羅生門・杜子春 (岩波少年文庫 509)

  • 岩波書店 (2000年6月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (176ページ) / ISBN・EAN: 9784001145090

みんなの感想まとめ

人間の心理の深淵を探る短編作品群が、独特の表現で描かれています。芥川の作品は、時に難解でありながらも、心の動きや弱さを鋭く捉え、読者に強い印象を与えます。特に『羅生門』では、主人公の葛藤や生きる意欲の...

感想・レビュー・書評

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  • 教科書に載っていた短編もあるはずなのに、何となくでしか説明できない芥川の作品。
    はるかな昔、確か読んだはず。
    これはもう、受賞作を読む以前の問題だわと、今回読み返してみた。
    決して読みやすくもなく、むしろ扱いにくい作品の数々。
    なじみのない言葉や表現にも臆さず、12の短編を読み終えて思うことは、人間の心理を短い作品の中にギュっと凝縮しているなぁということ。
    誰しもが持つ弱さや卑屈な部分、過ちを犯してしまう瞬間の心の動き、ふとしたきっかけで変化していく心の描き方が、本当に上手い作家さんなのだ。

    あまりに有名な『羅生門』は、大正4年(23歳の時)、「新思潮」に柳川隆之介の名で発表されたという。
    結婚まで考えた女性がいたが、祖父母の反対でそれも叶わず、傷心の中で書かれたものらしい。
    生きる意欲が自身の中に湧き上がるよう、この作品で鼓舞したかったのかと始めは思ったが、読み返すとどうもそれだけではないように思えてくる。
    主人公である「下人」に、世間に逆らう生き方をさせたかったのだろう。
    飢え死にしたとしても盗みはすまいと思っていた男が、手段を選ばず生き延びる行動に走る。
    自分には出来なかった生き方を、この作中で昇華させたのでは。。。
    まぁ、『羅生門』に関しては、黒澤映画の方が数段好きなのだけどね(笑)

    漱石が賞賛したという『鼻』も登場する。
    どんな風に賞賛したかというと、『今昔物語』を元にしたというその博学さと文章の上手さだったらしい。
    話し言葉がそのまま文章になっているかのような饒舌な作品を読んだ後で芥川を読むと、簡潔すぎてあっけないほどに感じてしまうかもしれない。
    しかし、一見短く感じる作品に、なんと豊かな日本語が登場することか。
    芥川が10ページで表現した作品を、今の作家さんだったら何百ページ費やすだろうと、そんなことを考える。

    『トロッコ』の、少年の心の変化。(私も乗ったことがあるけど、あれは怖い、そして楽しい!)
    鮮やかな蜜柑色が眼に浮かぶ、『蜜柑』。それを見ていた主人公の心の動き。
    静かな感動を誘う『杜子春』、こんなに壮大な話だったかと驚いた『芋粥』などなど。
    岩波少年文庫で読んだのだが、子どもだけのものにしておくのはもったいない。

    • nejidonさん
      vilureefさん、こんにちは♪
      ようこそいらっしゃいました(笑)!!
      わぁお、『杜子春』も読まれたのですか。
      あの話は終盤にむけて...
      vilureefさん、こんにちは♪
      ようこそいらっしゃいました(笑)!!
      わぁお、『杜子春』も読まれたのですか。
      あの話は終盤にむけてどんどん良い話になっていくので、読んでてほっとするところがあります。
      Eテレは子供向けに面白い番組を作りますね。
      特に朝のうちは、気が付くと長時間見ている時がありますよ。

      はい、中江有里さんの本はその意味で危険です(笑)
      私も文字を読むことそのものが好きなので、食品のパッケージとか薬の能書きとか、
      常に何か読んではいるのですが、それとはまるで別のレベルです、300冊は!!
      でも一冊の読み物としてじゅうぶん楽しめますので、どうぞ読んでみてくださいませ!
      2014/08/20
    • だいさん
      今でも、教科書に載っているのでですか?
      今でも、教科書に載っているのでですか?
      2014/08/20
    • nejidonさん
      だいさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます!

      はい、今でも載っているらしいですよ。
      高校一年の国語の教科書に、全国一斉に...
      だいさん、こんばんは♪
      コメントありがとうございます!

      はい、今でも載っているらしいですよ。
      高校一年の国語の教科書に、全国一斉に『羅生門』が載った年がありました。
      扱いにくい作品なので、教師の狼狽ぶりが見えるようです(笑)
      あとは『鼻』『トロッコ』『杜子春』という定番、『蜜柑』も人気のようです。
      言葉は難しくても主題がはっきりした短編なので、子どもたちは読みやすいかもしれませんね。
      2014/08/21
  • 【芥川龍之介作品・児童書2冊で読み比べ】
    岩波少年文庫(今回読んだ本)
    ・12作品収録
    ・ひらがな表記に改められている箇所が多い
    ・単語の注釈なし
    ・挿絵なし
    (普通の文庫歩に近い感じ)

    ポプラポケット文庫(前に読んだ本)
    ・9作品収録
    ・漢字表記が多いが、ルビもしっかり振られている
    ・挿絵あり
    ・耳慣れない単語には、ページ脇に注釈あり

    どちらも「読みやすい」ように工夫されているが、その工夫点に違いがあるので、どちらが「読みやすい」と感じるかは、個人差がかなりありそう。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    岩波少年文庫版・収録作品
    【蜘蛛の糸】
    【魔術】
    【杜子春】
    【犬と笛】
    →タイトルからはイメージがつかなかったが、昔話のようなお話。
    【トロッコ】
    【仙人】
    →「仙人になりたい」権助に、「うちで20年奉公すれば、仙人になる術を教える」と約束し、無給で働かせた医者の女房のずる賢さ。そして、20年経ったときのオチが、予想の斜め上で呆気にとられた。
    【羅生門】
    →思春期に、漫画で読んだことがあったけれど、小説として読むのは初めて。そして、おもったよりもかなり短い話でびっくり。話の中に出てくる「悪を憎む心」と、「ある勇気」の方向性・中身が、こんなにも短い間に180度変わってしまうことに、驚く。老婆から着物をはぎ取ったまま、行方がわからなくなった下人だが、その下人もまたどこかで、飢え死にしたくない輩に、「しかたなく」着物をはぎ取られているのではないだろうか…?
    【鼻】
    →こちらも、昔に漫画で読んだことがある。漫画で読んだときは、茹でて踏んだ鼻に「粟粒のようなもの」ができ、それを抜くさまは、結構気持ち悪かった…。このお話で、印象的なくだりを抜き出しておく。
    「人間の心には互いに矛盾した二つの感情がある。もちろん、だれでも他人の不幸に同情しない者はない。ところがその人がその不幸を、どうにかして切りぬけることができると、今度はこっちでなんとなくもの足りないような心もちがする。少し誇張していえば、もう一度その人を、同じ不幸におとしいれてみたいような気にさえなる。そうしていつのまにか、消極的ではあるが、ある敵意をその人に対していだくようなことになる。」(123、124ページ)
    【芋粥】
    →初読み。芋粥か大好きで、飽きるほど食べてみたいという「夢」を持っていた五位が、ふとしたことからその「夢」が叶いそうになる。しかし五位は、その場になってみたら、しきりにその「夢」が叶わないように行動し始める。この矛盾。しかし、わかる。長年の「夢」という「欲望」が叶ってしまうことへの不安、「夢」が叶うという形で、「夢」が失われてしまったあと、次の夢(生きるための欲)がまた生まれてくるとは限らない。「夢」という欲があるから、人間は明日へ行けるのだ。五位は「芋粥に飽きたい」という夢しか、もっていなかった。だから、この夢が叶ってしまうことを、恐れたのだろう…
    【幻灯】
    →初読み。この本には収録されていない「舞踏会」という作品と、構成の感じがちょっと似ているなぁとおもった。
    【蜜柑】
    →初読み。この流れで、どこで蜜柑が出てくるのだろう…?とおもったら、「転」の部分で一気に心揺さぶられる展開に…全然、蜜柑の時期ではない今なのに、蜜柑の香りが、かなしく漂ってくるようだった…
    【侏儒の言葉】
    →これは、お話ではなかったこともあり、内容も哲学的で難しかった。これが子ども向けの文庫に載っているのも、子どもの感じる力を信じてのことなのだろう…

  •  他に、「蜘蛛の糸」「トロッコ」など、全12編。

  • 何というか、読後の満足感がすごい。言葉の美しさ、表現の豊かさ。読後感の爽やかなものもあれば、不条理を噛み締めるものもある。一気に読み進めてしまうのが勿体ない。個人的には『魔術』が好き。グローバルに開かれた現代に読むと、甚だ混乱した箇所はあるのだが、それも含めて面白い。

  • 中学生時代夏休みの宿題、読書感想文で読んだ。
    賞をもらった思い出の本

  • 「鼻」をはじめ、「羅生門」「芋粥」など12編を収録。1話1話は長くはないものの、その中で広がる世界は無限大である。

  • 芥川龍之介の複数の作品がまとめられている。教科書で読んだものもあるため読みやすいのではないか思う。

  • 息子が小学生の頃読んだ本を何気に手に取る。
    芥川龍之介、ゴイゴイスーだ。
    特に蜜柑が秀逸。歴史に名を残す小説とはこういう作品集なのだと痛感。

  • 鼻がおもしろかった。
    ゆでて、ふんで、ゆでると鼻がちぢまるなんて考え付いたことがすごい!

  • 羅生門、杜子春をはじめ芥川龍之介の短編名作が集合。芥川というと難しいイメージだがそんなことはなかった。もちろん深読みすればきりがないでしょうが。

  • 11話の短編集なので4年生くらいなら余裕で読めるみたい。
    「にほんごであそぼ」でやっている知ったお話からなのもいいみたい。

  • 図書室に新しく入ったので読みました。

  • 智頭、京都などを舞台とした作品です。

  • いや~、こちらもホントお久しぶりの芥川作品の数々です。  芥川作品はそれこそ KiKi の小学生時代、夏休みや冬休みの宿題、読書感想文の課題本だったり、通常の学期の「○学年課題図書」なんかによくなっていて、ここに収録されているほとんどの作品を学校の課題の一環として繰り返し繰り返し読み込んだ記憶があります。  最後の数行にどことはなしに「道徳的」というか、「説教じみた」ことが書かれているのが、そういう「○○図書」に選抜された理由の1つだったんでしょうね。  子供時代からそういう「大人の好む良い子の条件」みたいなことに嗅覚の効くほうだった KiKi はよくその「読書感想文コンクール」などで、大人が喜びそうな文言を添えることによって賞状をもらったりしたものでした。  ま、実際のKiKi はそんなに素直な子でもいい子でもなかったから、大人からは見えないところでペロっと舌を出したりしていたんですけどね(苦笑)

    (全文はブログにて)

  • 人には、必ず欲がある。
    その欲は、求めれば求めるほど人を変えていく。
    そして何がが得られる。

    その「何か」はなにかはわからないけれど。

  • これもDS。
    羅生門も杜子春も読んだ。

    これはおもしろかったな〜。どっちも。
    なんか世界観が好き。ファンタジーチックなとこが。
    それと主人公の心情の変化とか。

  • どちらの作品も、本当に本当に考えさせられる。人間のきたなさ、うつくしさ、意義。

  • そう思って読むからだろうけど、なんだか暗い。重いというより暗い。30 May 2007

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著者プロフィール

1892年(明治25)3月1日東京生れ。日本の小説家。東京帝大大学中から創作を始める。作品の多くは短編小説である。『芋粥』『藪の中』『地獄変』など古典から題材を取ったものが多い。また、『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向け作品も書いている。1927年(昭和2)7月24日没。

「2021年 『芥川龍之介大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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