北欧神話 (岩波少年文庫)

  • 438人登録
  • 3.69評価
    • (26)
    • (46)
    • (68)
    • (1)
    • (0)
  • 43レビュー
制作 : ウィリー・ポガニー  Padraic Colum  尾崎 義 
  • 岩波書店 (2001年11月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145502

北欧神話 (岩波少年文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ゲルマン民族の神話、北欧神話。デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アイスランドなどで花開いた神話は、以前からとても気になる存在でした。文豪ボルヘスがアイスランドサガのことをなんども紹介していることを知って、ますます興味は尽きない。

    この本を手に取ってみて、まずびっくり! おそらく少年少女でも理解しやすいように枝葉末節をとりはらい、必要な話を取捨選択し、それをうまく繋げながら系統立てているものと思われます。北欧神話の主だった登場人物とその舞台が、適所でちょうどいい分量で描かれている印象をうけて感激しました。別の本で比べてみても、とてもよくできていると思います。

    解説によると、この本は、北欧神話の元ネタとなる『エッダ』(日本の『古事記』のようなもので歌・詩。紀元9世紀ころ、作者不明)と『スノッリのエッダ』(詩人・学者スノッリの散文作品、紀元13世紀ころ)から選んで易しく書き直したもののようです(英雄伝説は割愛)。いや~とてもすっきりしています。全体を見渡すのに少々骨の折れる神話の世界が、こんなに理解しやすいなんて、ちょっと驚きですね。

    巨人族との対決に勝利した神々の父オーディン、猪突猛進のトール、剣の達人チュール、半神半巨人のロキは悪戯好き。
    戦いに倒れた巨人の肉や骨でつくられた世界、神の国アースガルト、人間の国ミッドガルド、巨人の国ヨーツンハイム、ほかにも小人の住む世界や地下世界などもありますが、なんといってもその世界を貫く1本の世界(生命)の巨木ユグドラーシルは魅力的です。その根には醜い大竜がかじりついてぐだぐだしているかと思えば、大枝にはなぜかシカが住んでいて、木の芽をむしゃむしゃ食べ、忙しいリスたちが枝々を走り回る面白い世界です。

    決して全能とはいえない神々と少々強すぎる巨人族との相克、闘いに明け暮れる世界……きっと厳しい極寒の北欧の自然がそうさせるのかもしれません。エロス満載のギリシャ神話や、輪廻転生・無常観の漂うケルト神話とはまた違った世界がのぞけて楽しい。
    北欧神話に興味のある「大人」にもお薦めしたいです♪

  • 子供向けだけどざっくり話を知るには十分。
    キャラクターたちの名前が現在よく知られている名前とちょっとずつ違うので違和感がある。オーディンがオージンになっていたりロキがローキになってたりして、どこぞの農村の話みたいな素朴を感じる。

  • 子供用なのでざっくり読みには適当。裏表紙にローキとすべきところがロークに。版を重ねてるのに

  • 「神々の父オージンは、いつも賢くて、正しいわけではなかったんだ」

    オージンは、すべての神が彼の話には耳をかたむけるほどの“神のなかの神”。しかし、別の神が誤って人間を殺してしまい、遺族への賠償をするとき、神が持つ知恵を与えればよかったのに、それを惜しんでお金による取引で済ましてしまう。神が金で物事を解決した以上、金に執着する強欲女でも神の国への入国を拒否できなくなる。
    また、ヴァーニル神の一人フレイは、神と敵対する巨人の国の娘にひとめぼれし、その娘を得るために神の国を守るための大切な武器となる剣を手放してしまう・・・

    永遠の平安を願うのは、神々も私達も同じ。
    だが神々のちょっとした行為が、その時は自分や周りも正しいと信じ、何事もなく過ぎても、実はその行為をしたのは間違いで、完全無欠なはずの神々の運命に、痣(あざ)が徐々に広がるように不吉なきざしが覆い、ついには寒波などの天災を契機に勃発した“神々のたそがれ”(=最終戦争)としてすべての不吉なきざしが初めからそうなるはずだったかのようにひと固まりに結合して神々への大きな厄災として降りかかり、神の国は滅ぶ。

    完全無欠でない私達人間も、日々失敗を繰り返し、それが時には大きな悪い結果として自分の身にふりかかり、自分の運命や巡りあわせなど、自分の力でどうしようもない因果を呪ってしまうのだが、神々の多くの所業からも、生きる以上は不可避な業(カルマ)の存在を読み取ることができる。

    この本の物語はある意味ファンタジーだが、そのエッセンスには、等身大の人間の所為が詰まっている。
    (2009/9/13)

  • ロキのちょっと悲しい裏切り物語だった

  • 入門編として児童書は読みやすかった!

  • ギリシャ神話が受けなかったので、長男への神話読み聞かせも、もうやめにしようかとも思っていたのだが、もう一冊くらいとためしに選んだのがこれ。自分で読むなら中学生以上という内容で、難しい言葉も多く、声に出して読み進めるのも一苦労だったが、予想以上に奥深い内容で、とても面白かった。内容に少しなじみのあった日本神話やギリシャ神話と異なり、まったく聞いたことのない話ばかりで、新鮮だったし、主神オーディーンが、仲間のロキのせいで誤って殺してしまった息子の身代わりに、その父に対して、巨人の一族が持っている世界最高の宝をやる、と約束してしまったがために、世界が徐々に破滅へと向かって行く様はとても興味深かった。息子には、ロキのいたずらの数々(友達の神様トールの奥さんの美しい金髪を、寝ている間に全てかってしまう、とか)も単純に面白かったようだ。

  • 初めて神話を読んだけど、、、なかなか理解するのに難しい世界だった。
    たまには、こういうの読んでもいいかなぁー。

  • ギリシア神話は小さい時からよく読んでいたが、ゲルマンの神話ともいえる北欧神話は初めてだったので。そのうち日本の古事記も読みたい。
    ギリシア神話や日本の神話、聖書の世界と違って、北欧神話はまるで今ある世界とは別次元と言っていいほどの世界で、登場する神様たちもミラクルパワーを特に持っているわけでもない。仮に持っていたとしても、他者由来の武器や道具、食べ物のおかげである。登場するこびと、巨人は神と対等かそれ以上である。トールキンの指輪物語は少なからず、ゲルマンのこうした神話世界を下地にしているように感じられた。
    この北欧神話でなによりも魅力的なのが、「崩壊」がいつもそばにあって物語が進んでいることだ。この物語の始まりは、忘れられ、残された神様の回想のように感じられた。
    オーディンが創った世界も、そして今ある世界も破壊によって創られたものだ。世界中で見られる洪水神話では、そこに住まうものを消し去りはしたが、世界そのものをなくしはしなかった。右目の代償に予言の力を手に入れてみえた世界が、崩壊だと知ったオーディンはそれでも力強かった。
    意志と神聖が支配する世界にたどり着けば、生き残りの神様にもう一度会えるだろうか?

全43件中 1 - 10件を表示

北欧神話 (岩波少年文庫)のその他の作品

北欧神話 (岩波少年文庫 (3142)) 新書 北欧神話 (岩波少年文庫 (3142)) パードリック・コラム

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
キーヴィン クロ...
フランツ・カフカ
荻原 規子
有効な右矢印 無効な右矢印

北欧神話 (岩波少年文庫)に関連する談話室の質問

北欧神話 (岩波少年文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする