南から来た男 ホラー短編集2 (岩波少年文庫)

制作 : 金原 瑞人  金原 瑞人  佐竹 美保 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001146059

感想・レビュー・書評

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  • 「八月の暑さのなかで」(あれ?これってもう2年前なんだ?)がよかったので、ホラー短編集2であるこちらも、迷うことなく、買い。

    11本収録。
    怖さもいろいろである。

    ポー原作、金原瑞人本案の1本めは、少々ノリ過ぎの感もあるけれど、まあご愛嬌かな、と。
    ロアルド・ダール、オー・ヘンリーはさすがの仕上がり。

    ブラッドベリ「湖」は、そうそう、私にとってのブラッドベリってこの感じだったのだ、と思い出す。
    夏の終わりの、まだもう少しその中にいたい、さびしい感じ。

    フォークナーの「エミリーにバラを一輪」は、初読ではないはずだけれど、やっぱり怖い。この怖さは身につまされる怖さだ。こんな話、現実にも稀になくもないではないか。そして、恋を知る女性には、誰しもあり得るではないか?

    スティーヴンソン「小瓶の悪魔」は、ストーリー展開がよく出来ている。よく出来た口伝えのお話のようだ。

    最後をしめる「隣の男の子」は、巨匠たちの中にあって1つだけ現代ものであるが、若々しくリズミカルで、オチが冴えている。

    ああ、楽しかった。

  • 異色作家短篇集にはまっていて、ドキドキハラハラを求めて購入。やはり少年少女向けなのでそこまで怖くはなかったです。
    「エミリーにバラを一輪」は狂気じみていて子供向けではない気もしますが(苦笑)ブラッドベリの「湖」はお話は怖いというより切ない系でした。スティーブンソンの「小瓶の悪魔」は不幸の手紙みたいだなと思いました。最後に瓶を手に入れたおじさんの台詞(「瓶なんざなくても俺の地獄行きは決まってんだ」的な)は何気にかっこよかったです。

  • ホラー短編集。だいぶ前に実は映画で「ライフ・オブ・パイ」が話題になったころにポーの原作「ナンタケット島…」を読んだ。それとスティーブンソンの「小瓶の悪魔」も再読したくて同じころにこの本を手にしていた。金原さんの訳は読みやすいし最初のポーの翻案も面白いと思う。この短編から、チョイスされている作家の本の読書に誘えるな、ときっかけの一つになる本としても利用したい。

  • ホラー短編集の第一弾がなかなかよかったもので、夏のうちに第二弾で肝試ししようと手に取った。
    1話目はまた金原氏による翻案もの。若干描写がグロかったものの、それほど気にならず作品世界に引き込まれた。
    ロアルド・ダール、O・ヘンリー、H・G・ウェルズ、デ・ラ・メア…大御所達による、幻想的かつ不気味で不思議な短編が続く。ブラッドベリの「湖」は、萩尾望都さんによるマンガ作品を既に読んでいたが、萩尾さんがどれだけ原作に忠実にマンガ化していたかが改めてよくわかる。金原氏の訳も素晴らしく、透き通った薄気味悪さみたいな空気がたまらない。
    一番長い「小瓶の悪魔」は、金原氏があとがきで「説明も解説もなし」と述べるのも納得な面白さ!天国と地獄は隣り合わせということが嫌というほど実感でき、ハラハラ、ドキドキ感ハンパない。よめそうでよめない結末までの描写もスリリング。
    本邦初訳のアメリカYAもの、ラストの「隣の男の子」もまた違う意味でスリリング。いまどきなライトなノリで読めるが、結末には「!!!」となること間違いなし。
    どの短編も、ラスト数行で度肝抜かれます。第一弾の短編集を読んだ時も感じたけど、今回も構成の見事さにただただ感服。
    全て読み終えてから表紙をじっくり見てください。これはあの作品のあの人物…!と、思い出しながらぞわぞわして欲しい。

  • 久しぶりの金原訳&岩波少年文庫。
    課題関係で借りたので、せっかくだから全部読んでみた。

    基本的にはホラーというよりはちょっと怖い話。
    ただ、たまに救いのある話もまざっている。
    色んな作家の作品がよりどりみどりで面白い。

  • おばけ的なホラーではなく怪奇小説。

    話としては怖さはないので、そういうのを期待しているとちょっとがっかり。
    映像としてイメージしたり、自分が主人公になったとしたら怖い…。
    全体的にはっきりとした落ちのない不思議な雰囲気の話が多かった。

    「小瓶の悪魔」は売るにも限度があって、お互いを思いやるためにどちらかが死ぬのかとハラハラさせられた。
    アラビアンナイトとかそういう昔話によくありそうな展開、結末で、ハッピーエンドで一番好きな短編。

    「隣の男の子」は、先生を殺したのは自分だとい言う主人公。
    助かりたいために作った嘘なのか事実なのか読めないままのところへ更なる落ちが効いていて面白かった。
    最初相手の男の子が実は先生を殺していた…?と思ったけれど違った。

    表紙の絵にそれぞれの話に登場してきた人たちが出ているのも面白い。

  • 面白かったです。怖いお話が苦手でホラーの良さがわからなかった私ですが、「南から来た男」や「悪魔の小瓶」などは夢中になって読み、現実の普通の有難さをしみじみと知った感じがしました。「ああ現実でなくてよかった。」自分の中に潜む悪や欲の芽をしっかり自覚し、制御するのに役立つのかもしれないと思いました。上質なホラーは・・・。

  • 表題作が一番印象に残る。
    よく使われるネタのような気もするが、ダール氏がこういう話を書くとは知らなかったので、衝撃。
    他の話も、ぞくっとするものだったり切ないものだったり、それなりに面白かった。

  • 編訳者の金原瑞人が多数の作家の中からえらんだ短編が11編収録。
    おもしろい話と、そうでないものがある。
    金原さんが翻訳してる作品はたくさん読んでますが、この人はあとがきが上手いよね。

    タイトルにもなっている「南から来た男」はロアルド・ダールの作品で、これはおもしろかったな。
    他のは、有名作家もいるけど、ラストがよくわかんないな。
    ロバート・ルイス・スティーブンソンの「小瓶の悪魔」はよかったな。悪魔が願いをかなえてくれる、ただし・・って。この本の中ではいちばんながい物語でした。

  • 全体的にホラーというより死にまつわるもの哀しさの印象が強かった。「家具つきの部屋」や「湖」が切なかった。いわゆるホラーな感じの話は先が読めてしまうのがちょっともったいなかった。

    「小瓶の悪魔」は単行本で読んだことがあったけど、こちらの方が入り込めた気がする…ゆっくり読み比べてみたい。

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