王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575)

制作 : トンケ・ドラフト  西村 由美 
  • 岩波書店
4.41
  • (36)
  • (26)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 152
レビュー : 27
  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145755

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 長い旅路を終えて、文句なくページを閉じることが出来ました。大満足。

    ダングリアでは人の名前がたくさん出てきて若干わからなくなりましたが、なんとか先に進めることが出来ました。イルヴェン、ドアルヴェン、ディルヴィン辺りが、時々誰?ってなりました。笑

    下巻で一番印象深いのは、虹の川の関守の領主様の言葉です。
    橋を渡るのに通行料の金貨3枚を払うことを要求されたティウリとピアックは、それが払えずに途方に暮れます。橋を渡るのに通行料、もしくはそれに相当する3週間の労働をすること。一見すると支配者からの搾取のように思える決まりですが、実はそうではありません。そのことを語る時の領主の言葉に、そういう考え方もあるのか、と思うと同時に、その考え方は現代にも通じるものがあるなと思いました。

    ウナーヴェン王への謁見からダホナウト国への帰還までも、ティウリはもはや任務を終えているにもかかわらず、飽きずに読み切ることが出来ました。
    往路で出会った人々との再会に、自分もまた嬉しく、懐かしい気持ちになりました。
    ティウリがマリウスを忘れていなくてよかった!

    これは、少年の成長と、出会いの物語であると思う。
    それらをいちいち大仰に描くことはなくとも、人との出会いと、その支援によって、ティウリの旅は完結したと言えると思う。
    それはマリウスであり、イルヴェンであり、関守の領主に会うことを頼んでくれた兵士であり、泊めてくれた名もない農民でもある。護衛をしてくれた灰色の騎士であり、その灰色の騎士との決闘に武器を授けてくれたミストリナウト城主であり、その娘である。そして、最愛の親友となるピアック。
    人は出会い、繋がれていく、ということを、ティウリとともに、王国から王国へと旅する中で、共に感じることが出来る喜び。
    冒険小説であるとともに、出会いの物語であることが、このお話に惹き付けられた理由の一つだと思う。また、ティウリの爽やかな高潔さと、ピアックのどんな時にもへこたれない底抜けの明るさにも救われる。
    読み物としては、中学以上、となっているが、内容的には、小学校高学年でも。

  • 何者であるか、ではなく何をしたのかが大切です。

  • 高学年~中学生へのおすすめ本を探していて手にとってみた本。
    冒険、友情、架空の王国で繰り広げられる陰謀などなど。
    爽やかさも残るおすすめ本。

  • 下巻

    ティウリピアックは様々な試練を乗り越え、とうとうウナーヴェン王に手紙を届けるにいたる。

    あちこちに往路で起こったこと、出会った人の謎解きがあり、すっきりとした気持ちで結末を読むことができる。
    こうでなくちゃっ!!

    印象的なのは、ティリロの存在。
    ティリロの言葉は、私たちに大事なことを気づかせてくれる。

    また物語の各所に出てくる、「信じる」ことにも注目したい。

    P259
    「わたしに祈らせてください。いちばん大事なことが、また、いちばん楽しいことでもあるように!この二つは決しているもいっしょだとはいかぎらない!」


    作者のトンケ・ドラフトは1903年にオランダ領のインドネシアに生まれ、第二次大戦中は日本軍の収容所に入れられていた。
    その中で、お話を作ること、それを語ることに目覚めたとんこと。
    制限のある生活の中でこうした想像力を働かせるお話を生みだしたとは驚き。


    書店ユトレヒトの江口宏志さんの冒険小説をすすめる理由のことばがこれまたすばらしい。
    P369
    「一つは興味を尽きさせない工夫が随所になされているので、最後まで読み切ることができ、本を一冊読み終えたという達成感を味わえること。もう一つは、それらの小説は読んでいる時に楽しいだけで、読後に何も残らないという類のものではなく、人間関係の対立や協調、難局に対した時の心理状態などがしっかり描かれているので、読むことが人生経験を深めることにつながるからです。2004年12月26日朝日新聞

  • オランダの女性作家による名作、下巻。

    何より読後感が爽やか。色彩と景色が目に浮かぶよう。登場人物たちはややステロタイプだけども、いささかも作品の魅力を減じていないと思う。レリーフみたいにシンプルに輪郭がくっきりして美しい。

    ちなみに挿絵も著者によるもの!!!

  • 続編も読みたくなりました。

  • 今まで読まなかったのが惜しい位の児童文学。日本で刊行されたのが割と最近というのが信じられない位の名作です。
    自分が子供の頃に読めたら尚良かったのに。今どきのライトノベルが逆立ちしても太刀打ち出来ない、良質の児童文学です。もっと子供たちに読まれたらいいなあ。

  • 決してつまらないというわけではないが、特に面白いとも思わなかった。

    王の住むウナーヴェン市に着くまでに通過する様々な場所で問題が起きて足止めを食うんだけど、必ずその地域の有力者の理解を得て解決するという1つのパターンの繰り返しではないだろうか。

  • ただただ面白く純粋に先を読みたい一心で読み進めました。
    ティウリとピアックのなんとも微笑ましい友情とともに冒険の後半が描かれ、生きていく事の厳しさと正しい心を持つ事の大切さを教えてくれた物語だと思いました。

  • 清い意志を持つ少年たちに心洗われました。
    ピアックが仲のよいお友達に似ていて、読んでいて重なりました。
    作者本人が描かれたという挿し絵も素晴らしい!
    続編もたいせつに読もうと思います!

全27件中 1 - 10件を表示

トンケ・ドラフトの作品

王への手紙 (下) (岩波少年文庫 575)を本棚に登録しているひと

ツイートする