影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)

制作 : ルース・ロビンス  Ursula K. Le Guin  清水 真砂子 
  • 岩波書店
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本棚登録 : 990
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145885

感想・レビュー・書評

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  • すごく深い作品で何度も読み返したい作品。
    テーマは「責任」
    主人公ゲドの驕りと葛藤、そして最後の影との「融合」...
    最後はどうなるかとハラハラして読みました。
    結局、自分の蒔いた種は、良い物悪い物関係なく刈り取る「責任」があるのです。

  • 主人公の少年ゲドが暮らすアースシーという世界では、「言葉(名前)」が強大な魔力を持っていた。第1巻「影との戦い」では、アースシーで伝説の魔法使いへと成長を遂げていくゲドの生き様が描かれている。

    アースシーの世界では、簡単に真の名を他人に教えてはならない。なぜなら、真の名を手に入れることが即ち、その名を持つ者を支配できるということだからだ。自分の真の名を相手に知られれば、自分が相手に操られる危険性がある。逆に言えば、相手の真の名を手に入れれば、相手を服従させることができるのである。だから、本当に信頼できる少しの人にしか真の名は教えられないのだ。
    ゲドは魔法使いとしての天賦の才能を持って生まれてきた。大魔法使いのオジオンに才能を見出され魔法学校で勉強することになるが、その才能ゆえ自信家であり、悪く言えば傲慢ですらあった。そして、自分の力を誇示したいがために、とうとう禁断の魔法に手を出してしまい、黄泉の国から忌まわしい「影」を呼び出してしまう。ゲドは「影」に命を狙われ、「影」に怯え、「影」から逃げ続けなければならなくなる。「影」に打ち勝つためには、「影」の真の名を手に入れるしかないのだが、それがなかなかわからない。ところが、「影」は既にゲドの真の名を知ってしまっている。ゲドは絶対的に不利な状況にあった。「影」の真の名とは一体何なのか?
    当て所もなく彷徨い、何度も危険な目に遭いながら、ゲドは少しずつ「影」の正体に迫っていく。はじめは逃げるだけしかなかったゲドが、自ら「影」と対峙しようとする心境へ変化していく様に魅せられ、ゲドとその親友カラスノエンドウとの友情に胸が熱くなること受け合いだ。

  • 後に大賢人と語られるゲドがまだ若かりし時の、己を知るまでの、己を知るための物語。
    ファンタジーは殆ど読まない人間だけど、ル=グウィンの描くアースシーの世界にすっかり魅了されてしまった。

  • ジブリ映画を観て、原作を読みはじめました。

     世界観がわかるまでまどろっこしいところがありますが、慣れてくると面白くなってきました。「影」との戦いという地味な設定は、児童書なのにどうなの?って思うところもありますので、中学生くらいのこども向けかもしれません。
     竜との戦いの章がありますが、もうちょっと派手に戦ってくれたら戦記という印象も残りますが、どちらかというと内省的な描写が全編に渡って多いので、巡礼記という印象を受けます。
     これがいいのか悪いのかは全巻読まないとなんとも言えません。

     ジブリ映画の描写は、原作を読まなければわからないことだらけのようです。

  • ハイファンタジー。
    少年ゲドの成長物語。
    自分の影に打ち勝つという、分かりやすい話だが、よくまとまっていて読みやすい。
    世界設定が綿密だが説明が多く、またその多くが本筋に必要とはいえない。作者が設定魔で、自己満足しているように思える。
    神視点の描写が多く、主人公視点の細かい描写はあまりない。淡々と進む。

  • 世界設定は綿密に練られている。そのアースシーの世界は魅力的だ。反面、キャラクターの描写は最低限に抑えられており、ハリーポッターなど現代風のファンタジーものに慣れている方は物足りなく感じるだろう。ハイファンタジーの傑作であることは間違いない。一度は目を通しておきたい作品である。

  • 金曜ロードショーでのゲド戦記放映を見て、かつ原作既読者の反応がおもしろかったので、原作に手を出してみた。

    闇の左手を先に読んでいたので、文章に関しては特に読みづらいとは感じなかったが、文章自体が淡々としていることにあわせ、物語に起伏があるかというと首をひねってしまう展開なので、冒険活劇が好きな方は読みづらかろうと思う。一言でいえば地味である。

    求道の物語、なのかな。影の名前は、物語を読むのに慣れている方はすぐにわかると思う。

  • It is over.ここで、ここでゲドが笑うときに、私の目からは涙がポロリ〜と必ずこぼれるのですよ。初めて、英語版で読んでみました。I am whole, I am free 感動は同じだ。

  • キャッチーではないし派手なストーリーでもないけど、読みやすいと思う。

    主人公のゲドは前半では傲慢な若者として、
    後半ではそれを後悔し、その償いをしようとする老成した人間として書かれている。
    老成というと暗い言い方かもしれないけど、人生の中の大きな失敗をしたとき、人はその意味を考えずにはいられないだろうし、特にそれが若い時ならそんな感じになるのでは、と思わせた。

    ゲドにまじないの手ほどきをした伯母や、最初の師であるオジオン、
    無二の親友カラスノエンドウ、ロークの学園の賢者たち(特に守りの長)など魅力的な人物が多く、
    大変そうだけどこんなに人間関係に恵まれているなら魔術師の人生も悪くないねw

    悪者も、悪者すぎず、人を小馬鹿にするのが趣味だったり、騙すのが好きだったり、生きてると会わずにはいられない卑しい悪者でファンタジーだけど生々しかった。

    日常生活の端々で現れる魔法の使われ方が、ただの便利なものとしてではなく世界の理や異世界との触れ合いであることが繰り返し表現されていて、そこはファンタジーらしくて素敵だった。

    言葉遣いはそんなに古いとは思わなかったし、読書に慣れていれば10歳くらいから読めそう。

    ずっと気になっていたけど、途中で飽きそうだと思って手を付けてなかった。でも全然退屈せずに読めました。続きも読もうとおもいます。

  • アニメより、よっぽど面白い。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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