走れ、走って逃げろ (岩波少年文庫)

制作 : 母袋 夏生 
  • 岩波書店
4.23
  • (10)
  • (12)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 83
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001146141

作品紹介・あらすじ

第二次世界大戦下のポーランド。ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れるなか、8歳のスルリックは、ゲットーの外へ脱出する。農村と森を放浪する過酷なサバイバル。少年は片腕と過去の記憶を失うが…。勇気と希望の物語。中学生から。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ブク友さんの本棚でお見かけして手に取りました。
    この本には、ユダヤ人の少年がたったひとりで生き抜く姿が書かれています。

    ナチスの迫害から逃れるため、ただひたすら逃げるユダヤ人の少年。
    でも、少年が嘆き悲しむ姿はそこにはほとんどない。
    そんな余裕なんてないのだから…
    泣いている暇があったら逃げろ!
    そして生きるんだ!
    いや、「生きる」とかいう観念すらないのかもしれない。
    常に命の危険にさらされ 将来はもちろん、明日の命もあるかどうかわからない…
    ただ、今この瞬間だけは生きている。
    それしか感じられない。

    壮絶な逃亡生活の中、彼が出会った様々な人々。
    温かな心を持ったドイツ兵との、つかの間のふれあいが忘れられない。
    「戦争め」この短い一言が心を抉る。
    そして、片目のまわりが黒いぶちの犬、アゾールとの出会いとつらい別れも…。

    自分の名前を忘れてしまうほどの恐怖や哀しみは、想像すらできない。
    それが淡々と書かれていることに、なお深く胸が締めつけられる。

    比べるのもおかしいけれど、
    ほんの少し辛くても、悲しくてもすぐ泣いてしまう自分には、
    まだ涙を流す余裕があるのだと思い知らされた。
    この本を読むことができて、良かった。
    心から感謝します。

    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~^^

      その後、ネットの調子はどうですか?
      この前読んでいるアウシュヴィッツって、『アウシュヴィッツの図書館』...
      けいちゃん、こんばんは~^^

      その後、ネットの調子はどうですか?
      この前読んでいるアウシュヴィッツって、『アウシュヴィッツの図書館』だったんだね。
      私も読みたい本の一冊です。
      でも、かなり体力使いそうで尻込み中…
      ただ、いつか読まなくてはいけない本だと思ってるの。
      私は知らないことがありすぎるから。

      「僕の名前はズッキーニ」タイトルだけは知ってたの。
      たしかアカデミー賞ノミネート作品だったよね?
      さっきサイトであらすじ読んだら…
      けいちゃ~ん、『アウシュヴィッツ』からすぐこの映画って、
      大丈夫?

      映画、観に行ってないなぁ…。
      昔は洋画が大好きで、毎月『ロードショー』買ってたっけ。
      あの時代の映画もたくさん観たの。
      一番泣いたのは、「ライフ・イズ・ビューティフル」
      「大脱走」や「鷲は舞い降りた」は何度見たかわからない。
      あとあまり有名ではないかもしれないけど、「時計台の騎馬像」も良かった。(これはドラマかも)
      いつもけいちゃんの好きな映画や、感想聞きたいなって思ってるんだけど、
      お互い映画の話始めたら止まらなくなるかもね!
      おススメあったら教えてね!

      では、またね~(^^)/

      *おまけ*
      本屋大賞ノミネート作品、ヒントね(^_-)-☆
      すごくちっちゃい頃(←強調・笑)アニメがあったの。
      「チョビン」知ってるかな?
      2018/03/29
    • けいたんさん
      こんにちは(^-^)/

      ネットね、調子が悪いというか、今まで使っていた回線が使えなくなってね、それで色々不便になって。
      環境がよく...
      こんにちは(^-^)/

      ネットね、調子が悪いというか、今まで使っていた回線が使えなくなってね、それで色々不便になって。
      環境がよくなることはしばらくないだろうなって思ってる。
      その事でちょっと嫌な思いしてね。
      それが辛かったね。

      「僕の名前はズッキーニ」知ってるんだ⁉︎
      嬉しいなぁ。
      そうそう、アカデミー賞ノミネート作品。
      世界観がとてもよかったよ。
      次は楽しい作品をって思うけど、やっぱり私はダークが好きなのかな(*≧艸≦)

      うさちゃん、そんなに映画好きだったの⁉︎
      私なんかより凄いよ!「ライフ・イズ・ビューティフル」は名作だよね(⁎˃ᴗ˂⁎)
      私もうさちゃんに観た映画を紹介したいわ。
      インスタ始めようよ〜(笑)
      うさちゃんなら素敵な写真も撮れそうだなぁ。

      「チョビン」は大好きでお人形も持っていたよ(笑)
      私もたぶん小さかったね!
      ヒントありがとう。
      2018/04/08
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      そうだったんだ…
      私、ネットのことはホントよくわからなくて、
      プロバイダーさんを変えればすぐ回復するも...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      そうだったんだ…
      私、ネットのことはホントよくわからなくて、
      プロバイダーさんを変えればすぐ回復するものだと思ってたの。
      嫌な思いまでしたのに、まだしばらく続きそうなんて辛いね…。
      それなのに、コメントたくさんありがとうね!!

      私も最近またエラー画面の回数が増えて、
      一生懸命書いた感想やコメント、投稿しようとしてエラー!(>_<)
      本当にがっくりしちゃう。

      映画すごく好きだったの~
      最近の作品はあまり詳しくないけど、大昔の映画ならまかせて!(笑)
      恋愛も、アクションもなんでもござれだったわ。
      若かったね~うふふ。

      そう、インスタね、
      この前友だちがやってるって話したと思うんだけど、
      その子が最近突然やめてしまって。
      楽しそうだったのに何で?って聞いたら、なんか疲れちゃったらしくて。
      彼女に以前、○○○には(←私の名前)向かないと思うよって言われたことがあってね。
      写真の腕が全くないからか(笑)?と思ってたんだけど…。
      ブログのほうがのんびりできるのかなぁ…
      でもなんか新しいことも始めてみたいんだよね。
      素敵な写真が撮れそうなんて言ってくれてありがとう!
      絶妙にボケた写真を撮る技あります!(*≧艸≦)

      チョビン、可愛かったよね♪

      ではでは~^^
      2018/04/09
  • とあるフリーペーパーでレビューを読み、猛烈に読みたくなった。突き動かされるように即取り寄せ、即読んだ。本当に、出会えたことを感謝する!と大きな声で言いたくなるほど、感動した。
    第二次大戦下のポーランド。8歳の少年スルリックは、ユダヤ人強制居住区で家族と生き別れになり、そこから生き延びるための壮絶な日々が始まる。盗み。森の中でのサバイバル。思いがけない場所での父との一瞬の邂逅で、父から今後の身の振り方を教えられ、スルリックはユダヤ名を捨て、「ユレク」として生きていく。様々な出会いと別れを繰り返し、捕まっては逃げ、その途中で片腕を失い…過酷な日々の中、ユレクは自分の本当の名、家族の名を忘れていく。
    まず、ユレクが実在の人物だったということに驚く。わずか8歳の少年が対峙するにはあまりに酷い現実。それでも彼は悲嘆にくれることなく、生きていくための術を次々と身に着けていく。その柔軟さには脱帽!とはいえ、脱穀機に腕を挟まれ、ユダヤ人ということで手術を拒否されて片腕を失い、さすがのユレクも涙にくれるシーンは辛かった。それでも、何とか片腕でも生きていけるよう、バランスを取るための走ったり飛んだりの練習を繰り返すなど、めげずに前を向く彼のメンタルの強靭さにまた脱帽。その場所その場所で、必ず何かを習得し、確実に成長しているのである。
    あまりにも凄絶な状況下、当然ユレクに対する冷たい仕打ちはたくさんあれど、温かく迎え入れた人々もいた。それはひとえに、彼の賢さ、そして持ち前のあどけなさ、何より「生きたい」というひたむきさに心打たれたからだろう、敵のゲシュタポの士官さえ、彼を生かしたのだ。「追い打ちをかけてくる恐怖と飢え、死と生が不条理にとなりあっていた時代、生きのびるには意志と体力と知恵と、もうひとつ、運が必須条件です。」訳者あとがきの一文の通り、運を引き寄せたのは正にユレクの気持ちの強さだと思う。
    映画版のタイトル「ふたつの名前を持つ少年」に比べると、原作のタイトルも表紙も若干地味かな、と読む前は思っていた。だけど読んでみて…まさに、「走れ!走って逃げろ!」と呼びかけたくなる状況のオンパレードなのである。4章ラスト「ぼうや、走るんだよ、走って逃げなさい」の一文が本書の内容を言い表しているなと思った(原題はRUN BOY,RUN)。そして表紙絵、一見シンプルだけど力強いタッチ、白がメインだけどよく人物(ユレクの後ろ姿)を見ると、さり気なく赤や黄色、青など様々な色が使われている。彼が得てきたことや経験したことが色で表現されているような気がした。
    海外文学は敷居が高くて…と尻込みしている人に是非手に取って頂きたい。私も最近翻訳ものはご無沙汰だったけど、児童文学ということもあり読み易く、最初から引き込まれること間違いなし。映画版も是非見たい。読了後、予告編を動画で見て、見事な映像化に心が震えた。活字で追ってきたいくつかの場面が鮮やかに甦り、涙が止まらなかった。
    何度も何度も読み返したい、幅広い世代に読んでほしい名作です。

    • メイプルマフィンさん
      くんくんさん:うわぁ、嬉しいコメントをありがとうございます!!私も、この本を紹介してよかったな~と思いました。
      予告動画も見てくれたとは更...
      くんくんさん:うわぁ、嬉しいコメントをありがとうございます!!私も、この本を紹介してよかったな~と思いました。
      予告動画も見てくれたとは更に嬉しい。先日、映画版をレンタルしてみました、素晴らしかったです。ユレク役の子がかわいらしく、そして逞しかった!長い物語をうまくまとめて映像化してました。機会があれば映画版も是非!
      2016/11/24
    • 杜のうさこさん
      メイプルマフィンさん、こんばんは~♪
      おひさしぶりです!

      この本、メイプルマフィンさんのレビューで読みました。
      すごく、すごく良か...
      メイプルマフィンさん、こんばんは~♪
      おひさしぶりです!

      この本、メイプルマフィンさんのレビューで読みました。
      すごく、すごく良かったです。
      ありがとうございました!

      それと、もうだいぶ前にお話ししたコッペパンの本も。
      読んだのはだいぶ前なんですが、感想を書くのが遅くなってしまって、やっとご報告できます。

      吉田パン、行きましたよ~(*^-^*)。
      でもね、なんか想像していたより小さいのですよ。
      以前TVで見た福田パンは、お顔よりも大きいような気がしていて…。
      想像を膨らませすぎたせいかもと思ったら、
      東京だからと、あえて少し小ぶりにしているんですね。
      (いや、べつに小ぶりにして下さらなくていいのに~・笑)
      やっぱり福田パン!いつか必ずゲットするぞ!と誓ったのであります(#^^#)

      ではでは~(^^)/
      2018/03/14
    • メイプルマフィンさん
      杜のうさこさん:お久しぶりです!嬉しいコメントありがとうです~、紹介した甲斐があるってもんです(^^)
      コッペパンの本も読んでくださって嬉...
      杜のうさこさん:お久しぶりです!嬉しいコメントありがとうです~、紹介した甲斐があるってもんです(^^)
      コッペパンの本も読んでくださって嬉しい!東北のスーパーに卸している福田パンと似たようなタイプのデカいコッペパンは、一時期セブンイレブンで見ました。(コンビニの品揃えって全国同じ?)でも福田パンは、是非店舗で食べて頂きたいわ♪
      昨年上京したとき、上野のイアコッペに行きました。おいしかったですよ~!
      2018/03/14
  • ユダヤ人の8歳の男の子ユスフが、ユダヤ人迫害から一人で逃げ、生きていく姿。
    ユスフの様子を見ていると、子どもというのは愛を内包して生まれてくるんだなあと思う。
    ユスフは父親を目の前で殺され、母や家族とも別れ、一人で逃げ森などで暮らすのだが、常に明るさや好奇心を失うことなく、すべての出来事の中に楽しみ(興味)を見つける。そして接する人々に愛されるのだ。
    事故で右腕を失ったりと辛い場面もあるが、基本的には読んでいる間中は、なんていうか”愛”を感じられてのめりこんだ。

  • 映画「ふたつの名前を持つ少年」を観た時からずっと気になっていたけれど、ようやく読んだ。
    人種や宗教をこんなに幼いうちに考えさせられるというのは過酷だなぁ。
    ユレクは幾度となく追われるけれど、同じくらい助けられもした。そのなかでも家を燃やされながらもかばい続けてくれたレジスタンスの家族を持つ女性の件は何度読んでも胸が痛くなる。彼女の行いは尊いけれど、自分は果たして同じ行動をとれるかと言ったらおそらく無理。

  • 図書館で。
    ホロコースト時代を何とか生き延びた男の子の話…と書くとあまりに簡潔ですがそういう本。都市部よりは田園というか田舎の方が食べ物がある分、生きのびる余地があったのかなぁなんて思うと共に、戦争はいやだな、とつくづく思いました。

    彼が保護されて家族のその後を知れたのは良かったな。なんでこんな悲劇が起きてしまうのか。こういう話は忘れてしまってはいけない事なんだよなぁなんて思いながら読みました。

  • 最後の父親との約束「お前は生き残らなくちゃいけない、どうしても」
    8才のユダヤ人少年がユダヤ狩りから逃げて逃げまくる壮絶な4年間 
    少年はポーランド農民、ドイツ兵、ゲシュタボ士官、ソ連兵たちに助けられる
    彼は、死ぬことへの恐怖はない 神がいないことは明白だ 純粋な生への渇望だけが圧倒的に存在する 
    片腕を失い、自分のほんとうの名前も忘れ、終戦になってもなお「ぼくはユダヤ人じゃない」といいきる この言葉が重く胸に刺す つくづく思う、よくぞ、生き延びた  
    映画「ふたつの名前を持つ少年」 原題:Run Boy Run 
     

  • 大人になって読んだので、第二次大戦下のユダヤ人や、ポーランドでの人々の暮らしを垣間見るという意味でも興味深いけど、そういうことは関係なく、ひとりの少年が自分自身の力で生き延びていく冒険譚としてもおもしろかった。スルリック/ユレクが出会う人々の多様さと、出会って関わって、けれどすぐに別れがくる、その様子が印象的。

  • 昨年公開の映画「ふたつの名前を持つ少年」の原作。
    映画も観たい。

  • ポーランドに住むユダヤ人の少年の、第二次大戦体験。
    未曾有の安楽な時代に自分は生かしてもらえている。

  • ナチスドイツから逃げ延びた戦争孤児がいたことは知っていたけれど、その子ども目線で書かれたものは初めて読んだ。ただ生きるために、必死に知恵と体を使い、ときには人々の親切に助けられ、逃げのびてゆくうちに、本当の名前も、親の顔さえも忘れてしまうのだ。実話だということに、思わずため息が出る。
    こういうものを読むたびに思うことだが。私はちゃんと「親切にできる」側の人間でいられるだろうか。真に、正しい行動をとれる人でありたいと、切に願う。

全14件中 1 - 10件を表示

走れ、走って逃げろ (岩波少年文庫)のその他の作品

走れ、走って逃げろ 単行本 走れ、走って逃げろ ウーリー・オルレブ

ウーリー・オルレブの作品

ツイートする