- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001142570
作品紹介・あらすじ
バラバラだった4年生のクラスに結成された〈子ども同盟〉。特別車両で念願の日帰り旅行にでかけますが、猛吹雪にあい、帰りの列車が動けなくなってしまいます。みんなで助け合おうと呼びかけるリューバンと、反発するペーロのみぞは深まるばかり。子どもたちはピンチを乗りきれるのでしょうか? クロアチア児童文学の名作。
感想・レビュー・書評
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ウクライナで読みつがれてきたという本書、この時期に紹介したかったのはわかるけれど、ちょっと昔すぎるかな?
「飛ぶ教室」とか「クオレ」とか、そんな時代感。今の子どもにも受け容れられるか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オリジナルは1933年、クロアチアの児童文学。
原題はVLAK U SNIJEGU、電車オブ雪?と思って調べたら正解でした。
クロアチアでは超有名な作品で、映画化もされており、みんなそのテーマ曲もよく知っているのだそう。
内容は、15少年漂流記も、ニワトリ号一番のり、でもお馴染みの、閉ざされた場所でのサバイバル。
今回は少年たちのなかのグループ問題。
若干、時代や場所柄なのか社会主義の匂いもしたが気のせいだ。
不条理と笑いと多数派の力、という、子供社会の雰囲気がリアル。
ここにいる先生の様子は、米原万里の描くチェコの学校と雰囲気そっくり。
敵役たるぺーロが、クズなのに全然改心せず、これでもかと嫌な奴でおどろいた。
ベンハーのメッサラ級。
列車内のリューバンとの攻防は迫力があった。
リューバン、いいやつだなあ。スティーブン・キングだとこの二年後くらいに死ぬキャラ。
・クロアチアの小学校には留年がある。いまもある。
・クロアチア社会はみんな早起きで、店や会社も早く始まる。
これらをはじめて知った。
映画館のシーン、子供たちがワクワクしていて良かった。
いつか先生も子供も天気もコンディションのよいときに、映画館リベンジできたらいいね。
死ぬほど暑い時期に読んだので、吹雪や凍傷の世界に、ちょっと不思議な気分になりました。
挿し絵の ささめやゆき さん、お名前が作品にぴったり。 -
ヴェリコ・セロという村に住んでいるリューバン、ペーロ、ドラガ。仲良しだった子どもたちは、あることがきっかけでおおげんかしました。3人が4年生になったとき、先生の提案で子ども同盟という組織をつくることになったのですが……。
クロアチアがまだユーゴスラヴィアだったころのお話。まず、子どもたちの様子にびっくりさせられてばっかりだった。遊びで結婚式ごっこをする子どもたちが、驚くほどちゃんと再現しようとするのに笑ってしまった。酔っ払いのまねとか。同盟の議長をきめたり、同盟の話し合いをするときの様子はしっちゃかめっちゃかで、あきれるくらい。4年生だから、まあこんなものかなあと思っていたが、そうかと思えば列車の中ではいっぱしの大人よりもしっかりしている。この差が面白く、はじめはリューバンを好きになれなかったのだけれど、最後はすごく成長を感じられてよかった。それにしても、列車で5時間もかかるところに遠足に行くなんてびっくりだ。 -
日帰り遠足に出かけた小学生たちが、猛吹雪に見舞われて列車の中で一夜を過ごすことに。しかしリーダーの少年を快く思わない厄介者がチームの結束を乱し、二人は対立する。
旧ユーゴスラヴィア時代に書かれたクロアチア児童文学。格差の激しい社会に組み込まれて生きる子供たちが、仲間と協力し、互いに分けあうことを学んでいくというストーリーだが、仲間たちの個性は薄めで、リーダーであるリューバンが良くも悪くもヒーロー的。そんなリューバンと対立するペーロの扱いと、彼との決着のつけ方が(教訓的ではあるのだろうが)自分の好みではなく、読後にもやもやしたものが残った。話としてもメッセージ性ありきで、いろいろなことが起こるわりには退屈な内容という感想を抱いた。 -
作業員が置き去りだよ。
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著者のロヴラックさんは、国民的児童文学作家とのこと。そして、この吹雪の中の列車はとてもポプュラーな作品だそうです。
1930年代にかかれた本なので、幾分古さを感じてしまうのは仕方ないですが、登場する子どもたちが生き生きと描かれています。
読みながら、飛ぶ教室を思い出しました。 -
新着図書でみつけて借りてみた。
去年出たばかりのもので、山本郁子さんという方がクロアチア語から直接翻訳なさっている。
とても良き本。寒い国の物語は独特のあたたかさがある。
…にしても、この先生は大丈夫なのか気になる。
そもそも先生が体調管理と自己流の天気予報くらいしておくべきじゃないのかとちらっと思う。