アースシーの風―ゲド戦記〈6〉 (岩波少年文庫)

制作 : ディビッド・ワイヤット  Ursula K. Le Guin  清水 真砂子 
  • 岩波書店 (2009年3月17日発売)
3.91
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  • 本棚登録 :201
  • レビュー :12
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145939

作品紹介・あらすじ

故郷で暮らすゲドのもとを、まじない師のハンノキが訪れ、奇妙な夢の話をする。そのころ、ふたたび竜が暴れ出し、アースシーにかつてない緊張が走る。世界を救うのは誰か。レバンネン王は、テハヌーたちとロークへ向かった-。

アースシーの風―ゲド戦記〈6〉 (岩波少年文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 最後まで読んでようやく面白さがわかったのと、やっと解放される喜びと。

    ゲド戦記は、ファンタジーだからといって特別ワクワクするわけでもないし、魔法使いが出てくるからといって勇敢で立派なわけでもない。
    でもこれは現実社会にも通ずるところであって、人間は愚かなんだということを痛烈に伝えているように感じた。そしてそれでも生きていくんだということも。
    多くの人が哲学書のようだというのも納得です。

    最終巻はいままでの登場人物たちがロークへ集結していくまでの過程が面白かったものの、これも毎度のことだが、肝心の盛りあがるべきところでは妙にあっさりした展開に不完全燃焼。
    でもいつもこんな感じだったから、きっとこういうものなんだと諦め半分で読み終えました。

    時間はかかったけど読んでよかった...たぶん。

  • ゲド戦記、いよいよ最終巻。
     
    この作品を通して思ったのは
    『大人のファンタジー』。
     
    『ハリーポッター』や
    『ロード・オブ・ザ・リング』、
    『ナルニア国ものがたり』といった
    数々の名作ファンタジー作品は
    児童文学にカテゴライズされることが多いのですが、
    この『ゲド戦記』だけは
    大人向けの骨太な作品、という印象を持ちました。
     
    それも巻ごとに
    『死とは何か?』
    『勇気を持つこと』
    『正義とは何か?』
    といった大きなテーマを持っており
    読み進めるごとに読者を
    成長させてくれる作品でした。
     
    これで終わり、というのが名残惜しい作品です。

  • 難しい

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「難しい 」
      チョッとね。
      多分zuikaku50さんがテナーと同じ年頃になったら判るようになるかも。。。
      2012/08/28
  • ゲド戦記の五冊目。
    あとは外伝を残すばかりで、本当に、ほんとーに最後の物語。

    読者の面から言うと感動したし、

    作家志望の者として言うと勉強になった。

    どうやって世界の謎を読者に分かるように書いていくのか。読者が答えを筋道立てて書かない。登場人物の言動から読者に考えさせるという、今まで出会ったことのない書き方がなされていた。
    理解しようとつとめてちょっとページをめくる手を休める瞬間がたまらなかった。これはすごい!

    登場人物たちの動きを追うだけじゃなく、一緒に考えて、一緒に答えに辿り着いた感覚。

    すべてが解決したあとの美しい情景を一緒に体験している感がすごかった。


    そして、作者が文化人類学をやっているからなのか、
    昔話、伝わる歌、伝承などとの絡みが多くて世界観がしっかりしているという印象を受けた。
    これほどの壮大な設定を動かすなんてグウィン先生は天才。私もこんなふうになりたい!

    未だかつて読んだことのないほどの壮大な物語でした。ゲドたちを一緒に旅をして、その旅が終わったという感じでいっぱいです。

  • 「分割、また分割」がなされた。古い出来事の真実が明らかになり、同時に新しい秩序が生まれた。それぞれがあるべきところに収まる。もしも、選べるなら西に行く風に乗りたいと思った。ゲドの一生は、テナーと穏やかに暮らせるだろう。ラストの二人がかわす言葉が良い。長い物語だったけれど、読み応えがあった。きっと、また読み返そうと思う。

  • 玉石垣で有名な八丈島で、石垣の上に腰掛けて読みました。

    生死の国を分ける石垣。
    アースシーとは違う風にのって西へ行くとたどり着く死者の国。
    東の、最新技術の魔法は遅れてるけれど太古の力の残る国から渡ってくる輪廻思想。

    3巻目から登場するレバンネンの葛藤がいいです。
    王子と慕われ、優れた王として治世をおこなってますが、表面を取り繕いつつ内面は些細なことを他人のせいにしていらっとしてる。
    皇女に対する蔑みと恋心を混乱させてる風情。

    抽象的な描写の大円団だけど、落ち着く場所に落ち着いてるし、これで本当に最終巻だなって思います。

  • ゲド戦記の最後の作品。
    死とは、永遠の命とは何なのか、レバンネンやテナー、ハンノキらはさぐっていきます。アーキペラゴの人々は、死後、石垣のむこうで永遠に生き続け、カルカド帝国の人は、生まれ変わることによって永遠に生き続けるという、テナーが感じた生死観の違いのなぞも、竜と人間の関係があかされ、解かれていきました。

  • 世界は様相を変え人は収まるべき処に収まり新しい始まりと懐かしい安寧へ。かくも鮮やかな結末に感慨に満ちた一息をつく。三巻で終わったと思っていたのであのめでたしめでたしの後にこんな展開が待っているとは思ってもいなかった。作者も思ってなかったんじゃないだろうか。ここまで連れてきてくれてありがとうという気持ち。

  • ゲド戦記最終作。

    アスーシー全体の成り立ちや竜と人間の関係性等
    1つ1つの謎が解き明かされていく。

    常に物語の中心にあったはずのハード語圏が
    そういう場所だったのかと、気づかされた時に
    やられたなーと思った。

    この話のあと、人は人として生きていくのか
    すごく気になるところ。

  •  ゲド戦記シリーズの最終巻。
    第一巻が30年以上前に書かれたもののに対し、本作は原作が書かれてから10年程度しか経過していないため、随分と読みやすい。
     これまで、作者が無意識にはっていた伏線のいくつかが、一本になり、気持ちよい形で終わる。世を反映してだろうか、自分の生き方や心の琴線に触れるフレーズがいくつか見られた。

     レビューでは、ゲド戦記とハリーポッターシリーズを比較して書くことが多かったが、全館を読み終えたいま、訳者によるあとがきもヒントにして両者の作品の最大の違いにやっと気がついた。

     ハリーポッターシリーズのJ.K.ローリングが、第一巻から意図的に多数の伏線を用意して最終巻まで物語を綴っているのに対して、アシュラ・K.ル=グウィンは、本能の赴くままに物語を綴り、その物語をたどっていくうちにまた新たな物語と自身が出会い、執筆していくスタンスである、ということだ。
     もちろん、二人は世代も、作家がすべて同じスタイルで執筆するとも限らない。国民性が違えば、たとえ同じ言語を操る人間でも考え方も異なってくるだろう。

     この2ヶ月間、私は全く間違った方法でゲド戦記をとらえようとしていたようだ。

    世の中にはまだまだ、たくさんの良書と呼ばれる児童書が存在する。今後様々な作品に触れる際、今回の反省が生かされるとよい。

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