ロビンソン・クルーソー (岩波少年文庫 566)

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145663

感想・レビュー・書評

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  • 『ロビンソン・クルーソー』有名だけど、読んだことがなかった。最近読んだイギリスのファンタジー作家たちがこぞって名前を挙げていたから読んだ。

    お金に困らない家に生まれても、冒険心が疼いて仕方ない主人公。ある時は家出をして、輸出入で儲けても、奴隷になっても、ブラジルで成功しても冒険したい。そんな彼が船で航海中に難破して無人島で過ごす話だ。
    まずは船から使えるものを持ち出し、島で暮らすためにテントを作る。
    食べ物を得るために島のヤギを捕まえる。鳥を撃つ。
    荷物を整理する。家を作る。日付を数える。
    一つひとつ出来ることをやっていく姿が楽しい。
    なんだかマイクラを思い出してしまった。(もちろんこちらが先にできたのだが)
    無人島暮らしはせいぜい3年くらいで終わるかな、と思っていたら甘かった。数十年過ごしてた。
    最初に表紙を見た時は「狂人か?」と思ったけど、これは主人公が島で工夫した姿だったんだな、と違う印象で見たのが感慨深い。

  • 2021年8月28日のアニメ『ドラえもん』で、のび太はロビンソンクルーソーを知らなかった。のび太が特別無知というよりも、ロビンソンクルーソーやガリバー旅行記、不思議の国のアリスをちゃんと読んだ人は少ないだろう。

  • 最初から最後まで、すらすらと読み進んでしまう冒険物語。島でのサバイバル生活は、昔の人はこうして暮らしていたのだろうか?という想像が膨らみます。最後の方はあまりのうまくいきように出来すぎてると思ってしまいましたが、次から次へと襲いかかる冒険の描写はとても迫力があり、自分も体験しているかのような臨場感がありました。

  • 再読は子ども時代以来。(つまり「フライディと私」を書く時には再読しなかったのね。)
    最初の方は航海に出るまでの半生を綴っていて、読みながら何度か寝落ちしたが、ようやく最後まで読んでどうやって島から帰還したのかが分かった。すごく面白かったというのとは違うけど、ノスタルジーとご恩があるので★5つ。

    遭難してからロビンソンが作る砦はヨーロッパの伝統的なモットアンドベイリー形式を踏襲しているが、一人で作ってしまうところがやや偏執気味。イーストなしで作ったパンというのはどういうものだったのか、チャパティのようなものだったのだと思うが製法書いて欲しかった。(でもブドウがあるんだから天然酵母手に入ったと思うんだ、今更だけど。)無人島だけどヤギがいて鳥がいてウミガメがいて食べるに困らないというあたり、今ならご都合主義と言われるんだろうけど先駆者はどんなことも許される。

    後半フライディが加わり、スペイン人とフライディの父親が加わり、イギリス船員達が加わり、とどんどん人が増えていくけど、やはりこの話で面白いのは無人島で一人きりのサバイバル部分なのだった。

  • まさか28年間も無人島にいたとは思わなかった。

  • 小学生の頃読んだけど、大好きだった。
    サバイバルものって面白い。

  • 初読みロビンソンクルーソー!

    27年くらいひとりで(後半3年は現地の召使といっしょに)サバイバルー!
    すごいな~長いな~

    ナンパした船がちかくにあったり
    野生のヤギがいたり
    けっこう恵まれてるといえなくもない
    無人島生活

  • 海難事故で無人島へ漂着した男のサバイバル冒険譚というざっくりしたイメージしかなかったのですが、意外にも血生臭いやり取りや未開の地の人との交流などが描かれています。モデルにされた人物がいたとのことで、納得のリアリティーです。無人島からの帰還後の暮らしについてのエピソードは蛇足だったのではというのが一般的な解釈らしいです。なるほど、同意…。

  • 航海をしている途中で嵐にあい難破してしまったクルーソー。
    ついた無人島での厳しい環境の中で闘いながら、生き抜いていくお話です。
    僕はこの本を読んで、このロビンソンクルーソーのように厳しい環境でも生き抜けるような強い人になりたいと思いました。

  • 台風18号が襲来し、それこそ「経験したことがないような暴風」にLothlórien_山小舎がキシキシと泣き続けるなか、「元祖 サバイバル小説」とでも呼ぶべきこちらの物語を読了しました。

    KiKi の子供時代、男の子の必読本といってもいいような物語だったのがこの「ロビンソン・クルーソー」や次に読む予定の本「宝島」、そして「十五少年漂流記」といったあたりの物語だったように思います。  対する女の子の必読本は「赤毛のアン」とか「若草物語」とか「ローラ物語」。  そういう意味ではこの「ロビンソン・クルーソー」、KiKi も小学生時代には「タイトルだけは知っている男の子のための冒険のお話」という認識をしていたように思います。

    で、中学生になってから「いくら男の子の本とは言え、この超有名な物語を素通りしてもいいんだろうか?」なんぞという殊勝なこと(?)をチラッと考え、学校の図書館から借り出してきて少しだけ読んでみたものの「人肉食の蛮人」が登場するに至りギブアップ(苦笑)  で、それから大学生になるまで一切関わらずに過ごしてきました。

    大学で一応「英文学部」なるものに所属するに至り、「英文学史」の授業にも出てきたこのエポック・メイキング的な物語を素通りしたまんまじゃいかんだろうなんぞという2度目の殊勝な想い(?)を抱き、今度は「とりあえず最後まで読了すること」を自分に課して初めて通読。  その頃はロビンソン・クルーソーのサバイバリストとしての物語というよりはどちらかというと「キリスト教宣教の本」という印象で読了しました。  そして今回の読書に至りました。 

    今回の読書では「サバイバリスト、ロビンソン・クルーソー」というよりは「生活者、ロビンソン・クルーソー」という印象を強く抱きました。  大学生時代に感じた「キリスト教宣教の本」という印象も相変わらず持ったし、その部分に関して言うならば以前よりも尚更強くその印象は心に残ったけれど、それでもそれ以上に強いのは「生活者、ロビンソン・クルーソー」という想いだったんですよね~。

    南海の孤島(しかも無人島)に漂着したクルーソーはその難破した船に積まれていたわずかな道具を創意工夫で駆使して「居住空間」や「衣類・靴のようなもの」、「家具や保存容器(籠)」を作り出していきます。  その過程を見ていると「狩猟・採集」メインの食生活から少しずつ「耕作・繁殖」の食生活にレベル・アップしていく様子が細緻に描かれ、まるで「1人人類発展史」みたいで読み応えがありました。  同時に「人が人として生きるために本当に必要なものは何か?」についてあれこれ考えを巡らせることができる読書だったと思います。

    ただ、やっぱり「白人目線の物語だよなぁ。」と感じさせられるところも多々ありました。  発想がやっぱり「大英帝国」的だし、人種的偏見みたいなもの(しかも悪意はさほど強くない)がそこかしこに香り立つし(特にフライディという名のカリブ人の従者を得るあたりから)、大航海時代から帝国主義時代に至るまでの発想(ただ単に漂着して仮住まいしただけなのに、その無人島の所有権を当たり前のように主張する)があっさりと出てくるのは時代・・・・のせいなのかもしれないし、人種・・・・なのかもしれないなぁと。

    そして同時に思うのは何のかんの言いながらかなりご都合主義的な物語だよなぁということもあります。  水場を探すのにほとんど苦労らしい苦労はしていないし、森の中には野性のヤギが結構いたり、ウミガメが産卵するのに立ち寄る島であることが判明したり、熱帯性気候に位置する島なのに大した手入れもしないでコメが栽培できちゃったり、冬を乗り切るに十分な干しブドウができちゃうほどブドウが群生していたりととかく飲食に関する苦労が少ない(苦笑)  それだけ「食」に恵まれている島の割には無人島ってそんなのアリ??  しかも肉食系の猛獣も毒蛇系にもまったく遭遇しないんですよ。  さらにさらに、ご都合主義の極め付けはクルーソーがこの冒険に出かける前に経営していたブラジルの農園のお話です。  

    長年(30年ちかく)、いくら管財人がいたと言えどもほったらかしにしておいた農園が繁盛していて、相変わらず所有権が担保されたままで、管財人も善人で、身1つで帰国した一文無しがいきなりお金持ちってなんじゃそりゃ?っていう感じです。  もっと言えばあの無人島で

    「利用できるものだけが、わたしにとって価値のあるものだった。  私には十分な食べ物があり、そのほかの必要品もある。  さらにそれ以上のものが何の役に立つのか。」

    な~んていう境地に至った人間が、文明社会に戻った瞬間に「金、カネ、かね」となってしまうのは、環境のせいというのもあるかもしれないけれど、「やっぱり最後はそこかい?・・・・・」と、何だかがっかりさせられてしまいました。



    さて、たまたま・・・・ではあるんですけど、この日曜日、KiKi の数少ない、可能な限り欠かさず観ている「ザ!鉄腕! DASH」が3時間スペシャルで、放映時間にはオンタイムで全てを観ることができず(何せ8時からは大河ドラマ、9時からは「半沢直樹」を観なくちゃいけなかったのです)録画してありました。  それを昨日、台風の荒れ狂う中視聴していたんですけど、彼らのやっている「無人島開拓」って「現代版 ロビンソン・クルーソー」だよなぁとふと思いました。  もちろん彼らの場合は、必要に応じてプロの助けも得ているし、ロビンソン・クルーソーみたいに孤独なわけじゃないし、その島で本当に生活しているわけじゃなくて本来なら比較することもできないいわば「作りもの」ではあるんだけど、それでも彼らのサバイバリストぶりは、実に現代っ子的なクルーソーだよなと思うんですよね。

    特に今回の放映で松岡君が海岸で自分の生年より古い鋳造年の100円硬貨を拾って、それを見た別のTOKIO のメンバー(山口君だったように思う)が

    「今、この島で一番必要ないものだよね。」

    と言っていたんだけど、ちょうどこの録画を観る直前に KiKi が読んでいたのは、P.72 辺りで、クルーソーが難破船の船室からあれこれ持ち出そうとしているところだったんですよ。  船室でたまたま見つけたロッカーの中にそこそこの金貨と銀貨を前にしたクルーソーは言うんです。

    「ああ、つまらないものよ、おまえは何の役に立つというのか。  私にはまったく無用の存在だ。  身をかがめて拾い上げるほどの価値もありはしない。  ナイフ1本にも値しないぞ。」

    ってね。  当たり前のことではあるけれど、「お金」というものは市場経済という枠組みがあって初めて価値を持つものであることを改めて実感しました。  物を売る店もなければそれを媒介するお金を使う場所さえないような所では、「お金」よりも針金1本、ナイフ1つ、針と糸が1セットある方がはるかに人が生きていくために役に立つんです。  現代社会(特に都市生活の中~)で生きていると、とかく忘れがちなそのことを改めて思い出す1つのきっかけにはなりました。  





    さて、最後に・・・・  この本の宮崎駿さんの推薦文は以下のとおりです。



    とてもおおしろい、ワクワクする本です。  でも・・・・・ぼくは大人になってから、この本のトゲに気が付きました。  主人公が銃を持っていなかったら、どうだったでしょう。  おそらく随分みじめなくらしになったと思うのです。  この本を読んだ白人たちはかならず銃を持って、他の国や島へいって宝物をとりあげたり、人を撃ち殺したりして世界中を荒らしまわりました。
    ぼくは銃を持っていないし、持つ気もありません。  面白いけど、気になるところもある本です。



    まさに・・・・・です。  そのあたりがいかにも「帝国主義推進者、英国人の物語」だと KiKi も強く感じずにはいられません。

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著者プロフィール

1660‐1731。イギリス、ロンドンの商人の子として生まれる。著作家、ジャーナリスト。代表作『ペスト』、『ロビンソン・クルーソー』。

「2020年 『新訳ペスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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