影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

制作 : ルース・ロビンス  Ursula K. Le Guin  清水 真砂子 
  • 岩波書店 (2009年1月16日発売)
4.06
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  • 76レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145885

作品紹介

アースシーのゴント島に生まれた少年ゲドは、自分に並はずれた力がそなわっているのを知り、真の魔法を学ぶためロークの学院に入る。進歩は早かった。得意になったゲドは、禁じられた魔法で、自らの"影"を呼び出してしまう。中学以上。

影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 3巻が一番おもしろかったー!テルーが主役になってきたあたりから、ちょっと展開がしんどくなってきたかな・・・6巻は少し盛り上がりに欠けるというか、期待していたものとは違っていた。相変わらず竜は魅力的過ぎる。児童文学に目覚めるきっかけになってくれた、この作品の力はすごい。ありがとー。

  • 『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』、『ナルニア国ものがたり』と並んで、世界三大ファンタジーと称される『ゲド戦記』。
     
    これまで読んだことなかったので、全6部作の第1巻を読んでみました。
     
    指輪物語やナルニア、その他のファンタジー作品と比べても、『魔法』というものにすごく重点が置かれている気がします。
     
    魔法をかけるには、魔法の対象になるものの本当の名前を知らなくてはならない。
    それだけに、他のファンタジー作品に比べて、『魔法を使うことの難しさ』というものが伝わってきます。
     
    物語の中心は、ゲドが自分の過ちから自ら呼び寄せてしまった『影』との対決。
     
    追いつ追われつしながら、最後の決戦を迎える。
     
    全体的に『大人向けのファンタジー』と言っていいでしょう。

  • 現代文に慣れ過ぎて思いのほか苦戦。

    老いを待たずに竜王、大賢人とふたつの名誉を勝ち得たゲド。
    1巻は魔法使いになる前からお話が始まります。
    自分の力に自惚れ、先輩に見栄を張り、出来もしない死人の霊を呼び寄せたゲドは霊ではなく得体の知れない影を呼び寄せてしまいます。
    なんとか一命はとりとめたものの、その恐ろしい影に付き纏われる毎日が始まり...まさに影と闘い続ける姿が描かれています。

    たいへん暗~いお話でしたが、ゲドを通してひとの弱さや愚かさに気づかされます。
    私の想像力がもっと豊かだったらもっと楽しめたのだろうなとも。

    冒険譚なので会話が少ないのがちょっと難点ですが、(島の名前も覚えられない...笑)がんばって最後まで読んでみようと思います。

  • ファンタジー小説は大好きですが、このシリーズはどういうわけかとっつきが悪く、何度も途中で本を閉じてしまっていました。
    ジブリのアニメ化からしばらくたった今、ようやく読了。
    主人公がほぼ呪われたような運命を背負うという立ち位置は『指輪物語』と似ていますが、話の中心であるゲドが野心的な未熟者として描かれている点が、これまでのヒーロー像とは違っています。
    普通の人間くさい打算や下心があまさず描かれているため、はじめのうちは全く彼のことが好きになれません。
    おそらくそれが理由で、なかなか読み続けられなかったのでしょう。

    まったく現代的なヒーロー像。その分、あまり距離を感じることなく、読者はゲドの体験を共に追って行けます。
    第1巻なので、まだ自分の力をコントロールできておらず、精神も成熟していない、荒々しいままの青年像。
    世の中の不幸を消すわけではなく、自分のおごりが招いた災いを消すという、大いなるひとりよがりのようなパーソナルスタイルの強い設定。
    強い自我を持ち、もがきながら、成長していく様子が2巻以降にも描かれていくのでしょう。

    野性児のような彼の補填役として登場するカラスノエンドウの存在が、重苦しい悲劇に救いを与えています。
    孤独であるべき魔法使いでありながらも、孤独すぎると判断を誤り、道を間違いかねないため、信頼のおける存在が必要不可欠。
    生きていくとはかくもバランスの難しいものかと思います。
    もはや、絶対的価値ではなく、相対的価値観の社会で生きている我々には、昔ながらの物語は、パターン化しているような印象も受けるもの。
    時代の移り変わりの中で、生まれるべくして生まれてきた物語でしょう。

    自分と対峙し、戦い続けて行くという成長譚。
    また、通り名と真の名という区別は、対人関係の壁を作る現代人を写しているようにも思えます。
    現代風で、哲学的でもあり、コアな読者に支持されているということが頷けました。

  • "自分がしなければならないことは、しでかしたことを取り消すことではなく、手をつけたことをやりとげることなのだ。"

    テーマは"責任"と他の人がレビューしていてなるほどと思いました。

    淡々とした語り口で、すすすッと読みました。淡々と窮地に陥ったり、脱したりするゲドの姿が新鮮でした。

  • 十数年ぶりに読んだら、だいぶ忘れていた。
    はじめて読んだ小学生のときは、真の名を知ることが肝要であるという魔法のあり方が新鮮に感じられて、そこにとても惹かれていた。それに、群島というか、数多の島と海もまた魅力的だった。
    久しぶりに読んで、アバラットの島々が好きなのも納得した。(笑)
    原点はこれだ。

    子どもの頃にはわからなかった、影に追われるゲドの苦しさがあらためて身にしみた。
    十数年を経て読んで、感じ方こそ違うけれど、それでもやっぱり好きな作品。
    ふいに気になって読んだ1巻だったけれど、次も読む。

  • ゲドシリーズ3巻まで読みましたが、
    一番良かったのが、第一巻でした。
    最後の結末で、衝撃が走り、
    そうきたかと涙しました。
    光と影の関係を、
    深く考えさせられた一冊です。
    多分、私がこれだけ衝撃を受けた本は、なかなか現れない気がします。

  • 作者のル=グウィンが最近亡くなったのを知り、名前だけは、たぶんジブリの映画から知っていた「ゲド戦記」を読むことにした。戦争もののファンタジー小説と勘違いしていたのは、短いけれども非常にインパクトのあるタイトルからだと思う。原作では題名が違う。
    第一巻は、少年ゲドが魔法使いになるまでの修行と自分との戦いの話である。全てのものに「真の名」がついている多島海の世界では、名前を知る者がそれらを操ることができる。そのような力を持った者たちの頂点にいるのが魔法使いである。魔法の才能はあるが貧しく粗野な環境で育った教育のない少年ゲドが、魔法使いになるための学校で修行をする。優秀なのだが、ライバルへの妬み・憎しみと名誉心に絡め取られ、別世界から「名のないもの」を呼び出してしまう。終いにはその影のような黒い奴に追われ、心身ともに蝕まれていくというのが中盤過ぎまで。その後は「影」との戦いで一気に最後まで読ませる。「影」は空虚であり、飲みこまれると体を乗っ取られる。次第に存在が大きくなり、最後はゲドの姿になって歩き回る影は不気味でリアルである。
    影は、弱さ、傲慢さ、名誉心、妬みなど、自分自身の心の中の光のあたらない部分を象徴したもの、つまり分身ではあるが、心が支配されてはいけない負の部分である。逃げても逃げても追ってくる影に疲れ果てたゲドは、逆に影を追うことによって、最後は影を制する(というか自分の中に取り込んで)。この発想がすごい。まるで私たち自身の戦いと同じではないか。生きるっていうのはこういうことではないのか。物語としての圧倒的なエネルギーを感じる。

    若い時に読んでおくと良い本だなあと思った。できれば中学生くらいのうちに。

  • 2017.1月。
    2017年一発目。
    実は初めてのゲド戦記。
    おもしろい!
    これはなんだ?
    こんなすごい物語がかけるのか。
    心にズンと響く言葉が溢れていた。
    世界の均衡、光と闇、自分の闇と向き合うこと。闇と共に生きること…。
    ゲドが闇を受け入れることを教えてくれた。

  • 初めて読んだ時は確か中学生の頃だったと思うが、結末に衝撃を受けたことしか覚えていなかった。というより、内容を咀嚼できていなかったように思う。
    世界の果てまで己の影を追いかけ、影とひとつになることで完全になる。いい大人になった今、その結末は、現実的で困難だからこそ恐ろしい。

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