フランバーズ屋敷の人びと 1 愛の旅だち (岩波少年文庫 597)
- 岩波書店 (2009年9月16日発売)
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感想 : 22件
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784001145977
みんなの感想まとめ
孤児の少女クリスチナがフランバーズ屋敷に引き取られ、さまざまな人々との交流を通じて成長していく物語が描かれています。20世紀初頭のイギリスを背景に、クリスチナは相反する価値観を持つ兄弟や心優しい馬丁と...
感想・レビュー・書評
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面白すぎる。凄い小説だった。
まったく中座できずに一冊読み切り、即座に続きを図書館に予約しに行った。
フランバーズ屋敷の人々、という小説があるのは知っていたが、私の中では荒野のコーマス屋敷とイメージがダブり、人形の話でしょ、と間違って記憶していた。
荻原規子がたびたびこの小説の話をしているので、いつかは読もうと思っていたが、いやあ、もっと早く読むべきだった。
馬の話と飛行機の話、というのはチラッと知っていたがまさにそんな話だった。
以下、あらすじ。
20世紀初頭のイギリス、エセックス。
主人公クリスチナは12歳、親を亡くしてから親戚をたらい回しにされ、田舎にあるフランバーズ屋敷のラッセル氏の元へ行かされる。
それは、彼女が21歳になったら親の遺産を受け継ぐことをアテにした策略でもあった。
フランバーズ屋敷のラッセル氏は狩猟気狂いで、今はもう落馬の影響で体が動かないが、癇癪持ちで気難しく恐ろしいDV親父である。
そこには父親そっくりの兄マークと、頭が良くて乗馬嫌いの弟ウィリアムがいた。
ウィリアムが落馬したところから話は始まる。
当初は反発のあったクリスチナだが、丁寧で優しい馬丁ディックの指導のおかげで乗馬および狩猟が大好きになる。
ディックもクリスチナを愛していた。
だがクリスチナの馬への愛のためにディックは罪を犯し、苦境に陥り、姿を消す一方、ウィリアムはクリスチナと共犯めいた仲間になる。
彼は落馬が元で足を壊し、飛行機に夢中になっていた…。
とまあ。どうでしょう。
秘密の花園、キャンディキャンディ、円舞曲は白いドレスで(元ネタはアンナカレーニナだか戦争と平和だか)。いろいろ思い出す。
でもこれは全然甘くない。なのに、ものすごく読みやすく面白かった。
主人公クリスチナは美人に育つけど、中身はまあまあ普通の人。
マークやウィリアムがおかしい。みんな頑固でDV気質がある。
その中のディックの優しさに感動しちゃうよね。
自然な物語の流れと、人の心の動きを紡ぎ出す、名文&美文の数々。
なんだか、そこはかとなく荻原規子節なんですよ。
というか、荻原規子はこの文章の影響を受けまくっていたのね、と今更目が開かれた思いでした。
あと4冊もあるのが嬉しくてたまらない。
実際に読んだのは1981年に出された古い赤い岩波文庫(まだ文庫サイズではない)でした。
さすがに今のはカタワとかの表現は消えてるかな。
これもまあ時代を感じる表現で、ラッセル氏にはピッタリですけどね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20世紀初頭のイギリス。12歳の孤児クリスチナは、フランバーズ屋敷にひきとられてきた。相反する価値観を持つマークと、ウィルの兄弟と、心優しい馬丁のディック。彼らとの交流を通じて、クリスチナは自分の人生の在り方を選ぶ。
第一次世界大戦が始まる前。小公女や秘密の花園、ジェインエア、ヒルクレストの娘たちに似ているようで、全く異なるクリスチナは、とても魅力的な少女。
マーク、ウィル、ディックも、みなそれぞれに魅力的でありながら、弱いところや、嫌な面もある。イギリスの階級や貧困の差、それぞれが、ありのままに綴られている。
馬がまだ生活の中心にあり、人間よりも馬が大事にされるフランバーズ屋敷。百年前のイギリスが、目に浮かぶよう。
続きが気になる。 -
アウェイに適応しようと奮闘する少女のお話
人間関係模様への理解がまだまだ未熟な少女然とした主人公の動向にやきもきしつつ、自他境界がはっきりしているというかやや享楽的な、自分勝手ともいえるような言動にわりと世の中、こう生きてもいいのかもしれないと勇気をもらえる
馬に関する描写が多く、わりかし具体的に描かれるため乗馬を知らない主人公と共に学べて没入感があり楽しめた
やはりディックくんがかっこいい
手をつないで帰りたい -
全体的に重苦しい雰囲気が漂います。
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粗野で乱暴だが、女たちを惑わす美貌をもつマークか
傷つきやすく繊細で、知性を持ち合わせたウィリアムか
身分違いだが、力強い腕で抱きしめてくれるディックか
心揺れまくり。 -
冒頭の狐を追う猟犬の群れの描写が素晴らしかった。群れ自体が生命を持った川の流れのように、イギリスの荒野を駆け巡る様子が目に浮かんだ。
主人公の少女が、少女だからしょうがないけど未熟というか、ややステロタイプで物足りないな…。2巻3巻ときっと成長して自我を確立していったらより面白くなりそう! -
20世紀初めのイギリス。田舎のお屋敷、キツネ狩り、舞踏会・・・
ワクワクする舞台なのに、くら〜い(笑)
働きもせず、使用人を人とも思わず、ろくな人生送れないぞ。
貴族であれ、使用人であれ、女にはつらい時代です。 -
地主の長男が女中を孕ませるくだりなどけっこう当時の英国社会のきわどいところまで斬り込む。階級についての問題提起についても意欲的
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岩波少年文庫だから子どもが読んでも大丈夫だけど、第一次世界大戦前のイギリスを舞台にした大河メロドラマ。
孤児のクリスチナが伯父と従兄の住むフランバーズ屋敷に引き取られてから始まる物語。
西洋人って、捕鯨は残酷だっていうけど、狐狩りはどうなのよ。圧倒的に数が多い猟犬と馬に乗った人が、狐を殺すまで追い続けるって。
楽しみのために。
個人的に闘牛よりずっと残酷に感じる。
それにこのクリスチナのもてっぷりは何なのよ。
三人の魅力的な男に想われて、気づかないなんてやな女だ。
「けんかをやめて~♪」状態。
特にディックに対する仕打ちがひどい。
とか、いろいろ不満を抱きつつも、結構面白くて一気に読んでしまった。
馬のことや初期の飛行機のこと、その時代の雰囲気も良く描かれているし、登場人物のキャラクターもいい。
一読に値する本であることは否定できない。
続きも読んじゃう。 -
授業の課題だったんで半ば義務的に読んだんですが
面白かった…!
最初…っていうか3分の2くらいはなんとなく状況がわかるまで
ふーんって感じで読んでたんですが
イギリスの狩猟の感じとかはすごくよくわかる部分だったと思います。
でも私はその辺はあんまり興味が持てなかったもんで、
なんとなーく読んでたんですが、最後のところでなんかすごくひきこまれた…
ウィルかっこいいよ…ウィル…! -
第1次世界大戦前夜のイギリスが舞台。幼くして孤児となった12才の少女クリスチーナが叔父と二人の兄弟のいるフランバーズ屋敷に引き取られる日から物語が始まる。その同じ日に、弟のウィルは馬狂いの父親の命令で、初めて参加したキツネ狩りで落馬、大怪我を負う。時は、飛行機の草創期。馬・狩猟・地主の時代を象徴する叔父と兄、飛行機の開発・操縦に命をかける弟。古い時代と新しい時代の相克・葛藤、戦争、恋。傑作です!!!(全5巻)(高橋節子先生)
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実は、これ小学生時代に読んだ本なんですよねぇ。従姉のところからおさがりでもらってきた本のなかにあった1冊です。従姉は、多分、読書感想文コンクールの1冊だったので購入したものだと思います。例の丼諸感想文コンクールのシールが貼ってあった記憶があります。
その当時は、「キャンデー・キャンデー」なんかがはやっていて、わたしの心の中のノリでは、そんな感じで読んでました。多分、時代とかは、同じぐらいじゃないかと思うんですよねぇ。飛行機の黎明期。
あと、自分の中で「愛」のブームみたいなのがあって、「愛の一家」とか、そんな、題名に「愛」がついた本を集中して読んでいた頃だった気がします(笑)なかなか笑える小学生だ。うーん、多分、「すくらっぷ・ブック」とか読んでいたころですね。
これも、読んだ当時のハードカバーの本の題名は、「愛の旅だち」でしたから。「フランバーズ屋敷の人びと」の方が、副題でした。
多分、「フランバーズ屋敷の人びと」に(1)という数字がついていて、続編があるのは知っていたけれど、その当時は、自分で本を探すなんてことはまだ想像もしていなかったのです。
本は、兄や、従姉たちからお古をもらうものか、親に買ってもらう者だと思っていました。
まあ、ハードカバーの本なんて、その当時のこずかいでは、手に届くものではないですからねぇ
続きを見つけるのは、それから、中学校ぐらいになってから。図書館でみつけた岩波少年文庫に、このシリーズがあることを知って、多分、3巻までイッキ読みした記憶があります。
その時も、1巻から読み直していた記憶があるから、今回読むのは、きっと3回目です。
で、めちゃくちゃ、おもしろかったんですねぇ。で、3巻目に、「まだ続きがある」とか書かれていて、気になっていて、そのまま大人になってしまったという……。
大人になってからも、しばらく探したりしていたのですが、岩波少年文庫では、絶版になっていたようで見つからなかったのです。
まあ、けっこう探していたのですが、ないなぁとあきらめかけていたのは、10年ぐらい前。
それから、復刊ドットコムにお願いしたのが、今たしかめたら、5年ほど前でした。
で、2008年に荻原 規子のファンタジーのDNAを読んで、また、これ再読したい熱があがってきて、本屋さんで、岩波少年文庫の前をうろつくようになりました。
小学生時代からかぞえて30年ぐらい。このしつこさに自分でもあきれますが、それだけ魅力的な本なんですよ。
まあ、ずっと探していたわけではなくて、ときどき思い出したてというのが、正直なところですが。
そして、これが、これが、この前、タイムリーにも再版されて、復刊ドットコムから通知が来て、さっそく買ってきました。
まあ、読み出すまでに、けっこう時間がかかっていますが。
大人になってから読んでみた感想なのですが、メチャクチャおもしろいです。子ども時代のフィルターがかかっているだろうなぁと思っていたので、そこまで期待していなかったのですが、期待以上でした。
あぁ、自分の感性は、小学生時代も、間違っていなかったんだなぁと感動しました。人から見たら大間違いでも、自分としては一貫しているなぁと。
まあでもそれは、実は、感性が間違っていないのではなくて、こういう本によって、自分の感性が形作られたというのが正確なのかもしれません。
「すくらっぷ・ブック」とか、「ドラえもん」を再読して、基本的な自分の考え方って、ここからきているなぁと思うのと同じぐらい、自分がこの小説に影響うけている、自分の骨肉になっているがわかります。
今回、読んでみてものすごく強く感じたのが、どの登場人物も、大好きだということ。
乱暴者のラッセル含めて、大好きなシーンがあって、けっこうそれを覚えています。
マークなら、「ぼくはここにあるすべてのもののために戦うぞ」というところ。
ラッセルなら狩猟開始の日、みんなを見送っている姿(これは、実はわたしは、自分で勝手に後から想像したシーンだと思っていました。でも、ちゃんとあってビックリした)。
クリスチナなら、最初は抵抗があった狩猟に、出かけたとたんに魅入られていくところ。
ウィルが、ウッドピジョンを、「まだこわい」と言うところ。
たくさんの情景。登場人物たちの心の動き。
ウィルの強情なところは、多分、ラッセルの血も色濃くひいている。主人公クリスチナも、魅力的だけれども、欠点がないわけではけっしてない。
なんていうか、そういう、人っていうのは、単純なものではなくて、いろいろな角度から見ていくものなんだよということを、ものすごくこの小説に教えられたような気がします。
人だけではなくて、社会の構造も、矛盾を抱えながらも、美しいもの、守るべきものはあるのだということも。
現実の厳しさも、そして、その楽しさも。
これ読んだ時って、「かけおち」の意味がわからなくて、そういえば、親に意味を聞いて、「なにでそんな言葉を知ったの?」みたいに追求された記憶があります。そういう意味でも、自分にとっては、大人の階段だったみたいです。
1巻を小学生時代に読んで、2巻目を中学に入ってから読んだというのは、自分にとってはラッキーな読み方だったんだなぁとも思います。
2巻目では、主人公たちは、新婚生活。まあ、小学生の入る隙間のある世界じゃなさそうですから。
単純にとらえると、とらえ間違えをする。例えば、これは反戦ものではないんです。その時代の人の見方というのもあるし、その限界を超えていくという部分もあります。
ふたつの世界の狭間みたいなお話がすきなんですが、あんがいその好みも、この本とか、その頃すきだったヘッセとかが作っていったのかもしれません。
あぁ、いい読書をした。 -
絶版になったと嘆いてから数カ月で、再版に。良本もどんどん絶版になる傾向の今、喜ばしいことである。あらためて1巻から読みなおし、堪能している。1巻のクリスチナはまだ12歳。階級制にも何の疑問ももたない、疑問をもつということが現実的でないと考える無知な頃。最終巻を昨年読んでおり、その間の成長があらためて楽しみである。
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