小公子 (岩波少年文庫 209)

  • 岩波書店 (2011年11月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784001142099

作品紹介・あらすじ

アメリカで愛情こまやかな母のもとに生まれ育った少年セドリックは、一度も会ったことのない祖父のあとつぎになるために、イギリスに渡ることになった。貴族である祖父は高慢で頑固な人物だったが、セドリックの無邪気で温かい心にふれ、しだいに変わっていく。生き生きとした新訳でよみがえる、バーネットの不朽の名作。

感想・レビュー・書評

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  • この物語は、アメリカで生まれ育ったセドリックが伯爵である祖父の跡を継ぐためイギリスに行く。セドリックの無邪気で温かい心により高慢で頑固な祖父が温かい心に変わっていく話である。僕が最も心に残って場面は祖父のお金でなんでもして良いと弁護士に言われたときに、セドリックは、まず自分のことではなく他人のことを優先し、時計を買ってあげたり、商売を繁盛させるために色々な事をしてあげたり、困っている人にお金をあげたりしているところです。この場面からセドリックはとても優しい少年だと思った。また、怖そうな犬や、怖そうな祖父に初対面した時怖れもせず、頭を撫でてあげ、なつくようになったり、笑って手を差し伸べ握手したりしているところから恐れ知らずでびっくりした。
    このようなことからセドリックは周りに影響を与える少年だと分かった。

  • 小公子セディ!世界名作劇場でやっていたことは覚えていますが、内容は全く覚えていませんでした。
    この歳になって児童文学の名著を読む意味とは...単純にとにかく面白い!底抜けに明るくてだれにでも親切なセディに心が洗われるようでした。

    ストーリーは、英国貴族の父を亡くしアメリカで母と暮らすセディは、大人にも子供にも好かれる街の人気者です。そんななか、セディの祖父から伯爵の後継者フォントルロイになるべく英国に来るよう命じられます。伯爵はセディの母を毛嫌いしているので、母と息子を引き離してしまいます。
    気難しく、街の住人からも嫌われている伯爵ですが、セディは伯爵を「とても親切」だと尊敬して大好きになります。そんなセディに伯爵も心を開いていきます。

    アメリカとイギリスでの文化や言語などの違いがあったおかげでセディと伯爵がお互いに興味を持ち、うまく行ったのであろうという解説がありましたが、それにしても思い込みの枠を外し、新鮮な心でで伯爵になついているセディの様子には学ぶものがあります。どんな人でも「人の期待に応えたい」という欲求があるということがわかります。

    セディと母親は「なかよしさん」と呼び合っているのがとても微笑ましい本書ですが、原文では「Dearest」だそうです。やっぱり「なかよしさん」のほうが可愛らしいですよね。

  • 大学の授業で一度英語版を読んだことがあったので、今回この本を読んでイギリスの貴族制度について深く理解できました。
    日本人の子供にとって、貴族制度は身近なものではないので「伯爵」や「小公子」などの単語がちょっと理解し難いかな?と思いますが、サラッと読んで、イギリスには貴族制度というものがあるんだなという事だけでも知ることができる良いきっかけになると思います^ ^

    セドリック、伯爵、エロル夫人、ディック、全ての登場人物が主人公となり得るような物語でした。
    人間性に着目して、どのように変化しているのかを観察するのも新しい読み方です!
    それにしてもセドリックは可愛い子ですね^ ^

  • いまだ未読だった名作児童文学を今さらながらに読んでみるシリーズ①(笑)。

    子供の頃に放映されてたハウス食品の世界名作劇場シリーズに、「小公子セディ」というのがあったなぁ、と思い出して手に取った1冊。

    最高。
    名作。
    傑作。

    セドリックってば、絵にかいたようにパーフェクトな少年!

    こんな完璧な“イイやつ”、現実にはいるわきゃないよね~、と分かってはいても、それに鼻白むことなど全くなく、無邪気で可愛く美しく賢い少年セドリックの一挙手一投足から目が離せない!

    読んで清々しく、心洗われること間違いなし。大人にも薦めたい。いや、心汚れっちまった大人にこそ、薦めたい。

    文体も内容も、装丁や挿し絵、ルビ打ちやら注釈など、隅から隅まで「ザ、児童書」なもんで、通勤電車で読むのはちと気恥ずかしかったけれど、途中からはそんなことは全く気にならなくなるほどのめり込んでいた(笑)。


    文句なしの、★5つ、10ポイント。
    2017.10.11.図。

    ※アニメ版を観てみたくなった。

    ※世界名作劇場みたいな良質のアニメシリーズ、復活されるべき。妖怪ウォッチだの、玩具メーカーの手先と成り果てた仮面ライダーシリーズなどより数十倍、子供に観せる意義がある。

    ※解説文で知ったのだけど、「小公女」も、同じ作者だったのね。(「小公女セーラ」ね)

    ※読んだのはこの版ではなく「少年少女世界文学館」という児童書全集のうちの1冊。(どうせ書くなら、レビュー数が多いところに書きたかったため)

    ※自分が読んだのは、村岡花子さんの訳だったが、他の方の訳も読んでみたいと思った。

  • 毎日馬に乗れていいなあ。メロスと同じ、対役の気持ちが変わる本だなあと思った。

  • 子供地代には手にしなかった本。
    大人になってから、児童書を読み進めるのが難しいときもあるが、
    主人公セドリックの天真爛漫な愛らしさ、優しさに引き込まれて、優しさ溢れる行動に読み進めるスピードが止まらなかった。その母親の温かく、セドリックを包み込む優しさが、セドリック始め、まわりの人たちを包み込んでいき、読者も包まれるような感覚になれる。ホッとする。
    荒れすさんだ祖父が、セドリックによってすこしずつ変化していく様子が現実でもそうあればと願ってしまう。
    祖父はいい人だと信じる、その信じるに人は応えたくなるとも教えてくれた。
    自分も子供を信じてあげたいと重った。

  • 愛を知らない偏屈爺さんが、美しい精神を持った少年に心を浄化されていく話。

    世界中の人間が好きなやつ〜〜!(主語デカ)
    こういうので、いや、こういうのがいいんですよ。
    ちょうど最近心を痛めていたので、冒頭の喪に服す母親を抱きしめて慰めたいと考え、実行する少年の姿を見て早々に呻いていました。愛情が眩しい。

  • 過去分

    祖母からもらった本

  • 小公子セディ(セドリック)が優しい性格と、他人のことを考えられる賢さで、悪い人もよい人と思い接することで、まわりを良いものに変えていくすごさに感動するお話です!
    私は、このお話を違う本でも読みました。何回読んでも面白いです。

  • 素直。人を信じる。人の良いところを見る。正直に話すけど、相手の気持ちも考えて話す。
    いつでも真剣。常に勉強。周りの人が幸せかどうか、困ってる人には手を差し伸べる。おじいさんの意地悪な心動かされたんはセドリックの愛情やったんやな〜。セドリックのように私もなりたいな〜

  • 何度でも読みたいほど好きな物語。セドリックみたいな人間ばかりだと、穏やかに暮らせるだろう。読み易い。

  • おかあさまの若さと美声プッシュすごい……

  • バーネットさんは秘密の花園だけかと思ってた

    小公子有名なのに初読み

    めっっっちゃかわいい

    おもしろい

  • 新聞の紹介文を見てどうしてもまた読みたくなって本屋さんで買ってきた。子供の頃大好きで何度も読み返した本。それにしても小公女や秘密の花園は文庫があるのになぜ小公子はないんだろう?
    お母さんの「その人がいるおかげで、世界が少しは良くなるということそれが何よりも大切なことなのよ」って言う言葉に、おぉ〜と思った。最遊記(峰倉かずや)の「お前が死んでも世の中は変わらん。しかし、お前が生きていることで変わるものもある。」って言う三蔵のことばを思い出した。
    再読する度に気になるポイントが違うから何度も読みたくなるんだなあ。大人になってから読むと突っ込みどころ満載。でもやっぱり好き!2013.1

  • 小学校以来のン十年ぶりの再読でした。
    子どもの頃は、たぶんダイジェストだったと思うのですが、凄く印象に残った作品でした。
    そして、セドリックのような子どもにならなくてはと思ったものでした!

    2020/9/11何度目かの読了

  • 育ちが良く、礼儀正しく、周りへの気遣いもある、すばらしいぼっちゃん。

  • 筋は知っているけど読んだことなかったシリーズ。予想以上の面白さ。

  • 最初にこの物語に出会った小学校低学年の頃には「セディのような性格のよい子にならなくちゃ!」と思い、何度も読み返すうちに「セディのお母さんみたいな素敵なレディになれるように頑張らなくちゃ!」と思い、結果どちらも挫折したなれの果てが今の KiKi です(苦笑)  そうそう、逆に言えば「こんな人にだけはなっちゃいけない!」と思っていたセディのお爺さん、ドリンコート伯爵の方にこそ「うんうん、わかるわかる・・・・」と頷いている自分に気が付き、ちょっと唖然・・・・・・。  まあ、それだけこの老伯爵の心理描写が巧みだっていうことだとは思うんですけどね(笑)

    (全文はブログにて)

  • 岩波(少年文庫)の新刊で出た『小公子』を読んでみた。
    やはり、名作なんだな、今読んでも面白い。

    その昔、子どもの頃、最初に読んだバーネットの『小公女』『小公子』『ひみつの花園』は、集英社の母と子の名作文学・童話シリーズだったようだが、その後、小学館からでた少年少女世界の文学全集で読み直した覚えがある。
    特に、愛読したのは『秘密の花園』と『小公女』でこちらは、大人になってから、念願かなって原書(ペーパーバック)とオーディオブックでもフルに味わうことが出来た。
    『小公子』はそれほど思い入れ(記憶)はなかったのだが、読み出してすぐに話を思い出した。

    まっすぐに愛情深く育ち、無邪気で優しい心を持ったセドリック、いや小公子フォントルロイの存在が、祖父の頑固で自分勝手だったドリンコート伯爵に喜びをもたらし、何かを愛するということをはじめ、心を開いていく様子は、よく出来た物語とはいえ、感動的なものだ。
    あらためて読んでみると、アメリカ時代からのセドリックの親友たち、ディックやホッブスさんたちもなかなか魅力的な人柄で楽しいし、貴族の館、カントリーハウスの様子なども興味深く感じられる。

     

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著者プロフィール

一八四九年イギリスに生まれる。幼いころに父を亡くし、十六歳のときに一家でアメリカ合衆国に移住。十八歳のときに初めて、短編が雑誌に掲載される。以後、アメリカとイギリスを行き来しながら、大人向けの小説や戯曲、子ども向けの物語を多数執筆し、人気作家となる。一八八六年に発表した『小公子』は、空前のベストセラーとなった。『オンボロやしきの人形たち』は、アメリカで一九〇六年に発表された。ほかの作品に『小公女』『秘密の花園』『消えた王子』など。一九二四年、アメリカで死去。

「2021年 『オンボロやしきの人形たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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