影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

制作 : ルース・ロビンス  Ursula K. Le Guin  清水 真砂子 
  • 岩波書店
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レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145885

感想・レビュー・書評

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  • 児童文学回帰キャンペーン。引き込まれて、一気に読み切った。現状自分の欲する要素があった。代償とか均衡とか克己とか色々。

  • 哲学的すぎ。
    人の生きる意味とか、ありかたとか。
    自分の闇と向き合うとか。

    魔法には代償がともなう。
    世界の均衡。調和。
    光には影がつきまとう。

  • 引用
    ・ただ必要だからというだけでは、力は発揮されない。そこに知識がなくてはならない。
    ・光に影がつきもののように、力に危険がつきものだ。
    ・礼儀作法は人をつくる。
    ・魔法使いはまず何事もよく知らねばならん。そして、まこと、それが必要となるときまで待たねばならん。あかりをともすことは、闇を生み出すことにもなるんでな。
    ・海の羽毛、これ、すなわり泡というわけじゃ。
    ・魔法使いの力にかなうものは、自分の身近なもの、つまり、全てを正確に、あやまたずに、その真の名を言いうるものに限られるンじゃ。
    ・不興気(ふきょうげ)にー興味がなくなること、機嫌が悪いこと。特に目上の人の機嫌をそこなうこと、親・主君など、目上の人の怒りに触れてとがめを受けること。勘当を受けること。
    ・そなたとそのものとは、もはや、離れられぬ。それは、そなたの投げる、そなた地自身の無知と傲慢の影なのだ。
    ・人の本名を知る者は、、その人の生命を掌中(しょうちゅう)にすることになるのだ。
    ・子供のころは、魔法使いに不可能なことなどないと思っておったろうな。わしも昔はそうだった。わしらはみんなそう思っておった。だが、事実は違う。力を持ち、知識が豊かに広がっていけばいくほど、その人間のたどるべき道は狭くなり、やがては何一つ選べるものはなくなって、ただ、しなければならないことだけをするようになるものだ。
    ・人は知らないものに対して恐怖を抱くものだ。
    ・闇を倒すのは光りだ。
    ・もし、またひげ出したとしても、むこうは、きっとまたわたしを探し出すだろう・・・。それに、こっちは逃げる事に体力を使い果たしてしまうに決まっている。
    ・木端微塵(こっぱみじん)
    ・「誇りこそいつだってきみの主人だったもんな」
    ・影から逃げるのをやめて、逆に影を追い始めた時、相手に対するおれのそういう気構えの変化が当の相手に姿形を与えたんだと思う。もっとも、それからというもの、こちらの力も奪われなくなったがな。おれの行動はどれもこれも、必ずむこうに反応をおこさせるんだ。おれの分身みたいだよ。
    ・ゲドは勝ちも負けもしなかった。自分の死の影に自分の名を付し、己を全き(まったき)ものとしたのである。すべてをひっくるめて、自分自身の本当の姿を知る者は自分以外のどんな力にも利用されたり支配されたりすることはない。
    この世の最古の歌といわれる『エアの創造』にもうたわれているではないか。「ことばは沈黙に、光は闇に、生は死の中にこそあるものなれ。飛翔せるタカの、虚空にこそ輝ける如くに」と。
    <あとがきより>
    ・アメリカの作家でエリノア・キャメロンはこの『影との戦い』を論ずるにあたって、心理学者ユングの説をひき、ゲドを苦しめた“影”はふだんは意識されずにある私たちの負の部分であり、
    私たちの内にあって、私たちをそそのかして悪を行なわせるもの、本能的で、残酷で、反道徳的なもの、言い換えれば、私たちの内にひそむ獣性とでも呼ぶべきものではないかといいました。人は誰も、自我に目覚め、己の内なる深淵を覗き込んだその日から、負の部分である影との戦いを始めます。それを否定しようにも否定しえない影の存在を認め、それから目をそむけるのではなく、しかと目を見開いてその影と向いあおうとする戦いであり、さらにその影を己の中に取り込んで、光の部分だけではなくこの影の部分にもよき発露の道を与えてやろうとする戦いです。困難な戦いですが、おそらくはそれを戦い抜いて初めて私たちの内なる均衡は保たれ、全き人間になることができるのでしょう。
    ・文学とは「個たる人間の根源においてその社会、世界、宇宙とのつながりを全体的に把握しながら、
    人間であることの意味を認識してゆこうとする言葉の作業である。」

  • この物語の主人公はタイトルにもなっているゲド。
    優れた魔法使いの資質をもつ黒い肌の少年です。
    彼はゴント島に生まれ育ち、ろくに魔法の教えも学ばないのに、霧をあやつりカルガドの戦士を追い払います。
    やがてゲドは偉大な魔法使いオジオンの弟子となり、その後オジオンの紹介で魔法学校で魔法を学びます。
    その間も、その後もずっとゲドには影がつきまとう。
    その影はゲド自身が呼び出したものであり、やがて彼はその影から逃げ、反対に追いかける事となる。

    描写が素晴らしい。
    ちょっとした魔法のシーンなど、これを映像で見たら「ほぉ~」と感嘆の声が出るだろうと思います。
    大体、こういう壮大なストーリー、世界観を頭の中で考え、イメージし、緻密に書き綴るというのが信じられない能力だと思います。
    ただ、文章は読みにくい。
    児童書だというのに・・・頭に入ってこない箇所が何度もありました。

    私がこの本を読もうと思った動機は「自己発見の旅のツール」としてだったので、読んでいる間、ずっとこれは何を言いたいのだろう?心理学的にはどういう意味なんだろう?と考えながら読み進めました。

    すぐに分かるのはこの本のタイトルになっている「影」
    影=シャドウはもう一人の自分。
    ゲドは最初、虚栄心と未熟さ(と私は読んだ)からその影を呼び出してしまう。
    そしてその後もプライドだとか、怒りだとか、対抗心だとか、そういったものから影につきまとわれるようになる。
    そのせいで、周りの人間も犠牲になってしまう。
    影がもう一人の自分ならば、自分を徹底的に追い込み滅ぼすのも、そしてそれを受け入れて味方にしてしまうのも全ては自分、自分自身なのだと思う。
    自分の最大の敵は自分であり、味方も自分なのではないか?
    これを見るとそう思いました。

  • 魔法使いなのに、簡単に魔法を使わないところがおもしろい

  • ジブリのゲド戦記とは別物だった。原作は面白く、難しかった。心理学の要素が組み込まれているようだ。自身の恐れることに逃げずに立ち向かわないと、いちまでもその恐怖から逃れることは出来ない。

  • ル・グインさんの世界観にすっぽり包み込まれた読書時間でした。
    このシリーズは、とても長い時間をかけて書かれているので、作者の考え方の変遷が見られるといわれていますが、どれもはまりました。
    中でもこの1巻は、ファンタジーでありながら、歴史物のような匂いを感じさせて、大むかし、どこかで本当にあったことにように感じさせられてしまう。
    遺跡や祭祀、言い伝え、など世界中に散らばっている太古の営みを連想しました。

  • 受験中に読んだんだけど
    記憶が・・・えーと

    まず母上にゲド戦記だけは10代で読みなさいっていわれてハードカバーのひっぱりだしてきて(いま思うと受験後読めばよかった)
    ジブリのつまんなかったかんなーと思ったんだけど
    これはすごくおもしろかった

    ゲドの考えることとか全部わかった気はしないけど
    なんとなくわかるような
    うぬぼれちゃうとかライバルに自分がすごいことみせたいとか
    だめって言われたことしたいとか
    あいつむかつくとかうらやましいとか
    若いなーーーーー
    いやあんまり年変わんないけどさー

    最後のおわりかたがバンプオブチキンの歌詞みたいだなーって思った笑

  • 『ゲド戦記』三部作(当時)を初めて読んだのは高校生の時。図書室の司書さんのおすすめで。翻訳者が高校のOBだと教えてくれた。静岡書店大賞の児童書・名作部門に何を投票するかを考えていてこの作品のことを久しぶりに思い出し、少年文庫版が出てるのを知って思わず買ってしまった。読み返すたびにその時の自分自身を発見するような気がする。その時でないと思わないこと、今だから判ること、が作品に如実に反映する。

  • 小学生で初めて読んだときには意味がよくわからなかったので機会があったら読み返したいなあ。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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