はじめの四年間―ローラ物語〈4〉 (岩波少年文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145182

感想・レビュー・書評

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  • 農業ってたいへんだ。農家さんって本当にすごい。ローラとアルマンゾの新婚生活は試練の連続。竜巻、病気、火事、なんでこんなに続くのだろう。続く時は続くのか…それでもローズが希望の光だなあ。とうさんとかあさんがほとんど出てこないから気になる。メアリ、キャリー、グレイス、元気かな。訳者さんのあとがきでいろいろわかってよかった。ローラ関連の他の本も読んでみたいな。家のこと、頑張ろう…

  • 結婚したばかりのローラとアルマンゾ夫妻の新婚最初の4年間を綴ってます。今回も小麦が雹にやられてしまったり、夫婦そろってジフテリアに罹ってしまったり、家事で家が焼けてしまったり…何かとアクシデントが続きま。

    そんな中、最も明るいニュース娘のローズが生まれてすくすく育っていく事でしょう。その後に生まれた男の子は生後間もなく亡くなってしまいました。

    ローズを連れて遊びに行ったボーストさん夫妻が、ローズをくれないかと頼んできたシーンが心に刺さりました。君達はまだ若いから、また子どもが授かるだろう、自分達はもう出来ないだろうから…勿論ローラは断りましたが、何ともやるせない気持ちだったでしょう。

    結婚した夫婦なら誰でも子どもが出来る…というのは大きな間違いなんですね。ローラの姉妹でも子どもを授かったのはローラだけだったみたいです。

    この物語は時系列で言うと『この楽しき日々』と『我が家への道』の間ですが、出版されたのはローラの死後だったようです。そして書かれたのは割と早い時期で、この作品だけは娘ローズの監修が入ってないようです。

    そのせいか物語というよりも三人称で書かれた手記という趣で淡々と書かれています。正直に言うと、この巻はあまり面白くはありませんでした。

  • 『大草原の小さな家』シリーズといえばいいのか『インガルス一家の物語』といえばいいのか(岩波少年文庫の後半は『ローラ物語』とされている)とにかく福音館の5冊、岩波の4冊続くシリーズの最終巻。
    これで終わりかと思うと(あと一冊、ローラの日記を娘ローズがまとめた『わが家への道』があるけど)、なかなか手が出せませんでした。
    
    といってもこの『はじめの四年間』はローラもローズも亡くなってから残された原稿を出版したもの。あとがきによると、初期のころに書かれたもので草稿というか覚書に近いといった感じです。
    
    ローラとアルマンゾ(「マンリー」ってテレビドラマでも呼んでましたね。)の新婚時代なわけですが、旱魃が続いて収穫は見込めず、借金ばかりが増えたり、生まれたばかりの男の子が亡くなったり、苦しいことの多い四年間。
    
    ローラが「農夫とは結婚したくない」と考えていたり、「農場も家畜も嫌いだった」と言っているのは意外。あとから書き直された他の作品ではもっと前向きに農業をとらえているように感じられるのでここらへん初期の本音なのかなと思います。
    
    「これでもう物語がおわりだとしても、わたしたちは自分の人生をローラがしたように価値のある豊かなものにしていこうではありませんか。」
    
    「引き出しの下には、床まで空いた場所があり、そこに陶製のクッキー入れと、ドーナツ入れと、ラード入れがおいてある。」
    
    「洗濯とアイロンかけは、小柄で細いローラにとってはきつい仕事だった。」
    
    「その夜、夕食のあとで、ローラはモンゴメリー・ウォードの通信販売のカタログを見て、鞍の絵と説明をじっくり読み、ひとつ選んだ。今度町へ行ったら、さっそく注文書を送るつもりだった。その鞍がくるのが待ちどおしくてたまらない。でも、ローラはトリクシーと仲良しになって、じりじり待つはずの二週間を少しでも短く感じられるようにした。」
    
    「今の子どもたちに、ものごとのはじまりとは何かをもっと知ってほしい……目に見えるものの裏にかくれているものを知ってもらいたい……今のアメリカをつくったのは何かを知ってもらいたい」
    
    「どんなに長い人生も、短いものだ。しかし、私たちの作品は、さらに長く生きつづける」
    

  • 南北戦争終結後、“西部開発”買収したルイジアナに区画登記事業がはじまり。「申し込み」した開拓者が農地として成功すれば自分のものになる。
    日本が北海道でやったように。
    新規農業はリスクが大きい。

  •  鈴木哲子訳でかつて何度も読んだこん本だが,苦しいだけの最初の四年間のような印象だった。もちろん楽しいこともたくさんあった新婚時代なのだが,農業というものは本当に不条理で報われないことが多いものだと,よくも嫌にならず絶望せず生きていけるものだと。谷口由美子訳は前の3冊と同じく読みやすくなっていたが,淡々と出来事を書き連ねられているだけに明るくない印象には変わりなかった。
     新訳では訳者あとがきで『はじめの四年間』の出版の背景や,この後のローラとマンリーの人生について詳しく書かれていて参考になった。

  • 厳しい新婚生活を淡々と描いていて、
    もっとふくらませてくれてたら
    もっと面白かっただろうな〜とは思った。
    しかし、訳者あとがきで一家のその後があって
    当たり前だけどみんな死んじゃってくのが寂しい…
    そう考えると前半しか知らなかった子供時代は
    ある意味幸せだった。
    その先を知ろうという気もなかったし。

  • 時系列では最後でも、書いた順番はいちばん最初ということで。
    訳者の谷口由美子さんも書かれていたが、やっぱりそれまでの8冊とは
    文体から何から印象が違う。
    それを違和感と取るかどうかは読み手にかかっているのだろうけど。

    個人的には『この楽しき日々』がピークだったかな。
    あんなにラブラブモード全開だったアルマンゾとローラが
    結婚した途端に急速に家族モードにシフトしていくのに
    どうしても違和感を覚えずにいられなかった。
    見方を変えれば、本筋である家族の物語に戻ったということなのかな。

    人生というのは「結婚しましためでたしめでたし」で終わらないのは判るんだけど
    この夫婦の場合、結婚後に降りかかる災難がけっこうでかいので驚いた。
    いろいろ調べた結果、この後のローラは幸せな人生を送ったらしい
    ということが判ってホッとしている。

  • 子供心に、ちょっと受け止めかねるほど厳しい開拓者?の新婚生活がのしかかってきた。
    happily ever afterってとってもありがたく無責任な言葉だと思う。

  • ローラとアルマンゾが結婚してからの四年間。辛いことが多い四年間だけどローラの前向きでたくましい生き様がすばらしい。

  • 苦労続きの最初の4年間の結論。  それがマンリーの言葉に凝縮されています。 要は、自分がそれをどう見るかにかかっているんだよ。  現代の私たちからすると、どちらも「気の遠くなるような楽観主義」に思えちゃわないでもないけれど、そういう遠いものを純粋に見つめ続け、日々できる限りのことをするという覚悟 & 実践こそが、ローラのかあさんが言っていた「闘い」なのかもしれません。

    (全文はブログにて)

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