- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145298
作品紹介・あらすじ
ロシアの文豪トルストイの民話の中から、「イワンのばか」「人は何で生きるか」「人には多くの土地がいるか」「ふたりの老人」などを選びました。つつましく生きる人々の悲哀を描きながら、人生の愛と真実について語りかける名作。
感想・レビュー・書評
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「トルストイの民話」を読んだのは大学生のとき。
「人はなんで生きるか」は素晴らしいよと聞いて読んだけど、正直そこまでいいのかわからなかった。
なんか、説教くさい感じがしたというか、小言を言われている気分になったっていうか。。。
結局オチは神様かよ!とかいうツッコミをしてたのも覚えています。
世界的な文豪に対してエラそうな態度ですね(笑)
その「トルストイの民話」から代表作を集めたこの本を、なんでもう一度読む気になったのかはわからないのですが、なんだか読んでみたんですよ。
そしたら、やっぱり名作は名作なんだなって思いました。
自分が成長したってことかな?
生意気さが減ったかな??(笑)
昔は感じた“説教臭さ”だけど、ただの説教臭さではないなと思いました。
読むとこまで読めていなかったのだなと。
それをうまく言葉にできないのは私の未熟なところですが。
きっと、読む年齢によって読み方が変わったり、面白くなったり、一回で終わらない魅力があるのも名作たるゆえんなのでしょうね。
「本は、読まなくても本棚に置いてあるだけでいい。読めるときになったら手が伸びる。」とは私が大好きな絵本屋さんの言葉。
もう一回読んでも読み方が変わる自分になったからまた手に取る気になったのかな?なんて思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
損得や世間体や面倒くささなど、色々なことを計算しながら行動するのが、私たちには当たり前だ。
イワンや、国の人たちは、こういうことを全く考えない。それを「ばか」と表現されている。
「お妃さまも、ばかになりました。・・・国には、ばかだけが残りました。」
人が困っていたら、何も考えずに助けてあげる人たち。こつこつといくらでも働く人たち。
すごい、と思いました。こんな生き方があるなんて思ってもみなかった・・・というか、現代の日本の大人の世界に生きていたら、退化してしまう感覚。そう、退化したのは私たちのほうで、彼らの正直さと勤勉さこそが崇高だと思った。
トルストイの文学はキリスト教を根底に書かれているが、宗教観にとらわれず、普遍的でとても大切なことを教えてくれる。この本の中のどの話もすばらしかった。 -
「ふたりの老人」のお話が一番好きです。 途中でタバコが飲みたくなって、連れ合いに遅れたおじいさんは食べるものがなくて、死にそうになっていた貧しい一家をあれこれ世話を焼いて助けてやります。水を汲み、食べ物を与え、ついには旅費を殆どこの一家が暮らしを立て直すために使い果たしてしまいます。せっかく楽しみにしてお嫁さんからお金を借りてまで苦労して出かけてきたのにです。ここでこの人たちを見捨てたらわしは自分の中の神様を失くすと言って。 ところが先に行ってしまった金持ちのおじいさんは聖地に着いてみると、遅れたおじいさんが一番いいところでお参りしているのを見て驚くのでした。
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頭ばかり動かして手を動かさないでいると自分の身を守れないよねという話
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/722671 -
ロシアの あの支配者に読んでもらいたい。
馬鹿は きっと最強なのかもしれない。
アファナーシイは良いことをしたと思う。
キリスト教の布教書って感じ。 -
絵本ではない。
短いお話がいくつも入っている。
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ロシア文学が好きな友だちに教えてもらったお話。
兄たちはイワンに対してひどい態度を取るにもかかわらず、イワンはいつも変わらずの態度で相手に接しているのがすごい。自分に置き換えて考えると簡単なことではない。恨みとか、憎しみとか、仕返しとか、そんなことはイワンにとってはちっぽけなことなのかな?
その他の作品もキリスト教色が強い内容だったけど、考えさせられる部分もたくさんあった。
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「ばか」には悪いイメージがつきものだが、内容はうってかわってイワンがしあわせになるようすが描かれたものだ。見方を変えれば短所も長所として活かせることを発見し、自分の能力をどう活かせるか考えるようになってほしい
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ロシアの民話を通してロシアの考え方を学ぶことができる