- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001145861
感想・レビュー・書評
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ローマン・ブリテン4部作の4作目。
時代は4世紀半ば。ローマ帝国は衰退の一途をたどり、辺境守備隊は過酷な環境下で多くの仲間を失いながら撤退を続ける。他の3作と比べると、読み進めにくい作品だった。
生きものの群れを連想した。群れの中で最も強いものがその群れを統率し、他の生きものと闘いながら群れに属するものたちを守っていく。
登場人物一人ひとりは、魅力的だ。「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格がない」そんなフレーズを思い出した。
群れとして生きることをやめた現代人は、貨幣経済のもとで、高度に整備された分業体制や、貿易、物流に支えられて生き延びている。でも、群れの中で自然と育まれ、磨かれていく感情や能力は、少しずつ衰退しているのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦いの元での、軍人の在り方とは…
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時代に流されながらも真摯に生き抜く
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ローマン・ブリテン4部作の最終編・・・・と言いつつも、若干これまでの3部作とは毛色が異なる物語だと思います。 どちらかといえばこれまでの3部作が主人公単独(銀の枝は2人セットだけど)の冒険という描かれ方の物語だったのに対し、この最終作は最後まで「個人」ではなく「組織の隊長」として任務を遂行する男の姿を描いた物語となっています。 他の作品との違いは他にもあって、女性がほとんど出てこないということ。 更には今作では主人公アレクシオスとアクイラ家の親族との関係性も極めて希薄・・・・・(?)で、「イルカの紋章のあるエメラルドの指輪」を受け継いでいるということぐらいしか、「家」との接点がないんですよね~。 ま、もっとも辺境の地へ左遷されちゃった男の物語なので、家だの女だのと甘っちょろいことを言っちゃいられなかったという事情はあるわけなんですけどね・・・・・^^;
(全文はブログにて)