ハックルベリー・フィンの冒険 下 (岩波少年文庫 243)

  • 岩波書店 (2018年1月27日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784001142433

感想・レビュー・書評

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  • トムソーヤが出てくる後半(31章〜)が良かった。当時、奴隷は所有者の財産の一部であり、法律的にも、宗教的にも、逃亡奴隷を助けることは重大な罪だったにも関わらず、ハックは神の教え?に逆らってでも、トムの助けを借り、ジムを助ける。冒険小説としてもトムの奇抜な作戦、原理原則がユニークで面白い。「訳者あとがき」も良かった。「良心は、人間の心の中で、ほかの何よりも広い場所を占めているくせに、何の役にも立ちはしない。トムソーヤも同じことを言っていた。」
    「今日のアメリカ文学はすべて『ハックルベリー・フィンの冒険』という一冊の本から生まれている」(ヘミングウェイ)。この言葉に導かれて本書を手に取りました。前半の詐欺師(王様と侯爵)のあたりまでは、それほどではなかったですが、後半を読むと、本書でトウェインが若い人に伝えたかった事が理解できた気がします。

  • これが(白人)アメリカの現実なんでしょう、無邪気な冒険ものとして読むには、当方も多少は知恵がついてしまったかもしれないです。
    色々難しいけれど、これに対して真っ向からJamesみたいな小説が生まれる訳で、それもまたアメリカの現実であり、強さでも。
    ただ問題はそれを受け止める度量に疑いのある人が多くなってきているような、身近なところから世界のどこを見回しても。それは違うということであって欲しいものです。

  • トムソーヤーの冒険はとても楽しめたけど、ハックの冒険はいまひとつ楽しめなかったな。もちろん、いいところもあったし、クスッと笑えるようなおもしろい話もあったよ。でもさ、つまらなくてどうでもいい話が長いんだな。まったくの話。

  • 十九世紀、南北戦争以前のアメリカ南部。気ままに生きる少年ハックルベリー・フィンは、黒人奴隷のジムとともに筏でミシシッピ川をくだる冒険の旅に出る。ハックの冒険は一筋縄ではいかない。さまざまな人種や身分の人と出会いこれでもかというくらいピンチや窮地にたたされるも、そこはハックの機転と愛嬌とラッキーでなんとかなっちゃう。それもこれもハックはよく考えるから。誤り懺悔し許し祈り。ハックはきっと大丈夫だ。

  • ジェイムズの復習のつもりが何も覚えてなくて新鮮だった

  • 子どもの頃からタイトルは知っていたけど読んだのは初めて。
    1884~85年の作品なので、時代を考えたら黒人の方を人間扱いしてないのは理解できる。
    いろんな意味でアメリカの原点を感じる。
    暴力的な父親、すぐ銃でやりあうなんかは今もあるよね。
    ハックの頭の良さ(機転が利く)がやはり自分の人生を切り開いていく力かな。
    黒人のジムがこの本の良心って気がする。

  • 19世紀のアメリカ、人情味にあふれているが、そこには人種差別や犯罪や暴力が当たり前のようにあった。
    そんな古き良き、そして残酷でもあった時代が、ミシシッピ川の豊かな情景と共に少年の目線で生々しく、時に子供らしいユーモアも交えながら描かれている。
    それにしてもハック・フィンはなんてたくましいことか!
    様々な知恵(時に悪知恵)を絞って、何としても生き抜こうとするその生命力の強さは今時の子供達にはないものだろう。
    そんなハックだけれど、切羽詰まった場面だとやはり子供らしさが垣間見えるところがある。
    特に、気まずいところを大人に見られたときに必死で言い訳を考えだして相手を騙そうとするところは、彼の冷や汗がこちらにも伝わってきそうな感じ。こんな無理やりな言い訳、どう見てもすぐバレそうな嘘をついているのに、それでも大人達はコロッとだまされてしまうし(笑)単純な人が多かったのね。。。
    千葉氏の翻訳はとても読みやすい。子供向けなので差別的な用語も抑えられている。ハックの一人称で語られる文章にしては若干お上品な感じかなぁとは思うものの、初めて読む子供達にはちょうどいい感じかもしれない。

  • トムソーヤの冒険では愉快で利発と思えたトムが、本作では物語にとりつかれた面倒な奴に見える。ハックが川下りの冒険で知見を深め成長したのに対し、トムはまだ子供時代の中にいるということらしい。

  • やむにやまれず、ミシシッピ川を筏旅。
    結局、どれくらいの距離を移動したのか調べてみると、北海道の稚内から山口の下関くらいの距離だそうで、ハックすごいなと思った。

    かなり、アメリカって感じのお話。
    ジェイムズを読みたくて、前知識を入れるために読みましたが、なかなか面白かった。
    上巻の初めの方が面白くなさ過ぎて、挫折しそうになったけど。。。

    特にハックが当時の常識に外れた決断を下すシーンは、とてもいいなと思った。

  • 後半はハラハラドキドキしながらあっという間に冒険が進んでいく。一気に読みたい内容なのに、なかなか家事育児や仕事で毎日15分ずつほどちまちま読みやっと読み終えた。

    子どもの頃に確かトムソーヤの冒険は読んだような気がするけど、トムがなかなかにこだわりが強くて危なっかしくて、印象がガラリと変わった。

    トムは元々安全な暮らしをしているからこそ刺激を求めて自ら危険に向かっていくけど、ハックは危険から生き残るための冒険。
    そんな2人の考え方は対照的だったりするけど、ハックの懐の深さと適応力で何とかなっていく。

    前半に続いてジムの優しさ、人柄に胸を打たれた。ジムが大好きなだけにお医者さんの言葉には、分かる人には分かってもらえるのねと私まで嬉しくなった。
    ハックの勇気、友情にも胸が熱くなった。

    黒人は同じ人間として、心を持った生き物として扱われていなかった時代にあって、ジムをこれだけ豊かな人間に書き上げたマーク•トウェイン。現実世界できっとジムのような素晴らしい人との出会いがあったのかなとか、ハックに作者の思いが投影されているのかなと想像した。

  • 王さまと公爵の詐欺師ふたり組がまあ、面の皮が厚いのなんの(笑)。そして、巻いても巻いてもつきまとってくる。ついにジムを勝手に農家に売り飛ばされてしまい、ハックがふたり組にさとられないよう、遠回りしてその家に乗り込むと、なんとそこは……ということで、最後はもうトウェインさんがベタなくらいにどんどんたたみかけてきます。

    読み終えて、あーおもしろかった! 読めてよかった! というのが一番の感想。
    そして、トム・ソーヤーがめんどくさいやつだという意外な感想を抱いたんだけど、けっきょくのところトムは、純粋に子どもの世界に生きているからなんだよね。
    ジムは、逃亡奴隷として命がけで逃げてる。ハックは暴力的な父から、こちらも命がけの知恵比べで逃げ延び、そのまま川をくだっている。どちらも生きることをかけて結果的に冒険しているんだけど、トムだけは冒険を求めて、話をわざとややこしくしながら、結果的に命がけになってる(よかったね、トム)。そこらへんのギャップの描き方がすごい。

    けれど、ハックはそんなトムに対して「お前は何もわかってない、世の中ってのはそんなに甘い物ではない」なんてすれっからしの態度をとったりはせず、ひたすらこの無邪気でやっかいな友だちを崇拝している。ここらへんがナイーブで、なんともいえないハックのよさだなあ。
    なんかこれまでハックルベリー・フィンは「屈託のない野生児」というイメージがあったけど、実際に読んでみるととてもそれではすませられない複雑さがあるなあと思った。

    そして、同じくトムの茶番にちゃんとつきあい、トムの看病をしたせいで自分がつかまっても文句もいわないジム。でもなんでもかんでも黙って耐え忍ぶわけではなく、生き別れになるかどうかという場面でハックが自分に冗談をしかけてからかったときには、真正面から目を見つめて怒りをぶつけた。諸処に、そんなジムのピュアな心が感じられて、じーんとした。

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著者プロフィール

Mark Twain
アメリカの作家。1835年11月30日ミズーリ州フロリダ生まれ。本名サミュエル・ラングホーン・クレメンズ。4歳のとき、ミシシッピー河畔のハンニバルに移住し、12歳で父を失い、印刷屋に奉公する。1857年ミシシッピー川の水先案内人を経て、1861年新聞社に勤めマーク・トウェイン名で文筆活動に入る。『トム・ソーヤーの冒険』(1876年)や『ハックルベリ・フィンの冒険』(1884年)など幼年時代の自伝的小説で20世紀アメリカ文学に影響を与える。その後も冒険や自然の要素を取り入れた小説のほかに、エッセイ、旅行記など数多くの作品を発表し、当時のアメリカで最も人気のある作家となった。1910年4月21日、74歳で死去。

「2025年 『ハックルベリー・フィンの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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