バンビ――森の、ある一生の物語 (岩波少年文庫)

制作 : ハンス・ベルトレ  上田 真而子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 81
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141993

感想・レビュー・書評

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  • バンビというとディズニーのアニメやキャラクター、もしくは子鹿の愛称というイメージしかない方も多いでしょう。そのイメージで読み始めるとあっという間に覆されます。
    ここに書かれているのは自然の全て。美しく雄大な姿だけでなく、厳しく冷淡な姿もまたそのままに書かれています。
    生まれたばかりで何も知らず、何にでも興味を示すバンビ。母鹿はそんなバンビにそれらを教えるのですが、中には敢えて教えないことも。読者はバンビの視点で自然と接するので、その教えてもらえないものに対してバンビとともに不安を感じます。そしてついにバンビが「あいつ」に出会った時に、ともに恐怖しショックを受けるのです。
    この書き方は実に怖いです。蝶が舞い鳥が歌う、そんな世界から一変するのですから。それは「あいつ」つまり自然に侵入する人間だけでなく、冬の寒さなど幸せに満ちていたと思っていた自然の厳しさもまた容赦なく突き付けられます。今まで光り輝いていた命が消え去る描写は、呆気なく淡々としています。しかしそんな厳しい自然なのに、雄大な美しさはそこにあるのです。それはバンビのストイックとも言える生き方にも現れているでしょう。

    母との別れ、雌鹿との恋、古老への憧れ。雌鹿と結ばれて終わるのかと思いきや、バンビは古老とともに生きる道を選び、自らもまた森の古老へとなり次世代を見守るようになるのです。読者はバンビとともに時を過ごし、自然の全てをバンビを通じて感じるのでしょう。

  • 森に住む動物たちがとても生き生きとしていて、森の音が鮮明に聞こえてくるようだった。
    子鹿だったバンビも古老や仲間たちと共に生き抜きながら、立派な古老に。
    出会いたいなー。
    自然の美しさを教えてくれる作品だった。
    児童書として出版されているけど、子供だけの読み物じゃもったいない。

  • ◆きっかけ
    2016/9/25 ブクログ。

  • 生きる哲学の詰まった本。
    動物が動物らしく生きている。
    生きるということは、美しい。
    同じ物事でも視点を変えると
    違って見えるということに気づかせてくれた本。
    ドキドキハラハラ、最後は感動。
    何度も読み返したい。

  • 動物の行動や心理描写が秀逸。

  • 人間の残酷さ、身勝手さについて改めて考えさせられた。自然の動物の目線に立って読めて、共感もできる。物語というよりは森の記録というかんじもする。

  •  「バンビ」はディズニーの白雪姫に出てくる鹿の名前だと思い込んでいたのですが、そうではないことが31歳にして判明したため興味を持って読んでみました。

     児童文学、というくくりで紹介するには惜しいくらいの優秀な小説でした。フェーリクス・ザルテンという人物の哲学をビシバシ感じました。哲学があるのかないのか分からない自慰の大家・村上某氏の小説を読む暇があったらこれを5回読んだ方が糧になりうるでしょう。

     フェーリクス・ザルテン、どうしてここまで動物たちの描写がリアルに出来るのか?謎です。登場するそれぞれの動物、植物が本当にそういった個性を持って生き、お喋りし、生活を営んでいるかのようにガッテン!出来るから摩訶不思議です。登場する動植物が単なる「キャラクター(マスコット)」として描かれていないために動物の目線で書かれた小説であるにもかかわらず、強烈にリアリズムを感じてしまうのでしょうか。

     31歳・小説大嫌いでも非常にスリルを感じながら興味深く、楽しく読み進められました。よい文章に出会いたい方にはお薦めです。

  • ディズニー映画とは、けっこう印象が違うかも。

    原作のほうが、人間との関係に主題が置かれてる感じがする。

    産まれたてのバンビが見る森の描写なんかは、バンビになった気分で新鮮に読める。

    けど読んでるうちに、いつのまにかバンビが遠い存在になってしまっている。
    なかなかハードボイルドというか、ニヒルでございますな。


    続編?の『バンビの子どもたち』も読んでみたいなぁ…。

  • 圧倒的な古老の存在感。
    森の匂いや日差しまで感じる情景描写。

    すごい!
    ほんとに読んで良かった。

    ディズニー映画のバンビとは、別物。
    あのイメージがあって敬遠してたけど、
    全く次元が違ったぞ。

  • 森で生まれ、森で生きる小鹿の物語。動物たちの営み、喜びと別れ、本能、自立と孤独、そしてまた命が巡る姿を描く。
    ディズニーアニメは知らないが、単に幸せな物語調にしないこちらは、とてもよかった。

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