- Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145168
感想・レビュー・書評
-
若いローラが生きていたのはもう百年以上も前。それでも親しい友達のような気持ちがします。
今よりずっと不便で限られた生活だけれど、本当に今の方が豊かだろうか?私はローラたちが羨ましく思えてなりません。養老孟司さんの本の中で「大事なのは身体を動かして働くこと。」という言葉がありましたが、本当にそうだと思う。
一日中パソコンとにらめっこしているのでなく、手や身体を動かしてへとへとに疲れ切った体を寝床に休める生活もいいのでは。ないものねだりでしょうか。それが大変だから今の生活様式が根付いているんですものね。
でも、狭っ苦しい部屋に他人と閉じ込められて一日中じっと座っているのは時に耐えられなくなります。お天気の良い日は特に。
昔よりずっとたくさんの物があって食べ物も手軽に手に入って、安定している。でも安い小麦で作られたカップ麺をすすって化学繊維の衣服を身に付けるのは本当に文明の進化なのでしょうか。嫌なら自給自足の生活をしてみろ、と言われるとそれまでですが。
ローラたちの生活が、あんまりにも暖かく、一本のろうそくの光のようにつましくそれでいてきらきらと輝いて見えるので。つい愚痴をこぼしてしまいました。日々の生活が彩りを持つように、心持ちを少し変えてみます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の愛読書の中の愛読書!
元気が無いときは、シリーズの
クリスマスのところだけをどんどん読むだけで、
結構復活出来ますです。
(それで駄目なら『放浪記』を読みながら
現状に浸って楽しむべし)
テレビシリーズが好きだった人も、
この「大草原の小さな家」シリーズが、
実はローラが主人公と言うお話でいえば全八冊ある、
と言うことをご存じないことも。
(旦那様のアルマンゾの幼いころが舞台の作品が一冊ある)
そのシリーズがあるとご存知の方も
テレビシリーズは後半原作と全然違うことを
ご存じないことも。
猩紅熱で、失明してしまった姉メアリ、
ある時オルデン牧師から盲人の為の大学があると聞いた時から、
ローラ一家の願いは、
メアリをその大学に行かせてあげたい!と言う気持ちに…。
今回のこの本では、ローラは14歳、
お針子として仕事をし自分ではじめてお金を稼ぎます。
そしてそのお金をそっくりそのまま、
メアリの大学資金にしてほしい、と両親に渡すところ、
後日メアリから…のところで毎回グッときてしまいます。
あの、ネリー・オルソンとまさかの再会!
わりと積極的に嫌味を言ったり、喧嘩をしたり、
こういう良い子ちゃんってばかりじゃないところが
人間味があるというか、なんだかほっとして
嬉しくなる。
未来の夫、アルマンゾとの、
なにか、予感させるシーンも色々登場し、
あああ、何度読んでも、面白い! -
前回の長い冬には辟易とされされるところが多かったのですが…(ファンの方申し訳ありません
-
小さな女の子だったローラがぐんぐん成長していく姿がいとおしい。
裕福ではなくても、インガルス家のように心豊かに暮らしていくことはできるのだよな。 -
ローラ思春期真っ只中‼︎
おしゃれに興味をもったり、
髪型を気にしてみたりしつつ
アルマンゾから粉かけられてもわかんなーいしたり、
前半しか読んでなかった自分には新鮮すぎる
若いローラ!
好きだった日々の丹念な描写は減るけど
このいい子ちゃんめがどうなるか、
続きが気になる感じはさすが。
そして訳者後書きでpa&maについてようやく触れられてあり。
わざわざこの前調べたのに…
そして父のスーパーマンっぷりに、逆に父の話が知りたくなる -
「長い冬」に比べると、楽しさとローラの人間らしい感情が、感じられて、よかった。
長い冬の時は、ローラがものわかりが良すぎたから。
そして、続きよみたくなった。 -
猛吹雪で家に閉ざされてしまった長い冬を越し、そのまま町で暮らすローラたちに春がやってきた。
p21のメアリの述懐が深遠だ。
-----
「ほんとうはいい子なんかじゃないのよ」「そうなりたいと努力しているだけ。でも、あたしだってときどき、すごく反抗的で、いじわるな気持ちになるのよ。それがあんたにわかったら、そして、あんたがあたしの本当の姿を見たら、あたしみたいになりたいなんて、思わないでしょうよ」
(略)
「あんたがなぜあたしをたたきたいと思ったか、わかるわ。それはね、あたしが見せびらかしていたからよ。ほんとうはいい子でなんかいたくないのに、自分で自分に、いい子のところを見せびらかして、かっこをつけて、得意になっていたの。」
(略)
「あたしたちって、みんなどうしようもなく性悪で、悪になびきやすいものなのよ」
-----
メアリ、その若さで人間の愚かさに気づき、見つめているとは…
思慮深い娘だと恐れ入りました。
独立記念日のローラの台詞も素晴らしい。
「…あたしがもう少しおとなになったら、とうさんとかあさんは、あたしにああしろ、こうしろと命令しなくなるだろう。そうなったら、あたしに命令する権利を持つ人はだれもいなくなる。だから、あたしは自分で自分をいい人間にしなければならない」
そう考えると、ローラは心の中がぱあっと明るくなったような気がした。これが自由ということの意味なのだ。自由であるためには、いい人間でいなければならないのだ。
メアリもローラも、こんなふうに素晴らしい成長ぶりを見せてくれる。
メアリは大学に行き、ローラは学習発表会で見事な発表を行い、教員免許状を得る。先生としてお呼びもかかった。
信仰復興集会の帰り道、アルマンゾがローラを送っていく。集会が続く1週間の間、毎日。両親とともに帰るのだけど、ローラはアルマンゾと並んで帰る。こうして恋が芽生えてはぐくまれたのだなぁ。青春だなぁ。