南から来た男 ホラー短編集 2 (岩波少年文庫 605)

  • 岩波書店 (2012年7月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784001146059

感想・レビュー・書評

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  • ホラー短編集第二弾。フォークナー、ブラッドベリなど既読が多かったが、金原訳で生々しさを感じた。『ナンタケット島〜』ポー原作・金原翻案が一番怖かった。『南から来た男』と『隣の男の子』は現実的という意味でゾワゾワ。

    • akikobbさん
      111108さん、こんにちは。
      ホラー短編集、進んでますね。金原節、堪能されてますか?(第三巻だけはフランスもので、金原さんではなくなります...
      111108さん、こんにちは。
      ホラー短編集、進んでますね。金原節、堪能されてますか?(第三巻だけはフランスもので、金原さんではなくなります。)南から来た男と、隣の男の子の「ゾワゾワ」わかります。想像力などと言うまでもなくありありと自分の身に起こっているようき感じられて、なんというか手っ取り早く?ドキドキできますよね。
      2023/07/09
    • 111108さん
      akikobbさん、コメントありがとうございます♪

      金原さん訳は距離感が近くなるように感じられて新鮮です。フォークナー『エミリーに薔薇〜』...
      akikobbさん、コメントありがとうございます♪

      金原さん訳は距離感が近くなるように感じられて新鮮です。フォークナー『エミリーに薔薇〜』は3回目位なんですけど、今まで読んだ訳はクラシカルな重厚感ある怖さでしたが、金原訳は職場での噂話みたいに、身近だけどよくわからない人の怖さを体感したような気持ちに。『南から〜』『隣の〜』も含めて、akikobbさんの「手っ取り早くドキドキ」笑!まさにそんな感じです♪
      3巻目がまさかの金原さん訳でないとは‥でも読みます。
      2023/07/09
    • akikobbさん
      職場での噂話笑 確かにそんな気安さがありますね!
      職場での噂話笑 確かにそんな気安さがありますね!
      2023/07/09
  • 岩波少年文庫の英米ホラー集短編集の二冊目。


    【エドガー・アラン・ポー原作 金原瑞人アレンジ『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』】
    一冊目二続き、エドガー・アラン・ポー原作小説の面白い部分を再構成した物語。
    少年が先生に勧められたポーの小説を読んだら、死ぬオトコの名前は自分と同じでびっくり、しかも先生の名前は…。

    【ロアルド・ダール『南から来た男』】
    ホテルのプールサイドで、老人はアメリカ人の若者に賭けを持ちかける。若者が持っているライターで十回連続火が付けられるか。出来たなら老人は若者にキャデラックを進呈しよう。出来ないなら老人は若者の左手の小指を切り落とす。
    ==指を切り落とす準備場面は肉体的痛そうだし(切り落としません、準備だけです)、ライターで火を付ける場面は緊迫、そして最後に出てきた女性。そうなるまで何があったのか想像するに余りある(+。+)

    【オー・ヘンリー『家具付きの部屋』】
    若者はある娘を探していた。家具付きの貸家に入った時、娘の残り香に包まれる、まるで彼女に抱きしめられるように。ここに彼女はいたのか。しかし家主は「一人で来た女性客はいません」と否定する。もはや若者は…。
    ==オー・ヘンリーって人生の皮肉的な展開を書いたり、それもさり気ない書き方をする印象だったのですが、これは直接的というか。若者もその娘さんもなんか切ない。

    【H・G・ウェルズ『マジックショップ』】
    こんなところにマジックショップがあったのか?息子は店主が見せる魔法のような道具に夢中だ。たしかに見事だ。タネも仕掛けも見破れない。店主は次々に息子に「プレゼント」をする。得体のしれない店主はいけ好かない。息子の手を取り店を出た。するとさっきまで我々がいたマジックショップは跡形もないではないか。
    ==うんまあ、子供は楽しんだし良かったんじゃない?

    【ウォルター・デ・ラ・メア『不思議な話』】
    おばあさんの家に七人の子供が引き取られた。おばあさんは「客用寝室のチェストにだけは近寄ってはいけないよ」という。しかし一人、また一人とチェストに惹きつけられて…。
    ==うわああ。子供が…なのはつらい(;_;)
    とても不思議で、寂しく、しかし美しく、子供たちはきっと満足したんだろうけど、でもやっぱり哀しい余韻が残るお話。

    【アルジャーノン・ブラックウッド『まぼろしの少年』】
    男は、大きな荷物を抱える少年に声をかけた。少年を見た男は不思議な感覚に陥る。自分はこの少年を知っているはずだ。愛された匂いのする少年。現実では得られなかったもの、とてもとても望んだものを思い出す。
    ==切ない(;_;)

    【ウィリアム・フォークナー『エミリーにバラを一輪』】
    これが児童向けの短編集に入るのか!
    頑固で孤独で時代に取り残された老女ミス・エミリーの姿を通して見える南北戦争後のアメリカ社会の変化、男女の愛憎劇。
    こちらの翻訳では、中高年女性が若い人に向かって「こんなことがあったのですよ」と語りかける感じになっています。南北戦争後のアメリカは読者である少年少女には分かりづらいと思うのですが、この語り口により状況が分かりやすくなっています。たしかにこの話を聞いたらエミリーにせめて薔薇の一輪を手向けたくなります。

    【エリザベス・ボウエン『悪魔の恋人』】
    疎開先からロンドンの家に荷物を取りに一時帰宅した主婦のキャサリン。人気のない部屋になぜか彼女への手紙があった。差出人は戦死した昔の恋人。「約束の時間に会おう」
    とっくに忘れた男、冷たく暴力的な男、出征する時に不気味な約束をしてしまった男。忘れていたのに。
    ==いやああ( ;´Д`)。過去を忘れて生きていたのに、過去は彼女を忘れていなかった。

    【レイ・ブラッドベリ『湖』】
    初恋の少女が湖で水死した。子供心にずっとずっと彼女を愛すると思った。
    何年も経って彼は結婚して故郷に戻ってきた。その湖で…。
    ==切ない(;_;) やっぱりずっとずっと愛している、決して手に入れられないものに捉えられ続けるしかない。

    【ロバート・ルイス・スティーヴンソン『小瓶の悪魔』】
    持ち主の願いをすべて叶える壜を手に入れた男。条件は「買った値より安く売らなければならない。死ぬ時に持っていると永久に地獄で魂が焼かれる」だが長年の取引により値が下がり続けているこの壜には誰も買い手がいない。苦しむ夫をみて、妻は自分が壺を買うことを決意する。
    ==壺が売れないあたりは大変な緊迫です。
    ちょいと拍子抜けするような安泰が訪れるラスト。
    えーーっと、皮肉的ですが、夫婦は思いやっていたし、良かったことになった…って言って良いのか?

    【エレン・エマーソン・ホワイト『隣の男の子』】
    わたしは女子高生のドロシー。今日はアルバイトの遅番。店を閉めようとしたら何年か前に一度デートしたマットが入ってきたの。マットは変な感じでわたしは身の危険を感じたわ。だって今では身体だけはすっごく大きくなってるんだもん。そしたらマットが「人を殺してみたいんだよ」とか言って私にピストルを向けるじゃない!やっば!でもマットは昔の通りダサくて頭は良くないわ。わたしはこれを乗り切る方法を考えなくちゃ!
    ==軽妙な語り口なんだが内容はそうとう危険、でもなんだか笑っちゃう。ドロシーとその親友の女の子ジルは確かに「親友」だわ(^_^;)
    (女性としての身の危険も心配しました(-_-;))

  • このタイトルを見るとどうしても、私の中の(横山)剣さんが「♪東~京~から来た女~」と歌い出すんですよね…という話はおいといて。
    まさか私がホラー短編集なんていう本に手を出す日が来るとは。きっかけ大図鑑(日本図書センター)、仕事しすぎ!でも読んでみてわかったけど、ホラーって怖いだけじゃなく、優しかったり温かかったりもするんだな…。
    本書の編・訳担当の金原瑞人さんは、数少ない「私の認知している翻訳家」のひとりなので嬉しい。児童書ということもあり、とても読みやすかった。巻末解説を読んだら、同じホラー短編集の第一巻も読みたくなった。

    以下、ネタバレしない程度を心がけてるけどしてるかもしれない備忘録。

    ■エドガー・アラン・ポー『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』(一八三八)
    ここに収録されているのは、訳者の金原さんによるポーの翻案(ちなみに私は翻案ってかなり好き)。原作についてはNHKの「一〇〇分de名著」で取り上げられていたのを見たので概要は知っているが、読んだことはない。概要(かなり怖そう)を知らなかったら、この翻案を読んで、原作を読んでみようときっと思っただろう。

    ■ロアルド・ダール『南から来た男』(一九五三)
    この短編集を手にした狙いは、きっかけ大図鑑で出会ったこの表題作を読むことでした。「十回連続でライターの火を付けることができたら、私のキャデラックをあげよう。ただしもしできなかったら、君の左手の小指をもらうというのはどうだ?」見知らぬ老人からそう持ちかけられた若者は、なんと面白がってこの賭けに乗るのです。あ~ドキドキした~!満足。

    ■オー・ヘンリー『家具つきの部屋』(一九〇六)
    家具が喋り出す(ように感じる)…というあたりからぐぐっと引き込まれる。家具とか持ち物に持ち主の思念のようなものが宿るという実感は、まあある。もっと即物的には、子どもの頃、友達の家に遊びにいくとそれぞれのおうち固有の匂いがあるなあと感じていた、あれにも似ている。入れ替わりの激しい劇場街の貸し間のそれは、もっと複雑かも。

    ■H・G・ウェルズ『マジックショップ』(一九〇四)
    息子にせがまれ玩具屋感覚で「マジックショップ」に入ると、怪しげな店主が次々にマジック(手品/魔法)を繰り出してくる。素直に驚き楽しむ息子と対照的に、危険や嫉妬を感じて全く楽しめなくなる「わたし」。すごくわかる。

    ■ウォルター・デ・ラ・メア『不思議な話』(一九二三)
    お祖母さんに引き取られた七人の子どもたちがひとり、またひとりといなくなる。怖い、とも受け取れるが、不思議なオークのチェストの描写が甘く優しいためか、あまり悲壮な感じはしない。

    ■アルジャーノン・ブラックウッド『まぼろしの少年』(一九二四)
    ブラックウッドって、光文社古典新訳文庫でちょっと気になっている『人間和声』の人だ。と気付く。怪奇小説の人なのかなと思っていたら、こんなに切ない、柔らかいところに触れてくるなんて。

    ■ウィリアム・フォークナー『エミリーにバラを一輪』(一九三一)
    このへんでだんだん、私が恐れていたほど、ホラーって怖い“ばかり”じゃないんだなということがわかってくる。

    ■エリザベス・ボウエン『悪魔の恋人』(一九四五)
    えっ怖い…。タイトルと、途中の不穏な感じからすると、これは紛う事なきバッドエンドという解釈でいいの…?亡霊方面なのか、ストーカー方面なのか、よくわからなかったけど、怖いからまあいいや…。

    ■レイ・ブラッドベリ『湖』(一九四七)
    少年期に幼馴染みの死を経験した「ぼく」が、大人になり、長らく離れていた故郷に戻ってきて…。なかなか残酷な話だ。でも、誰が誰に対して残酷かと考え出すと、別に誰も悪くなくて、だってそういうものでしょ…と。文章の織り成す雰囲気の美しさが印象的だった。

    ■ロバート・ルイス・スティーブンソン『小瓶の悪魔』(一八九三)
    その小瓶には悪魔が住んでいて、どんな願いでも叶えてくれる。ただしその小瓶を持ったまま死ぬと地獄に落ちる。手放すには、買い取ったときより安い値で誰かに売らなければならない。自分への愛のために一セントでその小瓶を買った夫の苦しみを知った妻は、一セントの五分の一の価値の「サンチーム」貨幣のある外国へ渡り、買い取ってくれる人を一緒に探すことを提案したが…。ドラえもんのひみつどうぐ「しあわせトランプ」にちょっと似たシステム。はじめのうちは気軽なものだが、最後は誰かに地獄行きの運命を押し付けることになるというこの構図は、何かのメタファーのようにも感じられる。

    ■エレン・エマーソン・ホワイト『隣の男の子』(一九九一)
    舞台はぐっと現代に近づいて、アメリカのティーンエイジャーの冴えない日常、からの、まさかの展開とさらにまさかのオチ。

  • 児童書(中学生向け?)シリーズ第二弾。怖いと言うより味わい深い作品が多かった。
    【収録作品】
    「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」エドガー・アラン・ポー
    「南から来た男」ロアルド・ダール
    「家具つきの部屋」オー・ヘンリー
    「マジックショップ」H・G・ウェルズ
    「不思議な話」ウォルター・デ・ラ・メア
    「まぼろしの少年」アルジャーノン・ブラックウッド
    「エミリーにバラを一輪」ウィリアム・フォークナー
    「悪魔の恋人」エリザベス・ボウエン
    「湖」レイ・ブラッドベリ
    「小瓶の悪魔」ロバート・ルイス・スティーヴンソン
    「隣の男の子」エレン・エマーソン・ホワイト

    すでに既読のものも何作かあった(タイトルは違うけど)。やはり不気味さで一番怖いのは「不思議な話」(「なぞ」というタイトルが多いと思う。原題もTHE RIDLLEだし)。チェスト(長櫃)の曰くや子供たちが消えてしまう理由もいっさい描かれない。美しい童話。
    最後にドンとオチがくるタイプとして「悪魔の恋人」、「隣の男の子」は衝撃的ではあった。「南から来た男」も衝撃のラストではあるんだけど、なるほどって感心の方が大きくて。奥さんが捨て身で救済したのに治らない病気の恐ろしさよね。

  • 「八月の暑さのなかで」(あれ?これってもう2年前なんだ?)がよかったので、ホラー短編集2であるこちらも、迷うことなく、買い。

    11本収録。
    怖さもいろいろである。

    ポー原作、金原瑞人本案の1本めは、少々ノリ過ぎの感もあるけれど、まあご愛嬌かな、と。
    ロアルド・ダール、オー・ヘンリーはさすがの仕上がり。

    ブラッドベリ「湖」は、そうそう、私にとってのブラッドベリってこの感じだったのだ、と思い出す。
    夏の終わりの、まだもう少しその中にいたい、さびしい感じ。

    フォークナーの「エミリーにバラを一輪」は、初読ではないはずだけれど、やっぱり怖い。この怖さは身につまされる怖さだ。こんな話、現実にも稀になくもないではないか。そして、恋を知る女性には、誰しもあり得るではないか?

    スティーヴンソン「小瓶の悪魔」は、ストーリー展開がよく出来ている。よく出来た口伝えのお話のようだ。

    最後をしめる「隣の男の子」は、巨匠たちの中にあって1つだけ現代ものであるが、若々しくリズミカルで、オチが冴えている。

    ああ、楽しかった。

  • フォークナーの「エミリーにバラを一輪」を読んでみたくて借りて来た。ホラー短編集という名にたがわず収録の11編、どれもドンと胸にくる最後が待ち受けていた。

    「エミリーにバラを一輪」1931 ウィリアム・フォークナー 1897-1962
    アメリカ南部、1870年代の高級住宅地に建つお屋敷でエミリーはひとり死んだ。74歳。もはや古き南部ではなく、自動車修理工場や綿花の加工場が増え、あまたあった高級住宅群で1軒だけ残った屋敷でだ。過去には愛する男も現れたらしいが、その男は・・ エミリーの住むお屋敷ととりまく街の移り変わりを想像できる文。その中でひとり生きたメアリーのある意味たくましさ、孤独がずしりと迫ってくる。

    「南から来た男」1953 ロアルド・ダール1916-1990
    ホテルのプールサイドで、行われた、かけ。老人は若者に、そのライターを10回続けて火をつけることができたら、わしのキャデラックをやろう。もしできなかったら君の小指の先をくれ、というのだ。厨房から包丁を調達して、火付け開始・・ 7回、8回、緊張が高まってくる。が、女が現れ、その女の姿がもう脱力だ。

    「家具つきの部屋」1906 オー・ヘンリー1862-1910
    部屋をさがしていた若者は、家具付きの部屋を契約した。実は去っていった恋人を探していたのだ。部屋にその恋人の匂いを感じ取る。残酷ではあるのだが、何か柔らかさを感じる。この柔らかさがオー・ヘンリーか。

    「マジック・ショップ」1904 H・G・ウェルズ1866-1946
    父と息子で訪れたマジック・ショップ。主人は次々にマジックの品を出してくれるが、それはマジックを通り越し魔法とでもいうような。ウェルズとあって、読んでると、このまま異次元の世界に飛んだり、タイムトラベルしてしまうのでは? なんて雰囲気になった。
     
    「不思議な話」1923 ウォルター・デ・ラ・メア1873-1956
    7人兄弟妹はおばあさんの家にひきとられた。屋根裏にはチェストがあってそれにはさわるな、と言われた。ある日ヘンリーはこっそりいってチェストを開けてみた。するするとひきこまれ・・ 次の日からは6人の子供に・・ またある日今度はマティルダが・・ 今度は・・

    「まぼろしの少年」1924 アルジャーノン・ブラックウッド1869-1951
    男が気づくと前を大きなバッグを持った少年が歩いていた。なぜか気になりバッグを持ってあげるとそれは驚くほど軽かった。何が入っているの?と聞くと、「僕の未来」と言い、ママが待ってると言って言ってしまった・・ それは私の未来でもあったのか? 私の12年前のある出来事。ちょっと悲しい余韻が残る作品・

    「悪魔の恋人」1945 エリザベス・ボウエン 1899-1973
    2度の大戦を生きる、キャサリンの秘めた約束・・ 
    出征した婚約者との、約束の時間にまた会おう、という約束。そして今は第二次世界大戦、疎開先からロンドンに一時戻り自宅をあけると手紙が・・ 年齢によっては、2度、大戦で人生が変わった、そんな思いがする作品。

    「湖」1947 レイ・ブラッドベリ 1920-2012
    12歳の夏、幼馴染のタリーは湖に消えた。幼いながらも僕はタリーを愛していた。22歳の今、僕は結婚し新婚旅行で再びこの湖に来た・・ 僕がみる幻想?

    「小瓶の悪魔」1893 ロバート・ルイス・スティーブンソン 1850-1894
    「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」を書いた、あのスティーブンソンの作品。小瓶の悪魔は何でも願いを聞いてくれる。だが、その小瓶を手放す時は、買値より安く売らないといけない。・・ところが、願いは確かにかなうのだが、そのために誰かが死んだり不幸になってゆくようなのだ。なので買った人は次々に瓶を手放してゆく。ハワイ島に住むケアヴェという男がその瓶を買ったが・・

    「隣の男の子」1991 エレン・エマーソン・ホワイト 1983-
    こちらは現代の作品。けっこうブラックですねえ。アイスクリームストアで深夜バイトをしている高校生の私。そこにクラスメイトのマットが、一回強盗をしてみたかった、といって押し入ってくる。なんとか窮地を脱出しなくちゃ。それで言ってやった、私の秘密を教えるから、あんたの強盗も秘密にしてあげる。・・私の秘密は・・ え、本当なの?

    「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」1838 エドガー・アラン・ポー1809-1849 金原瑞人翻案
    幽霊船の話。

    2012.7.18第1刷 図書館

  • 児童向けのホラー・アンソロジー侮りがたし

     以前、2016年2月に[東京創元社の2016年新刊ラインナップ説明会](https://shimirubon.jp/columns/1674756)で行なわれたビブリオバトルについて語ったことがあります。
     その時に深緑野分さんが紹介し、チャンプ本になったのが、金原瑞人・編訳の児童向けホラー・アンソロジー『八月の暑さのなかで ホラー短編集』。これが面白そうだったので、続編の『南から来た男』といっしょに買ってみたのです。

    『八月の暑さのなかで』
    エドガー・アラン・ポー原作/金原瑞人翻案「こまっちゃった」
    W・F・ハーヴィー「八月の暑さのなかで」
    サキ「開け放たれた窓」
    リチャード・ミドルトン「ブライトンへ行く途中で」
    ロード・ダンセイニ「谷の幽霊」
    レノックス・ロビンスン「顔」
    E・M・デラフィールド「もどってきたソフィ・メイソン」
    フレドリック・ブラウン「後ろから声が」
    L・P・ハートリー「ポドロ島」
    フランク・グルーバー「十三階」
    ロアルド・ダール「お願い」
    ジェイムズ・レイヴァー「だれかが呼んだ」
    ローズマリー・ティンバリ「ハリー」


    :book:241633:八月の暑さのなかで ホラー短編集:


    『南から来た男』
    エドガー・アラン・ポー原作/金原瑞人翻案「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」
    ロアルド・ダール「南から来た男」
    オー・ヘンリー「家具つきの部屋」
    H.G.ウェルズ「マジックショップ」
    ウォルター・デ・ラ・メア「不思議な話」
    アルジャーノン・ブラックウッド「まぼろしの少年」
    ウィリアム・フォークナー「エミリーにバラを一輪」
    エリザベス・ボウエン「悪魔の恋人」
    レイ・ブラッドベリ「湖」
    ロバート・ルイス・スティーヴンソン「小瓶の悪魔」
    エレン・エマーソン・ホワイト「隣の男の子」

     このラインナップ、たいしたものでしょ? 有名な作品が多く、半分ぐらいは読んだことあるんですが、「八月の暑さのなかで」(炎天)、「十三階」(十三階の女)、「南から来た男」、「不思議な話」 (「謎」)、「湖」(みずうみ)あたりは、再読してもやっぱりいいんです。
    「こまっちゃった」と「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」は、どちらもポーの原作を現代の少年少女を主人公にして翻案したもの。特に「アーサー・ゴードン・ピム」には恐れ入りました。「アーサー・ゴードン・ピム」を読んで、人肉食のくだりに戦慄した少年の身に、恐怖が降りかかるという話。こういう翻案があるのか!

     驚いたのがロバート・ルイス・スティーヴンソン「小瓶の悪魔」。これって『マンガで分かる心療内科』14巻の「ビンの悪魔」の話と細部までまったく同じだ!


    :book:3883248:マンガで分かる心療内科 14:


     面白い話だとは思ってましたが、スティーヴンソンが原作だったとは。いちおう『マンガで分かる心療内科』の巻末には、参考資料の1冊として、金原瑞人訳『英米ホラーの系譜』という本が載っているので、そこから取ってきたんでしょうけど。
     スティーヴンソンは亡くなって1世以上経ってますから、著作権は切れてる。だから現代の人間がいくら二次利用してもかまわないわけです。 でもいちおう、原作者名はよく見えるところに表記していただきたかったところです。

     古い作品が多い中、最も新しいのは、1991年に書かれたホワイト「隣の男の子」。
     ヒロインは大学生。深夜のアイスクリーム店で一人でバイトしていると、閉店直後、隣に住むマットという少年が銃を持って押し入ってきます。彼は、一度、人を殺してみたいと思っており、ヒロインに狙いを定めたんです。知り合いの少女を殺して店の金を奪えば、強盗殺人に見せかけられるはずだという目論見。
     深夜の無人の店内で、ヒロインを殺そうとする少年と、なんとかなだめてやめさせようとするヒロインのやりとりが続きます。軽妙でユーモラスな中にも緊迫感がみなぎっていて、はらはらどきどき。オチも上手い。
     アンソロジーはたまにこういう拾いものがあるからやめられません。

  • 児童向けホラーアンソロジー。有名作も多いけれど、訳し方で印象が変わったりして面白いです。
    「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」が収録されているのですが。もちろんこれは長大な長編なので、ほんの一部、ハイライトの部分を抜粋した程度なのですが。それをアレンジしてこんな物語にしてしまうだなんて! これを読めば、未読の人は気になって読みたくなっちゃうかなあ。
    レイ・ブラッドベリ「湖」は怖いというよりも、やはり切なさが印象的な物語です。だけど主人公が「変容させられてしまった」ととれば、これは恐怖の物語となるでしょうかね。
    本邦初訳のエレン・エマーソン・ホワイト「隣の男の子」、これはいったいどうなってしまうのかとどきどきさせられながら読みましたが。このオチにはぞくりとさせられますね。現実的に怖い物語かも。

  • 「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」
    エドガー・アラン・ポー原作、金原瑞人さん翻案のオリジナルホラー!オープニングを飾るのにふさわしいドキドキハラハラ感が味わえます。グロテスクな描写もたまらない?よね?

    「南から来た男」
    書名ともなっているロアルド・ダールのホラー。まさにこれこれ!やっぱりこのストーリー展開を待っていました!意味がわかると背筋が凍る怖さ。最高。

    「家具つきの部屋」
    オー・ヘンリー作。怖さより切なさを感じてしまう。

    「マジックショップ」
    H・G・ウェルズ作。題名通り、不思議な味わい。私はこのショップに訪れ…たい……かも。

    「不思議な話」
    ウォルター・デ・ラ・メア作。本当に不思議な話。一体みんなどうなったの?どこへ行ったの?

    「まぼろしの少年」
    アルジャーノン・ブラックウッド作。前述の「家具つきの部屋」以上の切なさ。これは泣ける話です…。

    「エミリーにバラを一輪」
    ウィリアム・フォークナー作。私はこの本の中で、この話に一番心動かされました。エミリーの気持ちが分かるから。そしてこのタイトルがつけられた理由にも共感できた。…でもやっぱり怖い。

    「悪魔の恋人」
    エリザベス・ボウエン作。これは映像化したい話。最後、とても不気味な余韻を残しそう…。

    「湖」
    レイ・ブラッドベリ作。この話も怖さより切なさの方が勝る。

    「小瓶の悪魔」
    ロバート・ルイス・スティーヴンソン作。一番読み応えのあった話。この話もドキドキしながら読み進められた。最後はハッピーエンド…なのかな?ラブストーリーと言えなくもないかも。

    「隣の男の子」
    エレン・エマーソン・ホワイト作。現代のアメリカのティーンエイジャーを想像しながら読みましたが、これも面白い。


    どの話も面白い短編集なんて最高!
    一口にホラーものと言っても、切ない話やドキドキする話もあって、とても読み応えのある一冊でした。そして怖いけれど楽しい一冊でした。

    一巻、三巻も読むぞー!!

  • ホラー短編集の第一弾がなかなかよかったもので、夏のうちに第二弾で肝試ししようと手に取った。
    1話目はまた金原氏による翻案もの。若干描写がグロかったものの、それほど気にならず作品世界に引き込まれた。
    ロアルド・ダール、O・ヘンリー、H・G・ウェルズ、デ・ラ・メア…大御所達による、幻想的かつ不気味で不思議な短編が続く。ブラッドベリの「湖」は、萩尾望都さんによるマンガ作品を既に読んでいたが、萩尾さんがどれだけ原作に忠実にマンガ化していたかが改めてよくわかる。金原氏の訳も素晴らしく、透き通った薄気味悪さみたいな空気がたまらない。
    一番長い「小瓶の悪魔」は、金原氏があとがきで「説明も解説もなし」と述べるのも納得な面白さ!天国と地獄は隣り合わせということが嫌というほど実感でき、ハラハラ、ドキドキ感ハンパない。よめそうでよめない結末までの描写もスリリング。
    本邦初訳のアメリカYAもの、ラストの「隣の男の子」もまた違う意味でスリリング。いまどきなライトなノリで読めるが、結末には「!!!」となること間違いなし。
    どの短編も、ラスト数行で度肝抜かれます。第一弾の短編集を読んだ時も感じたけど、今回も構成の見事さにただただ感服。
    全て読み終えてから表紙をじっくり見てください。これはあの作品のあの人物…!と、思い出しながらぞわぞわして欲しい。

  • 編訳者の金原瑞人が多数の作家の中からえらんだ短編が11編収録。
    おもしろい話と、そうでないものがある。
    金原さんが翻訳してる作品はたくさん読んでますが、この人はあとがきが上手いよね。

    タイトルにもなっている「南から来た男」はロアルド・ダールの作品で、これはおもしろかったな。
    他のは、有名作家もいるけど、ラストがよくわかんないな。
    ロバート・ルイス・スティーブンソンの「小瓶の悪魔」はよかったな。悪魔が願いをかなえてくれる、ただし・・って。この本の中ではいちばんながい物語でした。

  • KiKi にはかなり重症気味なホラー苦手意識があります。  とにかく「ホラー」の文字を見たり、それっぽいおどろおどろしい表紙を見たりすると、どんなに評判の良い本でもできるだけ近寄らないように(本屋さんでもその棚を遠巻きに歩く)したくなる拒絶反応に近いものが出てきちゃうんですよね。  

    でも、前の巻の「八月の暑さの中で」の読後感は想像していた以上にさわやかなものだったし、今回も同じ金原さんの編纂だし、こと岩波少年文庫に関しては一応全冊読破を目標に掲げているわけだから、この本を避けて通るわけにはいきません。  ・・・・って言うか、これといった根拠はないんだけど「このシリーズなら絶対にいける!」という確信に近いものがありました。

    この巻に収録されているのは以下の作品群です。

    ★収録作品★
     エドガー・アラン・ポー 「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」(翻案)
     ロアルド・ダール 「南から来た男」
     オー・ヘンリー 「家具つきの部屋」
     H・G・ウェルズ 「マジックショップ」
     ウォルター・デ・ラ・メア 「不思議な話」
     アルジャーノン・ブラックウッド 「まぼろしの少年」
     フォークナー 「エミリーにバラを一輪」
     エリザベス・ボウエン 「悪魔の恋人」
     ブラッドベリ 「湖」
     スティーヴンソン 「小瓶の悪魔」
     エレン・エマーソン・ホワイト 「隣の男の子」

    やっぱり KiKi の根拠のない確信が裏切られることはありませんでした。  第1作のポーの作品を下地にした「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」は金原さんの翻案作品で、ちょっとワルノリしちゃった感がなきにしもあらず・・・・・。  でも、KiKi の愛するワーグナーさんの「さまよえるオランダ人」を彷彿とさせ、物語そのもの以外にも別の面でも楽しむことができました。

    収録されているその他の作品はどれもこれも不思議な魅力があって甲乙つけがたいんだけど、個人的にはオー・ヘンリーの「家具つきの部屋」、ウィリアム・フォークナーの「エミリーにバラを一輪」、レイ・ブラッドベリの「湖」、そしてスティーヴンソンの「小瓶の悪魔」が特に印象に残りました。

    これらの4作品は「怖い」という想いも抱きつつもどこかもの悲しさが残る作品群だったと思うんですよね。  そして、これらの作品に共通するのがどこかくすんだカラーを思わせ、それが幻想的でもあり、さらには登場する人物たちの「想いの深さ」をほどよく中和していて、そのバランス感覚に強烈に魅せられちゃうと思うんですよ。 

    収録作品リストを眺めれば、この本に収録されている作品の作者たるやホント錚々たるメンバーで、読む前から「駄作はありえない」と思える安心感があるうえに、そんな作者たちの作品ばかりなだけに読んでみるとストーリー・テリングの巧みさに魅せられちゃう。  KiKi と同じように「ホラーって苦手・・・・ ^^;」って思っている人にも安心してオススメできる作品集だと思います。

    最後の作品「隣の男の子」の作者のみ存命中ということで、作品のカラーも他の作品とはちょっと違う(どことなくライト・テイスト??  それともドライ・テイスト??)けど、これがラストに配置されていることにも金原さんのセンスのようなものを感じました。  ま、個人的にはこの最後の作品は物語としてはそんなに好きな部類じゃなかったけれど、後味は悪くありませんでした。

    前のホラー短編集1の Review で、「岩波書店さん。  是非是非続巻を作っていただけないものでしょうか??」って書いたら実際にこの第2集が発刊された(← って別に KiKi のリクエスト効果だったわけではないけれど ^^;)ので、今回も書いちゃおうかな??

    岩波書店さん。  ホラーが苦手な KiKi でも読める上質ホラーの続編を更に更にお願いします!!

  • レイ・ブラッドベリの短編小説集で読んだ話と、ここで再会してしまった。ジュニア向けに訳しているので、不気味さは割合ソフトかもしれない。読みやすさを重視したのか、くどさはなかった。とはいえ、翻訳者が違っていても『この話はアレだ』と、すぐにわかるのだから、日本の翻訳というのは素晴らしいと思う。まったく違うものになるとしたら、それはどちらかが、もしくは両方が意訳をふんだんに使っているわけで、それでは原作との乖離が凄まじいことの証左となってしまうだろう。
    レイ・ブラッドベリはもちろん、エドガー・ランポー、ロアルド・ダール、オー・ヘンリー、H・G・ウェルズなど、そうそうたるメンバーの作品が収録されているため、なかなか読み応えがある。この本を入口にして、お気に入りの作者を見つける子ども達がいたら愉快だろうにと思った。

  • 南から来た男:危険な男と賭け
    ナンタケット島:遭難漂流カニバリズム
    不思議な話:オーク・チェストに触れてはダメ
    悪魔の恋人:戦死した恋人からの手紙
    湖:水死した初恋の少女
    小瓶の悪魔

  • 面白い。金原瑞人編訳のジュニア向けホラー短編集ニ作目。前回同様に怖さは抑えめの奇妙でひねりの効いた作品が多い。
    表題作『南から来た男(ロアルド・ダール)』表題作です。賭け事を提案してくる老人の話に乗って、車のために指を賭けられるか。気を抜いたところにひとひねりあり後味が悪い。
    『マジックショップ(H•G•ウェルズ)』息子と入ったマジックショップはホンモノだって信じられる?次々と奇妙なアイテムを紹介されるが、息子はなにを欲しがるんだろう。なかなか洒落たほんわかした作品。
    『不思議な話(ウォルター・デ・ラ・メア)』別のアンソロでも読んだけどそっちは『なぞ』というタイトルでしたね。まさに不思議な話。説明もなく一人ずつ消えていく。わけわからないけれど強く引き込まれ印象に残るお伽話のような雰囲気の作品。
    『湖(レイ・ブラッドベリ)』
    筋は平坦な幽霊譚なのですが、なんとももの悲しく幻想的な作品に仕上がっている。
    『小瓶の悪魔(ロバート・ルイス・スティーブンソン)』長め。願いを叶える小瓶を手に入れたが、死ぬ前に入手したより安く他人に譲らないと地獄行きというルールがあり、いかに上手く立ち回れるか。面白い。
    『隣の男の子(エレン・エマーソン・ホワイト)』隣家の男の子が、だれか殺してみたいという理由で一人勤務のバイト先を訪ねてきたら口八丁で切り抜けられるか。明るい語り口で緊迫感のある会話。ラストもひとひねり。

  • 記録日:2018年3月22日(木)

    タイトル:南から来た男 (南から来た男)
    番号:605.
    ISBN:978-4-00-114605-9.

    作者:ロアルド・ダール.(イギリス)
    訳者:金原瑞人

    「南から来た男」に収録されていた11作品のうちの一つ。
    ------------------------
    作者について
    イギリス作家、脚本家 ノルウェー移民の両親 1916-1990)
    第二次世界大戦時にはイギリス空軍の戦闘機パイロットだった負傷退役。
    駐米イギリス大使館に転属 ユーモアと残酷の入り混じった短編
    チョコレート工場の秘密など児童文学作家でもある。
    -----------------------
    夕刻 ヤシの木 プール 老人が偶々そこに居た(たぶん海兵隊の)若者に賭けを仕掛ける。
    老人は賭けの対象に高級な自動車を、若者には指をかけさせた。

    賭けはその勝敗が決まる前に老人の連れによって中断された。
    老人の連れのご婦人は若者に謝りつつ賭けの対象の自動車は彼の物ではなく自分物だと告げた。
    若者も賭けに固執せずに老人とその連れの女性を見送った。
    最後にその女性が車のカギをつまみあげた手には親指とあと一本しか指が残っていなかった。
    ------------------

    この本には11話のホラー作品が収められていた。
    タイトルと作者一覧 メモあり
    ●家具付きの部屋(オーヘンリー)
    ●不思議な話 (ウォルター・デ・ラ・メア)
    ●小瓶の悪魔(ロバート・ルイス・スティーブンソン(スコットランド)
    ●湖 レイ・ブラッドベリ(アメリカ)
    ●隣の男の子 エレン・エマーソン・ホワイト (アメリカ)
    ●マジックショップ H・G・ウェルズ.(イギリス)
    ●まぼろしの少年 (アルジャーノン・ブラックウッド (イギリス)
    ●エミリーにバラを一輪(ウィリアム・フォークナー(アメリカ)
    ●悪魔の恋人(エリザベス・ボウエン(イギリス)
    ●ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語(エドガー・アラン・ポー(アメリカ)

  • ホラー短編集。だいぶ前に実は映画で「ライフ・オブ・パイ」が話題になったころにポーの原作「ナンタケット島…」を読んだ。それとスティーブンソンの「小瓶の悪魔」も再読したくて同じころにこの本を手にしていた。金原さんの訳は読みやすいし最初のポーの翻案も面白いと思う。この短編から、チョイスされている作家の本の読書に誘えるな、ときっかけの一つになる本としても利用したい。

  • おばけ的なホラーではなく怪奇小説。

    話としては怖さはないので、そういうのを期待しているとちょっとがっかり。
    映像としてイメージしたり、自分が主人公になったとしたら怖い…。
    全体的にはっきりとした落ちのない不思議な雰囲気の話が多かった。

    「小瓶の悪魔」は売るにも限度があって、お互いを思いやるためにどちらかが死ぬのかとハラハラさせられた。
    アラビアンナイトとかそういう昔話によくありそうな展開、結末で、ハッピーエンドで一番好きな短編。

    「隣の男の子」は、先生を殺したのは自分だとい言う主人公。
    助かりたいために作った嘘なのか事実なのか読めないままのところへ更なる落ちが効いていて面白かった。
    最初相手の男の子が実は先生を殺していた…?と思ったけれど違った。

    表紙の絵にそれぞれの話に登場してきた人たちが出ているのも面白い。

  • 面白かったです。怖いお話が苦手でホラーの良さがわからなかった私ですが、「南から来た男」や「悪魔の小瓶」などは夢中になって読み、現実の普通の有難さをしみじみと知った感じがしました。「ああ現実でなくてよかった。」自分の中に潜む悪や欲の芽をしっかり自覚し、制御するのに役立つのかもしれないと思いました。上質なホラーは・・・。

  • ジュニア向け怪奇・ホラー小説の傑作アンソロジーとして刊行された「八月の暑さの中で」が好評だったようで、の第2弾。

    アンソロジー諸書に頻繁に収録されるようなマスターピース的作品が並んだ第1弾だったが、今回はそれと少々趣を変えてきたのか、有名作家のものではありながら、さほど知名度の高くない作品が多い―という印象。そのためか、一般向け書籍で同作品が収録された文献を探すと作家個人の短編集なことがほとんどで、かつ絶版が多い。
    ……とはいっても、デ・ラ・メア「不思議な話」はアンソロジーの定番だし、ダールによる表題作やブラッドベリの「湖」は、間違いなく彼らの代表作の一つであって有名過ぎるくらいな作品ではあるのだが。

    詳しくはこちらに。
    http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2012-09-20

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著者プロフィール

(かねはら・みずひと)
岡山市生まれ。法政大学教授。翻訳家。ヤングアダルト小説をはじめ、海外文学作品の紹介者として不動の人気を誇る。著書・訳書多数。

「2025年 『メイジー・チェンのラストチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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