長い冬―ローラ物語〈1〉 (岩波少年文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784001145151

感想・レビュー・書評

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  • 幼い頃から大好きで繰り返し繰り返し読んでいるシリーズ。

    岩波で出ているのはシリーズの5冊目から。
    (その前のシリーズは福音館)

    岩波文庫の方の昔の翻訳は「とうちゃん、かあちゃん」になっていて、
    それがどうしても嫌で嫌で、頭の中で一回「とうさん、かあさん」に直して
    読んでいて、面倒だった。

    新訳になったと聞いて本屋さんに行き、パッと本を開いたとき
    「とうさん、かあさん」になっていた時の喜びはひとしおであった!

    私はシリーズの中でも、今はこの「長い冬」、好きだなあ。

    ストーリーは今だかつてない厳しい冬がローラたちを襲う。

    吹雪で家を出る事も出来ない、食糧が尽きてくる…

    でもローラ一家は前向きに朗らかに、挫けないのだ。

    ローラが、まだ小さいのに
    なんとか家族の力になろうと頑張るところが好きなんだ。

    とうとう町中から食糧が無くなって来た時、
    ある場所に小麦を持っている人がいるらしい、と言う
    噂だけを頼りにある若者が命がけで出かけていく!

    それはアルマンゾ・ワイルダー(!!!)とキャップ・ガーランド!

    実は実在のローラは当時キャップ・ガーランドに大変魅かれていた、と、
    ローラの研究本に書いてあったぞ。

    確かに本に出てくるキャップ、かっこいい。
    でもアルマンゾも素敵だ!

    「何のために生きるか?」なんて呑気に考えている暇もなく
    「生きるために生きた」皆さん(ローラ一家たちに限らず日本その他でも)
    がいてくれたおかげで、今の私がいるんですねえ。

    • 日曜日さん
      たぶん、内容が福音館のシリーズで出すには大人っぽすぎたから、バトンタッチしたのでしょうか??講談社の青い鳥文庫?も読みましたが、訳と装丁(絵...
      たぶん、内容が福音館のシリーズで出すには大人っぽすぎたから、バトンタッチしたのでしょうか??講談社の青い鳥文庫?も読みましたが、訳と装丁(絵)が愛せず…と言う思い出があります。
      2014/03/20
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「訳と装丁(絵)が愛せず」
      青い鳥文庫版は読んでませんが、ガース・ウィリアムズの挿絵以外は考えられませんね。。。
      「訳と装丁(絵)が愛せず」
      青い鳥文庫版は読んでませんが、ガース・ウィリアムズの挿絵以外は考えられませんね。。。
      2014/04/22
    • アイさん
      ちょと待ってくださいはじめまして、今の訳だととうちゃんかあちゃんじゃなくなっているのですか!?子供の頃私もその訳がいやで続きが読めずにいたの...
      ちょと待ってくださいはじめまして、今の訳だととうちゃんかあちゃんじゃなくなっているのですか!?子供の頃私もその訳がいやで続きが読めずにいたのですがそういうことなら話が変わってきます…!ちょうどいま福音館版を読み返したところでして、良い情報をありがとうございます!!
      2022/03/05
  • 150年ほど前の開拓時代のアメリカの様子。
    初めて想像した過酷な冬。今の超文明化社会でも冬は寒いのに、昔の人はどうして冬を越してきたのだろう?
    春が来る喜びが本当に嬉しいことだと思える。

    2021.2.3

  • 過酷な長い冬をローラとその家族が一生懸命に乗り越える様子が描かれ、春が来た時の喜びを感じることができる。

  • これはたぶん、シリーズで最も暗いトーンの物語だと思う。プラムクリークのイナゴ被害も衝撃的だったけど、前後に楽しい描写があった。岩波以外の出版社がこれだけをスルーしているのも何だか不思議な気がする。

    本書では後にローラの夫となるアルマンゾが大活躍して町の英雄となる。厳しい時代を共に過ごしたもの同士、絆が深まったのかもしれない。

  • どこかの雑誌の本特集で誰かがおすすめしていて
    「大草原の小さな家」小さいころ大好きで何回も読んでいたので
    図書館で借りて一読。

    工夫をして暮らすこと
    自然に負けないけど抗わないこと
    いまあるものを大切にして感謝すること
    おひさまが如何に人にとって大切か
    いろんなことを教えてくれます

    そして、勉強することと音楽はやっぱり大事!

  • CREA2月号の少年少女文学特集に刺激を受けて、図書館で借りてきた本その2。

    うう、懐かしいよ、ローラ。
    ドラマ「大草原の小さな家」を毎週楽しみに見ていた頃を思い出しました。
    ちょうど日本に大寒波が訪れたときに読んだけど、そんなものとは比べ物にならない大草原の冬のすさまじさ、そこで生きていくことの困難さをリアルに感じさせてくれて見事。昔の人はほんとえらかったと思う。
    そしてインガルス家の面々には、古き良き家族の美しい姿を見せてもらいました。

  • 福音館版の『大きな森の小さな家』を最初に読んだ頃、
    本屋さんで岩波書店版のこのシリーズのどれかをペラッと読んだときに
    『とうさん、かあさん』ではなく『とうちゃん、かあちゃん』になっていて。
    それを見たときの衝撃は未だに覚えてるくらいだから相当なもので。
    そんなわけであっさり続きを読むことを放棄してしまったのであった。
    で、時を経て出逢った新訳版。
    福音館版と文体は違うものの印象のブレは殆どなくてホッとした。
    この新訳版に出逢えたのだから、当時読まずにいた甲斐があったといえるかも。

    ローラではなくアルマンゾにスポットが当たった『農場の少年』を読んだときに
    「これを途中に挟んでしまって大丈夫なのか」と心配だったのだが
    むしろ先に読んでおいてよかったと思った。
    ずっと家族の物語だったところが、今作からちょっと世界が広くなったというか
    新しくできた町の人たちとインガルス一家との関わりがどんどん深くなっていく。
    その中でもワイルダー兄弟は突然に鮮やかに登場する印象が強い。
    『農場の少年』を読了していたおかげで
    インガルス一家とワイルダー兄弟との関わりが濃くなっていく様を
    すんなりと受け入れられたような気がしている。

    今までにも厳しい夏や厳しい冬があったが、
    どんな困難に見舞われても元気さを失わないローラが
    精神的なバランスを崩す一歩手前まできてしまうのだから
    それはもう相当厳しい日々だったのだろう、と思う。
    今までと違うのは、自分の家族だけが闘えばいいということではなく、
    町の人間みんなで助け合わなければならない、ということ。
    それでもなお飢える寸前まで行ってしまうような厳しい季節というのは
    初めての経験なのではないか。
    更に、今まではピンチのときに際立つのはとうさんの働きだけだったのが
    アルマンゾとキャップ・ガーランドという若者2人がクローズアップされていることが
    ローラの眼が外に向いてきた、大人に近づいてきたという証なのかな、と
    チラッと思ったりした。
    章のタイトルになるくらいだから、実はローラはキャップのことがちょっと好きだったのかな、なんて(笑)。

    終わらない困難はないんだな、と、この本を読み終えて思った。
    『プラム・クリークの土手で』に出てくる
    『夜のいちばん暗い時は、夜明けのじき前』という言葉は
    むしろこの話の方がしっくりくる感じがする。

  • 断続的な猛吹雪に町は孤立。物資は底をついていく。アルマンゾは小麦を手に入れるため、命を賭けて町を出る決心をする。
    小麦が手にはいる保証もなく、無事に帰れるかどうかもわからない。そんな旅に、「いっちょうやってやろうじゃないか」と乗り出していくアルマンゾ。『農場の少年』の読者なら、これを誇らしく思わずにいられない。
    ローラのとうさんもまた、厳しい冬に耐える町で存在感を見せる。(家での大車輪の働きは、言うに及ばず。)このふたりはお互いに一目おいているのだ。これまた誇らしくほほえましく思わずにはいられない。
    その一方で、ローラがかあさんとの間に少しずつへだたりを感じ始めているのが印象的だった。感じ方の違い、生き方の違い。『プラムクリークの土手で』くらいまで、一家はほんとうに一枚岩だったのに。
    けれどこれもまたローラの成長なのだ。娘は、どこかで親を乗り越えていく。
    …かんたんには乗り越えられない親になりたいっ。

  • 本当に『長い冬』だった…あまりにも、ずっと冬で、読んでて心配になった。どんなにかたいへんだっただろう…まさに想像を絶する…だから春が来て、汽車が来て、嬉しかったなあ。私なんか、読んでるだけなんだけど、よかった〜!と思ったもん。ああ…太陽ありがたい。春の風って素晴らしいのだな。あのインディアンのご老人の言ったこと、当たったなあ…7か月か…人間は自然には敵わないから…今あるものに感謝。ありがたい。

  • とおちゃんに衝撃を受け読んで無かったけれど、いつの間にか新訳が出ていたので読了。冬の夜に読むと臨場感があってよかった。

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著者プロフィール

1867年、アメリカ北部のウィスコンシン州に生まれる。1932年、西部開拓時代の体験をもとにした自伝的小説、『大きな森の小さな家』を発表。『大草原の小さな家』『プラム・クリークの土手で』などとあわせ、「小さな家シリーズ」として世界中で読まれてきた。テレビドラマの「大草原の小さな家」は、このシリーズをもとにしている。1957年、90歳で亡くなる。



「2017年 『小さな家のローラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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