王のしるし(下) (岩波少年文庫) (岩波少年文庫 596)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001145960

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  • 紀元0年前後を舞台にしたサトクリフの作品。
    剣闘士フィドルスは自由を手に入れたが、身の振り方に戸惑っていた。
    彼に持ちかけられたのはケルト族の不具にされた王子の身代わり。
    簒奪された王位を取り戻し、彼の(身代わりとなった王子の)部族の地位を復権させるべく尽力する。
    人が生きるための目的とはなにか、自分のものではない人生でも目的となりうるのか。
    主人公はすでに大人であり、成長物語としての側面はないが、幾つになっても考える生きる目的というものを考えさせられる作品。

  • 途中で中断したら何だかわからなくなった。目をつぶされて王位を簒奪された悲劇の人だと思っていたマイダー、なんだよサイコパスじゃないかとガッカリ。
    この人の歴史ものはかなりの頻度で主人公が障害を負う。主人公フィドルスは自慢の容貌を無惨に傷つけられる。作者自身の身体的事情が反映されているのだろうか。

  • 児童文学に位置付けられているが、濃厚な人間の成長物語だ。古いスコットランドが舞台というのは初めて読んだ。どんな武器で、どんな格好で、どんな戦をしていたのか、イメージしきれなかった。

  • 上巻で設定した伏線を、無駄なく全部活かしている!
    「王のしるし」は、子ども向けなので、清々しく仕上がっているけれど、大人向けだと「落日の剣」みたいな、苦い結末になる。
    背景のゆるい相関や、似た設定がで違うストーリー展開、というのが割とあるので、サトクリフの本は、出版年度順に読んだ方が面白い。

  • 部族間の抗争とか、誇りとか、さらりと書かれているけど、結構読み解けないところがあった…児童文学で誇りにふれる。 人を奴隷でなく、王にするのは、その人の精神のありようと、行動。 器が人を作る。器にふさわしくあろうとするのも大事なんだろうなあ

  • 堂々たる王になったなぁ。
    終わり方にぐっとくる。

  • この物語の主人公、フィドルスはただ単に見た目が馬賊の王マイダーに似ているというだけで、王位を追われたマイダーの替え玉として雇われました。  常に雇われて、人に使われる立場だったフィドルスが偽りの・・・・と言えども、「王」となり、「王」として振る舞ううちに、彼は「王」になっていきました。  これは彼がある意味で「あるべき王の姿」という一種の Vision をぶらすことなく、その役目を真剣に務めてきたからこそ得た境地だと思うんですよね。

    最後に「王のしるし」を体現したのは、フィドルスであったけれど、同時にマイダーもであったところに物語の深みを感じました。  プロット自体はちょっと安っぽい感じがしないでもなかったけれど、最後の引き締めがあってその安っぽさが消えた・・・・そんな印象でした。  素敵な物語でした。

    (全文はブログにて)

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