしてお金をかせぐ展開。
ピンチを冷静に切り崩し、最後の乱闘。
新訳だそうで、ビシッとかっこいい日本語と国語が得意な主人公の内面がよく合った文で心地よかった。
もとになったというフランス映画も見てみたい。
読み飛ばしたかも、ですが、サイドボタムさんの二回目だ、というセリフはなんだったのか。
作者の息子は、俳優だそうで、調べたら、眺めのいい部屋のセシル役だった。
父の名前と同じ役名だったのね。 -
「第二次世界大戦直後のイギリスの、オタバリという町の話。みんなでかせいだ大切なお金が盗まれた。犯人を見つけるため、少年たちは「大同盟」を結成。みんなでお金をとりもどせ!」
(『キラキラ子どもブックガイド』玉川大学出版部より)
「第二次世界大戦直後のイギリスのオタバリ市で、戦争ごっこにあけくれる少年たちの物語。ある日、みんあでかせいだお金が消え、テッドに疑いがかかります。テッドの無実を信じる数人のなかまは、真犯人を見つけてお金を取り戻そうと、探偵活動をします。ところが、いつのまにか、悪党一味の大犯罪があきらかになり・・。」 -
1948年にイギリスで出版された作品ということで、描かれている世界は第二次世界大戦後の混乱し、まだ平穏な日常が訪れる前の「オタバリ」という街の話。
少年たちはテッド隊とトピー隊に分かれて、いつも戦争ごっこをしていた。しかしある出来事が起き、皆で団結して悪い大人たちに立ち向かっていく。
訳者の脇明子さんのまえがき、あとがきの解説が嬉しい。作者のことや作品の背景など、物語を深く味わうための大切な情報だ。 -
◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第十九回
・・・ 第十九回 「オタバリの少年探偵たち」 ・・・
イギリスの桂冠詩人である、セシル・デイ・ルイスがたった一つ書いてくれた(だと思った)児童文学です。
子どものときその文章読んで、編集者、なにしてる、書かせんかい!?
と思ったのを覚えてます。
いまとなっては、超テンポが遅いので覚悟して息を吸って、ゆっくり読んでね、ですが、もし入り込めるのなら読まない手はないよ、の名品。
オタバリという町で、ある日みんなでサッカーボール蹴ってて学校のガラスを割ってしまった……。
ところがたまたま蹴った子は、爆撃で家族をいっぺんに亡くしておじさんちに引き取られてる子だった……。
青くなる彼のために、仲間たちは週末バイトを計画します。
首尾よく稼げたと思ったら……今度はその金が無くなる……。
誰が、どうやって盗んだのか、と同時にこれは少年たちの友情問題です。
テーマは重苦しいけどあちこち笑えるコメディ仕立てなので楽しく読むことができるよ。
2018年06月12日 -
読書感想文の為に読みましたけど、普通によんでも充分に面白いっす!