ぼくたちもそこにいた (岩波少年文庫 567)

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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145670

感想・レビュー・書評

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  • あの頃はフリードリヒがいた同時期を、別の視点、ヒトラーユーゲン側から物語を語っている点がとても面白かった。
    立場によって見方や考え方、苦悩がある事をこの本から学ぶ事ができる。

    また主人公の戦友・ギュンターの父は最初ナチス反対派だった後、後半では戦争に積極的に。
    社会情勢が人を変えてしまったひと場面だ。

    洗脳といえばいいのか、同調圧力と言えばいいのか、
    社会の雰囲気が一方方向へ進まないといけない状況には恐怖を感じる。反する考えを持とうもんなら、異端人とレッテルが貼られる、社会の構図が異様であり、恐怖だ。

  • 登場した作者の友達は無事復員できたのか。書いてない辺り、復員できたのは作者くらいなのでは。
    戦争はいやですね。戦争に盛り上がっていくあの独特な雰囲気もいやだ。

  • 「あのころはフリードリヒがいた」の続編となるこの作品。
    この作品は、ヒトラー・ユーゲントに入団した
    3人のドイツ人少年の経験を書いている。

    この作品を通して、少年達の中にも様々な葛藤が
    あったことが分かる。
    すぐに染まった者。
    何かおかしいと思いつつ、進むしかなかった者
    できるだけ抵抗した者など。
    でも、これはドイツだけの話だけでなくて
    戦時中は、日本でも同じようなことが
    多かれ少なかれ起きていたのでは
    ないかと思う。
    このようなことが二度と起こってはいけないと思う。

    この作品もリヒターの体験を基に書かれているので
    まえがきのリヒターの言葉がとても重い。

  • 冒頭の著者の言葉、「わたしは参加していた。〜わたしは、もう二度と信じないだろう。」が衝撃的で、読み終えるまで心臓の辺りでもやもやと沈澱していた。年号と共に付された「ぼく」の年齢が自分の歳に近づくにつれもやもやは濃くなった。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    『あのころはフリードリヒがいた』の続編。優等生のハインツ、時代の流れに素直には従えないギュンター、そして“ぼく”―ヒトラー・ユーゲントに入団した3人のドイツ人少年が経験したことは?戦争へ突入していく日々を淡々と描く。中学以上。

    この時代ティーンエイジャーだったドイツの男の子は多かれ少なかれこのような生活を送ったのだと思う。
    自分のおかれている状況なんて把握できるはずないと思うの。
    かなり冷静に思い出して当時の様子を書いてくれたのだと思う。
    16歳ですでに銃の扱い方を伝授されヒトラーの英雄とおだてられ、軍人がかっこいいものだと洗脳されれば志願兵になるよね、教育ってとても大事。
    この時代親も自分のポリシーを子供に伝えられなかったことも悲しい負の連鎖になっていたような気がします。

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