あのころはフリードリヒがいた (岩波少年文庫 (520))

制作 : 上田 真而子  岩淵 慶造 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 625
レビュー : 101
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145205

感想・レビュー・書評

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  • 中学校の教科書に載っている、ベンチという小話。
    戦時中、一枚岩ではないということがわかります。しかし、結局のところ、主人公たちもフリードリヒを助けることは出来ず、結果として体制に加担してしまうわけで。
    同じ国の中に、完全に対立ができたわけで。戦後も完全な加害者と、完全な被害者に分かれて、ころっと差別撤廃に向かえるのか。こんな地獄、修復不可能でしょう。

  • もう声が出ない。
    そういう本。

    人生のどこかで絶対に読むべき本だと思う。

    日常のなかにこんなふうに戦争が挟まれていくんだ、と背筋が冷える。
    戦争がおこると、昼が夜になり、人間が化け物になる、という詩を思い出した。
    人間はこんなふうに狂っていくんだ。集団の力とは恐ろしい。

  • 小学生の時に読んだが再読。
    フリードリヒを、どこか遠くの昔の誰かとしか捉えられなかった昔とくらべて、今はもっと身近に感じられ、残酷すぎて読むのが辛かった。
    主人公が集団心理に負けてユダヤ人の家を襲うシーンが強烈に怖かった。

  • ■いずれも、いわずもがなの名著ですが、
     ご紹介したい本があります。


     【今日のお薦め本 アンネの日記】

      アンネ フランク (著), 深町 真理子 (翻訳) 文藝春秋
      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4163596100/2ndstagejp-22/ref=nosim


     【今日のお薦め本 あのころはフリードリヒがいた】

      ハンス・ペーター・リヒター (著), 上田 真而子 (翻訳) 岩波書店

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4001145200/2ndstagejp-22/ref=nosim


     【今日のお薦め本 ぼくたちもそこにいた】

      ハンス・ペーター・リヒター (著), 上田 真而子 (翻訳) 岩波書店

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4001145677/2ndstagejp-22/ref=nosim


     【今日のお薦め本 若い兵士のとき】

      ハンス・ペーター・リヒター (著), 上田 真而子 (翻訳) 岩波書店

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4001145715/2ndstagejp-22/ref=nosim


     【今日のお薦め本 夜と霧】

      ヴィクトール・E・フランクル (著), 池田 香代子 (翻訳) みすず書房

      http://amazon.co.jp/o/ASIN/4622039702/2ndstagejp-22/ref=nosim



    ■去年、たまたま

     「あのころはフリードリヒがいた」

     とその続編を読んだあとに、ワシントンを訪れる機会があり、
     折角の機会なのでホロコースト記念館をたずねました。


     そのとき、大変な衝撃と共に、
     
     「負の意味での人間の可能性」

     を知らされたのでした。



    ■繰り返しになりますが、もしまだこの本を
     お読みになったことがなければ、ぜひ読んでみてください。

     岩波少年文庫に収録されている本であり、
     1時間もあれば読めると思います。

    ■あわせて巻末に掲載されている年表もご覧下さい。

     1933年1月30日 アドルフ・ヒトラーがドイツ帝国首相になる。

     から始まって、

     同年3月5日  ドイツ帝国議会選挙[ナチスと連立与党が絶対多数を獲得]、
             ユダヤ人排斥運動の開始

     以降、怒涛のようにユダヤ人への弾圧が
     加速度的に加えられていく様が手に取るように分かり、

     排斥運動開始以降の、弾圧の様子を時系列で追っていくだけで
     息が詰まるようで、苦しくなってきます。

     

    ■Amazonのレビューに

     「まず巻末の年表にくぎづけになった。

      今までこの手の本は、何冊か目にしてきたが。
      これほど被害者目線で詳しく書かれたモノは、はじめてだ。

      人間の権利が、いかにして合法的に、はぎ取られていくのか。
      その様が、ありありと記されてる。」

     と記載されている方がありましたが、まったく同感です。


  • 基本図書。
    夏には戦争の本を一冊読んだほうがいい気がしていて、図書館で借りました。

    ぼくとフリードリヒは、同じ学年で、同じアパートに住んでいる。
    ぼくはドイツ人で、フリードリヒはユダヤ人。
    ぼくのお父さんは失業中で、フリードリヒのお父さんは公務員だったけれど……。

    短い章が、数年おきに進んでいく。
    「裁判(1933年)」 で安堵する自分が毒されていることに気づく。
    裁判長の言葉にすがる気持ちが絶望に変わることを知っている読者に堪える。
    「ポグロム(1938年)」のぼくと、アパートにいるぼくは、同じなのに違う。
    集団ヒステリーほどこわいものはない。
    なぜユダヤ人を排斥・虐殺することになったのか?
    最後の年表の字面からも狂いが臭ってくる。
    ほかに悪者をつくって団結する汚さ、人がその汚さにたやすく流されてしまうこと……、私たちが「そういうもの」であるということを忘れてはいけない、ということだと思う。

  • ユダヤ人に悪い人はいないのか?と、ユダヤ人が迫害されたという話を読むにつけ、疑問に思う事はないんかとも思う。話の持ってき方の都合もあって、99%良い人だし。
    と言っても別にユダヤ人にどうこう言うところがあるわけではなく、この手の話にはやっぱり迫害される善人と迫害する悪人、っていう設定が分かりやすくて、こりゃ水戸黄門を見るにつけても、古今東西変わらぬ心理ですな。
    そしてなかなかに道徳本として興味深いネタがいっぱい転がっているんで、子どもらに読ませてモヤモヤさせるのにうってつけ。ユダヤ人は迫害されてるけど、それはユダヤ人が他民族より優れているからなのだ、とユダヤ人ラビに言わせてみたりするあたり、一筋縄ではいかない。でも道徳の本って大概そうやね。そして世の中ほとんどグレイで白黒つかんのよ、ってのを教わるのに、世の中は白黒つけさせられる事ばかりで、これがまた、甘くないわ。

  • 「子どもを本好きにする10の秘訣」>「昔話・神話・歴史」で紹介された本。

  • ドイツがナチスの指導の元第二次世界大戦へと進む中で、ドイツ人の「ぼく」が隣人、そしてユダヤ人のフリードリヒとの交流を日記にして当時の時代を描いた作品。
    中学生のころ一編が教科書に掲載されており、当時読んだが、20数年の時を経て、古本屋で三部作で販売されているのを見て再読。そしたら最初は辛くて読めなかった。
    「ぼく」はフリードリヒ一家と近所づきあいしていたが、数々のユダヤ人迫害政策により、社会全体(国からご近所さんまで)がユダヤ人迫害に動く様が分かる。その中でも「ぼく」の家庭を含めてユダヤ人を守る、というより隣人愛からユダヤ人迫害に加担しない人々がいたことも記されているが、もしかしたら、作者の後悔に伴う懺悔なのかもしれない。
    「ぼく」の父親は可能な限りフリードリヒ一家を助けるが、その父も職のためにナチス党員になっている。
    当時のドイツにおけるユダヤ人のあり様が分かる作品。

  • 目次:生まれたころ(一九二五年)、じゃがいもパンケーキ(一九二九年)、雪(一九二九年)、祖父(一九三〇年)、金曜の夕べ(一九三〇年)、入学式(一九三一年)、学校からの帰りみち(一九三三年)、とめ輪(一九三三年)、ボール(一九三三年)…他

  • 触れたくない思いで来てしまったナチスとユダヤ人の話。
    児童書ということで。
    児童書だからこそよけいに痛々しく感じる。
    反対に子供にもナチスの考えが洗脳されてゆく過程がわかって恐ろしい。

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