青い月の石 (岩波少年文庫)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001142440

感想・レビュー・書評

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  • トンケ・ドラフト✕西村由美

    今までの作品と同じく、ハラハラドキドキしながら一気に読みました。

    今作は、学校の場面から始まるので、子どもたちもより感情移入しやすいかも。

    いろいろな要素があって、男女問わず楽しめます。

    この話を思い出しながら、新月をじっくり見てみたくなりました。

    高学年以上におすすめ。

  • オランダの作家トンケ・ドラフトによる王道ファンタジー。
    解説によると1968〜80年にかけて発表されたシリーズ、『青い月』の一部をまとめ、本国で2005年に出版された作品とのこと。

    魔法使いの祖母、また森に住む魔法使い、動物・虫・草花への変身、地下世界の暴虐な王、その純真な娘、3つの試練、命がけの鬼ごっこ、冒険の記憶の忘却、仲間たちの助け、そして大団円…と、慣れ親しんだ要素や仕掛けが次々に現れてきて、ファンタジー好きとしてはにやにやさせられる。
    これだけたくさんのものを詰め込んだ上で、読みやすくコンパクトにまとめているのも特徴なのだけれど、その分、ひとつひとつの描写が少な目なのはちょっと残念さもある。

  • 王への手紙、その続編で私を楽しませてくれた、トンケ・ドラフトさんの本。
    既読の二冊からは、美形の出ない田中芳樹、という感想を持った。
    この、青い月の石も同じく、笑、そして、児童文学としての完成度は大変高いと思った。

    ストーリーは三部に別れており、舞台がそれぞれ違う。
    主人公ヨースト、友人のヤン、幼なじみの優しい少女フリーチェ、三人が自分の勇気と知恵を持って、協力して、地底の王から、イアン王子と、ヒヤシンタ姫を助ける物語。
    アイテム(セーター、棒、星、馬、ワスレナグサ)や、サポートキャラ(魔法使い?のおばあちゃん、謎の老人オルム)に無駄がなく、テンポもよくて、ストレス無く冒険物語を味わえる。
    日本の民話(三枚のおふだ、とか)や、中世騎士道物語にも通じるストーリーだが、主人公三人はごく普通の感覚の現代(といっても舞台は70年代オランダらしいが)の子供なので、そこが新鮮で楽しい。

    前半ではあまり活躍しないヤンの、後半怒濤の快進撃が気持ちいい。
    フリーチェと二人で第三部での一度目の冒険に行き、帰宅したところ、フリーチェを巻き込むなと親に怒られるも、冒険を提案したのはフリーチェだったことをヤンは黙っていた、の一文がいい。
    冒険にいくとき、持ち物や食べ物を用意し、段取りを相談するシーンも楽しい。
    はじめは、ヤンは主人公ヨーストをいじめていたのだから、こんなに印象を巻き返せるのはすごいね。
    西村さんの訳も相変わらず読みやすくて大好きです。

  • 魔法をめぐる愛と勇気の大冒険!

    ヨーストとヤンはイアン王子と共に地下の国へ冒険に向かう。イアン王子は生まれる前に父王がした約束から自由になるため、ヨーストは青い月の石を手に入れるため。イアン王子とヨーストが魔法にせいで冒険を忘れても、ヤンの友情、フリーチェの勇気、ヒヤシンタ姫の愛がすべてをハッピーエンドに向かわせる。

    盛りだくさんな物語。よくできたファンタジー。魔法と冒険、友情と愛。ワクワクでページをめくる手が止まらない。

  • 謎の歌を歌っていたら地下世界にひきこまれちゃった!?よくありそうなかんじのはなし。

  • オランダのファンタジー、著者(女性)は『王の手紙』という話で有名だそうだ。

    この作品は「マホッヘルチェ」という謎の言葉がでてくるわらべ歌がモチーフになっていて、地下世界の冒険と脱出、その後の記憶をめぐる物語である。おもしろいのは、自動車はないけど馬車で移動し、子供が学校にいくという19世紀末〜20世紀の社会と、中世の騎士の王国が何の敷居もなくつながっていて、相互に行き来できる点で、この点にはなんの儀式もアイテムもいらない点である。子供が学校の帰りに騎士にあったりするんである。

    冒険と愛と友情と家族がいろいろとしっかり書かれていて、なかなか読み応えのあるファンタジーである。

  • いじめられっ子のヨーストが、休み時間に友達がわらべ歌を歌いながら遊んでいるのを見ていると、大きな足をした不気味な男が表れる。それは、わらべ歌に出てくる地下世界の王だった。ヨーストとヤンは勇気を振り絞って男の後を追う。

    昔話の定番をもとにした二人の冒険物語。

    ヨーストをいじめていたヤンが、なぜ一緒に冒険に出かけるのか、その急な変わりようがわからなかった。最後まで、そこがひっかっかていた。

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