ドラゴンフライ アースシーの五つの物語―ゲド戦記〈5〉 (岩波少年文庫)

制作 : ディビッド・ワイヤット  Ursula K. Le Guin  清水 真砂子 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (558ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145922

作品紹介・あらすじ

ある少女が、自分の持つ力をつきとめるため、大賢人不在の魔法の学院ロークを訪れる。表題作を含む、アースシー世界を鮮やかに映し出す五つの物語と、作者自身による詳細な解説を収録する。

感想・レビュー・書評

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  • ゲド戦記全6部作の内の5作目。
     
    これまでの4巻に比べて、
    ゲドの出番がほとんどありません。
     
    副題にある通り、5つの短編が語られています。
     
     
    今回の5つの作品には共通したテーマがある。
    読んでいて私はそう感じました。
     
    それは『勇気』。
     
    楽な方に流れるのではなく、
    自分の正義を貫く『勇気』。
     
    自分のやりたいことをする『勇気』。
     
    伝統を壊す『勇気』。
     
     
    あなたは『都合のいい言い訳』をして
    結局何もやらずに、後で後悔した、
    なんて経験はありませんか?
     
    もし思い当たることがあるなら、
    この作品を読んで、自分の『勇気』を
    奮い立たせてください。
     
    『勇気』を出したい大人にこそ
    読んで欲しい作品です。

  • ゲド戦記、アースシーを舞台にした短編集だが、これは4と6と同時進行で読むか、4、5、6と順番に読むのがいいかもしれない。
    作者がどうしてフェミニスト作家と呼ばれるのか、よくわかった。フェミニストといっても、エコロジカルフェミニストという範疇にはいるのではないだろうか。
    女をどう描くかというのは常に挑戦のようなものではないかと思う。女の描き方は画一化されていたり、変に理想的だったり、添え物のようだったり、ヒロイン、登場人物として魅力的、オリジナリティがある人物像を描くのは難しいと思う。
    しかし、ル・グウィンの描く女たちはどうだ。ファンタジーなのにリアル。等身大なのに奥底に何かとても価値があるものが秘められているような感じがする。どの女もそうだ。

    「ドラゴンフライ」のアエリアンもそうだが、女は待ち、受け入れ、導き、そして自分だけで完結することもできれば、仲間とつながることもできる。根のように大地に広がり、揺るがない。支配ではなく連帯、男とでさえもそういうことができる。男は有史以来、女の支配しか頭になかったのに。
    そういう不条理とそこからの脱出、解放を書いたのが、女の側から見たゲド戦記かなと思う。ゲドという英雄の物語ではあるものの、その英雄さえ魔法の力を失ってただのおじさんになり、力があると思われていた知の拠り所ローク学院が、実は女によって作られて女によって救われるっていうのが、象徴的である。現実の世界でままならないことをファンタジーの世界でやってのけ、かつそれが実現することを夢として描き出すというのは、まさに文学的だと思った。

  • 短編集。表題作を含め、既存の価値観を覆すことによって、世界の均衡を取り戻そうと試みる人々が描かれており、楽しんで読み進めました。
    ただ、キーパーソンとして「女性」が強調されることや、運命論?的な価値観にもやもやっとしました。
    男性が束縛されている禁欲と力(この世界でいう魔法)の関係から解放するのがいつも女性っていうのもどうなんだ。
    結局女性は「選ばれしヒロイン」で、堅苦しいこと言っといてナイト的男性が必ず登場するし。
    ラブロマンスが書きたいなら素直に書いたらいいのに。
    って思ってしまいました。

  • 五つの短編小説で、ロークの成り立ちや長編では詳しく書いていなかったエピソード、また、『帰還』を踏まえての物語など。アースシーの世界が広がった。「地の骨」が一番気に入ったかな。フェミニズムが云々と言われるけれど、男だから女だからどうあるべきという考え方はやっばり不自然。

  • 外伝と言いつつ、6冊目「アースシーの風」につながってます。
    ひとつひとつの小さな短編にも、著者が全力で立ち向かってるのがよくわかります。これぞファンタジー。

  • 当初は「ゲド戦記外伝」という題で出されたもの。アースシーの五つの物語が描かれている。「カワウソ」「ダークローズとダイヤモンド」「血の骨」「湿原で」「ドラゴンフライ」の五作品。

  • ゲド戦記五作目(日本的には?)。

    いくつかの短編集で構成されている外伝的作品。
    個人的なオススメは地の骨とドラゴンフライ。

    オジオンの昔話はぜひ読みたかったから嬉しかった。
    そして、彼だけはオジオンの方がしっくりくる。

    ドラゴンフライについては、四作目と六作目の繋ぎの
    話でもあるから、これだけでも絶対読むべき。

  • 大きな本のほうも持っていて、内容は知っているんだけど、手軽に読みたいため、こちらも購入。これから大人になっていく子どもたちに読んで欲しいシリーズですが、児童文学というジャンルにしてしまってはもったいないと常々思う。

  •  異世界ファンタジー。魔法使いや竜の存在する、アースシーという架空の世界を舞台に生きた伝説の大賢人・ゲドの生涯を綴った壮大な叙事詩。

     第一巻では、飛びぬけた魔法の才をもって生まれたゲドの少年時代、若さゆえに犯した過ちとその償い、自分自身の影との長い戦いについて描かれています。
     以後、巻を重ねながら、やがて大賢人となったゲドが人々を襲う竜と戦い、闇の世界に囚われた巫女を外に連れ出して平和の象徴である伝説の腕輪を取り戻し、長らく不在だった王を即位に導き、不死を求めた魔法使いによって崩された世界の均衡を取り戻し……と、さまざまな伝説を残していきます。
     第四巻からは、それまでの戦いによって力を失い魔法使いではなくなったゲドの、その後や、竜でもあり人でもある不可思議な宿命を背負った娘たちの話などが綴られていきます。

     アニメ映画にもなりましたね、あっちはどうも今ひとつだったけど。(つまらなかったということはないのだけれど、途中から理解を超える超展開だったような……)
    「ファンタジー好きなら読まないと嘘だ、映画のことは忘れろ」と人に言われていたので、そのうち読もう読もうとずっと思っていたのだけれど、なんとなく先延ばしになっていました。馬鹿か私は。さっさと読んでおくべきでした。面白かった!
     歴史、人々の行動様式や言語、文化、宗教や神話、自然などの背景、魔法等々の設定がとても緻密で、そういうのが好きな人間にはかなりたまりません。

     ストーリーはというと、やや好みがわかれるかもです。神話的なものが好きならハマると思います。シリーズの後半になるにつれて、壮大さが増すと同時に抽象性が増してきたような感じがあって、個人的には三巻までのほうが、より好きだったかなあ。でも五・六巻の竜と人間の間のエピソードそのものはすごく好きで、最後まで読んでよかったとも思うのですが。

     ともあれ、とても楽しめました。ファンタジー好きな方なら一度は読んでおいて損はないと思います。

  • トンボが、トンボがドラゴンフライに…ドラゴンフライに…!!!!!

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