白い盾の少年騎士 下 (岩波少年文庫 578)

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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145786

感想・レビュー・書評

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  • なかなかまとめて読む時間がなく、読み終えるのに何日もかかりましたが、登場人物たちの冒険の時間を考えるとこうやって何日もかけて読むのもありかな、と。

    私は慣れない名前や地名はあまり気にせずどんどん読んでいき、読むうちに人間関係など理解していくタイプですが、それに苦手意識を持つ人は、作者自身が描いた地図や人物紹介を見ながら読むといいかもしれません。

    読んでいるうち、ティウリが17歳の「少年」であることを忘れそうになりますが、ピアックの存在は相変わらず心強く、そして、原書はわかりませんが、翻訳の口調で登場人物それぞれの異なる性格が生き生きと伝わってきます。

    映像とはまた違う、自分で想像する楽しさが味わえる、おすすめの本です。

  • 上巻に引き続き、ダホナウトとウナーヴェンの人々、エヴィラン王、野生の森の住人たち、そして、愚かで取るに足らないと見なされながらも矜持を持ちあわせた人々の様々な立場が描かれる。個人的にはティウリの旅と活躍に重点を置いた『王への手紙』が好きだが、善と悪が明確に存在する世界で多くの人物が入り乱れ、人が善悪どちらの側にも傾きうる存在であることを描いた内容は、戦争の収め方とエピローグまで含めて納得のいくものだった。

    (敵方であるエヴィラン王の動機はどこかパッとしないが、彼ら双子の兄弟は善悪両極の象徴であって、だからこそ彼らにはあれ以上の心情の掘り下げがないのだろう。「善」の側に属するティウリがエヴィラン王の言葉に引き込まれかけ、彼とのチェス勝負の残影に縛られ続けているところをイリディアン皇太子が同じくチェスによって断ち切るという場面は、シンプルながら象徴的だ)

  • 王への手紙の続編だな、と気づき、ようやく手に取ったとき、既に王への手紙の記憶が薄れていたことに気づく。

    登場人物紹介を見て、スーっと勢いが冷めた。
    やばいやばいやばい。
    全部忘れてるわ。
    ティウリ、ピアック以外は、隠者のじいさんと偉い王様が双子だったことしか覚えていない。
    読めるのか、こんなに難しい人名がウジャウジャいる本が。。。

    案の定、前半は二種類の地図と、人名紹介をひたすら読み返しながら、慎重に読んだ。
    やはり全部忘れていたが、いろんな人物が行方不明になっている、というストーリーのおかげでなんとか読み進めた(それもどうなのか)。

    途中でヤロが出てきた時、あっ、この人覚えてる!と閃いた。
    名前の短いキャラ、強烈な役どころじゃないと覚えてられないんだよ三十代の読者は。。。

    ヒヤヒヤする展開が続き、分厚さのわりにはなかなか話が進まないんですが、やはり前の作品同様、基本的には、『美形の出ない田中芳樹』で合ってた。
    前作で中途半端だった、隣国と第三国の争いにもブラックな結末で終わった。
    本作の見所は、みどりの男たちや、野生の森の主人だった。ヤロ、ミーツ、マリウスとか、前作の重要脇役同士のやりとりがあって胸熱でしたが、ヤロはこのあとどうなったのよ、気になるー。

    しかし、まあ途中まで、私がティウリなら、たぶんイサドーロ姫をとるな、、、と思っていたら、渋いオジサン騎士と、なんだかいい感じになっていた!
    いいよいいよ、そういうの、もっと書いてよ待ってたよ。

    とにかくキャラ名が長い。聞きつけない名前が多い。(オランダだから)
    イディアン騎士≒イリディアン皇太子と、アリディアンは名前が似すぎていませんか。
    ○○ディンのインフレ、しんどかったー。
    ピアックに癒された。
    悪いほうの王様の描き方、後半ちょっと勿体無いと思います。

  • 「戦いは続いている。自分の心の平和さえ、常に勝ち取っていかなければならないのだから」というセリフと、あとがきの「悪が持つ悲しみ…善と悪とが決して単純に分けられるものではないことを知る」が印象的。

  • 中学生・高校生にぜひ読んでもらいたい本だと思いました。

  • 丁寧に描き込まれた世界に今回もグイグイ引き込まれました。
    比較しちゃうと前作の方が好きです。
    高潔なティウリも、謎めいた美女には弱いのだなあ。
    善人の双子兄も魅力的だけど、悪人の双子弟もすごく格好いいね。
    それだけにあの結末は悲しかった。
    でも片方がやられるより説得力がある。
    ピアックには、ホント、ホッとさせられる。
    別の作品も読んでみたいです。

  • 長いあいだ続いたウナーヴェン王国とエヴィラン王国の争いに、ついに終止符が打たれます。

    ティウリの騎士としての成長をうれしい思いで見守りました。
    できる息子を持った母の心境ってこんな感じでしょうか?
    ピアックも純粋でまっすぐで、前作よりも一層好きになりました。
    そしてそして、アルディアン騎士がすてきすぎなのですっ!

    本書の冒頭には、著者自身によって緻密に書きこまれた地図があります。
    地図のついている冒険物語って、なんでこんなにわくわくするのでしょう?
    何度も地図とにらめっこしていたら、いつの間にか物語にのめりこんでいるのでした。

    騎士の活躍は歌となり、長い間物語のように歌いつがれていきます。
    きっとティウリとピアックも、歌となって多くの人の心に残っていくのでしょう。
    もしかなうのならば、彼らの歌を聞いてみたいと思いました。

  • 単純な勧善懲悪の構図になってしまっているのが残念ですね。悪役だった皇太子の弟、エヴィラン国王にも何らかの事情があるのかと思いきや、ひたすら悪いやつという設定になってしまっています。

  • H市図書館

  • 士ティウリは、エヴィラン国の悪だくみをピアックとともに知らせにいく途中で、敵の矢を受け、深い傷を負った…。騎士たちが見守るなか、ウナーヴェン王国の皇太子とエヴィラン国王(じつは双子の兄弟)は、決闘の日を迎える

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