影との戦い ゲド戦記 1 (岩波少年文庫 588)

  • 岩波書店 (2009年1月16日発売)
4.07
  • (180)
  • (176)
  • (108)
  • (17)
  • (2)
本棚登録 : 2207
感想 : 156
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • 本 ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145885

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「映画とベツモノすぎる!!」が最初の感想です。
    宮崎吾朗監督のジブリ映画を最初に知っていた分、驚きました。あれは原作から舞台と設定、名前を拝借した全く違う作品です。
    ル=グウィンが怒ったのも納得…


    主人公が背負った運命から、美しい文体に惹き込まれ、ページを捲る手が止まりません。
    “真の名”を教えてはいけない…はここからきていたんですね。
    誰もが抱えている自分の「闇」との闘い。それは年をとっても付き纏い、向き合うことになる。
    普遍的なテーマで、子供から大人まで楽しめる作品だと思いました。
    このままシリーズ一気に読破したいです。

    • workmaさん
      ピーナッツさん
      ゲド戦記、自分の愛読書です。ル・グィンさんの文章は、ほんとうにいいですよね。アースーシーが実在の世界に感じられ、人物...
      ピーナッツさん
      ゲド戦記、自分の愛読書です。ル・グィンさんの文章は、ほんとうにいいですよね。アースーシーが実在の世界に感じられ、人物に体温が感じられるのです。両親も学者、ル・グィン自身も文化人類学者ということも、物語に説得力をもたらしているのかもしれません。個人的には、シリーズ全て、と、外伝もおすすめです(ФωФ)
      2022/02/03
    • ピーナッツさん
      workmaさん
      コメントありがとうございます✨先程拝見したブックリスト、今まさに読みたい本ばかりでした!
      ほんとうに仰る通りだと思います。...
      workmaさん
      コメントありがとうございます✨先程拝見したブックリスト、今まさに読みたい本ばかりでした!
      ほんとうに仰る通りだと思います。
      ご両親も学者だったのですか…納得です。登場人物がみな生き生きとしていて、リアリティがありますね。
      今、「帰還」の途中なので、外伝まで読むのがとても楽しみです!

      同時に、この素晴らしい翻訳の仕事ををされた、清水真砂子さんのエッセイ集「あいまいさを引きうけて」 是非、おすすめですo(^_^)o
      2022/02/03
  • ずっとずっと、いつかは読むべき本だと、ファンタジーに刮目してから思っていた本にとうとう着手してしまった。

    テレビでジブリ作品として見たときは、アニメキャラが他の作品とかぶる(ナウシカのクロトア、千と千尋のカオナシ)とか、ファンタジーのモチーフとしてデジャブ感が、、そしてこの本を読んでもやっぱり既視感が。もしや過去に読んだことあるのか?と思うほど。これって他のファンタジー作家さんが滅茶苦茶本作に影響を受けてるのかしら!?

    50年以上前に書かれたもはや古典といってもいいのかと思うけど、世界観が素晴らしい。本の見開きにアースシーの世界というマップがついてるけど、小さい群島まで名前がついてて圧巻です。名前つけるだけで時間経ちそう、、。
    地図の先にあるのは果てなのか。

    ハイタカがアースシーの無二の魔法使いになるまでの物語。

    ちなみに巻末の訳者あとがきは先の巻のあらすじになっているので読む際にはご注意を。先のことを知らずに読みたければ後書きはスルーしましょ

    • workmaさん
      会社の同僚さんもゲド戦記〜アースーシーの物語を読んでるんですね…ステキな職場ですねー(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)
      会社の同僚さんもゲド戦記〜アースーシーの物語を読んでるんですね…ステキな職場ですねー(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)
      2025/03/19
    • はなちゃんさん
      本を媒体にして人との繋がりが3Dで拡散するのも本のよいところですよね!!
      本を媒体にして人との繋がりが3Dで拡散するのも本のよいところですよね!!
      2025/03/19
    • workmaさん
      同感です(⁠・⁠∀⁠・⁠)
      また、本棚に遊びに行きますねー(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)
      良き読書時間が訪れますように…╰⁠(⁠*⁠...
      同感です(⁠・⁠∀⁠・⁠)
      また、本棚に遊びに行きますねー(⁠.⁠ ⁠❛⁠ ⁠ᴗ⁠ ⁠❛⁠.⁠)
      良き読書時間が訪れますように…╰⁠(⁠*⁠´⁠︶⁠`⁠*⁠)⁠╯
      2025/03/20
  • これはファンタジー好きの僕の心にどストライクな話
    ハリーポッターとは違う、泥臭い魔法使い。ずる賢い龍。
    杖はやっぱり180センチくらいのやつだよなぁ
    最初の地図の島の多さに圧倒されたけど、読んで見たらほとんどの島巡ってる。
    世界観、ストーリーどれをとっても歴史に残る作品であるだ。

  • 68歳の老人が読んだ所感
    現実を忘れて、ファンタンジーの世界に感情移入するのはなかなか大変です。むずかしいのは事前に自分が作者の世界に同調する必要があることです。たとえて言えば、おもしろいであろうと期待して映画館に見に行く感じ、途中で期待外れとわかっても、お金を払ってまで見に来たからには最後まで見る覚悟をもつ、みたいな。
    1.魔法使いは、日本で言えば高僧。偉人のようにあがめられる慣習がある世界。
    2.魔法使いは、魔法の専門学校を卒業して地方に派遣されている。東大寺で修行した僧が国分寺に派遣されるような感じ。魔法の専門学校も東大とか早稲田とか慶応とかみたいに、いろいろ流派があるらしい。
    3.情景描写が多く自分で、文字から映像を想像しなくてはいけない。それを楽しむ必要がある。これはマンガと逆ですね。
    4.アースシーという世界の海図を、読みながらたどっていくのも旅行気分で楽しい。ジクソーパズルのようでもある。
    5.上陸する島ごとに、「ヤマタノオロチ」のような伝説がある。(各所に東洋的な世界観がある)
    6.ノコギリソウとか人の名前に違和感あり(ねじまき鳥クロニクルみたい)。覚えきれないので、相関図を作成したほうが良い。
    7.時々、展開が唐突で、シーンとシーンの経過時間の説明がない。映画のシナリオを読んでると思えばいいのか?
    8.風の谷のナウシカのテト、オーム。もののけ姫のおっことぬしみたいのが出てくる。(宮崎駿さんはゲド戦記を何度も読んだと言っていた、原点はこれか?)
    9.100マイルは160km、100kmは62マイル
    10.最初に「昔々あるところに」がないのに、最後に「だったとさ」という語り部のことばがあり、違和感を感じた。(最初に説明はあるが、「じゃ、お話をはじめようか」がないのだ。幕があがり急に役者がしゃべりだす感じ、幕が開く前に語り部が登場してほしかった)
    などが雑感です。
    大人が読んでもタメになるかは、ちょっと疑問。68歳でタメになる人は、よほど順調で挫折のない人生だったのでは・・・。

  • 全編を通してセリフや心情描写が少なく、淡白な文章が続くので、血沸き胸踊る冒険活劇というよりも、主人公の内面の苦悩に迫る純文学を読んでいるような感覚になる。

    主人公の人物造形がけっこう好き。少年期のゲドは高慢で虚栄心に満ちていて、そのくせ臆病。私の共感性羞恥をガリガリに呼び覚ます。胸がざわざわしすぎて、最初はページを繰るのが遅かった。けれど決して嫌いじゃないんです、そういう主人公。『はてしない物語』のバスチァンみたいで。

    後半、成長した青年ゲドは、自分の慢心と非力に打ちのめされ、無口で思慮深く少し卑屈。これまた「しっかり!」とそわそわさせられるけど、嫌いじゃないです。ウジウジ具合が程よくて思わず応援したくなる。

    【以下、ネタバレあり】
    「影」については、解説でユングを引いて考察されているけれど、そういう専門的な知識がなくても、自分の恐れや負の部分、直視したくない部分のことだろうなと、読んでいると想像がつくよね。己との戦いということだよね。ビジュアルとしては漫画版『ナウシカ』の皇弟を思い起こしてしまった。あれは「自分の闇の部分」ではないけど忍び寄る感じが、それっぽい。オタクの存在やテレノン宮殿も、私にはかなり『ナウシカ』を想起させる描き方なので、宮崎駿はけっこう影響を受けていたんではなかろうかと勝手に思っている。

    「名前」についての考え方が東洋的な気がした。「真名」を知られると力を掌握されてしまうってなんだか陰陽師っぽいよね。
    ガレー船が出てきたり、時代がすごく古いような描写がされていて、これは「キリスト教文化」の影響を受ける前の西洋、いや、そもそもそんなものが無い世界の話を描いているんだろうなと思う。非西洋を描いたら東洋に近づいてしまうというのは何やら面白いね。

    この作品、読みながら既視感を覚える箇所が多かった。宮崎駿だけでなく、多くの現代ファンタジーのそこかしこに影響を与えているのかもしれない。

  • 4.06/1528  ゲド戦記シリーズ
    『大魔法使いオジオンに,才能を見出された少年ゲド.自分に並はずれた能力がそなわっていることを知ると,魔法の力にさらに磨きをかけようと,魔法の学院に入る.得意になった彼は禁じられた呪文を唱え,自らの〈影〉を呼び出してしまい,〈影〉との果てしない戦いに引き込まれていくことになる.大賢人ゲドの若き日の物語.』(「岩波書店」サイトより▽)
    https://www.iwanami.co.jp/book/b269795.html

    冒頭
    『たえまない嵐に見舞われる東北の海に、ひとつだけ頭をつき出す海抜千六百メートルほどの山がある。この島の名はゴント。そして、このゴント島こそは数多くの魔法使いを生んだ地として古来名高い島である。』


    原書名:『A Wizard of Earthsea』 (Earthsea Cycle #1)
    著者:アーシュラ・K. ル=グウィン (Ursula K. Le Guin)
    訳者:清水 眞砂子
    出版社 ‏: ‎岩波書店
    単行本 ‏: ‎318ページ(第一巻) 全六巻
    ISBN‏ : ‎ 9784001145885
    受賞:全米図書賞児童文学部門、ネビュラ賞長編小説部門、ニューベリー賞


    メモ:
    死ぬまでに読むべき小説1000冊(The Guardian)「Guardian's 1000 novels everyone must read」
    わたしたちの世界をつくった小説ベスト100(BBC)「The Novels That Shaped Our World 100」

  • 面白かった。
    読みやすいしまた読みたくなる本に感じた。

  • ハイタカはオジオンの下で育っていればどうなったんだろう。
    そんな風に考えてしまった。
    偉大とは何か。ハイタカは若すぎたんだろう。
    言ってしまえば若気の至り。その代償は高くついた。

  • 3巻が一番おもしろかったー!テルーが主役になってきたあたりから、ちょっと展開がしんどくなってきたかな・・・6巻は少し盛り上がりに欠けるというか、期待していたものとは違っていた。相変わらず竜は魅力的過ぎる。児童文学に目覚めるきっかけになってくれた、この作品の力はすごい。ありがとー。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「3巻が一番おもしろかったー!」
      私は2巻「こわれた腕環」が好きです。3巻「さいはての島へ」はバトンタッチの話で素晴しいですね。
      「3巻が一番おもしろかったー!」
      私は2巻「こわれた腕環」が好きです。3巻「さいはての島へ」はバトンタッチの話で素晴しいですね。
      2012/04/18
  • 名作はできたときから名作だそうです。まだ一巻しか読んでませんが。魔法の解釈が素晴らしい。影の正体も。それ以上に自然の描写や港の人々の何気ない会話にもちゃんと血肉が通っていて、ファンタジーはスパイス程度にうまく混ぜ込まれていて、隠された真実を語っているようでした。子どもの時に読みたかったかも。

全156件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1929年10月21日-2018年1月22日
ル=グウィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。

代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。

アーシュラ・K.ル・グウィンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×